労務の目
2015.5
月号
これから企業に求められる
「
過労死等防止対策
」
採用ルール変更!
活用を検討したい
「
インターンシップ
」
通常国会に提出された
「
労働基準法改正案
」
のポイント
ついに法案提出!
労働基準法等の一部を改正す
る
法律案
(労働基準法改正案)
が、
4
月
3日に通
常
国会に提出
さ
れ
ました。
法案の内容は企業
の労務管理にとって
非常
に影響
が大きいものであり、
4
月
下旬
に審議入りとな
る
見通しです
が、
今国会で成立す
る
かは不透
明な状況だとも言
われ
ていま
す。
改正案の
ポ
イント
(1)
中小
企
業における月
60時間
超の時間外労働に対する割
増賃
金
の見直し
月
60時間を
超
え
る
時間外労働
に係
る
割増賃金率
(
50%以上)
に
ついて、
中小企業への猶予措置
が廃
止
さ
れ
ます。
(2)
著しい
長
時間労働に対する
助言指導を強化するための
規
定
の新設
時間外労働に係
る
助言指
導
に
あたり、
「
労働者の健康が確保さ
れる
よう特に配慮しなけ
れ
ばな
らない」
旨が明確にさ
れ
ます。
(3)
一定日数の年次
有給
休暇の
確実な取
得
会社は、
10日以上の年
次有
給
休暇が付与さ
れる
従業員に対
し、
5日について、
毎年、
時季を
指定して与えなけ
れ
ばならない
こととさ
れ
ます
(労働者の時季
指定や計画的付与により取
得
さ
れ
た年
次有
給休暇の日数分につ
いては指定の必要はありませ
ん)
。
(4)
企
業単位での労働時間等の
設定改善に係る労使の取組促進
企業単位での労働時間等の設
定改善に係
る
労使の取組みを促
進す
る
ため、
企業全
体
を通じて
一の労働時間等設定改善企業
委
員会の決議をもって、
年
次有
給
休暇の計画的付与等に係
る
労使
協定に代え
る
ことができ
る
こと
とさ
れ
ます。
(5)
フレックスタイム制の見直
し
フレ
ッ
クスタイム制の清算期
間の上限が
「
1カ
月
」から
「
3カ
月
」に
延
長さ
れ
ます。
(6)
企
画業
務
型裁量労働制の見
直し
企画業務型裁量労働制の対象
業務に
「
課題解決型提案
営
業」
と
「
裁量的に
PDCA
を回す業務」
が
追加さ
れる
とともに、
対象者の
健康確保措置の充実や手
続
きの
簡素化等の見直しが行
われ
ま
す。
(7)
特定高度専
門
業
務
・成果型
労働制
(高度プロフェッショナ
ル制度)
の創設
職務の範囲が明確で一定の年
収(少なくとも1,
000万円以
上)
を
有
す
る
労働者が、
高度の専
門的知識を必要とす
る
等の業務
に従事す
る
場合に、
健康確保措
置等を
講
じ
る
こと、
本人の同意
や
委
員会の決議等を要件とし
て、
労働時間、
休日、
深
夜
の割増
賃金等の規定が適用
除
外とさ
れ
ます。
また、
制度の対象者について、
在社時間等が一定時間を
超
え
る
場合には、
会社は、
その者に必ず
医師によ
る
面
接
指
導
を受けさせ
なけ
れ
ばならないことさ
れ
ま
す。
施行日は?
法案が成立した場合の施行期
日は
平
成
28年4
月
1日ですが、
上記
(1)
については
平
成
31年4
月
1日とさ
れ
ています。
通常国会に提出された
過労死等の定義
過労死等とは、
「
業務に
おけ
る
過重な負荷によ
る
脳血管
疾
患若しくは心臓
疾
患を
原
因とす
る
死亡若
しくは業務におけ
る
強い
心理的負荷によ
る
精
神
障
害を
原
因とす
る
自殺によ
る
死亡又はこ
れ
らの脳血
管
疾
患若しくは心臓
疾
患
若しくは精
神
障害」
と定義
さ
れ
ています
(厚生労働省
資料)
。
「
過労死等防止
対策推進法
」
が成
立!
脳・心臓
疾
患に係
る
労
災支給決定件数のうち、
死
亡に係
る
件数は160件
に至り
(
平
成
14
年度)
、そ
れ
以
降
も100件を
超
えて
推
移
しています。
また、
精
神
障害に係
る
労
災支給決定件数のうち、
自
殺(未遂を含む)
に係
る
も
のは
平
成
18
年度以
降
60
件
を
超
えて
推
移
しており、
平
成
24
年度には
93
件に上っ
ています。
このような過労死等が、
本人はもとより、
その遺族
または家族のみならず日
本社会にとっても大きな
損失であり、
社会問題に
なってい
る
ことを受け、
昨
年6
月
に「
過労死等
防止
対
策
推
進法」
が成立し、
同年
11
月
1日から施行さ
れ
て
います。
大綱の位置付けと
骨子案の
ポ
イント
上記の新法では、
過労死
等の
防止
のための対策を
効果的に
推
進す
る
ための
大綱を定めなけ
れ
ばなら
ないと規定さ
れ
てい
る
こ
とから、
「
過労死等の
防止
のための対策に関す
る
大
綱(案)
骨子」
が4
月
6日に
発
表さ
れ
ました。
国が取り組む対策とし
て、
主に以下のことが挙げ
ら
れ
ています。
・職
場
環境や実態の把握と
過労死や病気との
関
係
調
査研究等
・
企
業や労働者への啓発
・相談体制の整備等
企
業に求められる
今後の取組み
企業には、
国が取り組む
対策に協力す
る
こと、
そし
て主に以下のような対策
が
求
めら
れ
ます。
・
長
時間労働の削減のため
の対策
・過重労働防止対策に必要
な知識を習
得
するため、
事
業主や労
務
担当者を対象
にしたセミナーの実施
・年次
有給
休暇の取
得
促進
・職
場
の
パ
ワーハラス
メ
ン
トの予防・
解
決のための
周知・啓発
大綱は夏頃までにまと
めら
れる
予定ですので、
企
業にはその大綱に沿った
具
体
的な対策が
求
めら
れ
る
ことにな
る
でしょう。
これから企業に求められる
新ルールでの
採用活動が始まっ
た!
2016年
卒
業者を対
象とす
る
新
卒
採用から、
一
般社団法人日本経済団
体
連合会
(経団連)
の採用選
考に関す
る
指針により、
「
広
報
活動」
開
始が3
月
1
日以
降
、「
選考活動」
開
始が
8
月
1日以
降
と、
採用スケ
ジュールは大
幅
に
後
ろ
倒
しさ
れ
ています。
採用のための選考期間
が短期間とな
る
ことから、
「
就職活動の期間短縮で、
学
生に会社を知ってもら
う機会が少なくな
る
」と、
危機感を募らせ
る
企業も
少なくありません。
拡大が見込まれる
インターンシップ
このような状況を受け、
今
後
は、
インターンシ
ッ
プ
の活用が活
発
にな
る
こと
が予想さ
れ
ています。
株式会社リクルート
キ
ャリアが行った、
201
4年度のインターンシ
ッ
プに関す
る調
査(2015
年4
月
6日公表
『
就職白
書
2015-インターン
シ
ッ
プ編-』
)では、
201
4年度にインターンシ
ッ
プを実施した企業は
55
・
5%と、
2013年度の
46
・0%より9・5ポイ
ントも増加しました。
また、
インターンシ
ッ
プ
参加の
学
生も
26
・9%と、
2014年
卒
よりも3・
0ポイント増加していま
す。
うち
14
・
8%がインター
ンシ
ッ
プ参加企業に入社
予定となっており、
参加企
業ではないが同業種企業
への入社予定の
25
・2%
と合
わ
せて4割がイン
ターンシ
ッ
プ参加業種へ
入社予定です。
課題も多い
ただし、
「
現在、
日本国内
のインターンシ
ッ
プは量
的な普及が不十分であ
る
と同時に、
十分な教育的効
果を
発
揮す
る
ためのプロ
グラムの質が保証さ
れ
て
いない。
その結果、
学
生、
企
業、
大
学
のそ
れ
ぞ
れ
がイン
ターンシ
ッ
プに対して積
極的とは言えない状況に
あ
る
」(経済産業省
『
教育的
効果の高いインターン
シ
ッ
プの普及に関す
る調
査
報
告
書
』平
成
26
年3
月
)
とさ
れ
ており、
多くの課題
があ
る
というのも事実で
す。
「
企業側も戦略的に取り
組むことで大きなメリ
ッ
トを享受でき
る
」(経済産
業省インターンシ
ッ
プ普
及促進シンポジウム)
イン
ターンシ
ッ
プ、
諸課題の解
決を図りながら、
上手に活
用す
る
方法を検
討
したい
ものです。
そ
れ
が上手な採
用にもつながります。
採用ルール変更!
活用を検討したい
すべての事業主が
対象に!
改正障害者雇用促進法
に基づく
「
障害者に対す
る
差別の禁
止
に関す
る
規定
に定め
る
事項に関し、
事業
主が適
切
に対処す
る
ため
の指針」
(障害者差別禁
止
指針)
と、
「
雇用の分野にお
け
る
障害者と障害者でな
い者との均等な機会若し
くは待遇の確保又は障害
者であ
る
労働者の
有
す
る
能力の
有
効な
発
揮の支障
となってい
る
事
情
を改善
す
る
ために事業主が
講
ず
べき措置に関す
る
指針」
(合理的配慮指針)
が、
3
月
25
日に厚生労働省より公
表さ
れ
ました。
「
障害者差
別
禁止
指針
」
の
ポ
イント
この指針では、
すべて
の事業主を対象に、
募集・
採用、
賃金、
配置、
昇進・昇
格、
教育
訓
練等の項目に関
して、
障害者であ
る
ことを
理由とす
る
差別を禁
止
す
る
こと等を定めています。
例えば、
募集・採用にあ
たって、
障害者であ
る
こと
を理由として、
採用の対象
から排
除
す
る
こと、
障害者
に対してのみ不利な条件
を付すこと、
採用基準を
満
たす人の中から障害者で
ない人を優
先
して採用す
る
こと等は禁
止
さ
れ
ます。
ただし、
積極的差別是正
措置として障害者を
有
利
に取り扱うこと、
合理的配
慮を提供し、
労働能力等を
適正に評価した結果、
異な
る
扱いを行うこと等は、
差
別には該当しません。
「
合理
的配
慮指針
」
の
ポ
イント
この指針では、
すべての
事業主を対象に、
募集や採
用時には障害者が応募し
やすいような配慮を、
採用
後
は仕事をしやすいよう
な配慮をす
る
こと等を定
めています。
例えば、
視覚障害者に対
しては、
募集内容について
音声等で提供す
る
こと、
視
覚・言語障害者に対して
は、
面談を筆談により行う
こと、
肢
体
不自由者に対し
ては、
机の高さを
調
整す
る
こと等
作
業を可能にす
る
工夫を行うこと、
知的障害
者に対しては、
本人の習熟
度に応じて業務量を徐々
に増やしていくこと、
精
神
障害者に対しては、
出
退
勤
時刻・休暇・休憩に関し
通院・
体調
に配慮す
る
こ
と等の配慮が会社に
求
め
ら
れ
ます。
ただし、
合理的配慮の提
供義務は、
事業活動への影
響の程度、
費用・負担の程
度、
企業の規模等を総合的
に判断し、
事業主に対して
「
過重な負担」
を及ぼすこ
ととな
る
場合は
除
くとし
ています。
厚生労働省では、
平
成
28
年4
月
の施行に向けて準
備を進めており、
企業とし
ても動向を見守
る
必要が
ありそうです。
職員の待遇改善を
厳格監視
4
月
からの介
護報
酬改
定に合
わ
せて、
介
護
職員の
待遇改善に使い道を絞っ
て支給さ
れる
加算金につ
いて、
厚生労働省は事業者
が介
護報
酬を請
求
す
る
際
の要件を厳しくす
る
よう、
都道府県などに通知しま
した。
加算を受け
る
前
後
の職
員の賃金水準を
報
告させ
る
のが柱で、
確実に給料
ア
ッ
プにつなげ
る
狙いで
す。
介
護報酬は引下げ
、
職員の待遇改善は
加算
金
で
介
護報
酬の改定により、
介
護
事業者が受け取
る
介
護報
酬は全
体
として2・
27
%引き下げら
れ
ました。
一方で、
低
賃金で人手不
足
が深刻な介
護
職員の待
遇を改善す
る
ために、
要件
を
満
たせば
月
1万2,
00
0円ほど給料ア
ッ
プでき
る
額を加算金で上積みす
る
こととなりました。
これまでは請求方法に
「
抜け穴
」
も
加算を受け
る
事業者は、
給料の改善計画と実績を
都道府県などに届け出
る
必要があります。
基本給や賞与などから
事業者が改善す
る
項目を
選び、
こ
れ
までは必要な加
算額だけ記載していまし
たが、
この方法だと例えば
基本給を増額した分、
賞与
を
減
らすなどす
れ
ば、
その
職員の給料の総額は変
わ
らなくても、
事業者は加算
を受けら
れ
てしまう仕組
みになっていました。
加算
金
の使い道を監視
この
「
抜け穴」
をふさぐ
ため、
4
月
以
降
に
求
め
る報
告では、
賞与や手当を含め
た総額の賃金水準を、
加算
の前
後
で比較でき
る
よう
にします。
基本給を上げ
る
として
加算金を請
求
したのに総
額の賃金水準が上がって
いなけ
れ
ば、
賞与などを下
げたことが
わ
かります。
計画通りに実施さ
れ
て
いない場合は事業者に説
明を
求
め、
悪質な場合は加
算金の返還を
求
めます。
2013年度の不正請
求は過去最多
ちなみに、
介
護報
酬の不
正請
求
などで2013年
度に処分を受けた事業所
は、
前年度
(120カ所)
の
1・8倍の216カ所で、
2000年に介
護
保険制
度が始まって以来、
過去最
多でした。
内訳は、
介
護
保険の指定
取り消しが107カ所、
一
定期間の事業停
止
処分が
109カ所です。
介
護報
酬
の返還対象は145カ所
で、
制裁的な加算金を含む
総額は約
12
億5,
000万
円に上りました。
厚労省が介護職員の
賃
上げの動きは
中小
企
業にも?
昨年と今年の春闘では、
政
権
の働きかけにより賃上げを実施
す
る
大手企業が相
次
ぎ、
「官
製賃
上げ」
などの言
葉
が聞か
れ
まし
た。
中小企業においても人手不
足
解消等のため、
賃上げに踏み
切る
ところがありました。
2017年4
月
からの消費税
率
10%への引上げが決定さ
れ
た
今、
中小企業におけ
る
賃金の動
向が今
後
の景
気
を大きく左右す
る
として、
注目さ
れ
ています。
そこで、
2013年度・20
14年度におけ
る三
大都
市
圏
(首都圏・東海・関西)
のパート
募集時
平
均時給と、
2009年
~2014年の企業規模別の賃
金の額に関す
る調
査結果から、
最近の中小企業の賃金の動向を
見てみましょう。
パ
ート募集時
平
均時
給
の推
移
株式会社リクルートジョブズ
が毎
月
公表してい
る調
査結果に
よ
る
と、
2014年度の
平
均時
給は959・8円で、
2013
年度の948・8円よりも
10円
以上上がっています。
特に、
年末年始の
繁
忙期には
2014年
10月
度:961円、
11月
度:999円、
12月
度:9
66円と、
3カ
月
連
続
で
平
均を
上回
る
金額となっていました。
厚生労働省が毎
月
公表してい
る
一般職業
紹
介状況において
も、
パートの
有
効
求
人倍率が前
年を上回
る
傾向が
続
いており、
時給額の上昇からは、
「
より良い
条件を提示して人材を確保した
い」
という企業の思
惑
が見てと
れ
ます。
中小
企
業の
賃金
額の推
移
厚生労働省の賃金構造基本統
計
調
査では、
毎年
常
用労働者
10
人以上の民
営
事業所を対象に
有
効回答を
得
た企業の賃金の額を
まとめています。
企業規模別の男
性
の額を比較
す
る
と、
中企業
(
常
用労働者数1
00~999人)
では2014
年:
31万2,
100円で、
201
3年:
30万9,
400円を上回
りますが、
2009年~201
4年の
平
均
31万
4,160
円は下
回っています。
また、
小企業
(
常
用労働者数
10
~
99
人)
では
2014
年:
28
万
5,900
円で、
2013
年:
28
万円
5,700
円を若干上回り、
2009
年
~
2014
年の
平
均
28
万
4,300
円
を
1,600
円上回っています。
上記を見
る
限りでは、
中小企業
全
体
に賃上げの動きがあ
る
と言
うのは難しそうです。
同
調
査の
2015
年分の結果は、
7
月
に
調
査が行
われ
た
後
、
2016
年
2 月
頃に公表さ
れる
見通しです。
中行企業の正社員にも賃上げの
動きが
波
及してい
る
かは、
その
結果を見
る
ことで確認でき
る
で
しょう。
パート時給・
新卒初任給に関する
調
査の概要
独立行政法人労働政
策
研
究・
研
修機構が全国の
15
~
34
歳
の正社員
(回答数
:約1
万人)
を対象として行
った、
「
正社員の労働負荷と
職場の
現状に関す
る調
査」
の
結果が
公表さ
れ
ました。
調
査項目は、
採用時
の状況
や賃金、
残業、
教育
訓
練
、目標
管理、
本人の
満足
度や
今
後
の
職業生活等です。
調
査結果からは、
精
神
的・
肉
体
的な労働負荷が過
重と
なってい
る
正社員が、
どのよ
うな職場環境で、
どの
ような
意識を持って働いてい
る
の
かがうかがえます。
「
大量離職大量採用
」
と
「
早期離職
」
にみられる
特
徴
長時間労働等の問題
があ
る
会社の中でも、
問題
が多い
会社の正社員に多いの
が「
入
社
3
年未
満
で管理職
に抜擢
さ
れる
人がい
る
」とい
う回答
です。
こうした会社では、
「
大量
離
職と大量採用が繰り返さ
れる
」、「
精
神
的に不
調
になり
辞め
る
人が多い」
、「
過大なノ
ルマがあ
る
」等の傾向があ
り、
また、
早期
離
職が多い職
場ではそ
れ
ぞ
れ
の項目で数
値
が多くなっています。
現在、
労働行政が厳しく対
応していくとしてい
る「
若者
の使い捨て」
に関す
る
ポイン
トが多くみら
れ
ます。
求人情報と実
際
の
労働条
件
とのギャップ
採用前に提示さ
れ
た
求
人
情報
と実際の労働条件との
間のギャ
ッ
プについての結
果からは、
正社員の
離
職割合
が高い会社や、
大量
離
職と大
量採用が繰り返さ
れ
てい
る
会社のほうが、
「
労働時間の
長さ」
「
休暇の取
得
しやすさ」
「
給与水準」
「
手当や
福
利厚生
の内容」
「
仕事の内容」
に関し
て、
採用
後
のほうが
「
悪い」
と
感じてい
る
ことが
わ
かりま
す。
残業と仕事への責任感
正社員の
離
職割合が高い
ほど、
「
仕事への責任感」
「
仕
事や成果へのこだ
わ
り」
が
低
下す
る
傾向にあ
る
一方、
無
駄
な仕事や人員不
足
が長時間
の残業の一因となってい
る
ようです。
社員が定着しない企業で
は、
仕事の進め方自
体
の見直
しも必要なようです。
労
務
問題の
解
決のために
以上から、
ハローワークに
よ
る
ブラ
ッ
ク企業について
の
求
人拒否、
労働基準監督署
によ
る
長時間労働等の問題
のあ
る
会社への監督・指
導
の強化等、
今
後
、労働行政が
厳しく対応していくとして
い
る
課題も多くみら
れる
結
果となっていますので、
会社
の労務問題の解決のため、
参
考にしてみてはいかがで
しょうか。
国家公
務
員も
朝型勤
務
に
最近、
「
朝型勤務」
を
導
入す
る
企業についてのニュ
ース
をたびたび見かけ
る
と
ころ
です。
そのような中、
政府
も国家
公務員の長時間労働の
抑制
を目指して、
今夏の勤
務時間
を「
朝型」
にす
る
方針を
示し
ました。
実施方針では、
全府
省庁の
職員を対象に、
今年7
~8
月
の勤務
開
始を1~2時
間早
めて午前7時半~8時
半と
し、
原
則として午
後
5
時前
後
の定時に
退
庁す
る
こと
を促
すとしています。
他に
「
毎週水
曜
日は
午
後
8
時までに消灯」
「
午
後
4
時
15
分以
降
に会議を設定し
ない」
なども掲げら
れ
ていま
す。
伊藤忠商事における
取組み
安倍首相は、
このよ
うな夏
季におけ
る
就業スタイ
ル変
革の取組みを国全
体
に
浸
透
させたい意向のようですが、
民間企業においても
「
朝型勤
務」
導
入はすでに広がりを見
せています。
「
朝型勤務」
導
入の事例と
して取り上げら
れる
ことも
多い伊藤忠商事では、
「
より
効率的な働き方の実現に向
けて」
として、
朝型勤務制度
を2014年5
月
より正式
導
入しました。
2013年
10月
から朝型
勤務制度のトライアル実施
を
開
始したところ、
月平
均の
時間外勤務時間が総合職で
49時間
11分→
45時間
20分と
約
10%近く
減
少したそうで
す。
伊藤忠商事の取組みでは、
午前5~9時の時間外手当
の割増率を
原
則
50%に引き
上げ、
8時前始業の社員に対
しては軽食を支給す
る
など、
導
入にあたりコストをかけ
ていますが、
夜
間の時間外勤
務時間が
減
少したことによ
り、
約4%のコスト削
減
や、
電
力使用量約6%
減
につな
がったそうです。
その他の
民間
企
業における
取組みと今後の広がり
その他の企業の取組みと
して、
リコーでも午
後
8時以
降
の残業を
原
則禁
止
とし、
午
前8時の出社を促していま
す。
さらに、
フレ
ッ
クスタイ
ム制の
導
入により、
仕事の
繁
忙具合によって早い時間に
帰れる
ようにす
る
など、
メリ
ハリのあ
る
働き方ができ
る
ようにす
る
ことで、
生産
性
向
上および残業時間
減
少を目
指しています。
他にも、
カゴメや東邦銀行
などでも朝型勤務制度の
導
入を行っており、
こ
れ
らの企
業におけ
る
残業代削
減
や各
種コスト
減
少の成功事例が
知ら
れれ
ば、
同
様
の制度を
導
入す
る
企業は今
後
ますます
増えていくかもし
れ
ません。
官民で広がりを見せる
解
釈通達における
「
契機について
」
とは?
厚生労働省は、
マタ
ハラに
関す
る
最高裁判決
(2
014
年
10月 23日)
を踏まえ
た解釈
通達
(2015年1
月
23日)
に関して、
3
月
30日に
「
妊娠・
出産
妊娠・出産
・育
児休業
等を契機とす
る
不利益
取扱
いに係
る
Q&A」
を公
表しま
した。
このQ&Aには3つ
の項
目があり、
妊娠・出産
・育休
等の事由を
「
契機とし
て」
不
利益的取扱いがなさ
れ
た場
合は違法とな
る
ことに
関し
て、
この
「
契機」
につい
て焦点
をあてたものです。
広
島
中央保健
生活協同組合事
件
この事件は、
妊娠中
の理
学
療法士が軽易な業務へ
の転
換を希望したところ、
人事異
動により
降
格とさ
れ
、育児休
業
後
も元の役職に戻さ
れ
な
かったため、
こ
れ
が妊
娠を理
由とした不利益取扱い
であ
り、
男女雇用機会均等法に違
反す
る
として勤務
先
の病院
に対して管理職手当の支払
いおよび損害賠
償
を
求
めた
事案で、
2014年
10月 23日
に最高裁が広島高裁に差戻
しを命じたものです。
この判決を受け、
厚生労働
省はい
わ
ゆ
る「
マタハラ」
を
防止
す
る
ため、
今年1
月
23日
に全国の労働局に通達
(妊
娠・出産、
育児休業等を理由
とす
る
不利益取扱いに関す
る
解釈通達)
を
発
出し、
企業
に対す
る
指
導
を厳格化す
る
よう指示しました。
原則1年以内の
不利益な取扱いは
違
法
Q&Aでは、
原
則として、
妊娠・出産・育休等の終了
から1年以内に不利益取扱
いがなさ
れ
た場合は
「
違法」
と判断す
る
としています。
なお、
1年を
超
えていて
も、
人事異動、
人事考課、
雇
止
めについて、
事由の終了
後
の
最初のタイミングまでの間
に不利益取扱いがなさ
れ
た
場合も違法となります。
不利益取扱いに
当たらない
「
例外
」
不利益取扱いに当たらな
い例としては、
例えば、
(1)
会社の業績悪化によりどう
しても不利益取扱いをしな
け
れ
ばならず、
不利益取扱い
の回避のための合理的な努
力がなさ
れ
た場合、
(2)
本人
の能力不
足
等について事由
の
発
生前から問題点を指
摘
・
指
導
していた場合等が挙げ
ら
れ
ます。
また、
有
利な影響が不利な
影響の内容を上回り、
一般的
な労働者が合意す
る
ような
合理的な理由が客観的に存
在す
る
場合も例外と判断さ
れる
可能
性
があります
(労働
者の同意、
事業主の説明が必
要)
。
いず
れ
にせよ、
具
体
的な判
断基準が示さ
れ
たことで、
事
業主は今
後
さらに注意して
対応す
る
必要があります。
「
マタハラ
」
の
判断基準が明確に!
解
釈通達における
「
契機について
」
とは?
厚生労働省は、
マタ
ハラに
関す
る
最高裁判決
(2
014
年
10月 23日)
を踏まえ
た解釈
通達
(2015年1
月
23日)
に関して、
3
月
30日に
「
妊娠・
出産
妊娠・出産
・育
児休業
等を契機とす
る
不利益
取扱
いに係
る
Q&A」
を公
表しま
した。
このQ&Aには3つ
の項
目があり、
妊娠・出産
・育休
等の事由を
「
契機とし
て」
不
利益的取扱いがなさ
れ
た場
合は違法とな
る
ことに
関し
て、
この
「
契機」
につい
て焦点
をあてたものです。
広
島
中央保健
生活協同組合事
件
この事件は、
妊娠中
の理
学
療法士が軽易な業務へ
の転
換を希望したところ、
人事異
動により
降
格とさ
れ
、育児休
業
後
も元の役職に戻さ
れ
な
かったため、
こ
れ
が妊
娠を理
由とした不利益取扱い
であ
り、
男女雇用機会均等法に違
反す
る
として勤務
先
の病院
に対して管理職手当の支払
いおよび損害賠
償
を
求
めた
事案で、
2014年
10月 23日
に最高裁が広島高裁に差戻
しを命じたものです。
この判決を受け、
厚生労働
省はい
わ
ゆ
る「
マタハラ」
を
防止
す
る
ため、
今年1
月
23日
に全国の労働局に通達
(妊
娠・出産、
育児休業等を理由
とす
る
不利益取扱いに関す
る
解釈通達)
を
発
出し、
企業
に対す
る
指
導
を厳格化す
る
よう指示しました。
原則1年以内の
不利益な取扱いは
違
法
Q&Aでは、
原
則として、
妊娠・出産・育休等の終了
から1年以内に不利益取扱
いがなさ
れ
た場合は
「
違法」
と判断す
る
としています。
なお、
1年を
超
えていて
も、
人事異動、
人事考課、
雇
止
めについて、
事由の終了
後
の
最初のタイミングまでの間
に不利益取扱いがなさ
れ
た
場合も違法となります。
不利益取扱いに
当たらない
「
例外
」
不利益取扱いに当たらな
い例としては、
例えば、
(1)
会社の業績悪化によりどう
しても不利益取扱いをしな
け
れ
ばならず、
不利益取扱い
の回避のための合理的な努
力がなさ
れ
た場合、
(2)
本人
の能力不
足
等について事由
の
発
生前から問題点を指
摘
・
指
導
していた場合等が挙げ
ら
れ
ます。
また、
有
利な影響が不利な
影響の内容を上回り、
一般的
な労働者が合意す
る
ような
合理的な理由が客観的に存
在す
る
場合も例外と判断さ
れる
可能
性
があります
(労働
者の同意、
事業主の説明が必
要)
。
いず
れ
にせよ、
具
体
的な判
断基準が示さ
れ
たことで、
事
業主は今
後
さらに注意して
対応す
る
必要があります。
今年度の
新入社員の特徴と
5
月
の税務と労務の手続
[
提出先
・
納付先
]
11
日
●源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
●雇用保険被保険者資格取得届の提出(前月以降に採用した労働者がいる場合)[公共職業安定所]
●労働保険一括有期事業開始届の提出(前月以降に一括有期事業を開始している場合)→
[労働基準監督署]
6
月
1
日
●軽自動車税の納付[市区町村]
●自動車税の納付[都道府県]
●健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
●日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
〒185-0082
板橋区高島平 5-27-1
MATSUDA マンション 207A TEL 03-6904-2021
FAX 050-3737-6526