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第2章
いわき市が進めるユニバーサルデザイン
1 本市の基本的な考え方
⑴ ユニバーサルデザインを推進する背景
近年、少子高齢化の進行、また、国際化の進展するなか、高齢者、障がい
のある人、外国人など、身体の状況や年齢、国籍などにかかわらず、すべて
の人の人格や個性が尊重され、自由に社会に参画し、安心して心豊かにいき
いきと暮らすことのできる社会が求められています。
そのためには、既存の施設や設備などのバリアフリー化を進めていくとと
もに、人々の意識や社会制度も含め、障がいの有無や年齢、国籍などにかか
わりなく、はじめから、誰もが暮らしやすく活動しやすい、人権に配慮され
たユニバーサル社会(共生社会)の実現を目指す必要があります。
⑵ 目指すべき社会の姿
本市においては、平成19年2月に「いわき市ユニバーサルデザイン推進指
針」を策定し、ユニバーサルデザインを市政推進の基本的な考え方の一つと
して位置づけ、当指針の推進により、次のような社会の姿の実現を目指して
まちづくりを進めています。
◇
◇ キキャャッッチチフフレレーーズズ ◇◇
“
認め愛、思い愛、支え愛
”
気づいたことからはじめよう!
認め愛
一人ひとりの個性を
尊重し、認め合う社会
一人ひとりの個性をお互いが 尊重し、多様性を認め合う社会
思い愛
「思いやり」を
大切にする社会
「思いやり」の心を基本としなが ら、ともに生き、助け合う社会
支え愛
誰もが自由に行動・
参加できる社会
⑶ 実現のための視点
本市においては、目指すべき社会を実現するための視点を次の5つに整理す
るとともに、施策や事務事業を推進するに当たって、ユニバーサルデザイン
が反映されているかど うかをチェッ クするための視点としても活用 してい
ます。
実現のための視点
簡
単
利用方法や内容がすぐにわかる、直感的に利用しやすいなど、利用する人の知
識や経験等にかかわらず、すべての人にとって利用しやすい、分かりやすいとい
うこと。
快
適
できるだけ楽な姿勢や十分なスペースといった使い勝手の良さがあり、誰もが
心理的な抵抗や身体的負担を感じず、さりげなく自然に利用できるということ。
安
全
間違いや危険をできる限り防止するよう配慮され、うっかりした行動や意図し
ない動作をしても、大きな事故につながらないなど、どのような状況でもすべて
の人が安全に利用できるということ。
調
和
周りから差別や偏見を抱かれることがない、さりげないデザインであるととも
に、利用したいと思わせるような美しさを備えたデザインであること。
柔
軟
一人ひとりの能力やその時々の状況に合わせて使い方が選べたり、できるだけ
多くの人や状況に対応できるということ。
10
2 本市の現状と課題
⑴ 超高齢社会の進行
本市の高齢化率(全人口に占める65歳以上人口の割合)は、平成23年10
月時点で全国平均の23.3%を1.4ポイント上回る24.7%となっており、急速
に高齢化が進んでいます。
特に日常生活に何らかの支援を必要とする割合が高い75歳以上のいわゆ
る後期高齢者は、全国平均の11.5%を1.4ポイント上回る12.9%となってお
り、本市の平成23年10月時点の65歳以上の高齢者人口は、84,063人と平成
12年と比較すると約1.2倍、75歳以上の高齢者人口においては、43,821人と
約1.5倍となっていることから、今後ますます高齢者人口・高齢化率が増加
するものと予測されます。
高齢者( 6 5 歳以上) 人口比率の推移( 各年1 0 月1 日現在)
24.7
2 4 .5
24.2
2 3 .6 2 3 .0
22.4
2 1 .8 2 1 .3 2 0 .9 2 0 .4 1 9 .9 1 9 .6
2 5 .2 2 4 .8
24.7 24.2 23.7 23.2 22.7
2 2 .1 2 1 .8 2 1 .3 2 0 .8 2 0 .3
23.3
2 3 .1
22.7
2 2 .1 2 1 .5 2 0 .8 2 0 .1 1 9 .5 1 9 .0 1 8 .5 1 8 .0 1 7 .3
0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0
平成12年平成13年 平成14年平成15年平成16年平成17年 平成18年平成19年平成20年平成21年平成22年平成23年
%
いわき市 福島県 全国
高齢者( 7 5 歳以上) 人口比率の推移( 各年1 0 月1 日現在)
1 2 .9 1 2 .4 1 2 .1 1 1 .6 1 1 .2 1 0 .8 1 0 .3 9 .9 9 .5 9 .0 8 .6 8 .2 8 .5 9 .0 9 .6
1 0 .2 1 0 .6
1 1 .1 1 1 .6
1 2 .2 1 2 .6 1 3 .1
1 3 .4 1 4 .0
1 1 .5 1 1 .2 1 0 .8 1 0 .4 9 .9 9 .5 9 .1 8 .7 8 .3 7 .9 7 .1 7 .5 0 2 4 6 8 1 0 1 2 1 4 1 6
平成12年平成13年平成14年平成15年平成16年平成17年平成18年平成19年平成20年平成21年平成22年平成23年
%
いわき市 福島県 全国
(平成24年度「いわき市の保健と福祉」より)
11
(平成24年度「いわき市の保健と福祉」より)
急速に高齢化が進む現在、日常生活や社会生活で、身体の機能低下に伴
う制約を受けやすい高齢者が、今後もますます増えていくと考えられるこ
とから、高齢者や高齢者を介護する人が快適に暮らしていけるよう、生活
環境の整備が必要になっています。
また、高齢者も積極的に社会参加し、多世代の人々が交流し、お互いに
助け合えるような、安心、安全で快適な社会づくり、地域づくりが望まれ
ます。
((平成20~24年度)「いわき市の保健と福祉」より)
いわき市の要介護(要支援)認定者数(各年4月末日現在)
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000
平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 人
要介護5(最重度の介護を 要する状態)
要介護4(重度の介護を要 する状態)
要介護3(中等度の介護を 要する状態)
要介護2(軽度の介護を要 する状態)
要介護1(部分的な介護を 要する状態)
要支援1・2(社会的支援を 要する状態)
14,033
14,380 14,867 14,602
16,296
平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 総人口 360,138 364,900 364,433 362,781 361,475 360,083 358,019 355,926 353,527 350,779 348,421 340,666
総人口 2,126,935 2,124,404 2,119,382 2,112,489 2,104,850 2,091,319 2,080,186 2,068,352 2,055,496 2,042,816 2,029,064 1,988,995
総人口 126,925,843 127,291,000 127,435,000 127,690,000 127,687,000 127,767,994 127,770,000 127,771,000 127,692,000 127,510,000 128,057,352 127,799,000 41,185 42,303 43,318 43,821
14,072,210 14,708,000 29,680 31,206 32,900 34,323 35,691 37,074 38,541 39,941
29,752,000 9,531,000 10,043,000 10,550,000 11,067,000 11,601,898 12,166,000 12,704,000 13,218,000 13,710,000
27,465,000 28,216,000 29,005,000 29,245,685 272,653 275,824
22,005,152 8,998,637
22,867,000 23,629,000 24,310,000 24,878,000 25,672,000 26,604,000
498,076 191,825 202,745 214,867 222,651 232,842 242,233 251,349 259,333 266,849
489,957 496,753 504,781 504,451 461,520 465,754 474,860 482,235
431,797 180,564
442,465 452,298
83,333 84,911 85,237 84,063 76,951 78,534 80,127 81,829
70,745 72,701 74,465 75,862
全 国
65歳以上の 高齢者人口 75歳以上の 高齢者人口 65歳以上の 高齢者人口 75歳以上の 高齢者人口 いわき市
☤は巻末用語解説参照 12
⑵ 少 子 化 の 進 行
本市の年少人口(15歳未満の人口)は、平成24年4月時点で43,421人と
なっており、平成20年度は49,836人であることから6,415人の減と減少が続
いています。
子どもを安心して生み育てることのできる、子育てしやすい生活環境づ
くりを進めるためには、まちづくりやものづくり等に、子ども、妊産婦、
母子・父子家庭等の視点を取り入れた取組みが必要であるとともに、男女
共同参画による子育ての推進や、出産後も女性が働きやすい労働環境の整
備等が求められています。
(「福島県の推計人口」(福島県)より)
⑶ 障 が い の あ る 人 の 自 立 と 社 会 参 加 の 支 援
障がいのある人が自己選択と自己決定のもとに社会のあらゆる活動に
参画できる社会環境づくりが求められています。
身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい☤といった障がい
の種類にかかわらず、障がいのある人の活動を制限し、社会への参加を
制約することのないよう、障壁のない生活環境を整えるとともに、障が
いのある人が自らの能力を最大限発揮し、自己実現できるよう支援する
ための施策の推進が求められています。
いわき市の年少人口の推移(各年4月1日現在)
40,000 42,000 44,000 46,000 48,000 50,000 52,000
平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 人
年少人口(15歳未満 の人口)
49,836
48,757
47,502
46,036
13
((平成20~24年度)「いわき市の保健と福祉」より)
⑷ 国際化の進展
本市における平成23年3月31日現在の外国人登録者数は、1,765人となって
います。なお、国籍は中国や韓国・朝鮮、フィリピン等、様々です。
外国籍市民やビジネス・観光で来訪する人など、言語や文化、風習の違
う人々にとっても、暮らしやすく訪れたくなる環境づくりが求められてい
ます。
(「いわき市統計書(平成23年版)」より) いわき市の障害者手帳所有者数(各年4月1日現在)
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年
人
精神障害者保健福祉手帳 療育手帳(知的障害者) 身体障害者手帳
19,736 20,480
20,780 21,004 20,966
いわき市の国籍別外国人登録者数( 各年3月3 1 日現在)
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
平成1 9 年 平成2 0 年 平成2 1 年 平成2 2 年 平成2 3 年
人
その他
米国
フィリピン
韓国及び朝鮮
中国
1,636 1,719
14
⑸ 東 日 本 大 震 災 に よ る 被 害 状 況
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、大地震、大津波、そして
原子力発電所事故が重なった世界に類を見ない複合災害として、本市に甚
大な被害をもたらしました。
震災後は、速やかな災害対応や復旧・復興への土台づくりが進められて
きましたが、「市民の皆様の安全・安心の確保」と「震災前にも増して活
力に満ちあふれた、世界に誇る復興再生モデルとなる持続可能なまちいわ
き」を目指し、今後も各種施策が展開されることが求められています。
東日本大震災による被害状況(平成25年3月時点)
№ 事 項 直近の集計結果
1 人的被害(3月11日現在) 死 亡 者 数 441名
2 建物被害(3月5日現在)
全 壊 7,916棟
大 規 模 半 壊 7,277棟
半 壊 25,250棟
一 部 損 壊 50,079棟
合 計 90,522棟
3 り災証明発行件数(3月8日現在) 96,713件
4 一
時
提
供
住
宅
応急仮設住宅
(3月8日現在)
市内建設戸数 ※ 3,512戸
うち市民対象 189戸
入 居 世 帯 数 189世帯
入 居 者 数 472名
5
賃貸住宅等
(3月8日現在)
世 帯 数 2,701世帯
人 数 7,521名
6
市外に避難している市民
(2月25日現在)
世 帯 数 3,571世帯
人 数 7,838名
7 いわき市内への避難者数(3月1日現在) 23,901名
8
災害・復興ボランティア
(3月11日現在)
登 録 者 数 54,358名
活動者延人数 56,023名
(いわき市災害対策本部週報(3月13日発表)より)
☤は巻末用語解説参照 15
3 指針改訂の目的・考え方
⑴ 指針改訂の目的
ユニバーサル社会の実現には、継続的な取組みが必要であり、日々の変
化に対応し、その時々で最も快適なものを追求していかなければなりませ
ん。また、平成23年3月11日に発生した東日本大震災からの復旧・復興に
おいても、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れていくことも必要で
す。
当指針は策定後6年が経過していることや、東日本大震災という大きな
社会情勢の変化やそれに伴う市民ニーズ等にも対応したうえで、ユニバー
サル社会の実現を目指すため、より具体的な取組みを進めていく必要があ
ることから、当指針の改訂を行います。
⑵ 指針改訂の基本的な考え方
指針の改訂を行なうにあたり、次のような考え方に基づいて改訂を実施
します。
① ユニバーサルデザインは、見直しを繰り返すこと、決して完結するこ
とがない取組みが何より必要なことから、平成23年2月に実施したユニ
バーサルデザインに関する市民意識調査や市職員アンケート調査の結果
に基づき、得られた「現状と課題」に対する「取組みの方向」を整理す
るとともに、市がユニバーサルデザインの考えを取り入れて実施してい
る各事業を明記して、積極的な施策の展開を図ります。
② 東日本大震災からの復旧・復興には、人との絆を築くこと、また、行
政や市民、事業者等との連携や協働による「いわき」を築くことが必要
なことから、市職員、市民、事業者等へユニバーサルデザインの更なる
普及啓発を図り、ユニバーサルデザインの考え方を各種復旧・復興事業
に反映させていきます。
⑶ 「新・いわき市総合計画☤」、「いわき市復興ビジョン☤」との関係
本市が目指すべき将来の姿とそれを実現するために取り組んでいくまち
づくりの基本的な方針を定めた「新・いわき市総合計画」、東日本大震災か
らの復旧・復興に向けた考え方やプロセスや目指すべき復興の姿を明確に
した「いわき市復興ビジョン」は、ユニバーサルデザインの考え方と密接
な関係にあることから、ユニバーサルデザインの考え方を底流として位置
づけし、各種施策を展開することにより、計画の具現化及びユニバーサル
☤は巻末用語解説参照 16 いわき市復興事業計画☤
取組の柱1 被災者の生活再建
取組の柱2 生活環境の整備・充実
取組の柱3 社会基盤の再生・強化
取組の柱4 経済・産業の再生・創造
取組の柱5 復興の推進
新・市総合計画(後期基本計画)
政策の柱0 まちづくりにあたって
政策の柱Ⅰ 美しい環境を守り、育てあう
政策の柱Ⅱ 心をつなぎ、支えあう
政策の柱Ⅲ 学びあい、高めあう
政策の柱Ⅳ 魅力を育み、磨きあう
政策の柱Ⅴ 活気を生み、力を伸ばしあう
政策の柱Ⅵ 交わり、連携を強めあう
いわき市の目指すビジョン・方向性
ビジョン・方向性を受け 市が実施する具体計画 【市復興ビジョンの5つの理念】
・ 「オールいわき」「オールジャパン」によ
る復旧・復興
・ 災害に強く、安全で、安心できるまちを
目指す
・ 前例のない複合災害からの再生モデルを
世界に示す
・ 住む人も住む場所も世界から愛されるま
ちを目指す
・ 原子力災害を克服するとともに、再生可
能エネルギーの導入を推進し、原子力発電 に依存しない社会を目指す
【新・市総合計画(基本構想)】 めざしていく「いわき」の姿
・循環を基調とした、持続可能なまち ・誰もが安全に、安心して暮らせるまち ・活力に満ち、創造力あふれるまち
反
映
反
映