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PDF全ページ分割1/3 原生動物園 Vol 3 (2012年度号) 原生動物園

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(1)原生動物園. Vol. 3 日 本 原 生 動 物 学 会 若 手 の 会 Nov., 2012.. ̶̶̶原生動物に会いに行こう. 特集 原生生物151 ∼大系統分類から眺める原生生物の世界∼.

(2) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 巻頭挨拶  一昨年から始めている原生動物園も、いよいよ3号目を出すことができました。これ も、原生動物園に記事や素材を提供いただいている教育者・研究者の皆さまと、原生動 物園を読んで頂いている読者の皆さまのおかげさまです。   最初は、ほそぼそとやっていた電子雑誌でしたが、だんだんと知名度も上がってきて きました。いろいろな所で「原生動物園を読んで面白かったよ」というような声を聞く こともできたりして、とても有難く思っています。   Vol. 2では、原生動物の範囲を押し広げて、「藻類」や「教育」に関する記事を取り 入れてきました。そして、今号では、寄生性の「原虫」の仲間たちが多く登場します。 マラリア原虫やトキソプラズマに代表される寄生性の原生動物である原虫の仲間は、重 篤な病気を引き起こすことから、もっとも密接に人間社会に関わっているとも言える原 生動物です。今号の福士氏らによるReviewにも登場するトキソプラズマは、母子感染 症として注意すべき存在として、最近では、トーチの会(先天性トキソプラズマ&サイ トメガロウイルス感染症患者会)が発足され、NHKなどでも取り上げられているのを見 られた方も多いと思います。原生動物園という、原生動物を専門に取り上げている電子 雑誌として、寄生性の原虫の仲間に関する正しい知識を提供するのは、大切なことだと 考えています。今後も、原虫に関する話題を提供していけるよう努めていきます。   そして、今号のキーワードとして、原生生物(プロチスト:Protist)が登場します。 原生生物とは、原生動物のみならず、藻類・寄生性原虫・その他生物をも内包する、こ れからの原生動物学を考える上で重要な存在です。原生動物学の視点から見た原生生物 の世界について、まだまだ不明瞭ですが原生動物園から発信していければと考えていま す。山口博士による原生生物の種記載に関するReviewと、今号の特集である「原生生 物151」を通じて、原生生物という世界の懐の深さに触れてみて下さい。   加えて、琉球大学で、嫌気性繊毛虫トリミエマ原虫の細胞内共生について研究をされ ている新里博士には、とても素晴らしいReviewを寄稿していただきました。若手研究 者の読者の皆さまが、新里博士のReviewを通じて、原生動物の研究を進めていく良き 指針が得られることを期待しています。   多くの方々のご支援のおかげで、今回の原生動物園も、ちょっとしたコーヒーブレイ ク的な内容から、専門的な内容まで、充実した内容をお届けできました。原生動物に関 する知識を共有できる場として、楽しんで頂けたら幸いです。 原生動物園編集長 早川昌志. (1).

(3) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 原生動物園 Vol. 3. INDEX. 巻頭挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 1 目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 2 Review「Toxoplasma gondii ∼三日月に恋してる∼」   福士路花・松原立真・永宗喜三郎・・・・・・・・・・・P. 3-7 Column「光る大腸菌の思い出」   早川(芝野)郁美・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 8 Review「原生生物(プロティスト)の新種を記載するには」   山口晴代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 9-15 Column「原生動物 じゃない ミクロな動物たち」   早川昌志・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 17-18 Review「嫌気性繊毛虫トリミエマ原虫に見る三者間共生系」   新里尚也・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 19-38 Column「嫌気性微生物の取扱いと培養法」   新里尚也・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 39-40 特集「原生生物151」   ∼大系統分類から眺める原生生物の世界∼・・・・・・・P. 41-72 要旨集「原生動物フェスティバル     &第12回日本原生動物学会大会若手の会」・・・・P. 73-76 Column「ゾウリムシぬいぐるみの作り方」   Mad洲崎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 77-78 巻末特集「マイクロコント 第3話 春が来た」   早川(芝野)郁美・早川昌志・・・・・・・・・・・・・P. 79 巻末後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P. 80 (2).

(4) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). ƒhbv_ƁbvíȎwȝb}`„qtz¶©tŧsŒ˜E w‹ȤǪ~xv‹jqq_wĪb†yĢ×zßȭ—Ųtv[“E p}ɑɏǥz¢Ê±À`‹\Dq‡‘z[E . Toxoplasma gondii. KŠǵĶ{Ɉjv“K. ȓťɊöFƕĺȿƥFæƈĐŠɌ ŔȿċƹƖķĜƐĒƱǫȕȑ ǘǻǐăǐăãƱȪČĤôăķĜô.   µ¡­ÀΫÅ~ĒƱǚwZ“E º¥ôƱȕ}ǙwȵƯƱƝ—ŏ[D¾µ—ď‰ȷIzîĵǫȕ }ǍDZwȨƯƱƝ—ŏ\ƫ E  ¾µóǗ{ċƹjȎĖ—âaėflǧDǾȺ}ȶÚh_ ‘Dµ¡­ÀΫÅ}ȖŧƱȕăǥķĜ}njb`ȨƯƱƝĔ— Ťtvŏ–”v[“EøI‹gnjȖ{ɋ”mȨƯƱƝĔ—Øt v[“}r`DȨƯƱƝĔrd—ƃ’ƙevˆv‹µ¡­À • !]U[bgZcA—su. ΫÅ~ƋdzȖ{ȭǿ[EpjvŸÓ››E  ȨƯƱƝĔ}µ¡­ÀΫÅ{~ědžǚǍxčdžǚǍ`. Z“EědžǚǍ~ȩƽ}Ǡ’y˜y˜Ȗɇjvƭ—džlEp}\sƍƂŚȡ}Ȭèı{Ǹŷ h”ʼnĴ—Ɔd“xD¨ªµȘ—ȅtqčdžǚǍ{z’īŚȡƦIJŚȡzy{ƺ’ŖˆDƍ Ƃ}Ȭèı`Ɓ“ǵ‡w^xzjbä”v[“Exv‹íȎzD§FǵɎĸċƹwZ“E  ȤŌw~Dˆzh‡{µ¡­ÀΫŗǕtvȲ\qŠDǯǔxșĸwƼ˜rYu}°ÊJ ÇěԵ—gƘújq[E V°ÊJÇěԵW Ky˜bh[K  ȨƯƱƝĔ}µ¡­ÀΫÅ~Df•’x‚xtqŠǵĶĮ wD¯³UÍ¥~  Ö6U  Ö6 ǤwZ“ƫ Ețȯƻȯ x[tqåǫ}qŠ}ŋLj~zbDǏ–’{ŚȡŕĀxŚȡȥ ¯Ô½£`ij`tqȔşzŋLjǍ—įưjDp”—Ÿ¹J}ž JÐ}\{Ťtvåǫjv[“( )Ef}Ǡ’¨ª³Ç~ȿǼr `D[_˜n˜Dy˜bh[EĹȉĩwµ¡­ÀΫŗĸv [“xDýȰǥǖ‹Ǣ‡‘mɮɮxƧ—b|‘nDųƶp }ƚw›ËxüǦl“_’wD‡x‹{ǟƨjv[“‹} ~ȣy[z[Eq‡{ȿsƙ`tvfs‘{Ň_tv¤§› •'!«–œ¢ž. Ð’}üǦ—l“‹}‹[“Ef}åǫȷŶ~ȷIzɍȗwȟ ( ). œh”v[“` Dñ}Û{ŏ–”v[“}_~ȏȫwZ“E‹ j_jvDŬ{Ň_tvz{_—ǀ]v[“}r•\_E . (3). .

(5) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). V°ÊJÇěԵX KƍƂ—ǁ“jqq_hK  p˜zy˜bh[µ¡­ÀΫÅr`DƍƂŚȡ{Ƕ “ų~{Ž“˜xzŠ‘_{ą’Ŗ˜wbEµ¡­À ΫÅ~ƍƂŚȡȥ—ǰaǽ“}w~zbD‡“wɒƟ h”v[“_}\{DƍƂŚȡȥ—ìjz`‘ŵƧ— Ȟ‰NĒƱȡO—įưjŚȡŻDZ{ơǶl“Epjvp }ĒƱȡ}ǙwDßǍǒ{ħ–tq}_DȊj[Ò¬± ¯Ȯȷ—ȍaz`‘dž]v[bƫ Edž]{dž]qř ł~ƍƂŚȡ—ǽ’žvD؀ƣqzĒƱƷ—ĸud“ qŠ{Ȉ€Ǝjv[bE  ơǶǟƽ_‘ơǶłƍƂŚȡŻDZ{[“ĎDµ¡­À ΫÅ~ȷIz¯Ô½£Ż—ȖȃjvƍƂŚȡ—¥Ô µÒJÐl“EĭǍǥ{~DƍƂŚȡ}ǦŽáŧ—ÏÔ. • !Œ‰ƒ©¡A]U[bgZc. ţðjvȬèıĕǺ—¥ÔµÒJÐjq’DȖû—Ȣc. mn@Ÿ/)w—© ¢ž.m@. qŠ{ƍƂ}Ï­­JǗêidq’Dę{ƍƂ} #. Ž3)w—© ¢ž.}+I. ƒȡǍÆµ¥Ô¶Ï™—ĒƱȡ}Ƈ’{âaĒnv. ORXP_#=)*£Š?§±­ˆL=. [“ƫ

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(9) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). ÀΫÅ{^[v~p}ļ’w~zbDŗ}xf•ɒƟ—l“x[\ȟœ~z[P¿»¦›µ J¨ª~ŏ\xŎ]‘”“QEj_jȂ‘`ŲuȖȃđĈ}Wu~D_uvÆ®¦›µJ¨ªx [\DǃƄŚȡ}ǙƧ—©ÌЩÌÐxĚ[ƃ“x[\ƀĉĖƞ×[ƵƟȷŶ—ŏ\qŠ}Ȝ ƟđĈrtqx[–”v[“( )()EC‹j_jq‘DŬ}Ȑ`ȳǙ{ųIɅLJĿ—ğtv[“ \{Dż~øI}Ȱ—ǩ˜wųIftp’ƍƂ—©ÌЩÌЍtv[“}_‹j”z[Ep \ũ[qbz“†yȂ‘}ǍĮ~bűv[“E  ‡qµ¡­ÀΫÅ~Śȡrdw~zbDĽǍÑÁÐw‹ƍƂ—¥ÔµÒJÐjv[“x[ –”v[“EĭǍǥzɄxjvDµ¡­ÀΫÅ{ċƹjqŜª~º¥}Ƿ{ǎl“ēȆȁ ë`ǡïl“fx`Ǖ‘”v[“()Ef”~Ŝª—º¥{ȜƟh”lbl“fxwċƹ¦› £Ðưȿ}ņȾ—ƙe“ņõ`Z“xŎ]‘”v[“EƩĎ{^[v‹Dµ¡­ÀΫÅ{ċ ƹl“xƯĀ`Ț–tq’DƲƦźĊŵŞ}Ϫ£`ő‡tq’D¦±ŸJ`ĥbztq’()D ńǠŰŀ{Dž[lbztq’l“Dx[\žŸÐ³š±£zȟœ`[bu_Ğe‘”v[“ `Df}Zq’}ƠɐƯ~Ǣ_w~z[EqrjD µ¡­ÀΫÅ~ƦIJŚȡ{ň˜wƺȒċƹl“ fxD¶J½ÆÔȷȕŻ}ŢƱ—ŏ\fx_‘D ßÿ{ŁšƉ[xßƊ‹waz[E_‹j”z[E V°ÊJÇěԵY KDzŠ[q÷ĝK  ö`Ŝb\{òɉzŦwdžƝl“µ¡­ÀÎ «År`ƫ DŦrdw~zbȖŧȟ¸«Ç{ ^[v‹Ɯȕǥȹƿ—Ųtv[“EŅŒưjz[ (). }{ƜȕÂÐÉԗŤȸl“}wZ“ Ef}ĺƱ ǫȕéǑXćw‹ƃ’ƙe‘”v[“`Dµ¡­ ÀΫÅ{~™¿¥ÀΪµxľ”“dzŴġƱ. • !‚ ™‘{š‘48NaVbgY]      $m%˜‘{š‘48qŸ/)A.]U[ bgZcAq<Ž3)A.NaVbgY]A q. K6-  =B +?)„t<(I . ƞƿǍ`NJśl“ƫ Ef”~ê[Ƴ{ōDŽɃ—x’f˜wĂǭjq‹}rxŎ]‘”v^’D Ħ‘bǪƏ~ŅŒư}qŠ{Ťȸjv[q`Dǜ[ų—IJvp}Ǻɂ—Ź[DĻś~ŭŻŒư ( ). }ƚxjvȼȸh”v[“ EßǍµ¡­ÀΫÅ`ĒƱl“\{ztqqŠ{ŅŒưǺ`Ź –”q}_Dp”x‹™¿¥ÀΪµ`ŅŒưǺ—ŹtqqŠ{µ¡­ÀΫÅ~ĒƱƱĄ— ĥ[‘”q}_ƫ Dp”~ÙƾDzwZ“E • !]U[bgZc=NaVbgY]>9G. ›GJ;)IA-"   yªL†:8¨B’r°kc]hf#WSz“ o~¯. . EK7;2®n3). .  ™¿¥ÀΪµ—ĂǭjqfxwDµ¡­À ΫÅ~ƜȕÂÐÉԗŢƱjDŵƧ}ŚȡȖ ɇȖð}ƮŃ{Ťȸl“ȷ{ztqxŎ] ‘”v[“( )EqrjDŗ}xf•ƜȕÂÐÉ. (5).

(10) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). ÔŒư{İ–“đĈŐƿzy~as˜xûȫh”v[z[EĻśƜȕwŤ–”v[“\z Őƿ}žÐ­Ò¤zy‹ĸu_tv^‘mDf}Zq’}ŒưIJɊzy`ûȫh””DƜȕ ÂÐÉÔȖȴ{^[v‹ƣj[Ǖĸ—‹q‘lfx`wa“x[\ßƴdzǞzÒÅÔà”“ò ǺƯ`ȄŠ‘”v[“P´©ÊÕw~z[QE  ‡q™¿¥ÀΪµ}Nj{‹DĬǹȀĸh”q "&"5*7<24.&*,=85.xľ”“Ɯȕ} çȡ}\zžÐ ºÎ—Ųufx‹Ȗ_tv[“( )Ef}žÐ ºÎ~ƍƂŚȡ}þ{Ǝqų {j_įưh”mDơǶł{zbz“Ep˜z‹}ŝtv“¾Å`Ztq‘hthxƍƂ{ơ Ƕl”Ɂ[}{EȏũĘsŒ˜wZ“E  f}\{ƜȕǥwZ’z`‘DƍƂ{Ǻǫǥ{Ƕ’Ŗ˜wŕ}Ƭ‡wjŒƒ’ƪblf} ǴƟƒ’E‡h{ÒJСÊÁ²ıE   f}Njµ¡­ÀΫÅ`ŲuȧɂǥzDz~ƭ]ƙe”a’`z[Eȣy}ĒƱǚPǓŚȡF njŚȡġ{Q~ƍƂÞ`ȇƛ{ĨbDƅÑÁÐwƍƂ—ļǢl“Ʊȕ‹Ɠzbz[ǙwDzo µ¡­ÀΫÅ~ȷIzǙĎƍƂ{ċƹwa“}_Ep‹p‹zoĒƱx[\ÈÔ¶bh[Ʊ aȠ{ztq}_Eŗły\z“}_Tmtxf}‡‡z}_DŊ{ȎĺƯ—őŠ“}_Dp ”x‹ġƱ„}Ǭ—ƨ‰}_H  µ¡­ÀΫÅ~ÝăǥDƌÝăǥ{~ȱɍr`DȖŧƱȕăǥDƨðăǥ{‹ȇƛ{ȭǿ [Dz—ǣĠjvb”v[“D‡h{ßɀw Ǩ‹

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(12) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). #./.:.7,.;  $2+5.A 

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(31) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). Column  皆さんこんにちは。こちらは『原生動物園』に一定のゆるさを与えるべく、早川(芝 野)郁美が好き勝手書くコーナーです。今回は思い出話。. 光る大腸菌の思い出 早川(芝野)郁美   高校二年の冬、突然、「光る大腸菌 を作る会」が開催された。生物の先生 が実験キットを手に入れたという。参 加者の募集がかかり、私は「超おもし ろそう!」とばかりに参加を決めた。 しかし、今でいう理科離れを反映して か、集まったのは2、3人だったよう に思う。薄暗い生物室の片隅で、こそ こそ培地を作る姿は、どこか黒魔術め いていた。プリントには、光るクラ ゲ、DNA、はさみ、のりなどのイラ ストが描かれ、まるでDNAを手にと って切り貼りできるかのようだ。私の テンションはものすごく上がった。.   ところが数日後、大腸菌のコロニー を前に、私はしっかり感動することに なる。ブラックライトの下で、ぼんや りと浮かび上がる黄緑の光。こころな しか、私のサンプルは誰よりコロニー が多く、光も強かった覚えがある。 「大腸菌に好かれてる?」と内心調子 に乗りながら、いつまでもその光を見 ていたいと思った。   しかし、ほんとうに今でもGFP蛍光 を追いかけているとは、まさか思いも しなかった。その間に、分子実験の裏 にある膨大な偉人の努力を学び、分子 や遺伝子の名前を覚え、少しは成長し たのだろうか。.   経験があるならお分かりのように、 分子生物学実験は、派手なことをやっ ているようでも、作業自体は非常に地 味である。「DNAを切ったり貼った り」は微量な液体を混ぜ合わせ、温め るだけで終わる。さらに、このキット はそのDNAさえ予め用意されていた ので、作業は「大腸菌を温めたり、冷 やしたり、育てたり」で完了した。私 のテンションはものすごく下がった。.   高校生の頃見た光に、私は今でも魅 了されている。それは単なるタンパク 質の蛍光ではなく、生き物全てが持っ ている、輝きだったように思う。. 原生動物園 Vol. 3 (2012) 8. Column. 早川(芝野)郁美 (京都大学). (8).

(32) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 原生生物(プロティスト)の新種を記載するには 山口晴代 Haruyo YAMAGUCHI  「種を記載し,生物の類縁関係に基づ. 持っていれば(=人間が識別できる形質. いて分類体系を組み立てること」を目的. をたくさん持っていれば),当然その分. とした分類学と呼ばれる学問は,人間の. 類基準も細かくなってきて,分類体系も. ためにあると言っても過言ではない。種. より複雑なものになっていく。つまり,. が存在するか否かは別の問題として,生. 生物の分類とはそれぞれの分類群に見ら. 物aと生物bが外部形態やDNAの塩基配列. れる特徴を顕微鏡やDNAシーケンサー. で異なると人が認識できる場合,分類学. などを使って,“人間の目から見て”区別. 者はそれらを別の生物と捉え,分類学の. できるようにしたものであり,分類体系. お作法に則って異なる名前を与える。こ. とはあくまでも地球に存在する生物. のプロセスを経ることではじめて,かつ. を“人間が認識しやすいように体系化し. て多くの先人たちがそれぞれ好き勝手な. たもの”と捉えることが重要である。. 名前で呼んでいた生物を他の生き物と区.  Protists(プロティスト)は歴史的に,. 別し,共通の名前で呼ぶことが可能にな. エルンスト・ヘッケル[1834∼1919]が. る。このように,分類学は人間が生物を. 1866年に提唱したKingdom Protista(プロ. 認識するために重要であり,分類学者に. ティスタ界)に含まれてきた。ヘッケル. は生物の類縁関係に基づいた人間の認識. は動物界・植物界に含まれない生物を第. しやすい分類体系(=自然分類)を構築. 三の生物界としてまとめたが,そこには. することが求められる。しかし,生物の. 現在でいう原核生物,真菌,原生生物,. 分類体系とひとくちに言っても,分類群. 海綿動物などが含まれていた。ベルリン. ごとにその分類体系の複雑さは異なって. 大 学 の ヨ ハ ネ ス ・ ミ ュラ ー [ 1 8 0 1 ∼. おり,ある属に含まれる生物群が別の属. 1858]の勧めで,高性能の顕微鏡を使い. に含まれる生物群と同じくらい外部形態. 微少な生物の研究をはじめたヘッケルは. が異なって,DNAの塩基配列も違うわけ. 後に無脊椎動物・放散虫の研究で大成を. では必ずしもなく,分類群毎にその分類. あげ,その成果は1899年から1904年に出. 基準は異なっている。ある分類群が変異. 版された10冊組の博物画集『自然の芸術. バラエティに富んだ分類形質をいくつも. 原生動物園 Vol. 3 (2012) 9-15. Review. 山口晴代 (国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター) (9).

(33) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 的形態』に記述されている。私を含む多. に記載されたものについてもその階級は. くの分類学者をはじめ,さまざまな人々. さまざまである)。このうち,プロティ. がヘッケルの描くその力強く精巧なスケ. スト(単細胞真核生物)は8つのすべて. ッチの数々に魅了されてきたことは間違. のスーパーグループに含まれており,プ. いない。その後,ロバート・ホイッタカ. ロティストとは系統的に非常に多様な生. ー[1920∼1980]は生物界をモネラ界・. 物の集まりであると言える。. 原生生物界・植物界・菌界・動物界に分.  そんな多様な生物の集まりであるプロ. けるという五界説を提唱した。モネラ界. ティストの新種はどのように記述される. には,現在のすべての原核生物が含ま. のだろうか。生物の新種を記載する際の. れ,一方,原生生物界には真核生物のう. 決まりである命名規約には,国際細菌命. ち,単細胞生物や単細胞が集合したとみ. 名規約(International Code of. なされる生物が含まれた。この五界説に. Nomenclature of Bacteria,ICNB),国際. より,プロティストが主として単細胞真. 動物命名規約(International Code of. 核生物の集まりであるという認識が広ま. Zoological Nomenclature,ICZN),国際. るようになった。カール・リチャード・. 藻類・菌類・植物命名規約(International. ウーズ[1928∼]は1990年に生物界を真. Code of Nomenclature for algae,fungi,. 正細菌・アーキア・真核生物に分ける三. and plants,ICN:これはメルボルン規約. ドメイン説を提唱した。2000年以降,分. とも呼ばれる。メルボルン規約から変更. 子系統解析が盛んに行われるようになる. になる二つの変更(オンライン発表され. と,真核生物ドメインにおける分類体系. た電子資料が有効発表になること及びラ. の大規模な再編が行われるようになっ. テン語または英語による記載文または判. た。この再編により,界(Kingdom)よ. 別文が有効になること)については2012. り上位の便宜的な階級であるスーパーグ. 年1月1日より適用,菌類として扱われる. ループという言葉が用いられるようにな. 生物の新学名を登録するには登録機関の. った。諸説あるものの,現在広く用いら. 発行する識別子の引用を含まなければな. れている分類体系は真核生物ドメイン. らないことについては2013年1月1日から. を,オピストコンタ・アメーボゾア・エ. 適用される。これ以外のメルボルン規約. クスカバータ・リザリア・アーケプラス. の内容に関してはすでに機能している). チダ・ストラメノパイル・アルベオラー. の3つがある。しかし,プロティスト専. タ・ハクロビアと呼ばれる8つのスーパ. 用の命名規約はなく,プロティストの新. ー グル ー プ に 分 け る 分 類 体 系 で あ る. 種を記載する場合は今のところ国際動物. (Adl et al. 2005,Cavalier-Smith 2010な. 命名規約(ICZN)または国際藻類・菌. ど,ただしこれらのグループ名のいくつ. 類・植物命名規約(ICN)のどちらかに. かは正式な分類群名ではなく,また正式. 従わなければならない。例を挙げよう。. (10).

(34) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). モデル生物として有名なChlamydomonas.  実際に,プロティストの新種に命名す. reinhardtii Dangeard (クラミドモナス). るときにはどのような決まりがあるのだ. はICNに従って記載されている。これは. ろうか。学名とは,門や科,種,亜種な. クラミドモナスが葉緑体をもった藻類で. どさまざまな階級の分類群につけられた. あるのでICNに従って記載されるのは当. 世界共通の名前であり,ラテン語のアル. 然として納得していただけるだろう。一. ファベット(といっても英語のアルファ. 方,非光合成性の渦. 毛藻の場合,. ベットと同じだが)で記述される。その. ICZNに従うことが多い。しかし,明ら. 中で種の学名は全ての命名規約におい. かな光合成性藻類がICZNのもとで記載. て,二名法により記述することが定めら. された例もある。つまり,どちらの命名. れている。二名法は十八世紀,カール・. 規約に従えばいいのかという明確な基準. リンネ[1707∼1778]によって体系付け. はないが,伝統的に植物として扱われて. られた生物の名前の付け方であり,この. きたものはICNに則って,同じく伝統的. 二名法により,種の学名は属名+種小名. に動物として扱われてきたものに関して. で表されるようになった。学名の後ろに. は,ICZNに則って記載されているとい. は,ふつう命名者の姓を示す。属名に. うのが実情だろう。伝統的に植物として. は,そのグループを特定させる1個の単. 扱われてきたか,動物として扱われてき. 数形の名詞を用い,種小名には属名がど. たかは主として光合成性か否かに依って. のようなものであるかを示す形容詞など. おり,光合成性の場合はICNで,非光合. が用いられる。ここでも例を挙げよう。. 成性の場合はICZNで記載するのが無難. ICNに基づいて記載された緑色藻類の. だろう。しかし,繰り返すが,最終的に. Nephroselmis viridis Inouye,Pienaar, Suda. どちらの命名規約に従うかは記載する研. et Chiharaという生物がいる(図1)。属. 究者の判断に委ねられており,プロティ. 名のNephroselmisはnephro-(ギリシャ. ストの系統と命名規約が必ずしも一致す. 語:腎臓)+-selmis(ギリシャ語:縄). る訳ではないのである。さらに付け加え. という2つの名詞の組合せという構成. るならば, ICNには,ICN以外で記載さ. で,種小名はviridis(ラテン語:緑色. れたプロティストでもそれを“藻類とし. の)という形容詞から成っている。つま. て扱う場合”には, ICNのもとでも正式. りは,Nephroselmis viridisという学名の. 発表とする決まりがあり(その逆で. 意味するところは,腎臓型の緑色の細胞. I C Z N 以 外 に よって 記 載 さ れ た 生 物 も. で縄(. ICZNの規約に反していなければICZNで. なる。このように学名の語源が何であ. も適格とされる),どちらの命名規約に. れ,できた学名はICNではラテン語とし. 従って記載しても最終的には問題ないと. て扱われる。またICZNでも学名の語源. 思われる。. は何でもよいが,ラテン語の形であるこ. (11). 毛)をもった生物ということに.

(35) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 図1 原生生物の記載文の例:緑色植物ネフロセルミスを例として Description. 記載文(判別文でもよい). Nephroselmis viridis Inouye, Pienaar, Suda et Chihara sp. nov. 学名は属名 + 種小名で書き,そのうしろに 命名者の姓をしめす. 5 µm. Cellula complanata, phaseoliformis, 5.5–9 µm longa, 5–8 µm lata, 3–5 µm crassa. Flagella duo, inaequalia, heterodynamica, in ventrali inserta. Flagellum longum volubile in cellula quiescenti. Chloroplastus unus, viridis, parietalis, dorsalis, cum stigmate ventrali. Pyrenoides cum structura discoidea, vagina amylacea cupuliformi, thylacoidetibus complanatis. Squamae corperis tegentes pentamorphae; squamae stati primi parvae, quadratae; squamae stati secundi parvae, hanakaku-formes; squamae stati terti spiniferae, circa 120 nm in diametro, unipolares, cun 11 spinis. Flagella sine squama stati terti. Squamae T-piliformes sine submonibus proximalibus. Pilus foveae et pilus apices 記載文はラテン語または英語で書く. absentes.. (この場合,上がラテン語,下が英語) Cells flattened, bean-shaped, 5.5–9 µm long, 5–8 µm wide and 3–5 µm thick. Two unequal heterodynamic flagella, inserted ventrally. The long flagellum coiling in the resting cell. A single chloroplast, greenish, parietal, dorsal, with a conspicuous pyrenoid and a ventral eyespot. Pyrenoid with a disc-like structure, cup-shaped starch sheath and thylakoid sheets. Body scales are four types; innermost layer scales small, square; second layer scales small, Hanakaku-shaped; large spiny scales c. 180 nm in diameter, unipolar, with 11 spines. Flagella with a third layer of stellate scales. T-hairs with proximal subunits. Pit and tip hairs absent. ホロタイプの標本番号と保管場所を書く Holotype: TNS-AL-56966 for the strain NIES-548 at the Department of Botany, the National Museum of Nature and Science, Japan. The strain NIES-486 used for the holotype is maintained at the National Institute of Environmental Studies, Tsukuba, Japan. その生物がとられた場所を書く Type locality: Sediment from the Sea of Harima, Hyogo Prefecture, Japan. 学名の由来を書く Etymology: The specific epithet refers to the color of the chloroplast, which is different from the closely related species N. olivacea. Yamaguchi et al. (2011) Taxonomy of Nephroselmis viridis sp. nov. (Nephroselmidophyceae, Chlorophyta), a sister marine species to freshwater N. olivacea. Journal of Plant Research 124, 49–62 より引用. (12).

(36) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). とが勧告されている。. 記載というとラテン語の記載文が必須, と思う人がいるかもしれない。事実,.  次に,新たに作った学名が有効発表. ICNのひとつ前の規約である国際植物命. (ICZNでは公表)されたとみなされる. 名規約(International Code of Botanical. ためには,どのようにすればよいのかに. Nomenclature,ICBN,ウィーン規約)ま. ついて述べようと思う。新たな学名は,. ではそうであったが,ICNでは「新種. 適切な媒体に出版されなければならな. (それ以外の新分類群も)の設定には,. い。ICZNでは,「公的かつ永続的な科. ラテン語または英語で記述された記載. 学 的 記 録 を 目 的 と して 発 行 さ れ た も. 文・判別文がなければ正式に発表したと. の」,「最初に発行されるとき,無料あ. は見なされない」へと変更された。つま. るいは有料で入手可能なもの」,「同時. り英語でも可であり,新種記載へのハー. に入手可能な形で発行されたもので,多. ドルがずいぶん低くなったと感じる。ま. 数のコピーが同時に製作され,かつ長期. たICZNでは使用言語は規定されていな. 保存にたえるもの」とされており,ICN. い。つまり,日本語で新種の特徴を書い. でも基本的には同様と考えてよいだろ. たものでも,有効な学名として認められ. う。つまり自分で撮った写真をインター. る。ただし,国際的に広く使用されてい. ネット上に載せたり,学会発表のポスタ. る言語で公表するべき,または広く通用. ーでその新種を紹介しただけでは,新種. する言語で書かれた要約をつけるべきと. を発表したことにはならない。新種発表. 勧告されており,英語での記載が一般的. は科学雑誌に掲載されることで有効とな. であろう。. るのが一般的であり,また近年のインタ ーネットの普及に対応して,2012年より.  また,ICZNでもICNでも,新種記載の. ICNでは電子出版による発表も有効とな. ためにはタイプ(ホロタイプ,正基準標. った(ICZNについても,2012年以降に. 本)の指定が必要である。タイプとはそ. なされた電子出版のみによる公表も適格. の記載の拠り所となった標本などであ. となった)。. り,その分類群の最終的な基準は記載文 などではなくタイプ(特にホロタイプ).  このように有効発表された学名が,正. である。タイプは基本的に研究者が利用. 式発表された学名(ICZNでは適格名). 可能な形で博物館などに保管されなけれ. とみなされるためには,さらにいくつか. ばならない。タイプが保存されているこ. の要件を満たしていなければならない。. とによって,その種が記載された後に,. その要件の一つが,その生物の特徴を記. その当時では注目されていなかった形質. した記載文(description)または類似す. や調べることができなかった形質. る生物との区別点を記した判別文. (DNAなど)を調べることができる。. (diagnosis)をつけることである。新種. 大形の動植物の場合であれば,比較的簡. (13).

(37) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 単に標本を作製できるが,プロティスト. タクトを取ることを強くお薦めする。そ. の場合はこれがなかなか難しい。ICNで. の分類学者と一緒に新種記載をするとい. は,プロティストや菌類のように標本と. うのが,一番の近道であろう。ただし,. して保存しにくい生物の場合には,図解. プロティストの新種というのは世の中に. をタイプとすることも認められる。また. おびただしく存在しており,プロティス. I C Z N で も 図 解 を タイ プ に 指 定 で き る. トの分類学者は手元にいくつもの未記載. が,正確には図解の元となった標本(そ. の新種をかかえている。これらの未記載. れが残っていないとしても)を指定した. 種は分類学的・進化学的に重要なものか. ものとされる。また藻類や菌類について. ら記載されていくので,あなたの見つけ. は,代謝的に不活性な生体(凍結保存さ. た新種が“つまらなかった”場合,後回し. れた株など)をタイプとすることも可能. にされてしまうこともあるかも知れない. である。. ことを付け加えておく。.  簡単にプロティストの新種記載をする. 謝辞. 方法について述べたが,実際の命名規約.  本稿を執筆するにあたり,京都大学総. を読むとさらに複雑で,きちんと命名規. 合博物館の永益英敏先生に多大なご助言. 約を理解していないと現実的には新種記. をいただきましたことをここに深く感謝. 載は難しいと言えよう。以下に参考文献. いたします。. を挙げた。さらに学びたい方については それらの参考文献を参照されたい。も し,あなたが非分類学者で,新種を発見 した場合,まずは適当な分類学者とコン. 山口晴代. (国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター) 参考文献. ・ Adl SM,Simpson AGB,Farmer MA et al.『The new higher level classification of eukaryotes with emphasis on the taxonomy of protists』Journal of Eukaryotic Microbiology 52:399– 451(2005). ・ Brown RW『COMPOSITION OF SCIENTIFIC WORDS』Smithsonian Books(1956) ・ Cavalier-Smith T『Kingdoms Protozoa and Chromista and the eozoan root of the eukaryotic tree』 Biology Letters 6:342–345 (2010). ・ 動物命名法国際審議会『国際動物命名規約 第4版 日本語版[追補]』日本分類学会連 合(2005). (14).

(38) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). ・ Hausmann K,Hülsmann N and Radek R『Protistology』E. Schweizerbart'sche Verlagsbuchhandlung(2003). ・ 平嶋義宏(著)『生物学名概論』東京大学出版会(2002) ・ ジュディス・E・ウィンストン(著)馬渡峻輔・柁原宏(訳)『種を記載する 生物学者 のための実際的な分類手順』新井書院(2008). ・ 勝本謙(著)『菌学ラテン語と命名法』日本菌学会関東支部(1996) ・ Knapp S,McNeill J and Turland NJ(著)仲田崇志,永益英敏,大橋広好(訳)『第18回国. 際植物学会議(メルボルン)で変更された発表の要件: 電子発表の意味するところ』日本 植物分類学会ニュースレター 43,12-17(2011);日本微生物資源学会誌 27,. 89-95(2011);藻類 59,164-167(2011);植物研究雑誌 87,71-76(2012);日本菌 学会ニュースレター 2012-1,1-5(2012);蘚苔類研究 10,211-216(2012);化石  91,60-63(2012). ・ 日本植物命名規約邦訳委員会『国際植物命名規約(ウィーン規約2006[日本語版])日本 植物分類学会(2007). Protozoological Garden Vol. 3 (2012) 9-15. Review by Haruyo YAMAGUCHI. (15).

(39) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). 美しい瀬戸内海を臨むミクロ生物専門の博物館. 岩国市立ミクロ生物館. http://www.shiokaze-kouen.net/micro/. ̶̶̶顕微鏡の住人たちが、あなたを待っています。. ★ミクロ生物にいつでも会える!  館内に設置された顕微鏡で、いろいろな生きたミクロ生物を観察できます。 ★自由研究にも最適!  ネイチャーラボとして、ハイレベルな実験・研究ができます(予約制). 〒740-1488 山口県岩国市由宇町潮風公園みなとオアシスゆう交流館内. 日本原生動物学会若手の会. https://sites.google.com/site/youngprotozoologists/. 原生動物学の未来を一緒に拓いていきましょう! <いろいろ活動しています> ●日本原生動物学会大会におけるワークショップ開催 ●若手研究者による合宿研究会・サンプリング会の開催 ●Web科学雑誌・「原生動物園」の作成・発行. (16).

(40) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). COLUMN 原生動物 じゃない. ミクロな動物たち.  身近な池の水を取ってきて、顕微鏡で覗いてみると、個性豊かなミクロ生物たちが見つけられます。ミジンコ、 ゾウリムシ、ワムシ、アメーバ、ミドリムシ・・・小学校や中学校の理科の授業で、水中のプランクトンとして見 た記憶のある方も多いはずです。  さて、原生動物園に登場する原生動物には、そんなミクロ生物の仲間たちが多く含まれます。ところで、水中の ミクロ生物・プランクトンには、いろいろな仲間たちがいますが、その中で有名なミジンコやワムシの仲間たち は、原生動物ではないとはご存じでしょうか?彼らは、単細胞の原生動物とちがって、多細胞生物の仲間、私たち ヒトに近縁な微小動物です。. 水の中はミクロ生物でいっぱい!. 淡水のミクロ生物たち ★海水のミクロ生物については、原生動物園Vol. 2の記事「海洋プランクトン分類表」をご覧下さい。.   原生動物園 Vol. 2 P. 43-48 「海洋プランクトン分類表」https://sites.google.com/site/protozoolgarden/protozoolgarden2_43. 実は大きい?! 単細胞の生物たち (a). (b). スピロストマム (単細胞). イタチムシ (多細胞) 珪藻 (単細胞). グリーンヒドラ (多細胞). (17).

(41) Protozoological Garden Vol. 3 (2012). The Micro METAZOA - They are not PROTOZOA! ワムシの仲間. ミジンコの仲間. (原生動物じゃない)ミクロな動物の仲間.   彼らはよく、アメーバやゾウリムシなどの原生動物と勘違 いされがちですが、立派な多細胞動物の仲間です。原生動物 の研究をしていると、よく「ああミジンコね!」と言われる のですが、全く違う仲間です。   ミクロな動物は、大きさこそ1 mm以下になることもあり ますが、多細胞動物の仲間なので、腸や筋肉をきちんと持っ ています。例えば、ヒドラは刺胞動物でクラゲやイソギンチ ャクに近い仲間、ミジンコは節足動物でエビや昆虫に近い仲 間です。   微小な動物プランクトンとして、よくアメーバやゾウリム シと一括りにされがちなミクロな動物ですが、系統的に見た ら、アメーバやゾウリムシよりも、ヒドラやミジンコの方 が、よっぽど私たちヒトに近縁な仲間です。. 原生生物には巨大な単細胞生物が多くいる.   左の写真をご覧ください。(a)は、原生生物・単細胞藻類である珪藻の1種を、ミクロ動物・イタチムシが横切ってい る様子です。いずれも、体長が0.2 mmくらいの大きさです。こうやって見てみると、ミクロ動物と原生生物の大きさっ て一緒なんだなあ、と思えてくるでしょう・・・しかし、よく考えてみてください。ミクロ動物は、数百数千の細胞が集 まってできた存在です。一方、単細胞である原生生物が、それと同じくらいの大きさということは、相対的に原生生物の 細胞は、極めて大きいということになります。  (b)は、もっと極端な例です。グリーンヒドラは、数mmくらいのミクロ動物ですが、その近くを漂っているスピロスト マムという生物、これも原生生物・繊毛虫の仲間で、れっきとした単細胞生物です。単細胞ですが、大きいもので2∼3 mmくらいになります。ここまで来ると肉眼でもはっきりと見えてきます。   一般的に多細胞動物が持つ細胞は、数10 µmと言われており、これが標準的な細胞のサイズとして教科書にも書かれ ています。しかし、原生生物の世界には、さまざまなサイズを持った規格外の細胞が多くいます。小さい小さいと言われ る単細胞の原生生物の仲間たちですが、細胞を基準に考えると、実は動物よりも大きいものが沢山いるわけです。原生生 物とは、決して小さい存在ではないのかもしれません。. 原生動物園 Vol. 3 (2012) 17-18. Column. 早川昌志 (神戸大学) (18).

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