• 検索結果がありません。

Lec3 最近の更新履歴 yyasuda's website

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2017

シェア "Lec3 最近の更新履歴 yyasuda's website"

Copied!
25
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ゲーム理論

Lecture 3:より複雑なゲーム

(2)

イントロダクション



テキスト

 天谷研一『図解で学ぶゲーム理論』



第一回:戦略的状況とゲーム理論

 テキスト1~2章



第二回:ナッシュ均衡

 テキスト2~3章



第三回:より複雑なゲーム

 テキスト3章



第四回:ゲームを後ろから解く

 テキスト4章

(3)

複雑なゲームとはいったい何か?



今まで扱ってきたゲームの共通点

1. ゲームを利得表で表すことができたゲームを利得表で表すことができたゲームを利得表で表すことができたゲームを利得表で表すことができた

2. ナッシュ均衡が(ひとつは)必ず存在したナッシュ均衡が(ひとつは)必ず存在したナッシュ均衡が(ひとつは)必ず存在したナッシュ均衡が(ひとつは)必ず存在した



今回の講義で取り上げるゲーム

1. 利得表で表すことができないようなゲーム利得表で表すことができないようなゲーム利得表で表すことができないようなゲーム利得表で表すことができないようなゲーム

 戦略がたくさんある(無限個も含む)ゲーム

 プレーヤーが3人以上の場合は扱わない

2. ナッシュ均衡が“ない”ゲームナッシュ均衡が“ない”ゲームナッシュ均衡が“ない”ゲームナッシュ均衡が“ない”ゲーム

 戦略を適切な形で拡張するとナッシュ均衡が“ある”

 ほとんどのゲームでこのナッシュ均衡がきちんと存在する

(4)

ホテリングの立地ゲーム



【プレイヤー】 (浜辺の)2軒のアイスクリーム屋:AとB



【戦略】 お店の立地場所:0から100の間の数字



【利得】 利益(集客数に比例する)

ホテリング・モデルの仮定



お客は浜辺沿い(0から100)に均一に散らばっている



個々のお客は自分から近い方のお店に行って、1単位

ずつアイスクリームを購入する



お店が等距離にある場合には半々の確率で店を選ぶ

⇒ナッシュ均衡 ナッシュ均衡 ナッシュ均衡はどのようになるだろうか? ナッシュ均衡

(5)

立地ゲーム:ナッシュ均衡



このゲームにはナッシュ均衡がひとつだけ存在する

 どちらのお店も真ん中(=50)に立地する!

 「最少差別化の原理」「最少差別化の原理」(Principle of Minimum Differentiation)「最少差別化の原理」「最少差別化の原理」

なぜこうなるのだろうか? 2つのお店が

1.

異なる場所を選ぶのは(ナッシュ)均衡にならない

 相手の立地により近づくと必ずお客が増える

2.

真ん中以外の同じ場所を選ぶのも均衡にはならない

 左右どちらかに少し動くとお客が急に増える

3.

真ん中をともに選ぶ場合はナッシュ均衡になる!

どこに立地を変えても客の数が減ってしまう

(6)

立地ゲーム:応用例



どのような現実の現象を説明できるのか?

1. できるだけ多くの客を獲得することを目的としている

2. ライバル同士が同じ土俵(プラットフォーム)で競争していて

3. 競争の結果として同じような戦略を取り合っている状況

プレイヤー プレイヤー プレイヤー

プレイヤー 戦略戦略戦略戦略 現象現象現象現象

政党(民主党と自民党) 政策スタンス 中道的な政策(2大政党 制のジレンマ)

コンビニ・チェーン ロケーション 隣り合うコンビニ

テレビ局 放送時間 同ジャンル番組の集中

メーカー 製品の味や外見など 似たような無難な商品

(家電、コーラ、etc)

(7)

合理性で立地ゲームは解けるか?



最適戦略(支配戦略)は存在しない!



戦略が連続な数ではなく0から100の整数としよう

 実は「支配される戦略の逐次消去」でゲームが解ける!



【ステップ1】 0は1に、100は99に強く支配される

 合理的なプレイヤーは端の点(0と100)はとらない⇒消去!



【ステップ2】 1は2に、99は98に強く支配される

 合理的なプレイヤーは端の点(1と99)はとらない⇒消去!

(以下このステップが続く)



【ステップ50】 49、51はそれぞれ50に強く支配される⇒消去

⇒どちらのプレーヤーも50(真ん中)を選ぶ!

(8)

ベルトランの価格競争ゲーム



【プレイヤー】 2社の製品メーカー:AとB



【戦略】 製品1単位あたりの価格:0以上の数字



【利得】 利益:(価格-限界費用) ×需要量

ベルトラン・モデルの仮定



線形の需要関数:

P = a – Q



共通の限界費用: c



低い価格をつけた企業が市場需要分をすべて供給する



企業が同じ価格を付けた場合は半々のシェアを得る

⇒ナッシュ均衡 ナッシュ均衡 ナッシュ均衡はどのようになるだろうか? ナッシュ均衡

(9)

価格競争:ナッシュ均衡



このゲームにはナッシュ均衡が一つだけ存在する

 両企業とも限界費用に一致する価格をつける: p = c

なぜこうなるのか? 2つの企業が

1.

異なる価格を付けるのは(ナッシュ)均衡にならない

 必ずどちらか片方の企業は価格を変えて得できる

2.

限界費用以外の同じ価格をつけるにも均衡にならない

3.

限界費用と一致する価格を共につけるのは均衡!

 値上げしても利潤は0のまま、値下げはマイナスの利益=損

⇒利得表や最適化の手法でなく論理的に均衡を導出!

(10)

ベルトラン・パラドックス



2企業間の競争で価格が一気に限界費用まで下がる

 1社増えるだけで1企業の独占価格から完全競争価格に!



実際には、ベルトランモデルのような価格競争が行われ

ている(ように見える)産業でも価格は急落しない

 現実とのギャップ=「ベルトラン・パラドックス」「ベルトラン・パラドックス」「ベルトラン・パラドックス」「ベルトラン・パラドックス」

ベルトラン・パラドックスを解く3つの理由



【製品差別化】 相手よりも高くてもある程度は売れる



【生産量制約】 安価では市場需要をすべて満たせない



【動学的競争】 時間を通じて暗黙のカルテル、共謀

(11)

クールノーの数量競争ゲーム



【プレイヤー】 2社の製品メーカー:AとB



【戦略】 製品の生産量:0以上の数字



【利得】 利益:(市場価格-限界費用) ×需要量

クールノー・モデルの仮定



線形の需要関数:

P = a – Q



共通の限界費用: c



各企業は独立に価格を設定できない

 企業の総供給が市場需要に一致する水準で価格が決まる

⇒ナッシュ均衡 ナッシュ均衡 ナッシュ均衡はどのようになるだろうか? ナッシュ均衡

(12)

最適化(微分)アプローチ



ホテリングやベルトラン・モデルと違って、論理的な推論

だけによって演繹的にナッシュ均衡を導くことができない



ナッシュ均衡では、相手の(均衡)戦略に対して最適な戦

略をお互いに取り合っている

 相手の戦略を所与とすると、各プレーヤーは自分の戦略につ いて利潤の最大化問題を解いているとみなせる

 微分して一階条件を調べれば良い⇒「「「微分アプローチ」「微分アプローチ」微分アプローチ」微分アプローチ」

 ナッシュ均衡は、それぞれのプレーヤーについて導いた一階 条件を同時に満たす連立方程式の解になっている!

(13)

ベルトランかクールノーか?



次のような疑問の答えは?

 「どちらのモデルが優れているのか?」

 「なぜ複数のモデルを必要とするのか?」



ベルトランとクールノー、どちらのモデルも、各企業が価

格と数量(生産設備)を共に選べるような一般的な寡占

市場競争の一面を捉えたものと解釈できる



状況に応じてより適したモデルを採用すべき

 【ベルトラン】 企業が数量(の上限)を価格よりも早く調整でき るような産業: 例) ソフトウェア

 【クールノー】 価格の方が数量よりも早く調整されるような産 業: 例) 小麦、セメント

(14)

ゲーム理論が変えた寡占市場の見方



1970年代まで

 戦略的な状況が生じる寡占市場(不完全競争)を分析する統 一的な視点がなく、バラバラな分析の寄せ集めだった



1980年代以降

 ゲーム理論が積極的に応用され、性質の異なる市場を異なる ゲームとして定式化するようになった

 市場ごとに異なる解が存在するのではなく、ナッシュ均衡とい う単一の解で様々な寡占市場が統一的に分析できる

⇒きちんと個々の寡占市場の特徴を把握してゲームとして

定式化すれば、あとはナッシュ均衡を求めれば良い!

(15)

ゼロサムゲーム:マッチング・ペニー



2人のプレーヤーがそれぞれコイン(1セント)を置く

 面が揃えば1が、異なれば2が相手に1セントを支払う



2人の利得の和が常にゼロ(/一定)

 「ゼロサム(/定和)ゲーム」「ゼロサム(/定和)ゲーム」と呼ぶ「ゼロサム(/定和)ゲーム」「ゼロサム(/定和)ゲーム」

2

1

表 表 表

表 裏裏裏裏 表表

表表

1

-1

-1

1

裏 裏 裏

-1

1

1

-1

(16)

ナッシュ均衡が“ない”?



ゼロサムゲームの特徴

 相手の裏をかくのが常に最適

 お互いが納得できるWin-Winの状況がない



ゼロサムゲームの例

 【ポーカー】 ブラフ(はったり)を「かける」か「かけない」

 【戦争】 「海側」から攻める/守る、「陸側」から攻める/守る

 【テニス】 「中央」にサーブ/備える、「端」にサーブ/備える



プレーヤーは常に相手の裏をかこうとする

 安定的な状況(ナッシュ均衡)は存在しない??

(17)

混合戦略:行動を確率的に選択する



混合戦略

 複数の行動を確率的に混ぜてプレーする

 じゃんけんなどで無意識に行っている“戦略”



純粋戦略

 定の行動を確実に(確率1で)選ぶ:今までの“戦略”

 混合戦略の特殊ケースとみなすことができる



戦略を混合戦略に拡張してナッシュ均衡を定義!

 すべてのプレーヤーにとって、自分一人だけが(混合)戦略を 変えても得できないような混合戦略の組み合わせ

 合理的なプレーヤーは利得の「期待値」を最大化すると仮定

 ノイマン&モルゲンシュテルンによる「期待効用理論(仮説)」「期待効用理論(仮説)」「期待効用理論(仮説)」「期待効用理論(仮説)」

(18)

混合戦略で解くマッチング・ペニー



プレーヤー1は

 を確率q、裏を確率1-qで選ぶとする



プレーヤー2は

 を確率p、裏を確率1-pで選ぶとする

2

1

表 表 表

(p)

裏裏裏裏

(1-p)

表表

表表

(q)

1

-1

-1

1

裏 裏 裏 裏

(1-q)

-1

1

1

-1

(19)

どうやって均衡を見つけるのか?



プレーヤーが表と裏をともに正の確率で選ぶのなら、ど

ちらの純粋戦略を選んでも差がないはず

 均衡においてはどちらも同じ期待利得になっている!

 もしそうでないとすると、期待利得の大きい行動を確率1で選 び、小さい行動を一切とらないのが最適になり矛盾する



プレーヤー1の選択が無差別になるためには

 -p + (1-p) = p - (1-p), よって p = 0.5.

 プレーヤー2の戦略が決定される点に注意!



プレーヤー2の選択が無差別になるためには

 q - (1-q) = -q + (1-q), よって q = 0.5.

 プレーヤー1の戦略が決定される点に注意!

(20)

混合戦略(ナッシュ)均衡の確認



無差別条件から q=p=0.5 が求まった

 これはきちんと混合戦略均衡になっているか?



どちらのプレーヤーも戦略を切り替えても利得が一定

 相手が半々で表裏を選ぶ時に、自分も半々で表裏を選ぶの が最適戦略のひとつにきちんとなっている

 お互いに最適な戦略を取り合っている⇒ナッシュ均衡!



混合戦略均衡では、均衡戦略をとる強いインセンティブ

が無さそうに見えるが…

 お互いに相手の裏をかこうとすると自然とナッシュ均衡に!

(21)

(最適)反応曲線による分析



相手の混合戦略に対する最適な反応を図示

 「最適反応曲線」「最適反応曲線」の交点=(混合戦略)ナッシュ均衡「最適反応曲線」「最適反応曲線」

p 1

BR2

BR1

0.5

NE

(22)

ナッシュ均衡は常に存在するか?

ナッシュの定理(

ナッシュの定理(

ナッシュの定理(

ナッシュの定理(1950) ) ) )



プレーヤー数と行動の数がともに有限であるようなどの

ようなゲームにおいて、少なくとも一つは(混合戦略均衡

を含めれば)ナッシュ均衡が存在する!



有限ではないゲームにも多くの場合ナッシュ均衡は存在

 ホテリング、ベルトラン、クールノーはいずれも行動数が無限



ナッシュ均衡が全く存在しないゲームの例

 【整数ゲーム】 より大きな数字を書いた方が勝ち

(23)

変形版マッチング・ペニー



(表、表)の利得が(-1, 1)から(-2, 2)に変化

 プレーヤー2にとって表は一見すると有利な戦略に

 を選ぶ確率(p’)は0.5よりも増えそうだが…



混合戦略均衡を解いてみよう!

2

1

表 表 表

(p’)

裏裏裏裏

(1-p’)

表表

表表

(q’)

2

-2

-1

1

裏 裏 裏 裏

(1-q’)

-1

1

1

-1

(24)

無差別条件を使って解く!



プレーヤー1の選択が無差別になるためには

 -2p’ + (1-p’) = p’ - (1-p’), よって p’ = 0.4.



プレーヤー2の選択が無差別になるためには

 2q’ - (1-q’) = -q’ + (1-q’), よって q’ = 0.4.



混合戦略の組 (p’, q’) = (0.4, 0.4) が唯一のナッシュ均衡

 変形前の均衡 (p, q) = (0.5, 0.5) はもはや安定ではない

 均衡においてプレイヤー2は、一見すると有利に見える「表」を 以前よりも低い40%の確率でしか選択しない!

(25)

解いてみよう:サッカーのPK



(混合戦略)ナッシュ均衡はどうなるだろうか?

キッカー キッカー

キッカー キッカー

キーパー キーパー

キーパー キーパー

左左

左左

(x)

真ん中真ん中真ん中真ん中

(y)

右右右右

(1-x-y)

左左 左左

(p)

40

60

100

0

80

20

真ん中 真ん中 真ん中 真ん中

(q)

80

20

0

100

80

20

右 右 右 右

(1-p-q)

80

20

100

0

20

80

参照

関連したドキュメント

礎として,UMNO を中心とする国民戦線が,優位政党としての地位を継続 させてきた。シンガポールは,1 9

クルド民主同盟 (シリア・クルド民主統一党(イェ キーティー) ,シリア・クルド民主党(アル・パールテ

一方,前年の総選挙で大敗した民主党は,同じく 月 日に党内での候補者指

大統領権限の縮小を定めた条項が取り除かれてい った 2004 年後半を過ぎると様相は一変する。 「抵 抗勢力」側に与していた NARC 議員の死亡で開

 過去の民主党系の政権と比較すれば,アルタンホヤグ政権は国民からの支持も

リカ民主主義の諸制度を転覆する﹂ために働く党員の除名を定めていた︒かかる共産党に対して︑最高裁判所も一九

治的自由との間の衝突を︑自由主義的・民主主義的基本秩序と国家存立の保持が憲法敵対的勢力および企ての自由

ブルジョアジー及び 大地主の諸党派くカ デツト・ブルジョア 的民族主義者・その.. 南東部地方