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大学院 計量経済分析 Masumi Kawade Site 04gosako

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(1)計量経済分析特論. 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応 古典的仮定から離れたより一般的な環境での推定について考えてみましょう。. . 誤差項の仮定の緩和と実際的な問題. 誤差項の共分散行列が.     ¾ .  . ¼. のような望ましい性質を持っていることは、それほどないと考えられます。逆に、.     ¾.  . ¼. のように、 が対称行列であっても、対角要素がすべて  でなかったり、対角要素 以外も対称なだけで

(2) でない可能性で考えるのが有益でしょう。なお、単位行列 ではないということが意味するのは不均一分散や系列相関を許容しているという ことです。これらの特性が保たれないと効率性に支障を与えます。 また、効率性に影響を与えるという事は分散をふくらませる事なので、仮説検 定で帰無仮説を棄却しにくくもします。そして、系列相関は比較的よく起きうる 特殊な状況では一致性も失ってしまうので注意が必要です。. . 不均一分散. 古典的仮定である観測点にかかわらず誤差項の分散が一定であるとの仮定を緩 和してみましょう。. . 不均一分散とは.   ¾    . 不均一分散とは誤差項の共分散行列が.     ¾ ¼.  . ½½. ¾¾. .  . . .  . となる場合を指します。. . 不均一分散の問題点. 推定量の導出は通常と同じで、.     ½   ¼.  .  . ¼. £.  . ¼.  ½   . ¼.  . 

(3)

(4)   .

(5) 計量経済分析特論.  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. であり、通常の最小二乗法のパラメータの分布は 

(6)   だから、.     ¾  ½   £. ¼.  . ¼. ¼. ½.  . . ¼.  ½ ℄  ½ ℄  . ¼. . ¼.  .  . となってしまいます。なお、   ならば、古典的仮定の下での最小二乗法の分 散であることは確認できるでしょう。また、不偏性は保てています。では、一致性 はどうでしょう。それを確認するために、.      ¾. ½. ¼.  . ¼. ¼. ½.  .  ½   ¾ . .  . ¼.  . ¼. ¼. ½.  .  !. と変形してみます。 はデータの標本数すなわちデータ行列の行数に当たります。 また、 およびその逆行列は   で、かつ も   であることが 確認できるでしょう。この際、一致性については標本が十分大きくなった場合に、 パラメータベクトルの共分散行列が

(7) となることがしめせれば、良いでしょう。こ のあたりは有限標本という考え方から一歩先に踏み出してしまう部分があります が、一致性を与える条件として、. . ¼. . ¼.  ". ¼. . .  . となることを仮定しましょう。また、. . ¼.  #. .  $. ということも仮定しましょう½。これらは、説明変数同士の関連を示す共分散が一 致性を持つということを仮定していますので、妥当なものといえるでしょう¾。そ うであれば、.     ¾ ½ . ¼.  . ¼. ¼. ½.  . 

(8) . .  . となることがいえます。したがって、不均一分散がない状況でも、最小二乗推定 量は一致性を持ちうることがわかります。 ただ、そのまま最小二乗法を行うよりもよりよい推定量が見つかっており、そ の意味で効率性がなくなってしまいます。 ½ なお、有限標本では考慮しない説明変数の性質を仮定するため、分析の範囲が縛られているこ. . . . . とにも注意してください。 ½ ¼ ½ ¼ ½ ½ ¼ ¼ ¾ の共分散行列の計算は ½ ¼ ¼ で、 ½¾ ¼ ¼    ½ ¼ ½ ¼ ½ ¼ ¼ となります。 はそれぞれの説明変数の平均の転置ベクトルあるので標本を大 きくすればある平均値に収束することを仮定しても差し支えないでしょう。したがって、 ½ ¼ に着目すればいいでしょう。.    .  . . 

(9)

(10)   . ¼. ¼.

(11) 計量経済分析特論. .  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. 不均一分散のもう一つの問題. 推定量について、不偏性も一致性もあるのですが、不均一分散の事実を知らず に、そのまま最小二乗法を古典的仮定を満たすとしてパソコンなどで計算してし まうと、    と計算したものが、実は         であった となり、大きな問題を起こしてしまいます。残差は誤差項の推定量にも用いられ るので、それらの歪みが推定量にも波及してしまいます。 では、どう歪んでしまうのでしょうか。それを知るには、不均一分散を考えず に推定した結果 % の分散と、実際  の分散の差 ¼.  . ¼.  . ¼. ¼.  .  

(12) %  

(13)                              .  .   . ¼.  . ¼. ¼.  . ¼. ¼. ¼. ¼.  . ¼.  . ¼. ¼.  

(14) .  .  .  . ¼. ¼. .  .    を考えてみればよさそうです。なお、 が十分大きければ、 できることを利用しています。ところで、.  ¼.      .   ¼ ¼. . . ¼. .     ¼. . .  .      . . ということが.      .   . ¼. . . .     ¼. ¼. .  .           ¼ ¼. .   . .  . . ¼.   . ¼. . .   ¼.  !. ¿ その評価は   参照。.  . 

(15)

(16)   .

(17) 計量経済分析特論.  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. なので、.   . ¼. ¼.  . . .  . .    ¼. . .  .  . ¼.  .  $. ¼. が得られ、 

(18) である限り、誤差が生じてしまいます。なお、  は  が わからなければ、計算することができません。したがって、  の実際の値を知ら ずとも一致性や不偏性の話はできますが、実際的な仮説検定は行えません。 なお、 $ 式に仮定した性質は  ! 式にあるように ¼.   ¼. .   ¼. です。したがって、 の性質如何で仮定によって排除されている  が無限 に発散しうる 一致性を失う ことがあり得る事にも注意しましょう。 ¼. . 系列相関. 不均一分散とは対角要素かそれ以外の要素化という問題に集約することができ るでしょう。. . 系列相関とは. 系列相関とは誤差項の共分散行列が. .          ¼. . . .   . . . . . . . .  . . .  . .        .   .  . となる場合を指します。ただ、このとき任意の要素ということはなく、まず共分 散行列が対称行列、すなわち、.   . 

(19) . と仮定します。これは確率変数としては妥当な仮定といえるでしょう。また、対角 ではないそれぞれの要素は時間に関する関数であり、かつそれぞれの要素が無限.  . 

(20)

(21)   .

(22) 計量経済分析特論.  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. 大をとらないとしましょう。すなわち、.                            .       

(23)             

(24) . ¼. ¼. ¼.        . ¼ ¼. ¼. と考えます。この条件は弱定常性 

(25)   

(26)  と呼ばれるものですが、 データの変動が無限大をとるほど大きく振れるものではないといった意味です。ま た、誤差項が定まった関係を持っていることも意味します。その上、  の準対角 要素はそれぞれ同じ値であることも意味します。私たちが扱うデータがこのよう なデータであることを仮定していますので、それ以外のことは考えません。. . 系列相関の問題. 基本的な場合 このとき、どのような問題を引き起こすのでしょうか。基本的に は不均一分散と同じことになり、.            £. ¼.  . ¼. ¼. となります。ここで、.       ¼. .  . ¼. ¼. .  . .  . . .  .   ¼.       . ¼. ですから、. . .           .  . ¼. . .      . . . . .  .    ¼. . . . . . .  . ¼. ¼. . ¼. .  . .             . ¼. ¼. ¼. . .  . ¼. ¼.   .   .  !.               . ¼. . . .  . ¼. ¼. . ¼. . . ¼.  $.    ¼.  .  共分散定常とも呼びます。.  . 

(27)

(28)   .

(29) 計量経済分析特論. ! . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.   なので、. であり、       ¼  . . . . . . .    ¼.   .    .  .   . 

(30) . ¼.  . ということが得られます。このとき、  Ë  が が十分大きい場合に、定数行列 に収束すれば一致性が得られることがわかります。その十分条件は の性質がよ く 、かつ誤差項の共分散が観測値の間隔が遠のくほど十分早く小さくなることが 条件になります。この条件も、推定の際にはある程度一般的な仮定であるので、そ のまま満たされると考えても良いでしょう。 以上のことから、不偏性も一致性も崩れてはいませんが、こちらもよりよい推 定量が開発されていることからわかるように、効率性がないという問題がありま す。そして、不均一分散のときと同じく、系列相関の構造を示す  がわからなけ れば、 

(31)  がわかりません。 ¼. ラグのある場合 自己ラグがあると問題が一層深刻になります。ラグしかない簡 単なモデルで確認しましょう。まず、. .   . .  .  . .  . .  .  .  .  . を考えます。なお、

(32)    

(33)     とします。ここで、  式に   式を代入すると、. .   . .  .  . .  .   .  . となり、       .       .  .                .  .    .  .   .  .  .  .  .    .  .  .  .   .    .            .  .    .  .    .  .                 

(34)   .  !  .  ある観測値以外はすべて信の平均値しか取らなかったり、ある観測値の影響が強すぎなかった. りする性質です。  漸近正規性についても、満たされるものの、証明は困難です。.  . 

(35)

(36)   .

(37) 計量経済分析特論. 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.  .       .  $. です。ところで、       .    . ですから、弱定常性の仮定から、       .    .    . . &.  . . かつ 

(38)       が得られるので、       .       . .  .       

(39)   .      .       . .    

(40)     . . .  

(41)      . となり、

(42)    

(43)     なので

(44)     といえるから、       .       .    . . . . . . 

(45).   . となります 。したがって、説明変数と誤差項が相関を持つことが示されました。 これは後に学ぶように、不偏性も一致性も失う大きな問題を引き起こします。. . 不均一分散の検出. 仮説検定による検出方法を考えてみよう。.  .  検定. 最初に考えられる検定として、 . ' すべての  が   . . '  ではない.  . . という仮説を考えましょう。このとき、通常の最小二乗法で得られた      を説明変数同士の積   通りの中で重複を除いたものを説明変数 その数を  として、その決定係数を標本倍した  が   分布に従うことを利用しま す。仮説検定は片側検定で行います。. . .    

(46).  . .

(47)  ですぐに出せます。. 

(48)

(49)   .

(50) 計量経済分析特論.  . $ . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.     検定. 標本を つのグループ 標本数    に分けましょう。このとき、実績ではな く 誤差項の分散が大きそうな標本グループと小さそうな標本グループに分けるこ と方針で行います。そのグループの誤差項の分散について、 . '   . . '  ではない.   . という仮説を考えましょう。 均一分散であれば つのグループの分散は等しく、不均一であれば分散は異な るとします。このとき、同一モデルで残差平方和       を計算し、自由度で 割ります。その値の大きなほうをグループ  として、 ¼. ¼  !    !.      . ¼. "  . .  . . .  !. . . を仮説検定します。帰無仮説が正しければ、この検定量は "     に 従います。 なお、誤差項が正規分布に従うことが保障できなければ、大標本の中でで近似 的に " 分布を利用することになります。.  .     検定. ()*+*,-./ 検定は標本を分割するのに特定の基準がありません。そのため 一般性がないのが欠点となっています。それを一般化したものが 0 1,23. 検 定です。具体的な方法は  の構造を示す .  # $  $ % .  . ¼. を考えて、そのデータ行列 & と '  (). .  ' & &. ¼. ¼. &.  . . ¾. . ¼

(51) . をベクトルとする ' について、.  $. ¼. &'. ¾. を考えます。 

(52) を分散を決定する要因 % で回帰した際の理論値の平方和に ! をかけたものです。もし均一分散であるならば、() は自由度 .4&  の 分布 に従うことがわかっています。 なお、0 1,23. 検定は誤差項の正規性が崩れると不安定になるとされ、 ¼. ().  . . . &.  ¼ & & ¼ &   & ¼ . & .  . 

(53)

(54)   .

(55) 計量経済分析特論. 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.  . を使います。なお、. . ¼. .  &. . . . . . . ¼. 

(56) . ¼  . ¼ .  . & .  . です。. . 系列相関の検出. 系列相関がある場合には通常の最小二乗残差に自己相関があるかを見る方法が 主となります。.  . !"  検定. 56.,7/). 検定は、当期と前期の誤差項の相関を  とすると、 . '

(57). . '

(58).  . の仮説検定を考えます。検定統計量は.  *. +.  . . . +  .   +.   . .  . .  .    .  . . . . . 

(59)

(60)   .

(61) 計量経済分析特論. 

(62)  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.                 . . . .  !. .       

(63)   

(64)    

(65)    

(66).            .  .       

(67). . . . .

(68) .           .  .   $. . となります。このとき、この統計量が従う確率分布が計算されており、有意水準 $ の臨界値が つの点 *  * として表現されていて、.     

(69)   * *   

(70)   *  *   

(71) .  を棄却. グレーゾーン.  .  を受容. が得られます。なお、これは通常の仮説検定のように * を使って帰無仮説  を 棄却するだけではなく、 を受容することも検定しているのが重要な点です。 なお、これは逆相関でも同様に行うことができます。検定する仮説は . '

(72). . '

(73).       

(74)   * *     

(75)   *  *     

(76) .  !

(77) . であり、.  を棄却. グレーゾーン.  !.  を受容. として、評価します。なお、グレーゾーンはどちらにもいえるため、その意味が 不明であるという欠点があります。.  . 

(78)

(79)   .

(80) 計量経済分析特論.  .  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. !"  検定. 先に述べたように、自己ラグのあるモデルで系列相関がある場合には推定量が 不偏性や一致性を失っています。不適切な推定量で得られた誤差項の相関を評価 しても系列相関を正しく測ることはできそうになく、実際自己相関が検出しにく くなります。それを回避するのが 56. 1 検定です。その統計量は. ,. . * . . .  .  

(81)  .  ! . で、帰無仮説が正しければ標準正規分布に従うことが知られています。 はラグ を持つ説明変数にかかる係数の分散の推定量です。なお、  

(82)     では使えません

(83) 。.  . #$ 検定 %  &

(84) 検定. 56.,7/). 検定はグレーゾーンを持ったり、説明変数が確率変数だと 56., 7/). 検定に使う分布に問題が起きて帰無仮説を棄却しにくくなる事が知られて います。そこで、誤差項をそれ自身のラグと説明変数で.   -. .  - . .  -   .    .     .   .  ! . のように回帰して、係数に関する " 検定.  ' -  . 

(85)  ' ではない.  !. を考えます。説明変数と誤差項は回帰分析の関係      

(86) から係数が限り なく

(87) で統計的には有意でなくなるはずですが、系列相関があれば - は

(88) では無 いという結果が出てくる事が考えられ帰無仮説が棄却されるというものです。こ れを 0 1()+8 検定とよび、9 検定と呼ばれる検定の枠組みに属します 。 説明変数を入れるのは先に述べた説明変数のクセによって、帰無仮説が棄却しに くくなる現象を軽減する 検出力をあげる ために入れています。. . 不均一分散の対応. '. 効率的な推定量 % ウェイト付最小二乗法. 不均一の構造が既知の時の推定量  がすでにわかる場合には、  が正定号行 列 ここでは対角行列 なので、 .   .

(89) 

(90) .  ! .  その際には別の検定が用意されています。  検定はラグランジ乗数検定と呼び、最尤法の部分で学ぶ事になります。.  . 

(91)

(92)   .

(93) 計量経済分析特論. 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.   . と表すことができ、.

(94) . ½ ¾.   . .  !!. 

(95) ½

(96) ¾ ½

(97) ¾ ½

(98) ¾.        ℄  ½

(99) ¾ ½

(100) ¾      . と置くことができれば、 ½ ¾.  . ¼.  .  . ¼.  .  . ¼.  !.  .  !$. となるので、誤差項の分散の期待値を単位行列にできます。ところで、  .  

(101) .

(102)   ½

(103) ¾. . ½ ¾. .  .  . ½ ¾.  !. なので、真の誤差項に関する共分散行列をかけた推定量を最小二乗法で計算すれば、. .   ½ ¼.  . .  . ½. ½. ¼.  

(104) .  . が得られます。この考え方は一般化最小二乗法であり、後に詳しく述べます。 不均一の構造が未知の時の推定量 分散の構造が不明な場合には分散を推定する ことになります。まず、分散の推定量は.    .  . :*   .   . ですが、一致性があるため、十分標本が多ければ  自身も、 £. となり、漸近的に一致します。十分に真の誤差項と近いならば、. ¾   ¾  .   . £. となり、期待値の意味で、.  ¾  .  ¾     £.  ¾    ¾ £.  . £. となります。そして、.  ¾  % / £.   . ¼. というモデルであるといえれば、十分に標本が大きいことを利用して、. ¾  % /  .  !. ¼. として最小二乗推定量を求めれば、一致性のある / を手に入れられるため、求め たい  ¾ の一致推定量を手に入れられます。 このとき、 £. £.  . :*. £.  . となるので、不均一の構造が既知の場合と同じように計算することができます。こ の考え方は実行可能な一般化最小二乗法であり、後に詳しく述べます。.  . 

(105)

(106)   .

(107) 計量経済分析特論. 望ましさ.  . .   . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. 推定量は、. . ¼.   .   £. . .  . .  . ¼.  . ¼. .      .  $.  .  .  . .  . £. ¼.  . £. £. なので、不偏性も保てており、.  

(108) .                       . ¼. ¼. .  .  .  .  . ¼.  . ¼. .  .  .  $

(109)   $.  .   . ¼.  .  $ . なので、  の性質がよければ、一致性も保っています。. '. 一致推定量 (  推定. 構造が未知な場合に、一致性だけに注目してそれ以外をバッサリと捨ててしま うという考え方も可能です。その時にはパラメータの分散だけに着目して、分散は.  

(110) .   . . ¼. .  . .     ¼.     .  . ¼. ¼.  . . . . ¼. . ¼  .  . ¼. . .   . .  $ .  . ¼. . ¼. . .  . .  .  $  $ . であるので、  がわからなければ推定値が得られません。そこで、79; のよう に  を推定こともできますが、これだけを推定するのは難しそうです。そこで、 ¼  . . . .    ¼.  $!. なので、 を  で置き換えた.  ¼. . . .    ¼.  $. を  の推定量として考えます。このとき、  の性質がよく、標本が十分大 きければ、大数の法則から、 ¼. :*.  ¼. . ¼  .  $$. がいえますので、これを用いて通常のさまざまな仮説検定を利用できるでしょう。 なお、この内容は大標本理論下の一致性を中心とした議論です。ですので、効率性 は一致しているとの条件の範囲で行うことから、特に比較の必要はないでしょう。.  . ­

(111)

(112)   .

(113) 計量経済分析特論. .  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. 系列相関への対応. ). 不偏推定 % 基本的対処法.  がすでにわかる場合には、  が正定号行列 ここでは対称行列 なので、 ¼.    . 

(114). . 

(115).  $. と表すことができ、. . 

(116). .  

(117) . と置くことができれば、分散不均一のケースと同じ話になります。望ましさも、不 均一分散のケースと同じです。この考え方は一般化最小二乗法であり、後に詳し く述べます。. ). 効率推定 ( *  +  法. <) 1.,= // 法は $     . .  .  .  .  . を通常の最小二乗法で推定します。次に、その残差を利用して、 .  % . .  %.   . を通常の最小二乗法で推定します。ここで得られた % を用いて、. . %.   .  $     . を推定します。$   には   . .  . .   %. $   . %. . %.    .  . . . . %. .     .   . が影響していることに注意して、次に、.      . .    . .  . .  . で得られた残差  を利用して、  . .   .  %  .  .  %.   . .  として、%  が変化しなくなるまで計算を続け、収束した際の $         を採用します。この際、一回の計算で効率推定になりますので、複数回繰り返す ことでそれ以上の効果はありません。なお、この方法の欠点は、誤差項の相関の 推定にラグを使うことから、ラグの分だけ標本が少なくなることです。なお、大 標本では問題はありませんが、有限標本ではたとえ一つの標本の減少でも、その 影響が大きいことは否めません。  .  .  . 

(118)

(119)   .

(120) 計量経済分析特論. ).   . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. 一致推定量 ( ,-

(121)  推定. 71/ 推定の時のように、構造が未知な場合に、一致性で仮説検定の余地をほ とんど無くしてしまうことを考えてみましょう。不均一分散のパラメータは通常 の最小二乗法で不偏性を得ることができます。ただ、分散は  

(122) .   . . ¼. .  . .     ¼.     .  . ¼. ¼.  . . . .  . ¼. . ¼  . ¼. . .   . .  !.  . ¼. .  .  . . ¼. . .  $.  . であるので、  がわからなければ推定値が得られません。そこで、71/ の推定 と同じ考え方で、 ¼  . . .  .   .  .    .  

(123)

(124) . ¼. から、.   ¼. . .   . ¼. を  の推定量として考えます。このとき、標本が十分大きければ、大数の 法則から、 ¼. :*.   ¼. . ¼  .  

(125) . がいえますので、これを用いて仮説検定を利用できるでしょう。なお、この内容 は大標本理論下の一致性を中心とした議論です。ですので、効率性は一致してい るとの条件の範囲で行うことから、特に比較の必要はないでしょう。   が正定号行列になることが保証 ここまでは 71/ の推定と同じですが、 . できません。そのため、 ¼.   ¼. . . .    ¼. . .  .   .  (. .         ¼.      ¼.  . .  

(126) . とする推定方法です。こちらも、本質的には一致性の枠組みの中で、便利な推定 量です。.  . ­

(127)

(128)   .

(129) 計量経済分析特論. . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. ! . 不均一分散と系列相関への包括的な対応. .. 一般化最小二乗法. 分散に関する仮定は推定するパラメータが共通の分布の形、.     ¾  ½   £. ¼.  . ¼. £. ¼. ½.  . .  

(130) . を持ちます。ということは、 が正定号行列なので、固有値分解により.   > £.  

(131) . ¼. ができます。これをうまく利用することで、通常の最小二乗法の形に書き直すこ とができます。. 推定量. 正定号行列の固有値分解は.   >½

(132) ¾ >½

(133) ¾   00 £. ½. £ . ¼.   >. ½

(134) ¾. >. ½

(135) ¾.  ¼.  >. ½.  .  

(136) . ¼. ½

(137) ¾.  . >. ½

(138) ¾.  . . ¼. 0. ½.  . 0. ¼. ½.  .  

(139) !. とおいて、. 0 ½  0 ½   0 ½

(140)        .  .  

(141) .  . と考えれば、最小二乗推定量は.          0 ½  0 ½ 0 ½  0 ½.   0 ½ 0 ½  0 ½ 0 ½.   ½  ½   ½  ½. ¼. ¼.  . ¼. ¼. ¼. ¼.  .  .  .  . ¼. ¼. ¼. £  . ¼.  .  . ¼. ¼.  . £  . ¼. £ . ¼. £ .  

(142) $  

(143)   

(144)   . と示されます。これを一般化最小二乗法 (9;' (.*? 9/ ;@ とよび ます。. 望ましさ. 一般化最小二乗法で利用した変換データは.      ¼.  ½ 0 .  . 0   ½.  . 0 ½ 0 .  0 0 ½.    .  .  .  . ¼. ¼.   . ¼. ½.   .  . ¼. ½.  . 0.  . ½. £. 0. ¼. ½.  .     . 

(145)

(146)   .

(147) 計量経済分析特論.  . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. となります。なお、 ¼ 1  0   0 . 0 10 1 ¼. . . ¼. 0   0. ¼. .  . ¼. .  0. ¼. .     0.  ! ¼. . 0. ¼. .    $. で確認できるでしょう。したがって、誤差項の行列の性質が古典的仮定の最小二 乗法と同じになります。したがって、変換したデータはガウスマルコフの定理が 適用できます 。 ということは、誤差項の分布が事前にわかれば、それを利用することで、誤差 項の性質がどのようなものであっても一般化最小二乗法を用いて、最も望ましい 推定量を得ることができます。しかし、一般化最小二乗法は誤差項の分布が間違っ ていると結果をゆがめてしまう可能性があります。また、間違え方は多用である 一方、通常の最小二乗法で行う間違いは不均一分散と系列相関がないとする単純 なものです。また、不均一分散および系列相関には個別に上記の方法で対応でき るでしょう。そのため、誤差項の情報に問題がある場合には、一般化最小二乗法 は有力な選択肢にはなりません。. .. 実行可能な一般化最小二乗法. 71/ 推定や A8,7/ 推定は標本量に頼る一致推定量であって、効率性を求 めるものではありません。そこで、限られた標本で効率性を追求する推定量とし て一般化最小二乗法を考えてみましょう。ただ、不均一分散や系列相関のパター ンが不明な場合には使えません。ただ、完全に知られている必要まではなく、あ る程度の形状がわかるだけでも推定可能です。 たとえば、誤差項が  階の自己相関をしているような場合には、.   .    . . . . . . . . .  . . . . . . . . . . . . . . . . . .  . . . . . .       .  . となります。このとき不明なパラメータは  だけになります。この範囲ならば推定 が可能になりそうです。また、不均一分散も一つの変数に従う場合ならば同様な 定式化で使えそうです。 このとき、誤差項の真の共分散行列がわかっていなくとも、推定される共分散 行列がモデル化されており、モデル化の際に加わる情報で推定可能となるのです。. .  . の定理ともよびます。. 

(148)

(149)   .

(150) 計量経済分析特論. $ . 誤差項に関する仮定の緩和とその対応. 推定量 一般的な B(9; の推定方法は、まず、与えられたパターン情報から、.  を求めることです。それを利用して、 を推定値で置き換えた の推定値. £. £.   .    . ¼.  . ½. . ½.  . ¼. . ½.  .  

(151) . を用います。これを実行可能な一般化最小二乗法 B(9;' B6* (.*? 9/ ;@ とよびます。 なお、<) 1.,= // 法は  を求める際に、観測値を落とす方法であって、 B(9; の枠組みに入ります。.  を用いることは、.  が確率変数 望ましさ 真の を利用するのに比べ、推定値. になるため、推定量の望ましさが評価できません。このとき、 

(152)  式を £. .    .   ½ ¼. . ½.  .   ½. ¼.   . として、真の を知っている場合との比較で、一致性を持つためには. . £.   ½ ¼. と. .   ½. ¼.  . ¼ £ ½ . .   . ¼ £ ½.  .   ½   £ ¼. .   £.  .   . ¼. ½.  . . . ¼ £ ½   £.   £. . ¼ £ ½  £. .   . ¼. ½.  . .    ¼ £ ½ £. .    について、. :* :*.   ½ ¼.   . ¼. ½.  .  . ¼ £ ½ . ¼ £ ½ £.  :*  :*.   ½ ¼ .   ½ ¼ . . . ½. . ½. . £ . £ . £. 

(153).   . 

(154).   !. であることが条件です。当然、.  :* .  . ½. . £ . ½. 

(155).   . となれば、漸近的に を用いた (9; と同じであることがいえます。しかし、限  ½  ½ となっている保証はほとんどありません。そこで、 られた標本では. £.  .  . £ . 

(156)

(157)   .

(158) 計量経済分析特論. 誤差項に関する仮定の緩和とその対応.  .    式や   ! 式のようなより可能性の広がる条件を与えています。とはい え、これとて満たされる保証はありません。一致推定量と見れば、   式は満 たされると考えていいのですが、それなら 71/ の推定や A8,7/ の推定の ほうが便利ですし、わざわざ B(9; を考えた意味がありません。したがって、こ れが満たされるという事を調べなければいけないのですが、一般的には満たされ る事は多いようだとされているので、   式や   ! 式が満たされるようで あれば、B(9; 推定量は (9; 推定量と同じ効率推定量になります。ただし、本当 にそうかといわれると証明の余地はないですから、実は効率化を目指したことが 災いして、扱いにくい推定量でもあります。なお、誤差項の構造   を推定する  自身の効率性については漸近的な効率性という観点からすれば、重要では 際の. ない事が知られています。 したがって、(9; よりも 71/ の推定や A8,7/ の推定が実際的には便利 でしょう。また、正しい情報もない中で、誤差項の構造をモデル化することに危 険性があるためで、効率性を強く要請しなくとも、一致性さえ満たせば、その中 で評価することが安全であるという考え方も重要です。.  . ­

(159)

(160)   .

(161)

参照

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