201706_201711_2 サムライ知恵袋 ― こうべ企業の窓口
所得拡大促進税制拡充で節税!
雇⽤関連の補助金について調べてみたけれどなかなか要件を満たすことこが難しく断念 している。または会社の利益が安定してきたので従業員への還元を行っている、あるいは毎 年ベースアップを行えるようになってきた。こんな法⼈さま、事業主さまは、おられません か。
法⼈税において、賃上げ促進のための「所得拡⼤促進税制」という制度が平成 25 年からあ るのをご存知でしょうか。平成 29 年税制改正により拡充がなされ、平成 29 年 4 月 1 日以 降開始事業年度からは、この制度を利⽤できる場合、その節税効果が非常に⼤きくなりまし た。
雇⽤者給与等⽀給額が、基準事業年度(平成 24 年度の給与)より 3%以上増加していて、し かも前事業年度よりも増加しているなどの場合には、最⼤で増加額の 22%が法⼈税額から 控除できるようになったのです。平成 29 年税制改正による変更はありませんが、中小企業 者等の場合は、法⼈住⺠税の法⼈税割についても所得拡⼤促進税制に係る税額控除後の法 ⼈税額を基礎として計算しますので地方税にも節税の効果があります。
まず、顧問税理士に期中および、決算前にこの制度についてあてはまるかどうかチェックを 依頼し、給与等の過年度の必要な情報を提供するところから始めてください。賃上げに取り 組んでいる、賞与が増えた、正社員の採⽤を勧めている会社は、適⽤できる可能性は高いで す。要件を満たしているにもかかわらず、制度利⽤しなかった場合には税務面で⼤きな損を してしまう点十分にお気をつけください。
要件のあてはめや計算、計算の対象となる⼈員についての詳細は専門家にまかせるべきで しょう。ここでは、中小企業者等の場合にかぎってその⼤枠と影響を詳しく見てまいります。
●適⽤法⼈:国内雇⽤者に対して給与等を⽀給する⻘⾊申告法⼈または個⼈事業主 ●制度利⽤:事前申請は必要なし。確定申告の際、申告書に明細書を添付
●要件 ①基準事業年度(平成 24 年度)の雇⽤者給与等⽀給額と比べて、平成 29 年度 の雇⽤者給与等の⽀給額が 3%以上増えていること
②雇⽤者給与等⽀給額が前年度以上であること
③継続雇⽤者一⼈当たり平均給与が前事業年度の継続雇⽤者一⼈当たり平均給 与を上回っていること。
●措置 :上記要件を満たし、平均給与が前年度より 2%未満増加の場合 (従前より)→平成 24 年からの平均給与の増加×10%を法⼈税額から控除。
ただし法⼈税額の 20%を限度。
201706_201711_2 サムライ知恵袋 ― こうべ企業の窓口 →平成 24 年度からの平均給与の増加×10%を法⼈税額から控除に加えて 前年度からの増加額 12%を上乗せする。ただし法⼈税額の 20%を限度。
以下事例で平成 29 年税制改正における拡充の影響額をみてみます
≪事例Ⅰ≫
基準雇⽤者給与等⽀給額(平成 24 年度):1,000 百万円 比較雇⽤者給与等⽀給額(前年):1,200 百万円
雇⽤者給与等⽀給額(平成 29 年度):1,500 百万の場合 改正前:(1,500-1,000)×10%=50 百万円→税額控除額
改正後:(1,500-1,000)×10%+(1,500-1,200◆)×12%=86 百万円→税額控除額 改正による節税への影響額は、36 百万円(法⼈税額の 20%までの制限考慮外)
◆:雇⽤者給与等⽀給額と基準雇⽤者給与等⽀給額の差額 or 雇⽤者給与等⽀給額と比較雇 ⽤者給与等⽀給額の差額のいずれか低い金額を選択
≪事例Ⅱ≫
基準雇⽤者給与等⽀給額(平成 24 年度):1,000 百万円 比較雇⽤者給与等⽀給額(前年):900 百万円
雇⽤者給与等⽀給額(平成 29 年度):1,500 百万の場合 改正前:(1,500-1,000)×10%=50 百万円→税額控除額
改正後:(1,500-1,000)×10%+(1500-1,000◆)×12%=110 百万円→税額控除額 改正による節税への影響額は、60 百万円(法⼈税額の 20%までの制限考慮外)
ご自身の会社の給与⽀給額規模に読み替えて設例をご覧いただくと、その効果を一層感じ て頂けると思います。基準雇⽤者給与等⽀給額と比較雇⽤者給与等⽀給額は決まっていま すので、今年度の⽀給について考える指標にもなるでしょう。
(この内容は、2017 年 6 月時点の情報です) クライアントのビジョンを実現し、その先に導く
町田公認会計士事務所 公認会計士・税理士 町田美紗