浦 監 第 1 9 号 平 成 22 年 5 月 18 日
浦安市監査委員 杉 山 元 三
同 黒 田 レイ子
浦安市職員措置請求に基づく監査の結果の公表について
地方自治法第 242 条第1項の規定に基づき、平成22 年3月 19 日に提出され た浦安市職員措置請求について同条第4項の規定により監査を実施したので、 その結果を別紙のとおり公表します。
なお、本件監査において、監査委員秋葉要(平成 21 年6月 10 日就任)は、同 法第 199 条の2の規定により除斥しています。
浦安市職員措置請求に係る監査の結果
第 1 請求人
10 名の住所・氏名 省略
第2 請求の受理
平成 22 年3月 19 日、浦安市監査委員に対し、地方自治法( 以下、「法」と いう。) 第 242 条第1項の規定に基づき浦安市職員措置請求書が提出された。
これに対し、要件審査を行い、請求の要旨(対象職員や措置請求の内容な ど)が明らかでないこと、また、事実を証する書類として、請求者が公文書 開示請求により書類を 閲覧し作成した政務調 査費調査票が添付され ていた が、調査票の記載事項を証明する領収書等の写しが添付されていなかったこ となどから、監査委員は補正を求めるとともに、政務調査費調査票が事実を 証する書類として認められるかどうかなどについて検証した。
この結果、適正な補正が行われたこと、また、請求者が作成した政務調査 費調査票の記載内容については、議員及び会派から提出された収支報告書に より、事実確認ができることが判明したことなどから、4月5日に本請求書 を受理した。
第3 請求の要旨
1 措置を求める理由
次の議員及び会派の 2008 年度における政務調査費に係る公金の支出は違 法又は不法であるので、浦安市のこうむった損害を補填するために必要な措 置を講ずべきことを浦安市長に対し請求する。
(対象議員及び会派)
・浦安市議会議員A氏(以下「A議員」という。)
・浦安市議会議員B氏(以下「B議員」という。)
・浦安市議会議員C氏(以下「C議員」という。)
・浦安市議会議員D氏(以下「D議員」という。)
・浦安市議会議員E氏(以下「E議員」という。)
・浦安市議会議員F氏(以下「F議員」という。)
・浦安市議会議員G氏(以下「G議員」という。)
・浦安市議会議員H氏(以下「H議員」という。)
・浦安市議会議員Ⅰ氏(以下「Ⅰ議員」という。)
・浦安市議会議員 J 氏(以下「J 議員」という。)
・浦安市議会議員K氏(以下「K議員」という。)
・浦安市議会議員L氏(以下「L議員」という。)
・浦安市議会議員M氏(以下「M議員」という。)
・浦安市議会議員N氏(以下「N議員」という。)
・浦安市議団A会派(以下「A会派」という。)
・浦安市議団B会派(以下「B会派」という。)
(添付書類)
事実証明 ・2008 年度政務調査費調査票
・政務調査費議員別会派別返還要求金額(2008 年度)
2 違法又は不法な支出とする政務調査費の内容
(1) 費用区分による内容
ア 旅費について、会派の慰安旅行と思われるので、浦安市議会政務 調査費の交付に関する条例施行規則(会計帳簿等の整理保管)第9 条に基づき政務調査に係る事業に関する書類、領収書等の証拠書類 を監査されることを要求する。
対象:A議員(180, 166 円)、B議員(180, 166 円)、E議員(65, 606 円)、Ⅰ議員(62, 428 円)、K議員(59, 108 円)、N議員
(59, 108 円)
また、旅費を重複して請求していると思われるので監査請求する。 対象:J議員(400 円)
イ 手土産代について、公務員又は準公務員に対する手土産と思われ る。受領する側は公務として行っているのであり手土産を受領する 根拠がないものである。よって政務調査費での支出は違法である。
対象:A議員(6, 463 円)、B議員(6, 463 円)、C議員(1, 237 円)、D議員(1, 237 円)、E議員(6, 463 円)、G議員(1, 237 円)、H議員(1, 237 円)、J議員(1, 237 円)、M議員(1, 237 円)、A会派(18, 860 円)、
また、区議会議員分については、特別公務員に対する接待と思わ れ、手土産の必要性を認められないので浦安市議会政務調査費の交 付に関する条例施行規則(会計帳簿等の整理保管)第9条に 基 づ
き 政務調査との関係を明確にするよう要求する。 対象:B議員(1, 760 円)
ウ 新聞購読代について、議員は政務調査のための独立した事務所を 設置しておらず、各新聞の配達先が自宅と思われ、個人又は家族の 購読と思われる。さらに、一般紙又は TI ME の購読と政務調査との 関係が不明であり、政務調査費での支出とするのであれば、浦安市 議会政 務調 査費の 交 付に関 する 条例施 行 規則第 9条 の政務 調 査内 容を監査請求する。
対象:A議員(73, 526 円)、B議員(41, 580 円)、C議員(80, 940 円)、D議員(57, 495 円)、E議員(47, 700 円)、F議員
(47, 700 円)、H議員(42, 180 円)、Ⅰ議員(47, 700 円)、 J議員(94, 800 円)、L議員(27, 204 円)
また、公明新聞、公明新聞日曜版、日刊「しんぶん赤旗」、「しん ぶん赤旗」日曜版について、これらは政党より発行されており政党 活動と思われる。政務調査費での支出とするのであれば浦安市議会 政務調 査費の 交付 に 関する 条例施 行規 則 第9条 の政務 調査 内 容を 監査請求する。
対象:A会派(22, 020 円)― 公明新聞
B会派(46, 680 円)― 公明新聞日曜版、日刊「しんぶん 赤旗」、「しんぶん赤旗」日曜版
エ 書籍代について、単に書籍代とのみ記載されており、書籍名が不 明である。浦安市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則(会 計帳簿等の整理保管)第9条に基づき政務調査との関係を明確にす るよう要求する。
対象:A議員(31, 310 円)、B議員(10, 768 円)、F議員(23, 310 円)、L議員(51, 986 円)、M議員(33, 850 円)、A会派
(80, 133 円)、B会派(28, 560 円)
オ 雑誌購読料について、日経ビジネスは経済専門誌であり、個人的 経済活動にも利用されていると思われるので、浦安市議会政務調査 費の交付に関する条例施行規則(会計帳簿等の整理保管)第9条に 基づき政務調査に係る事業に関する書類、領収書等の証拠書類を監 査されることを要求する。
対象:Ⅰ議員(20, 700 円)
カ インターネット接続料について、自宅でのインターネット接続と 思われ、私的使用・政治活動・選挙活動・経済活動との区別がなさ れていないと思われ、全てが政務調査に使用されたか疑わしいので、 浦安市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則(会計帳簿等の 整理保管)第9条に 基 づ き 政務調査に係る事業に関する書類、領 収書等の証拠書類を監査されることを要求する。
対象:B議員(63, 525 円)、E議員(54, 180 円)、F議員(51, 647 円)、L議員(70, 317 円)、M議員(42, 851 円)、N議員
(75, 600 円)
キ パソコン修理代(HDD 交換、メモリー増設)について、自宅での パソコン設置及び使用と思われ、私的使用・政治活動・選挙活動・ 経済活動との区別がなされていないと思われ、全てが政務調査に使 用されたか疑わしいので、浦安市議会政務調査費の交付に関する条 例施行規則(会計帳簿等の整理保管)第9条に 基 づ き 政務調査に 係る事業に関する書類、領収書等の証拠書類を監査されることを要 求する。
対象:H議員(31, 000 円)
ク きょうされん及び CAP センターJ APAN への賛助会費並びに第 70 回全国都市問題会議参加費について、政務調査との関係が不明と思 われるので浦安市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則(会 計帳簿等の整理保管)第9条に 基 づ き 政務調査に係る事業に関す る書類、領収書等の証拠書類を監査されることを要求する。
対象:Ⅰ議員(5, 160 円)― きょうされん及び CAP センターJ APAN N議員(10, 000 円)― 第 70 回全国都市問題会議
ケ 勉強会・市政学習会・市政報告会に係る経費について、これらは 政治集会と思われ政務調査との関係はない。よって浦安市議会政務 調査費の交付に関する条例施行規則(会計帳簿等の整理保管)第9 条に 基 づ き 政務調査に係る事業に関する書類、領収書等の証拠書 類を監査されることを要求する。
対象:B会派(5, 040 円)
コ 新聞購読代(「しんぶん赤旗」日曜版)及びメモリーカード購入 代について、領収書紛失とあるが、浦安市議会政務調査費の交付に 関する条例施行規則(会計帳簿等の整理保管)第9条か ら す れ ば 、 議 員 は 領 収 書 の 再 発行の依頼をして添付すべき義務があるはず で、領収書のないものの支出は認められない。
対象:E議員(9, 600 円)― 新聞購読(「しんぶん赤旗」日曜版) G議員(9, 800 円)― メモリーカード購入
(2) 議員又は会派による内容 ア A議員〔計:291, 465 円〕
項目 金額 適用及び理由
65, 606 円 往復航空 運賃 、宿泊 費、レン タカ ー代(ガ ソリン代 、保 険代含 む)、夕 食代 、高速道 路代、駐車代、バス代など (7/ 22∼24 日) 旅費
114, 560 円 航空券代、宿泊代、フェリー代、リムジン バス代、レンタカー代(ガソリン代含む)、 高速道路代、施設見学料金など(2/ 24∼26 日) 2, 173 円 奈井江町議会事務局、北海道議会事務局、
苫小牧市議会事務局、札幌市議会事務局 手土産代(8, 400 円)、送料(4, 640 円) 13, 040 円÷ 6人
手土産代
4, 290 円 指宿市議会事務局
手土産代(8, 700 円÷ 3人) 送料(4, 170 円÷ 3人)
新聞購読代 73, 526 円 4月∼3月分(読売新聞・産経新聞) 書籍代 31, 310 円
イ B議員〔計 304, 262 円〕
項目 金額 適用及び理由
65, 606 円 往復航空運賃、宿泊費、レンタカー代(ガ ソリン代、保険代含む)、夕食代、高速道 路代、駐車代、バス代など (7/ 22∼24 日) 旅費
114, 560 円 航空券代、宿泊代、フェリー代、リムジン バス代、レンタカー代(ガソリン代含む)、 高速道路代、施設見学料金など(2/ 24∼26 日)
2, 173 円 奈井江町議会事務局、北海道議会事務局、 苫小牧市議会事務局、札幌市議会事務局 手土産代(8, 400 円)、送料(4, 640 円) 13, 040 円÷ 6人
4, 290 円 指宿市議会事務局
手土産代(8, 700 円÷ 3人) 送料(4, 170 円÷ 3人) 手土産代
1, 760 円 江戸川区議会議員への手土産 新聞購読代 41, 580 円 読売新聞
インターネ ット接続料
63, 525 円
書籍代 10, 768 円
ウ C議員〔計:82, 177 円〕
項目 金額 適用及び理由
650 円 視察先への土産代 3, 900 円÷ 6人 手土産代
587 円 視察先への土産代
1, 300 円÷ 6人、2, 600 円÷ 7人 10, 800 円 TI ME
新聞購読代
70, 140 円 千葉日報(08. 8∼09. 3)
日本経済新聞朝刊(08. 4∼09. 3)
エ D議員〔計:58, 732 円〕
項目 金額 適用及び理由
650 円 視察先への土産代 3, 900 円÷ 6人 手土産代
587 円 視察先への土産代
1, 300 円÷ 6人、2, 600 円÷ 7人 新聞購読代 57, 495 円 朝日新聞(4月∼6月)
読売新聞(08. 4∼09. 3)
オ E議員〔計:183, 549 円〕
項目 金額 適用及び理由
旅費 65, 606 円 往復航空運賃、宿泊費、レンタカー代(ガ ソリン代、保険代含む)、夕食代、高速道 路代、駐車代、バス代など (7/ 22∼24 日) 2, 173 円 奈井江町議会事務局、北海道議会事務局、
苫小牧市議会事務局、札幌市議会事務局 手土産代(8, 400 円)、送料(4, 640 円) 13, 040 円÷ 6人
手土産代
4, 290 円 指宿市議会事務局
手土産代(8, 700 円÷ 3人) 送料(4, 170 円÷ 3人) 新聞購読代 47, 700 円 日本経済新聞 3, 975 円× 12 インターネ
ット接続代
54, 180 円 4, 515 円× 12 プロバイダー料
領収書紛失 9, 600 円 「しんぶん赤旗」日曜版 800 円× 12
カ F議員〔計:122, 657 円〕
項目 金額 適用及び理由
書籍代 23, 310 円
新聞購読代 47, 700 円 日本経済新聞 インターネ
ット接続代
51, 647 円
キ G議員〔計:11, 037 円〕
項目 金額 適用及び理由
650 円 視察先への土産代 3, 900 円÷ 6人 手土産代
587 円 視察先への土産代
1, 300 円÷ 6人、2, 600 円÷ 7人 領収書紛失 9, 800 円 メモリーカード
ク H議員〔計:74, 417 円〕
項目 金額 適用及び理由
650 円 視察先への土産代 3, 900 円÷ 6人 手土産代
587 円 視察先への土産代
1, 300 円÷ 6人、2, 600 円÷ 7人
パソコン修 理代
31, 000 円 HDD 交換、メモリー増設
新聞購読代 42, 180 円 朝日新聞朝刊
ケ Ⅰ議員〔計:135, 988 円〕
項目 金額 適用及び理由
旅費 62, 428 円 往復航空運賃、宿泊費、レンタカー代(ガ ソリン代、保険代含む)、高速道路代、駐 車代、バス代など (7/ 22∼24 日) 3, 080 円 きょうされん賛助会費
賛助会費
2, 080 円 CAP センターJ APAN賛助会費 雑誌購読料 20, 700 円 日経ビジネス 年間購読料 新聞購読代 47, 700 円 日本経済新聞 3, 975 円× 12
コ J議員〔計:96, 437 円〕
項目 金額 適用及び理由
650 円 視察先への土産代 3, 900 円÷ 6人 手土産代
587 円 視察先への土産代
1, 300 円÷ 6人、2, 600 円÷ 7人 旅費 400 円 富山ライトレール運賃
新聞購読代 94, 800 円 読売新聞( 朝・夕刊) 日本経済新聞(朝刊)
サ K議員〔計:59, 108 円〕
項目 金額 適用及び理由
旅費 59, 108 円 往復航空運賃、宿泊費、レンタカー代(ガ ソリン代、保険代含む)、高速道路代、駐 車代、バス代など (7/ 22∼24 日)
シ L議員〔計:149, 507 円〕
項目 金額 適用及び理由
書籍代 51, 986 円
新聞購読代 27, 204 円 聖教新聞 10, 966 円 ウィルコム インターネ
ット接続代 59, 351 円 イーモバイル
ス M議員〔計:77, 938 円〕
項目 金額 適用及び理由
650 円 視察先への土産代 3, 900 円÷ 6人 手土産代
587 円 視察先への土産代
1, 300 円÷ 6人、2, 600 円÷ 7人 書籍代 33, 850 円
9, 814 円 Ai r Edge 通信料(08. 4∼08. 5) インターネ
ット接続代 33, 037 円 Emobi l e 通信料(08. 5∼09. 3)
セ N議員〔計:144, 708 円〕
項目 金額 適用及び理由
研修参加費 10, 000 円 第 70 回全国都市問題会議
旅費 59, 108 円 往復航空運賃、宿泊費、レンタカー代(ガ ソリン代、保険代含む)、高速道路代、バ ス代など (7/ 22∼24 日)
インターネ ット接続代
75, 600 円
ソ A会派〔計:121, 013 円〕
項目 金額 適用及び理由
6, 090 円 行政視察先への謝礼の粗品と送料 岩国市、浜松市
6, 190 円 行政視察先への謝礼の粗品と送料 芦屋市、倉敷市
4, 400 円 行政視察先への謝礼の粗品 京都市・木津川市
手土産代
2, 180 円 行政視察先への謝礼の粗品の送料 京都市・木津川市
新聞購読代 22, 020 円 控室の公明新聞(1年間分) 書籍代 80, 133 円
タ B会派〔計:80, 280 円〕
項目 金額 適用及び理由
書籍代 28, 560 円
2, 280 円 公明新聞日曜版 8ヶ月分 新聞購読代
44, 400 円 日刊「しんぶん赤旗」
「しんぶん赤旗」日曜版 控室用 広聴費 5, 040 円 勉強会・市政学習会・市政報告会
施設使用料
チ 政務調査費議員別会派別返還要求金額(2008 年度)
第4 監査の方法 1 監査対象事項
浦安市職員措置請求書に記載されている事項及び事実を証する書面から、
「平成 20 年度において政務調査費の交付を受けて行われた上記公金の支出 は、違法又は不当なものであるか」を監査の対象事項とした。
議員名・会派名 返還要求金額
A議員 291, 465 円 B議員 304, 262 円 C議員 82, 177 円 D議員 58, 732 円 E議員 183, 549 円 F議員 122, 657 円 G議員 11, 037 円 H議員 74, 417 円
Ⅰ議員 135, 988 円 J議員 96, 437 円 K議員 59, 108 円 L議員 149, 507 円 M議員 77, 938 円 N議員 144, 708 円 A会派 121, 013 円 B会派 80, 280 円 合計金額 1, 993, 275 円
2 監査対象部局及び関係人
(1) 監査対象部局―議会事務局
(2) 関係人―前述の 14 名の市議会議員及び2会派
3 証拠の提出及び陳述
(1) 請求人の証拠の提出及び陳述
平成 22 年4月 15 日、請求人に対し、法第 242 条第6項の規定に基づ き証拠の提出及び陳述の機会を与えたが、請求人からの証拠の提出及び 陳述は行われなかった。
(2) 関係職員の陳述
平成 22 年4月 15 日、議会事務局長、議会事務局次長、議会事務局庶 務課長に対し、法第 242 条第7項の規定に基づき陳述の聴取を行った。
4 監査対象部局への事情聴取及び関係書類の監査
平成 22 年4月 12 日から 20 日にかけて、法第 199 条第8項の規定に基づ き監査請求内容に係わる事項について、市議会議長に対し、文書照会による 回答の提出を求めた。
また、平成 20 年度の政務調査費に係る収支報告書など関係書類の提出を 求め調査を行った。
5 関係人への事情聴取
平成 22 年4月 12 日から 20 日にかけて、法第 199 条第8項の規定に基づ き措置請求内容に係わる議員4名(A議員・B議員・Ⅰ議員・K議員)から 事実関係を確認するため、文書照会による回答の提出を求めた。
第5 監査の結果
本件に係る事実関係について、監査対象部局及び関係人の説明を求めるな ど調査した結果は、次のとおりである。
1 政務調査費の概要
(1) 地方自治法
政務調査費については、「地方議会の活性化を図るためには、その審 議能力を強化していくことが必要不可欠であり、地方議員の調査活動基 盤の充実を図る観点から、議会における会派等に対する調査研究費等の
助成を制度化し、あわせて、情報公開を促進する観点から、その使途の 透明性を確保することが重要になっている。」(法改正の趣旨説明)こ とから、平成 12 年5月に法が改正され、政務調査費の交付に関する規 定が整備されたものである。
法第 100 条第14 項において、「普通地方公共団体は、条例の定める ところにより、その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一 部として、その議会における会派又は議員に対し、政務調査費を交付す ることができる。この場合において、当該政務調査費の交付の対象、額 及び交付の方法は、条例で定めなければならない。」と規定されている。
また、同条第 15 項において、「前項の政務調査費の交付を受けた会 派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務調査費に係る収入 及び支出の報告書を議長に提出するものとする。」と規定されている。
(2) 本市における条例等の規定
本市においては、前述の法の規定に基づき浦安市議会政務調査費の交 付に関する条例(平成 13 年条例第 17 号。以下、「条例」という。)が、 議員発議により平成 13 年3月 29 日に制定され、同年4月1日に施行さ れている。
ア 交付対象及び交付額
政務調査費の交付対象は、条例第2条の規定により会派又は議員の 職にあるもので、交付金額は、会派に対しては、条例第4条第1項の 規定により、基準日における当該会派の所属議員の数に月額 30, 000 円を乗じて得た額を、また、議員に対しては、条例第5条第 1 項の規 定により、基準日に在職する議員に対して月額 30, 000 円となってい る。
イ 交付手続
政務調査費の交付を受けようとする会派の代表者又は議員は、浦安 市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則(平成 13 年規則第 40 号。以下、「規則」という。)第3条第1項の規定により、「議長を 経由して市長に対し、政務調査費交付申請書を提出しなければならな い。」とされ、規則第4条第1項の規定により、市長は、「交付すべき 年度分の政務調査費の額を決定し、当該会派の代表者又は議員に政務 調査費交付決定通知書により通知する」こととされている。
ウ 収支報告書及び領収書等
政務調査費の交付を受けた会派の代表者及び議員は、条例第7条 第2項の規定により収支報告書を年度終了後の4月 30 日までに、ま た、議員の任期が満了する年度の場合は、5月 10 日までに議長に提 出しなければならないとされ、条例第8条には「市政の調査研究に 資するため必要な経費として支出した総額を控除して残余がある場 合、当該残余の額の返還を命じるものとする。」として、返還規定 が設けられている。
さらに、収支報告書の提出を受けた議長は、規則第7条第2項の規 定により「収支報告書の写しを市長に送付しなければならない。」と されている。
また、規則第8条第1項の規定により、市長は、収支報告を受けた 場合、当該報告が適切であると認めるときは、交付すべき政務調査費 の額を確定し、政務調査費確定通知書により、会派の代表者及び議員 に通知するものとされている。さらに、この通知を受けた会派の代表 者及び議員は、規則第8条第2項の規定により、政務調査費精算書を 議長を経由して市長に提出し、精算することになっている。
領収書については、条例・規則に規定されていないものの、内規と して制定されている「政務調査費の取扱いについて(申し合わせ)」
(平成 13 年3月)(以下「申し合わせ」という。)により、収入・ 支出伝票に領収書を添付することとされている。
エ 政務調査費の使途基準
政務調査費の使途基準については、条例第6条の規定において、「会 派及び議員は、政務調査費を別に定める使途基準に従って使用するも のとし、市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに 充ててはならない。」とされ、規則第6条の規定において、会派にお いては別表第1に「会派に係る政務調査費使途基準」として、また、 議員においては別表第2に「議員に係る政務調査費使途基準」として、 次のとおり定められている。
◇ 会派に係る政務調査費使途基準(別表第1)
項 目 内 容
研究研修費 会派が研究会若しくは研修会を開催するために必要な経費又は会 派の所属する議員が他の団体の開催する研究会若しくは研修会に 参加するために要する経費
(会場費、講師謝金、出席者負担金・会費、交通費、旅費、宿泊 料等)
調査旅費 会派の行う調査研究活動のために必要な先進地調査又は現地調査 に要する経費
(交通費、旅費、宿泊料等)
資料作成費 会派の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費
(印刷製本代、翻訳料、事務機器購入・リース代等)
資料購入費 会派の行う調査研究活動のために必要な図書、資料等の購入に要 する経費
広聴費 会派が住民からの市政及び会派の政策等に対する要望及び意見を 吸収するための会議等に要する経費
(会場費、印刷費、茶菓子代等)
その他経費 上記以外の経費で会派が行う調査研究活動に必要な経費
◇ 議員に係る政務調査費使途基準(別表第2)
項 目 内 容
研究研修費 議員が研究会若しくは研修会を開催するために必要な経費又は議 員が他の団体の開催する研究会若しくは研修会に参加するために 要する経費
(会場費、講師謝金、出席者負担金・会費、交通費、旅費、宿泊 料等)
調査旅費 議員の行う調査研究活動のために必要な先進地調査又は現地調査 に要する経費
(交通費、旅費、宿泊料等)
資料作成費 議員の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費
(印刷製本代、翻訳料、事務機器購入・リース代等)
資料購入費 議員の行う調査研究活動のために必要な図書、資料等の購入に要 する経費
広聴費 議員が住民からの市政及び議員の政策等に対する要望及び意見を 吸収するための会議等に要する経費
(会場費、印刷費、茶菓子代等)
その他経費 上記以外の経費で会派が行う調査研究活動に必要な経費
オ 会計帳簿等の整理保管
規則第9条において、「政務調査費の交付を受けた会派の経理担当者
政務調査費に係る事業に関する書類、領収書等の証拠書類を整理し、こ れらの書類を当該政務調査費に係る収支報告書の提出期限の日から起 算して5年を経過する日まで保管しなければならない。」とされている。
なお、内規として制定されている申し合わせにおいて、規則第9条に 規定されている書類については、次のように定められている。
○ 政務調査費の取扱いについて(申し合わせ)
(平成 13 年3月通知)
1 会派について(規則第2条)
※ 省略
2 事業報告書及び会計帳簿について(規則第9条)
(1) 事業に関する書類とは、事業を実施した際に作成する事業報告 書(別記第1号様式.日時・場所・参加者・項目等を記載したも の)をいう。
(2) 会計帳簿とは、金銭出納帳又は収入簿(別記第2号様式)・支 出簿(別記第3号様式)をいう。
(3) 証拠書類とは、収入・支出伝表(別記第4号様式)をいう。た だし、やむを得ない理由により領収書を徴しがたい場合には、支 払証明書(別記第5号様式)をもって代えることができる。
(4) 領収書を得られなかったときは、レシートで代用することがで きる。この場合、レシートに相手方の代表者の押印は省略できる。
(5) 政務調査費の出納のみを行う預金口座を設けるものとする。
3 収支報告書に添付する書類
(1) 収入・支出伝票又は支払証明書
(2) 事業報告書
カ 政務調査費申請の手引き
議会事務局においては、政務調査費の申請の手続きなどに際して理解 を深めスムーズな申請手続きができるよう、手続きのフローチャートや 様式をはじめ、書類の作成の仕方などを掲載した「政務調査費申請の手 引き」を平成 21 年3月に作成し、議員に配布している。
2 監査の結果
(1) 結果
措置請求があった平成 20 年度における政務調査費については、違法 又は不当な支出はないものと判断し、棄却する。
(2) 理由
地方自治体において、議決機関である議会と執行機関である長とは相 互に独立した関係が保たれるべきであり、議会を構成する議員による政 務調査活動に対しても、執行機関からの関与は必要最小限とすべきであ る。
このようなことから、監査にあたっては、議員の自主性を尊重しつつ、 条例や規則に定められた使途基準等に照らし、違法又は不当な公金の支 出であるかどうかを判断した。
ア 旅費について
会派において視察を行う場合には、視察項目や日程などについて視 察計画を立てた後に、議会事務局より視察先の議会事務局を通じて視 察受入れ確認を行っている。視察相手先の受入れが決定した後、会派 代表から議長に視察の届け出が提出され、これを受けて、議長が視察 先の議長に対し議長名で視察依頼文を送付しているものである。
これら一連の手続きについては、議会事務局から提出された書類に より、また、視察内容等については、議員から提出された収支報告書 により確認した。
さらに、視察目的等が確認できなかった関係人4名について、文書 照会したところ、視察報告書等の提出があった。
平成 20 年7月 22 日(火)∼24 日(木)に行われた視察の概要は、 次のとおりであった。(視察者:A議員・B議員・E議員・Ⅰ議員・ K議員・N議員)
視察目的 期日
視察場所
(自治体名) 事業内容 施設名
20. 7. 22 ・苫小牧市 ・浦安市民病院民営化に伴う 情報収集等
・苫小牧市立病院
20. 7. 23 ・札幌市
・奈井江町
・都心部子ども関連複合施設
・オープンシステムの導入に ついて
・資生館小学校
・奈井江町立病院、町営 高齢者施設
・夕張市
・砂川市との医療連携につい て
・市民病院、公共施設 20. 7. 24 ・札幌市
・小樽市
・保健、医療、福祉機能の連携につ いて
・医学的リハビリテーションの提供 について
・セラピスト体制について
・相談支援体制について
・地域振興のまちづくり
・北海道立子ども総合医療・療 育センター
・観光港湾施設
また、平成 21 年2月 24 日(火)∼26 日(木)に行われた視察の 概要は、次のとおりであった。(視察者:A議員・B議員・E議員)
期日
視察場所
(自治体名)
視察目的(事業・施設等) 21. 2. 24 ・志布志市 ・介護予防普及啓発事業について 21. 2. 25 ・指宿市 ・市内循環バス運行対策事業等について 21. 2. 26 ・鹿児島市 ・鹿児島環境未来館
以上のことから、旅費については、会派の慰安旅行ではなく、政務 調査費使途基準の調査旅費に定められた「議員の行う調査研究活動の ために必要な先進地調査又は現地調査に要する経費」であり、これに 必要な「交通費、旅費、宿泊料等」に該当するものと判断する。
対象:A議員(180, 166 円)、B議員(180, 166 円)、E議員(65, 606 円)、Ⅰ議員(62, 428 円)、K議員(59, 108 円)、N議員(59, 108 円)
また、旅費の重複請求との指摘については、開示請求の際に誤って 1つの原本を2枚コピーしていたもので、二重請求にはなっていない との説明が議会事務局よりあった。この点については、J 議員から提 出された収支報告書の原本によっても、支出合計額などから二重請求 にはなっていないことを確認した。
対象:J議員(400 円)
イ 手土産代について
(ア) 公務員又は準公務員に対すると思われる手土産について 手土産については、各議員又は会派の収支報告書や、会派代表 から議長への視察の届け出、及び議長からの視察先への視察依頼 文等により、先進地視察に伴うものであることを確認した。
A議員・B議員・E議員・Ⅰ議員・K議員・N議員については、 上記「ア」のとおりである。
C議員・D議員・G議員・H議員、J議員・M議員については、 次のとおりである。
期日
視察場所
(自治体名)
視察目的(事業・施設等) 20. 7. 7 ・福岡市 ・博多小学校について
20. 7. 8 ・北九州市 ・エコタウンについて 20. 7. 9 ・北九州市 ・水環境館について
・マイタウン・マイリバー整備事業について 20. 11. 5 ・富山市 ・市立保育所民営化について
・ファミリーサポートセンター事業について 20. 11. 6 ・氷見市 ・市民病院について
20. 11. 7 ・七尾市 ・みそぎ川整備事業について
・フィッシュマンズワーフについて
A会派については、次のとおりである。
期日
視察場所
(自治体名)
視察目的(事業・施設等) 20. 8. 11 ・岩国市 ・新庁舎建設について
20. 8. 12 ・浜松市 ・公会計改革について
20. 8. 21 ・芦屋市 ・庁内会議資料の電子化について 20. 8. 22 ・倉敷市 ・公会計改革について
21. 1. 28 ・京都市 ・小中一貫教育について 21. 1. 29 ・木津川市 ・新庁舎建設について
視察先への手土産代については、『視察先への土産は、視察への 協力に対する謝礼としての意味を有するものと解され、社会通念上 適正な範囲内のものであれば、これを「交際的経費」ということは
できず、先進地調査又は現地調査に要する経費として、本件使途基 準にいう「調査費」に該当するというべきである。』との判例があ る。(平成 16 年9月 15 日京都地方裁判所)
このようなことから、措置請求の対象となっている手土産につい ては、交際的な経費ではなく、視察への協力に対する謝礼としての 意味を持つものであり、いずれも社会通念上妥当な範囲内のもので、 議員の調査研究活動に必要な経費であると判断する。
対象:A議員(6, 463 円)、B議員(6, 463 円)、C議員(1, 237 円)、D議員(1, 237 円)、E議員(6, 463 円)、G議員(1, 237 円)、H議員(1, 237 円)、J議員(1, 237 円)、M議員(1, 237 円)、A会派(18, 860 円)
(イ) 区議会議員への手土産について
B議員の収支報告書により、相手が区議会議員であり、また、 手土産がクッキーなどの菓子3点で金額が計 1, 760 円であるこ とを確認した。
接待といえるものではなく、謝礼としての意味を持つものであ り、社会通念上妥当な範囲の支出であると判断する。
対象:B議員(1, 760 円)
ウ 新聞購読代について
新聞に記載されている様々な情報を得ることは、議員としての調査 研究活動のために必要不可欠であり、新聞をスクラップのために切抜 きなどを行いながら調査研究資料として利用することがある。
議員の調査研究活動が広範囲に渡ることから、政務調査費使途基準 には購読紙の数や種類、配達先などを限定する規定は定められていな いが、自宅での新聞購読であっても政務調査として必要なものである と判断する。
対象:A議員(73, 526 円)、B議員(41, 580 円)、C議員(80, 940 円)、D議員(57, 495 円)、E議員(47, 700 円)、F議員(47, 700 円)、H議員(42, 180 円)、Ⅰ議員(47, 700 円)、J議員(94, 800 円)、L議員(27, 204 円)
また、「公明新聞」や「しんぶん赤旗」など会派と関係のある政党 が発行する新聞購読については、これら新聞には政治・経済・社会情 勢に関する情報も掲載されており、会派が行う調査研究活動に必要な
資料として認められるものである。
さらに、「当該会派と関係のある政党の出版物を購読することが、 その政党を経済的に支援し、また、政党の方針及び意向を学習するこ との側面があるとしても、そのことから直ちに政党活動にあたるとは いえない」との判例もあることから(平成 16 年9月 15 日京都地方裁 判所)、政務調査として必要なものであると判断する。
対象:A会派(22, 020 円)― 公明新聞
B会派(46, 680 円)― 公明新聞日曜版、日刊「しんぶん 赤旗」、「しんぶん赤旗」日曜版
エ 書籍代について
会派又は議員の調査研究の範囲は、多種多様な市民ニーズや時代の 変化により広範囲に及ぶことから、政務調査費使途基準には該当書籍 を限定する規定は定められていない。書籍の購入については、政務調 査費使途基準の資料購入費において、「会派あるいは議員の行う調査 研究活動のために必要な図書、資料等の購入に要する経費」として規 定されている。
措置請求があった会派及び議員の収支報告書を確認したところ、書 籍名が記載されている会派又は議員(A会派・B会派・M議員)と書 籍名が記載されていない議員がいた。
書籍名を記載することが望ましいが、議員の調査研究活動は多岐に 渡っており、調査研究活動のため、どのような図書や資料を必要とす るかの判断は、会派又は議員に委ねられていることから、書籍名の記 載がない ことを もって 政務調査 費から 支出す ることが 不当と はいえ ない。
対象:A議員(31, 310 円)、B議員(10, 768 円)、F議員(23, 310 円)、L議員(51, 986 円)、M議員(33, 850 円)、A会派(80, 133 円)、B会派(28, 560 円)
オ 雑誌購読料について
措置請求があった経済専門誌は、㈱日経 BP が発行する経済週刊誌
「日経ビジネス」である。経済情勢の把握は、議員の調査研究活動を 行う上で重要なことである。
したがって、政務調査費使途基準における資料購入費の「会派ある いは議員の行う調査研究活動のために必要な図書、資料等の購入に要 する経費」に該当するものと判断する。
対象:Ⅰ議員(20, 700 円)
カ インターネット接続料について
インターネットにより時間に関わらず随時に情報収集することや 市民の意思を収集、把握するためにパソコンを活用することは、議員 の重要な調査研究活動の一つである。インターネットを活用しての活 動の拠点は、自宅あるいは議員控室であり、当然、議員の調査研究活 動のために利用されているものと判断する。
また、インターネット利用の基盤となっているパソコンは、政務調 査費使途基準における資料作成費の「事務機器購入」に該当するもの であり、使途基準には台数についての具体的な規定は特に定められて いないが、自宅と議員控室などで複数台数を使用することには合理性 があり、自宅におけるインターネット利用は政務調査として必要なも のであると判断する。
対象:B議員( 63, 525 円)、E議員( 54, 180 円)、F議員( 51, 647 円)、 L議員( 70, 317 円)、M議員( 42, 851 円)、N議員( 75, 600 円)
キ パソコン修理代(HDD 交換、メモリー増設)について
今やパソコンは、議員の調査研究活動のため必要不可欠な機器であ り、調査研究のためのデータ管理などを適切に行うためにハードディ スクの交換やメモリーの増設をすることは、パソコンを活用しての調 査研究活動を確保するために必要なものである。
パソコンは、政務調査費使途基準における資料作成費の「事務機器 購入」に該当するものであり、使途基準には台数についての具体的な 規定は特に定められていないが、自宅で使用する場合でも合理性があ る。
したがって、パソコン機能の維持・増設を図ることは、政務調査と して必要なものであると判断する。
対象:H議員(31, 000 円)
ク 「きょうされん」及び「CAP センターJ APAN」への賛助会費並びに
「第 70 回全国都市問題会議」参加費について
「きょうされん」(旧称:共同作業所全国連絡会)は、成人期の障 がいのある人達が地域で働く・活動する・生活することを応援する 全国組織で、国や自治体への提言活動や多彩な調査・研究・研修活 動などを行っている。賛助会員になると、月刊誌が配布されるほか、
各種研修会に参加ができるものである。
「CAP センターJ APAN」は子どもへの暴力防止プログラムや子ども たち自身の人権意識や自分を守る知識などについての調査研究など を行っている NPO法人で、賛助会員になると年2回情報誌が配布され るものである。
「全国都市問題会議」は、全国市長会等が主催するもので、第 70 回は平成 20 年 10 月 23 日及び 24 日に新潟市において、「新しい都市 の振興戦略―地域資源の活用とグローバル化―」をテーマに、人口 減少社会において、いかに地域の資源を活用して高い付加価値と生 産性を確保するか、また、どの様に情報発信をするかなどについて、 講演等が行われたものである。
これらの賛助会費及び研修参加費用は、議員の調査研究活動のため 必要な経費であり、政務調査費使途基準の研究研修費に規定されてい る「議員が他の団体の開催する研究会若しくは研修会に参加するため に要する経費」に該当するものと判断する。
対象:Ⅰ議員(5, 160 円)― きょうされん及び CAP センターJ APAN N議員(10, 000 円)― 第 70 回全国都市問題会議
ケ 勉強会・市政学習会・市政報告会に係る費用について
会派に係る政務調査費使途基準の広聴費には、「会派が住民からの 市政及び 会派の 政策等 に対する 要望及 び意見 を吸収す るため の会議 等に要する経費(会場費、印刷代、茶菓子代等)」と規定されており、 勉強会・市政学習会・市政報告会開催のための会場使用料は、これに 該当するものと判断する。
対象:B会派(5, 040 円)
コ 領収書がないもの(新聞購読代及びメモリーカード購入代)について 領収書については、内規として定めた申し合わせにより、やむを得 ない理由により、領収書を徴収できない場合には、支払金額、支払期 日、支払先、支払事由、領収書を徴収できなかった理由を記載した支 払証明書をもって代えることができると規定されている。
議員から提出された収支報告書により、領収書紛失のため支払証明 書が添付されていることを確認した。したがって、政務調査費からの 支出は認められるものと判断する。
対象:E議員(9, 600 円)― 新聞購読(「しんぶん赤旗」日曜版) G議員(9, 800 円)― メモリーカード購入
第5 意見
政務調査費は、「地方議会の活性化を図るためには、その審議能力を強化 していくことが必要不可欠であり、地方議員の調査活動基盤の充実を図る観 点から」制度化されたものである。あわせて、「情報公開を促進する観点か ら、その使途の透明性を確保することが重要になっている。」ところである。
その点、本市においては、条例・規則に規定されていないが、全議員の総 意として制定された内規である「申し合わせ」により、収入・支出伝票に領 収書の添付が義務化されており、また、平成 21 年3月には議会事務局にお いて、「政務調査費申請の手引き」が作成され、円滑な事務処理が図られる よう努めている。
しかしながら、政務調査費使途基準については、各項目・内容に抽象的な 説明が見られ、疑義が発生する要素があることから、使途基準に内在する疑 義を払拭するための運用指針等を作成することを前回(平成 20 年5月 21 日 付け浦監第 19 号で公表した浦安市職員措置請求に基づく監査の結果)要望 したところである。
運用指針等の作成について、その後の状況を確認したところ、『議会とし ての対応については、平成 20 年6月 20 日に会派代表者会議を開催し、「政 務調査費の使途について」の協議を行ったところであるが、同年6月 16 日 に千葉地方裁判所へ不当利得返還請求の訴えが提訴されたことにより、当該 裁判による結果を踏まえての検討が必要との確認が行われ、裁判結果を待っ て改めて協議を行うこととした。』とのことであった。
こうした中で、今回再び、政務調査費に関する職員措置請求書が提出され たものである。
議員の調査研究活動は、基本的に議員自らの良識に基づく判断に委ねられ ているものであり、政務調査費の使途については、議員が住民に対し説明責 任を負っているものと考える。このようなことから、政務調査費が導入され た法の趣旨を遵守し、議会の自律性のもと、議会の総意として、使途基準に 内在する疑義を払拭す るための運用指針等を 作成することを重ねて 要望す るものである。
また、書類調査の過程で、記載の誤りや記載内容の不備と思われるもの、 さらに、使途基準に定める計上項目や記載事項の範囲等が不統一なものなど が見られた。政務調査費に対する市民の理解を深めるためには、情報の公開 性や透明性の確保を図ることが不可欠である。このようなことから、収支報 告書の記載方法や添付書類のさらなる充実、統一性等を図るとともに、内容 確認など十分な精査を行うよう要望する。