-
2 9
-事
項
水稲早生品種「ほっかりん」による乾田直播栽培
ね
ら
い
水稲早生品種「ほっかりん」による乾田直播栽培について検討したところ、実用性が確
認されたので参考に供する。
1
被覆尿素肥料にはLPコートS40とLPコート100の2種類を用い、
半々の割合で混合する。
ただし、気象条件が厳しい冷涼な地域や、上記の組合せで生育や収量が劣るほ場では、
LPコートS40とLPコート70の組合せとする。
指
2
窒素施肥量は地帯別施肥基準を参考に、
速効性肥料を用いた移植栽培法と同量とする。
導
3
播種量は乾籾で7~8kg/10aとする。
4
被覆尿素混合肥料を用いた「ほっかりん」の生育・収量等
参
出穂期:8月上旬。㎡当たり穂数:480~515本/㎡。1穂籾数:55~60粒。
㎡当たり籾数:28,000粒程度。収量:585~610kg/10a。
考
5
現地試験(青森市荒川、つがる市木造)でのLPコート累積窒素成分溶出率
(1)
「LPコートS40+LPコート70」の組合せは、6月上旬で15~20%、7月中旬で65~75%、
8月上旬で85~90%溶出する。
内
(2)
「LPコートS40+LPコート100」の組合せは、6月上旬で約10%、7月中旬で55~70%、
8月上旬で75~85%溶出する。
容
6
玄米品質及び収量性から刈取始期は出穂後積算気温800℃程度を目安とする。また、出
穂後1,100℃を超えると玄米品質が低下してくるので、刈取終期は1,000℃程度を目安と
する。
7
「ほっかりん」栽培マニュアルの湛水直播栽培における指標値との比較
(1)㎡当たり穂数は多いが、1穂籾数が少ないため、㎡当たり籾数は同等となる。
(2)登熟歩合は同等だが、玄米千粒重が優るため、収量は上回る。
期待される
気象条件の良い地域では、熟期の異なる品種を導入することで、作業の分散が図れる。
効
果
また、気象条件が厳しい冷涼な地域では、安定生産に資する。
利
用
上
の
1
被覆尿素肥料は温度条件により溶出パターンが異なるため、年次による収量等の変動
注
意
事
項
がやや大きい。
2
基本的な栽培方法は、稲作改善指導要領に準ずる。
3
中南地域など気象条件の良い地域におけるLPコート累積窒素溶出率については、平成
24年度の指導参考資料を参照。
問い合わせ先
農林総合研究所
作物部(0172-52-4396)
対
象
地
域
県下全域
(電話番号)
生産環境部(0172-52-4391)
-
3 0
-【根拠となった主要な試験結果】
0 20 40 60 80 100
図1 出穂後積算気温と玄米品質等の推移
(平成26~27年 青森農林総研)
整 粒 ・ 青 未 熟 粒 ・ 1.9
m m 以 上 (%)
そ の 他 未 熟 粒 + 茶 米 (%) 0 10 20
出穂後積算気温(℃)
505 611 718 806 907 1010110211971301
玄米品質等から みた刈取り適期
1.9mm以上
整粒
整粒歩合 青未熟粒歩合 1.9mm以上割合
LPS40+LP70 LPS40+LP100 LPS40+LP70 LPS40+LP100 LPS40+LP70 LPS40+LP100 LPS40+LP70 LPS40+LP100 青未熟粒
表 1 幼 穂 形 成 期 及 び 成 熟 期 の 生 育 等 ( 平 成 2 6 ~ 2 7 年 青 森 農 林 総 研 )
L P S 4 0 + L P 7 0 1 1 5 7 / 1 7 3 5 , 7 6 1 8 / 8 9 / 2 0 7 6 . 7 1 7 . 8 4 4 2 7 4 . 6
L P S 4 0 + L P 1 0 0 1 4 7 - 3 3 , 4 8 0 8 / 8 9 / 2 0 7 6 . 6 1 6 . 8 4 8 1 7 6 . 4
L P S 4 0 + L P 7 0 1 9 5 7 / 1 4 5 1 , 8 6 9 8 / 4 9 / 1 5 7 6 . 8 1 6 . 7 5 1 5 6 3 . 8
L P S 4 0 + L P 1 0 0 1 8 2 - 4 0 , 8 4 5 8 / 5 9 / 1 6 6 9 . 1 1 6 . 5 4 8 9 6 2 . 5 有 効 茎
歩 合 ( % ) 生 育 量
( 月 / 日 ) 入 水 前
出 芽 数 ( 本 / ㎡ )
幼 穂 形 成 期
出 穂 期 ( 月 / 日 )
成 熟 期
( 月 / 日 ) 稈 長 ( c m )
穂 長 ( c m )
穂 数 ( 本 / ㎡ ) 区 分
黒 石 ( 所 内 )
青 森 ( 現 地 )
5 / 3
平 成 2 6 年 : 4 / 2 4 平 成 2 7 年 : 4 / 2 8
播 種 日 ( 月 / 日 )
表 2 収 量 及 び 収 量 構 成 要 素 等 ( 平 成 2 6 ~ 2 7 年 青 森 農 林 総 研 )
L P S 4 0 + L P 7 0 1 , 4 4 4 6 2 9 5 7 3 9 4 1 7 5 9 . 7 2 6 4 2 5 . 1 8 7 . 0 7 . 1 1 中
L P S 4 0 + L P 1 0 0 1 , 5 6 8 6 9 5 6 1 1 ( 1 0 0 ) 1 7 5 8 . 2 2 8 0 2 5 . 2 8 5 . 6 7 . 2 1 中
L P S 4 0 + L P 7 0 1 , 3 7 8 5 7 0 5 8 5 1 0 7 1 4 5 4 . 5 2 7 8 2 4 . 6 8 5 . 0 7 . 1 1 上 ~ 中
L P S 4 0 + L P 1 0 0 1 , 3 3 9 5 8 9 5 4 5 ( 1 0 0 ) 1 0 4 9 . 9 2 4 4 2 4 . 7 8 9 . 8 7 . 2 1 中
玄 米
蛋 白
含 有 率
( % )
検 査
等 級 玄 米
千 粒 重
( g )
登 熟
歩 合
( % ) 全 重
( k g / 1 0 a ) わ ら 重 ( k g / 1 0 a )
精 玄
米 重 ( k g / 1 0 a )
同 左
比 率
( % )
屑 米 重 ( k g / 1 0 a )
籾 数
1 穂
( 粒 / 穂 )
㎡ 当 た り (×100粒) 区 分
黒 石
( 所 内 )
青 森
( 現 地 )
表 3 播 種 量 と 施 肥 量 の 組 合 せ を 変 え た 場 合 の 生 育 及 び 収 量 等 ( 平 成 2 6 ~ 2 7 年 青 森 農 林 総 研 )
7 ( 慣 行 )8 ( 慣 行 ) 1 2 4 3 7 , 1 9 8 8 / 8 1 , 6 1 9 6 1 9 ( 1 0 0 ) 2 9 6 2 5 . 1 8 4 . 3 7 . 2 1 中
8 8 1 3 3 3 9 , 3 2 8 8 / 8 1 , 6 1 5 6 1 2 9 9 2 9 3 2 5 . 0 8 3 . 9 7 . 2 1 中
8 9 1 3 1 3 9 , 6 1 1 8 / 8 1 , 6 6 3 6 3 5 1 0 3 3 0 9 2 4 . 9 8 3 . 8 7 . 1 1 中 ~ 下
9 8 1 2 7 3 8 , 5 7 3 8 / 8 1 , 5 7 1 5 9 8 9 7 2 9 1 2 5 . 1 8 2 . 9 7 . 1 1 中
9 9 1 4 6 4 1 , 8 0 8 8 / 8 1 , 6 8 6 6 3 3 1 0 2 3 0 6 2 5 . 0 8 2 . 2 7 . 1 1 中
登 熟
歩 合 ( % )
玄 米
蛋 白
含 有 率
( % )
検 査
等 級 播 種 量
(kg/10a)
施 肥 量 (kg/10a) 区 分
黒 石
( 所 内 )
出 穂 期
( 月 / 日 ) 全 重 ( k g / 1 0 a )
精 玄
米 重 ( k g / 1 0 a )
同 左
比 率 ( % )
㎡当たり
籾数 (×100粒)
玄 米
千 粒 重 ( g ) 入 水 前
出 芽 数 ( 本 / ㎡ )
幼 穂
形 成 期 生 育 量
表 5 「 ほ っ か り ん 」 栽 培 マ ニ ュ ア ル の 湛 水 直 播 栽 培 に お け る 指 標 値 と の 比 較 ( 平 成 2 6 ~ 2 7 青 森 農 林 総 研 )
区 分
収 量 ( k g /1 0 a )
㎡ 当 た り 穂 数 ( 本 )
1 穂 籾 数 ( 粒 )
㎡ 当 た り 籾 数 ( 粒 )
登 熟 歩 合 ( % )
玄 米 千 粒 重 ( g )
乾 田 直 播 栽 培 6 0 0 前 後 50 0 前 後 5 5 ~ 6 0 2 8 , 0 00 8 5 2 4 . 5 ~ 25 . 0
湛水直播栽培 マ ニ ュ ア ル 指 標
5 5 0 4 5 0 6 0 ~ 6 5 2 8 , 0 00 8 5 以 上 2 3 . 0 表4 窒素溶出量と気象条件 (平成26~27年 青森農林総研)
入水期幼形期出穂期 6月
上旬 7月 中旬
8月 上旬
5月 6月 7月 8月
LPS30 11 95 97 6月下旬 LPS40 4 84 94 7月上旬 LP70 32 67 75 - LP100 12 51 70 - LPS40+LP70 18 75 84 - LPS40+LP100 8 67 82 - LPS30 5 91 97 6月下旬 LPS40 4 70 92 7月中旬 LP70 23 57 79 - LP100 12 44 62 - LPS40+LP70 14 63 85 - LPS40+LP100 8 56 77 - LPS30 13 98 99 6月下旬 LPS40 4 86 96 7月上旬 LP70 29 66 85 - LP100 11 60 75 - LPS40+LP70 17 75 91 - LPS40+LP100 8 72 86 -
(注)1 肥料を埋設し、所定の時期に回収し、残存窒素量より溶出率を算出
3 気象データ 青森:青森アメダス補正値(アメダス値-0.4)、 つがる 市:五所川原アメダス補正値(アメダス値-0. 7)
2 埋設日 青森市 平成26年: 4月24日、平成27年: 4月28日、つがる 市 平成26年: 5月9日 14. 2
( +1. 3) 17. 7 (+0. 9) 22. 8 (+2. 1) 23.2 (+0.3) 平成
26年
荒 川 青 森 市
22. 4 (+1. 7) 平均気温(平年差)
23.2 (+0.3)
木 造 つ が る 市
平成 26年
14. 7 ( +1. 7)
18. 7 (+1. 7) 22. 6 (+1. 8) 22.6 (-0.1) 平成
27年
14. 7 ( +1. 8)
17. 7 (+0. 9) 区分 年次 肥料名
窒素成分溶出率(%)