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Academic year: 2018

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(1)

平成1 4 年度東北大学全学教育基礎ゼミ

「意識と創造」

実施報告

(高校から大学への転換教育の一例として)

少人数クラスにおける

意識の活性化と創生実験

(2)

基礎ゼミ「意識と創造」

実施期間:平成14年4月∼7月

時間帯: 13時∼17時50分(午後の3コマ連続)2週間置きに計5回

学生数:20名 ⇒ 19名 

教室:情報シナジーセンター端末室 及び 一般教室

所属学部分布:

•文学部:6名(女性2名)

•教育学部:1名(女性1名)

•法学部:2名

•医学部:1名

•歯学部:1名

•理学部物理:2名

•同生物:1名、

•工学部機械系:2名

•同電気・情報系:2名

•同化学系1名

•同人間・環境系:1名

(3)

A . 意識を活性化するために採用し た方策

【教官】      【学生】:20人

第1日 第1質問       ⇒     端末から次々と回答  ⇒ 

     回答集を学生全員に一斉に配布  ⇒ 口頭で補足説明 【相互作用】         第2質問  以下同様     ⇒   帰宅後自宅から感想文を送付 

第2日 無記名感想文集を配布

     第3, 第4質問        少人数懇談会 第3日 無記名感想文集を配布

     第5、第6質問        第6質問に対する回答をプレゼンテーション       人気投票【上位3人を選んでチームを結成】 第4日      3チームによるディベート

      レポート「意識と創造」の作文 第5日 講義:意識論        

(4)

B.学生たちに与えた質問

第1日目

(1)あなたはどうして大学に入ろうと思いましたか

(2)あなたはこれからの4年間をどう過ごすつもりですか、デザインしますか 第2日目

(3)これまでの人生で自分を支えてくれた人

(4)自分を支えてくれた人のまわりの社会の自分への影響 第3日目

(5)自分が社会から恩恵を受けていると思われること

(6)これからの4年間、大学時代、勉学以外に社会のためにやってみたいこと

(5)

C . 結果:           ①  あなたはどう し て大学に入ろう と 思いまし たか

○ 教育者になりたい。心理学を学びたい。大学は自分の学びたいことが学べると ころ。

○ 検察官になりたい。大学に入って司法試験にパスしたい。

○ 心理学をしたいと思ったから。

○ 医師になりたい。多くの人に出会いたい。目指す臨床医学は人を中心に動くも のだから。

○ 心理カウンセラーになりたい。

○ 航空機の設計者や技術者になりたい。

○ 視野と人脈を広げ,人としての深みを増したい。

○ いろいろな考えを持った人に出会い,自分の世界を広げたい。研究職に就きた い。

○ 自分はまだ社会に出て一人で働けるほど成熟しているとは思わないから。

○ 将来やりたい仕事を探すため。研究生活をしてみたい。

○ 本音は学生生活を楽しみたい。目標を4年間で見つけたい。

○ 自分でも良くわからない。ただなんとなく入ってしまった。

(6)

②  あなたはこ れから 4年間をどう 過ごすつも り ですか  デザイ ンし ますか 

○ 受験で衰えてしまった体力を取り戻すべく,運動に積極的に取り組みた い。

○ コンピュ−タについて勉強する.小説や絵画などの作品を残す。

○ 映画を見たり. 舞台を見たり, 旅をしたりしたい。とにかく楽しい事に食 いついていく。

○ いっぱい遊んで、いろんな経験をして、豊かな人間性をはぐくめたらい いと思う。

○ 1,2年のうちは,語学と,学外活動。ボランティア団体に入りつつあ る.

○ 読書や旅, バイトなど様々なことを通して人間を深めたい。

○ 学力を付けたい。アルバイトをしたい。親の負担を減らしたい。

○ メインは大学院なので、4年間に専門以外の知識をたくさん身につけた い。

○ 医療の現場で問われる人間としての重要な部分を養いたい。

○ 大学生のうちに学業だけではなく社会的な事も知っておく必要があると 思う。

○ 自分の学びたかった学問を専攻したい。

○ 視野を広めて多くのもの見て、多くの人と接したい。そして、多くのこ とを学びたい。

(7)

第1 日目のゼミ に対する感想集 

【意識の相互作用が活性化され始めている】

○ 「自分を深めたい」ということは、僕も感じます。そのために何をすればいいかに ついて、僕は、おおざっぱに4年間の目標のようなものを書いたのですが、み なさんの考えを読んでいてもっと具体的で小さな目標が必要だと思いました。

○ 今回の授業で、他のメンバーの考えに触れる度に感心させられ、考えさせられ た。これは自分にとって非常にいい刺激になる。そうやって人は成長していく んだなと思った。

○ 自分が大学に入ったわけ。大学に来てからは、むしろその事を意識しなくなって いた。ちょうどよい波止場だった。何回か集う事になるだろうゼミの仲間たちに 親近感がわいた。

○ 前回の授業で、どのように意識していくのかは、個人にとって大きいように感じ ました。私達は意識しだいで自分を変えられます。大きくなることも、小さくまと まることも自分次第です。それは人生をどのように生きるのか、という問題にも つながるでしょう。

(8)

こ れまでの人生で自分を支えてく れた人 

○ 私を一番支えてくれた人は,両親である。父は,ほんとによく入院に付き添ってくれた。 母はいつも勉強を見てくれた。私の父と母が私の両親でなかったら,今の私は無かっ たと思う。これから,少しずつ親孝行していきたいと思う。

○ まず第一に親や家族だ。祖母はいつでも穏やかに見守ってくれていて。文字通り,家 族をなくして今の私は存在しない。次に心の支えになってくれたのは友達である。彼 だけは私の見方をしてくれた。

○ おそらく、最も私を影で支えてくれたのは家族に違いない。友達も私を支えてくれた。

○ むずかしいな−.基本は,両親,兄,姉.祖父母,親戚.小さいとき遊んだ,名前も覚 えてない子たち.小学五,六年生の時の担任の先生.以前の大学でのサ−クル仲 間.そのサ−クルで知り合った子供たち.旅行中,親切にしてくれた人々.

○ 今自分がここにいるのは,回りの人の支えがあったからこそだと思う。親,友達,学 校の先生など。結局人間は孤独では生きて行く事ができないと思う。

(9)

自分を支えてく れた人のまわり の社会の自分への影響 

父や母のわたしへの教育は二人の親にされてきた教育の影響が強いと思うだから,わたしをみ れば、きっわたしの両親の生まれ育った環境や、今の状況がわかってしまうのでは!?

学校は同じ世代の人たちが出会う機会を与えてくれるものだと考える.学校に対してはいい友達 を与えてくれてありがと言いたい.自分が「友達の輪」いう環境から得たのは生きて人と 係わって悩んで楽しんでいくそれは人が受ける影響の中でも大きなものだと思う

社会ではないのですが、今のうちの周りが自然に恵まれた環境だった事は、私を大きく変えまし た。それまでは外で遊ぶこの少ない子どもでしたが、外で遊ぶようになり明るくなったと思い ます。

中学校で姉の担任に注目された。

周り回って世の中すべての人同士で無意識のうちに影響を与えあっているこになる。世界中 の人がつながっている。人間は他人との関係の中で自分を形成していくんだと思った。

自分の周りの人たちからその人たちのいた環境についてさまざまな情報を聞く事ができます。 そして、それが自分を支えてくれた人なら特に影響を受けるはずです。例えば母が働いている 会社という社会の私への影響、高校の時の担任のいた大学という社会の影響があります。

(10)

第2 日目のゼミ に対する感想文集 

○ 両親をはじめ、さまざまな人の助けをかりてきたのだが、そのことについて考 えれば考えるほど感謝せずにはいられなくなった。その人の期待をきっとう らぎらないと決意した。

○ 支えてくれた人、というのはやはり多いのだなと改めて感じた.班ごとに別れ ての話合いが中々盛り上がったのでよかったと思う.後半のテ−マは答えに くかった.

○ 友達や家族のまわりの社会については、あまり考えた事はありませんでした。 逆に考えてみると、例えば、私のまわりの社会が父親に影響しているのかと いうと、影響しています。自分でも半信半疑で「すべての人に、私は影響され ている」と考えていましたが、今やっと納得した気分です。そして、「私はすべ ての人に影響を与えている」と言えることに気づきました。

(11)

自分が社会から 恩恵を受けていると 思われるこ と

○ 奨学金や保険による援助を受けた時。そういった安全を保証してくれる世の中に感謝。

○ 暇だと感じていられること、安全を保障してくれる世の中に感謝。

○ 国立大学で学費が安いこと、衣食住で満足していること、自由であること、全てのこと。

○ 公立の学校に通えること、保険が使えること、図書館など公共施設を使えること。

○ 学生証で植物園タダ、保険証で病院代が安い。

○ 社会すべて。社会があるから自分もある。

○ 大学の講義、中古の本屋。

○ 戸籍があって自分の存在が保証されている事。人と人とが役割分担し、専門分野に つけること。

○ ごみ収集や駐輪場などの施設や制度が整っていること。

○ 自分はもう社会の中で生きていて,生活の大部分を社会からの恩恵に支えてもらっ ている。

○ 教育を受けられること。

(12)

こ れから の4年間、 大学時代、 勉強以外に社会のためにやっ てみたいこ と

○ ボランティア活動により、障害者,健常者という意識そのものをなくしていく。

○ 動物(植物)と触れられる場所を提供。

○ サラリ−マンや学生、主婦など、月一回みんなが参加できるような、楽しい事をやる。

○ 休日に子供が遊べたり、地域の人が自由に交流できる場をひらく。学校の体育館や校 庭など。

○ 小学校、中学校で、授業崩壊や不登校の増加が問題になっている。学生の立場から 学校に参加し、子供たちにアプロ- チし、学校の支えの一つとなることを目指す。

○ 平和な社会であってほしい。町中の交通量を減らしたい。静かで落ち着ける所が欲し い。

○ 講義をMDで録音して複製しレンタル。速過ぎる講義が多いので。

○ 毎日が楽しくないと思っている人がいたら、その人の曇った気分を晴らしてあげたい。

○ 臨床修練や病院実習では、医療を必要とする社会の安心のために、ふさわしい行動 をとりたい。

○ 身近でいつもお世話になっている人の些細な夢などを叶えてあげたい、余裕があれば もっと一般的に叶えてほしい夢がある人を募ってみてもいいと思う。

○ 楽しんで出来る算数の問題をインタ−ネットで公表したりする。また、科学知識につい ても、わかりやすく、興味を持ってもらえるようにして、インタ−ネットにのせる。

(13)

事業名: 「大学生の学校参加」

目的:現在の小学校,中学校では、授業崩壊が大きな問題になっている。学校」の現状改善のために 学生である自分たちができるこて、ボランティアとて学校に参加し教師・生徒とのかかわり つくる。

方法: 講義の空き時間を利用して、授業のアシスタントて参加する(れが基本) 放課後の遊び時間への参加

部活動への参加

子供にとーーー教師とは違った視点に立つ、やや年長の人が近くにいるこで  教師―生徒」生徒―生徒」以外の人間関係が生まれる

) 学校にとーーー担任一人が4人前後の生徒を受け持つ現状に、多少なり助  けとなる。学生がアシスタントに入るこで、授業の質を上げるこができる。

大学生にとーーーボランティアというのである以上、は参加者各自が判断  するものだと思うが、話し合いの中で出てきた意見を上げておく ⇒ 将来のため。興味あるからやりたいからやる」人と接するこ役に立つこ

への満足感。社会に出るにあたって、責任を負うの勉強になる。 問題点:

事業をやるにあたってーーー学校運営にどこまで介入するか?できるか? 人材をどう集め  るか(人数、質)主旨の理解に個人差がある、責任問題(けがとか、人間形成) 学校に入るにあたってーーー 行政の許可、学校の許可、保護者の許可

授業に出るにあたってーーー 人の流動性、時間的かねあい、授業前の打ち合わせが必要 社会会的意義:

 学生の参加によって、学校のあり方が変わる可能性がある。 学生の参加によって、地域住民の参加への垣根が低くなる

子供たちの人間形成への影響が、将来の社会への影響につながる。

実践活動に発展: 人の学生ボランティ が学校の依頼で訪問す る流れが出来ている。

(14)

最終レポート 「 意識と 創造」   その1

○ 討論を進めていく 中で感じ たのは、 一人で考えるより も みんなで話し 合っ

て互いに刺激し あっ ていっ た方が、 新し い物が生まれる可能性が高いと

いう こ と です。 今日の討論はみんな積極的に発言し ていたので楽し かっ

た。 高校の時と は違い、 みんな真剣で、 冷めておら ず、 感動し まし た。 重

要なのは発言する内容ではなく 、 発言し た後の周り の反応による自分に

対し ての刺激なのではないかなと 思いまし た 。 そう するこ と によっ て、 刺

激を受ける前の自分を “意識”する事ができ、新しい自分が“創造”された

のではないかなと 思います。

○ こ こ までの授業で[ 意識を広げる] こ と を経験し て、 テ−マで言う [ 創造] は

自分の考えているも のと 違い、 本当に個人作業だと 思う よう になっ た。 そ

し て、 [ 意識] は[ 創造] を導く ためのツ−ルと いう 捕え方をするべきなの

かと 思う 。 シラ バスにあっ た[ 意識のあり よう に依存し て思考が深まり 発

展する] [ 集団にも 意識が宿り う る] 。 こ の二つの文の意味をし っ かり 捕え

る事はできなかっ たと 感じ ている。 消化不良です。

(15)

  その2

○ まず、 「 意識」 について。 「 意識」 すると いう 事は社会でいま現実に起こ っ てい

る問題に目を向ける事、 注意をする事、 関心を持つ事、 何かが変だと 感じ る

事、 現状を少し でも 改善できないかと 思う 事ではないだろう か。 こ う やっ て思

い巡ら すこ と こ そ「 意識」 する事なのではないか・ ・ ・ こ れがわたし の「 意識す

る事」 に関する結論である。 次に「 創造」 について。 「 創造する」 と いう 事は何

かを意識する事によっ て頭の中に生じ た考えを材料にし 、 何かし ていこ う と

するこ と だ。

○ 意識して思考し、自分を深め考えを創造する。これが意識と創造の関係かなと思った。 創造するということに関して言えば、新しくつくるというより、自分の中にあるまだ確 定的な形を持っいない考えに形を与える作業だと思った。今まで自分のことに関し て漠然とは考えていたが、いざ文章にしたり口にだしたりするのは難しく感じたから だ。自分のことは知っているようで案外知らないことが多い。意識してかんがえて初 めて気づくこともある。その点について、この授業は自分を知る非常に良い機会に なった。

(16)

  その3

○ 意識と創造、今までの講義を通して、この講義における「意識」と「創造」という言葉の 意味が分かったような気がします。特に今回の講義のディベ−トは自分に「創造」の 意味を教えてくれたのではないかと思います。そのディベ−トで架空のことをふくら ませていくことが「創造」につながるというか、それそのものが「創造」になるのでは ないかと思います。そして、その架空のことをふくらます動機となるものが「意識」に なるのだと思います。そう考えると、「意識」と「創造」はその言葉2つが一体となって いなければならなくなります。今回のディベ−トによって「創造」することができるよう になったというか、「創造」する方法が分かったような気がしました。

○ 「意識」と「創造」のつがなりについて考えてみたい。自分というものを意識すると、そ の事のよって「自分の像」が自分の意識下に創造されるということである。また、自 分を含めた誰かがそのひとを意識しない限り、「その人の像」はどこにも存在しない ということもあるだろう。このような関係で、「意識」と「創造」は、切ってもも切れない 関係にあるのだと思う。意識が存在すれば何かが創造されるだろうし、意識のない 創造という物もありえない。これがわたしがこの基礎ゼミで学び、考え、その結果出 た結論です。

(17)

その4

○ 意識とは、自分の目的などについて恒に注意深く心掛けておくことであって、創造する ための一つのステップである。まず自分の目的があり、その達成のためには何が必 要であるかを理解しなければならない。創造とは個人に独自なものであり、それは創 造といものがもつ武器となる。その武器を生かしていくためには自分の持つ独自性を 最大限利用したい。だから、日常的にある問題に対して考え続けることは自分のあら ゆる独自性を動員できることができ、有利である。つまり、偉大な創造へと近づく。意 識とは、創造への、欠くことのできない一つの重要なステップであると考えるようになっ た。

○ 今までこの基礎ゼミで取り扱ってきた題材は、私が今まで通りの生活を送っていたら、 おそらくこれから先の大学生活において考える機会もない事ばかりだっただろう。この 大学に入った理由やこれからの4年間でやっていきたい事を再確認できたし、自分を 支えてきてくれた人について振り返る事ができた。自分と社会との関係について考え させられるところも出てきた。他人の意見になるほどと思い、同意したり疑問に思った りする事で、今まで見えてこなかった面まで見えてきた。考えてきた結果と自分を作っ ている要因、ここにやはり、意識と創造の関係性が見えてくる。この授業を通して得た もの、それによって自分の中で変わった見方を大事にしていきたいと思う。

(18)

  その5

○ 意識すること。それはこの世を動かすこと、なにかを造ること、行動する事、すべての もとであり、出発点である。この世界はすべて意識によって造られ、運営されている ことがわかる。今の社会があるのも、今の私がいるのも、すべては意識の流れの中 にくみこまれるのかもしれない。今の社会のシステムをつくったのも人である。おお きな構造からいえば資本主義、社会福祉など、すべて初めは単なる人の意志、提 案にすぎない。そして今私はその意識による創造物の中に生きている。背筋がぞくっ とする思いである。意識する事は人の一生に大きく関与するようだ。その人自身も 大きく変えるし、周りの人にも影響を与える。意識、影響、その影響を受けた人の意 識・・・と繋がっていって、この社会はできている。だからこそ思うこと、願う事、意識 することが大事なのだ。

○ みんなで話し合うことにより、新しい考えが生まれ、問題が解決し、または新たな問 題が浮かび上がります。一人で考えるには限界がありますが、みんなで考えること には限界はないのだと思います。みんなで話し合う上で大切なのは、なんとかして 計画をいいものにしていこうという気持ちなのだと思いました。そして、頭に浮かん だことをどんどんと発表することにより他の人にひらめきを与えられるのだと感じま した。

(19)

  その6

○ いろいろな疑問にぶつかりながら、今から自分がすることを想像し、試行錯誤する。

「創造」とは自分の中で湧き出た疑問を考察し、ひたすら考えること。「創造」とは自分 の中で湧き出た疑問を他の人とぶつけあって衝突しあうこと。自分の中でも外でもぶ つかりあう事だと思った。ひたすら考え、ひたすら議論し、新しい何かを見つける事が

「創造」だ。だとすると、「意識」と「創造」とは同じものなのかもしれない。私たちは今回 まで自分を意識する事から始まり、仮想の事業を立ち上げるに至った。その間、どこ までが意識でどこまでが創造か、などと考えることはなかった。事業を進める上では 社会を意識しなくてはならないし、いろいろな事に対して注意深く、意識していれば、 自然とあたらしい何かが見えてくる。「意識」が「創造」を導くのでもなく、「創造」が「意 識」を導くのでもない。その二つは私たちが便宜的に分けているだけで、実は同じプロ セスのパ−トに過ぎないのだと思った。生きていく上で、だれしもが「自分」を問う事が ある。私たちは生まれながらにして創造者なのだ、と再確認した。この基礎ゼミを通し て、というか、色々考えたり、仲間と議論しあったりして、改めて自分の軌跡と行く末 を考える事ができた。自分が何をする人なのか。他の人が何を考えているのか。

(20)

「ゼミがきっかけで自分に変化したことがあるか」との質問に対して:

○ 普段の講義において自分の考えをまとめる際にしっかりと順序だてて  考えられるようになった。

○ 自分がどこに向いてゆくのか、そういったことのちょっとした意識が  変わった。

○ 両親に対する接し方が少し変わったと思う。

○ 少し考え方が変わりました。

○ あるテーマに対し、一方向のみ考えるのではなく、多方面にわたり考  察するようになった。

3ヶ月後のアンケート調査から

(21)

考察

(1)短期間のうちに成果が挙がった背景には、端末室でメールシステムを用いたことに   より、学生間の意識の相互作用がサイバー空間で一斉になされたことにより、集団の   一体感が急速に形成されたことがあると見られる。

 ★これは、各学生の回答文が一斉に公開され、相互作用のゆらぎが一斉に起こったこと   に基づくと見られる。 ⇒ 「ゆらぎを生じるからくり」の活用例、テクノロジーと   してのフラクチュオマティクスの実践例

(2)さらに、第4日目に行った実空間でのディベートでの盛り上がりがこの授業の成否   を決めたように思われる。⇒ Fac e- t o- f ac e のコミュニケーションの重要性。

(3)第2日目のテーマ「これまでの人生で自分を支えてくれた人」は、精神・心療医学   領域で用いられる内観法と類似の効果を引き起こしたと見られる 。 【内観とは、   主に、養育者に対して、“何をして頂いたか?”、“何をして返したか?”、“どんな迷惑

  をかけたか?の3点についてわが身を振り返って丁寧に「身調べ」をする作業である。   親元から離れ、入学したばかりの大学生にとって適切な質問であったと思われる。】

(4)基礎ゼミの教育目標の視点といわれる、疑問を抱き、工夫し、試行錯誤し、自分の   考えを仲間に説明し、懸命に考えることへの援助、適切な討論法、学習集団の形成、   学生の知的活動への動機づけ等を高揚、これらに関してここで用いた方法は効果があっ   た。 この手法の汎用化、倫理的問題を検討することが必要がある。

(22)

大規模情報ネッ ワーク の制御に関する提言

 1989年にベルリンの壁が打ち破られたことに端を発し,東西の冷戦構 造が解消されてから世界は一変し,一つの地球社会システムとして振舞 い始めた。しかし,個人やその周りの社会,さらには国々の間の自由な 相互作用が促進された半面,解決困難な新たな世界規模の問題が政治, 経済,社会の諸現象として次々と噴出している。地球社会システムを脳 のような複雑系と見立てるならば,この状態はあたかも制御のたがが外 れたレム睡眠に類似した状態であると比喩的に見られなくもない。イン ターネットが発達したことによって,個人間での情報交換はもとより, 経済活動が24時間休みなく続いているなど,その状態に一層拍車がかかっ ている。地球社会システムが健全なさえた覚醒に戻ることができるため には、大域的抑制によりノンレム睡眠状態を導入して、過熱した地球社 会システムを冷却する必要がある( 3)

(23)

まとめ

○ 赤池理論の更なる活用:   例として:

  ・病気を対象にする医療から健康を維持する生活へ   ・個性を考慮した教育、スポーツトレーニングへ

○ ゆらぎの活用:   ・感性工学

  ・確率共振現象の応用   ・システムの硬直化防止

○ ゆらぎを生ずるからくりの活用:

  ・複雑系の大域的制御法の活用⇒意識の創成

(24)

おわりに

(1)生命体システムも人間社会システムもその構成要素がネット    ワークを形成している複雑系であるとするならば、我々には    複雑系を上手に制御することが求められるであろう。

(2)それには、20世紀の延長線上にある知識社会とは異なる方略    が必要となると思われる。

(3)サイエンス&テクノロジーとしてのゆらぎの科学、すなわち    フラクチュオマティクスの導入が期待される所以である。

(4)「脳単一ニューロン活動の1/ f ゆらぎ」研究の意義を広く人類    の福祉に活かすことができれば幸いである。

参照

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