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税金読本所得税の計算の仕組み

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Academic year: 2018

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(1)

28 29

所得の種類 所得金額の計算方法

雑 所 得 公的年金等以外

(所得金額)=(総収入金額)−(必要経費) 公的年金等

(所得金額)=(収入金額)−(公的年金等控除額)

所得税の計算の仕組み

-2

2

 次に、所得税の計算方法を見てみまし ょう。最も基本的な仕組みは下の式で表 現できます。つまり、(1)所得を求め、 (2)所得から所得控除を差し引いて課税 所得を算出し、(3)課税所得に対応した

税率を適用し、(4)所定の税額控除を 行い、所得税額を求めます。(5)既に 納めている源泉徴収税額や予定納税額を 差し引いた残額が確定申告時の納付税額 (マイナスの場合は還付税額)となります。

所得税計算の全体像

 

◆第1段階(所得を求める)

 所得の金額は、次の①〜⑦のグループ ごとに合計して算出します。また、必要 に応じて損益通算や損失の繰越控除を行

います( 33ページ「損益通算と損失 の繰越控除」を参照)。

①総所得金額

 山林所得と退職所得以外の8種類の所得で、総合課税となるものの合計額( 31ページの図を参照)。

②土地・建物等の譲渡所得の金額

 土地や建物等を譲渡した場合の譲渡所得。 ③分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額  上場株式等の配当所得および利子所得。 ④株式等に係る譲渡所得等の金額

 株式等を譲渡した場合の譲渡所得、事業所得および雑所得。 ⑤先物取引に係る雑所得等の金額

 商品先物取引や有価証券先物取引等(金融先物取引を含む)の差金等決済を行っ た場合の事業所得および雑所得。

⑥山林所得金額 ⑦退職所得金額

(所得−所得控除)×税率−税額控除=所得税額

課税所得     

所得税額−源泉徴収税額等=確定申告時の納付税額(還付税額)

1.65歳未満の人

公的年金等の収入金額 公的年金等控除額

130万円以下 70万円

130万円超410万円以下 収入金額×25%+ 37.5万円

410万円超770万円以下 収入金額×15%+ 78.5万円

770万円超 収入金額×5%+155.5万円

2.65歳以上の人

公的年金等の収入金額 公的年金等控除額

330万円以下 120万円

330万円超410万円以下 収入金額×25%+ 37.5万円

410万円超770万円以下 収入金額×15%+ 78.5万円

770万円超 収入金額×5%+155.5万円

(2)

30 31

◆第2段階(所得控除を行い、課税所得を求める)

 所得控除とは、納税者の家族構成、医 療費や保険料の支出等の個人的な事情を 考慮して、一定の金額を所得から差し引 き(控除し)、税負担を調整するものです。

 所得税には14種類の所得控除がありま す(くわしくは 36ページ「所得控除」 を参照して下さい)。

◆第3段階(税率を確定する)

 所得控除を行った後の金額を課税所得 金額といいます。税率は前ページの①〜 ⑦の課税所得金額それぞれについて別個 に適用します。①は総合課税、②〜⑦は 申告分離課税です。くわしくは 48ペ ージ「所得税の税率」を参照して下さい。

 ところで、税額の計算の過程では「課 税標準」という言葉も登場します。これ は所得に損益通算や損失の繰越控除を行 った後の金額をいいます。つまり、用語 の関係は下の図のようになります。

◆第4段階(税額控除を行う)

 税額控除とは、第3段階までに計算し た税額から一定額を差し引くことです。  税額控除には配当控除、外国税額控除 などがあります。詳細は 49ページ「税 額控除」を参照して下さい。

 平成25年から、第4段階で復興特別所 得税の計算を行うため、計算過程がやや

複雑になりました。まず、「外国税額控 除以外の税額控除」を差し引いた後の仮 の税額(基準所得税額)を求めます。  基準所得税額に対し、税率2.1%をか けて復興特別所得税額を求めます。  基準所得税額から外国税額控除を差し 引いて所得税額を求めます。

◆第5段階(源泉徴収税額等の精算を行い、所得税額を確定する)

 確定申告の際には、すでに天引きされ ている源泉徴収税額(源泉分離課税は除 く)、予め納付した予定納税額( 59 ページを参照)を精算する必要がありま す。

 つまり、第4段階で求めた金額から、 源泉徴収税額・予定納税額を差し引いた 金額が、確定申告時に納付する所得税額

(または還付される所得税額)というこ とになります。

 そして、平成25年から、復興特別所得 税額の精算も行われています。

  

 以上が所得税の金額を求める際の大ま かな流れです。この流れをまとめたのが 次ページの図表です。

所得 

 課税標準 

 課税所得金額

                

 損益通算・損失の繰越控除   所得控除

※1 一部の特殊なものを除き、利子所得は原則として分離課税となります。 ※2 株式等を譲渡した場合の譲渡所得、事業所得および雑所得をいいます。

※3 商品先物取引や有価証券先物取引、金融先物取引等の差金等決済を行った場合の事業所得、および雑所得をい います。

※4 合計所得金額については、 47ページを参照して下さい。

※5 繰越控除できる損失には、純損失と雑損失があります。純損失は総所得金額、退職所得、山林所得からのみ繰 越控除できます( 35ページ参照)。

※6 「上場株式等の譲渡所得等」、「申告分離課税の利子所得、配当所得」および「先物取引の雑所得等」において は、雑損失の繰越控除後に、それぞれ過年度の上場株式等の譲渡損失の繰越控除( 110ページ参照)、およ び過年度の先物取引の損失の繰越控除( 249ページ参照)の対象となります。

※7 平成25年以後、別途復興特別所得税の課税が行われています( 45ページ参照)。

[総 合 課 税]

利 子 所 得 ※1

配 当 所 得 不動産所得 事 業 所 得 給 与 所 得 譲 渡 所 得 短期       長期 一 時 所 得 雑 所 得

所得の種類 合計所得金額※4 課税標準 課税所得金額 税額

退 職 所 得 山 林 所 得 譲 渡 所 得 短期 (土地・建物) 長期

譲渡所得等※2

( 一 般株式等) 譲渡所得等※2

( 上 場 株式等) 利 子 所 得 (申告分離課税分)

配 当 所 得

(申告分離課税分) 雑 所 得 等

(先物取引)※3

●所得税計算の流れ(平成29年分)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※5

  ※6

×

×

 

 

 

1/2

(3)

32 33

山林所得の所得税額の計算例(平成29年分)

 山林所得の所得税額=[課税山林所得×1/5×超過累進税率]×5

[前提] 

・課税山林所得金額5,000万円、税額控除はないものとします。 ・税率は所得税速算表( 48ページ参照)を使用します。

・山林所得は申告分離課税ですので、他の所得からは独立して所得税額を計算 します。

 

 所得税額=[5,000万円×1/5×33%−153万6千円]×5=882万円

 

仮に5分5乗方式ではなく、通常の計算方式を適用すると、  

 所得税額=5,000万円×45%−479万6千円=1,770万4千円  

となります。つまり、5分5乗方式によって差引き888万4千円の税負担が軽 減されていることになります。

退職所得と山林所得の税額の計算方法(分離課税)

 退職所得と山林所得は分離課税とされ

ており、他の所得と合算せず、それぞれ 独自に税額の計算が行われます。ここで は、退職所得と山林所得の所得税の計算 方法の特徴について説明します。

◆退職所得

 退職所得は申告分離課税ですが、税率 は超過累進税率です。通常は支払時に源 泉徴収が行われます。支払者である企業 等は退職者から「退職所得の受給に関す る申告書」の提出を受け、その内容にし たがった源泉徴収を行います。一方、こ の申告書を提出しない場合は支給額の20 %を源泉徴収されることになり、本来支 払うべき税額と異なることもあります。 その結果、正規の税額よりも少なかった 場合は確定申告が必要です。また、正規

の税額よりも多く源泉徴収されていた場 合は確定申告によって還付を受けること ができます。

◆山林所得

 山林所得は5分5乗方式により計算し ます。5分5乗方式とは、損益通算や所 得控除を行った後の課税山林所得を5分 の1にし、対応する税率を適用して求め た金額を5倍にするものです。山林所得 には超過累進税率(所得が多いほど税率 が高くなります。 48ページを参照) が適用されますので、5分5乗方式によ って実質的に税負担は軽減されることに なります。長期間にわたる山林経営によ って発生した所得であることに配慮した 制度といえます。

 ゴルフ会員権には株式形 態、預託金証書形態の2種 類のタイプがありますが、ゴルフ場 の優先利用権という実体を有するも のはいずれも譲渡所得として総合課 税の対象になります。所有期間が5 年以内であれば短期譲渡所得とな り、5年超であれば長期譲渡所得に なります(計算式は 27ページを 参照)。ただし、営利目的で継続的

に譲渡が行われている場合は、事業 所得または雑所得となります。  ゴルフ会員権の売却によって発生 した譲渡損失は、他の所得との損益 通算及び雑損控除を適用することが できません。

 なお、譲渡所得には50万円の特別 控除がありますが、譲渡益が50万円 未満の場合は、その譲渡益の金額が 特別控除額となります。

ゴルフ会員権の税金

 ゴルフ会員権の売却を考えています。ゴルフ会員権は

株式のようなものだと聞いたことがあるのですが、どの

ように課税されるのでしょうか?

損益通算

 

損益通算と損失の繰越控除

 1年の間には、利益が出ることもあれ ば損失が出ることもあります。同一の所 得内で通算しきれない損失がある場合に は、一定の条件下で他の所得と通算する

ことができます。これを損益通算といい ます。ここでは総合課税の対象となる所 得の損益通算について説明します。

 損益通算には、対象や順序などにルー ルがあります。まず、損益通算の対象と

なる損失は、次の4つの所得に係る損失 です。

 損益通算は、下のグループ分けにした がって、一定の順序で行います。 ◆(1)損益通算の対象

◆(2)損益通算の順序 ・事業所得

・不動産所得(土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分は除きます) ・譲渡所得  (原則として総合課税のもののみ認められます)

(4)

34 35

 損失の繰越控除とは、損益通算を行っ た後になお損失が残っている場合に、一 定の要件の下で、以後3年間に繰り越し て控除(繰越控除)を行うことです。  ここでは、純損失の繰越控除と雑損失 の繰越控除について説明します(上場株 式等の譲渡損失の繰越控除については

110ページを参照)。

◆(1)純損失の繰越控除

 損益通算の結果残った損失を純損失と いいます。純損失の生じた年に青色申告 書を申告期限内に提出し、その後も連続 して確定申告書を提出している場合は、 青色申告をしている年分の純損失に限 り、翌年以降、3年間の所得の金額から 繰越控除を行うことができます(白色申 告者の場合は、変動所得(注)などに限ら

れます。 次ページのCheck Point! を参照)。

◆(2)雑損失の繰越控除

 災害・盗難などによる生活用資産の損 失を雑損失といい、一定額を所得から控 除することができます。雑損失について も、その年に控除できなかった損失の金 額は、期限内に確定申告書を提出し、以 後も連続して確定申告書を提出している 場合には、その年の翌年以降3年間にわ たって繰越控除を受けることができます。  したがって、その年の総所得金額、山 林所得金額、退職所得金額を計算する際 には、前年以前3年内に生じた純損失の 金額・雑損失の金額のうち、前年以前に 繰越控除を受けなかった金額を差し引い て計算します。

◆グループ内の通算

 損益通算の対象となる損失は、Aグル ープでは総合課税の不動産・事業所得の 損失、Bグループでは総合課税の譲渡所 得の損失です。それぞれグループ内の他 の所得から控除することができます。

◆グループ間の通算

 グループ内の通算で差し引けない損失 がある場合には、他のグループの所得と 通算することができます。Aグループ内 で通算しきれない損失が残った場合はB グループ内の所得と、Bグループ内で通 算しきれない損失が残った場合はAグル ープ内の所得と通算します。

 ただし、Aグループ内の損失をBグル

ープ内の所得と通算する際は、①短期譲 渡所得→②長期譲渡所得→③一時所得の 順序で通算します。

 なお、長期譲渡所得・一時所得と通算 する場合は、各々1/2にする前の金額 と通算します。

◆山林所得・退職所得について

 山林所得の損失がある場合は、①Aグ ループの所得→②短期譲渡所得→③長期 譲渡所得→④一時所得→⑤退職所得の順 序で通算します。

 また、AグループとBグループ間で通 算できなかった損失については、①山林 所得→②退職所得の順序で通算します。

損失の繰越控除

 

(注)変動所得とは、事業所得や雑所得のうち、 漁獲やのりの採取による所得、はまちやほ

たて貝など一定の品目の養殖による所得、 印税や原稿料による所得などをいいます。

◆(3)繰越控除の順序

 繰り越された損失の金額は、古い年分 の損失の金額から順次差し引きます。ま た、同じ年に純損失の金額と雑損失の金 額があるときは、純損失の金額から先に 差し引きます。各々の控除順序は次のよ うになります。

  

①純損失

 「総所得金額の計算過程で生じた損失」 をA、「山林所得金額の計算上生じた損

失」をBとすると、下の表の順序になり ます。

                    

②雑損失

 下の図の順序で控除します。

 わが国では申告納税制度が採用されており、納税者自身が所得と税額を計 算することになっています。所得と税額を計算するためには収入金額や必要 経費を記録する帳簿が必要です。正確な帳簿を備えていれば申告内容の精度 も高まることになり、結果的に税務行政に資することになります。そこで所 定の申請を行い、承認を受けた者に対して、税務上の特典を与えようとする のが青色申告制度です。

 対象となるのは不動産所得、事業所得、山林所得のある人で、これらの所 得の金額を正確に計算できるよう記帳し、原則として正規の簿記の原則にし たがって貸借対照表や損益計算書を作成することが必要です(より簡易な方 法によることも認められています)。

 特典には、①青色申告特別控除を受けられること、②青色事業専従者(家 族従業員)の給与額を適正額まで必要経費に算入できること、③一部の貸倒 引当金等を必要経費へ算入できること、④純損失の繰越控除と繰戻還付を受 けられることなどがあります。

 一方、青色申告者以外の人が行う場合を白色申告といいます。青色申告よ りも簡易な方法によることが認められていますが、不動産所得、事業所得、

青色申告と白色申告

・Aグループ・・・総合課税の利子・配当・不動産・事業・給与・雑の各所得

・Bグループ・・・総合課税の譲渡(短期・長期)所得・一時所得

●純損失の繰越控除の順序

所得の種類

総所得金額  1 5 山林所得金額 3 2 退職所得金額 4 6

●雑損失の繰越控除の順序

一般

退

(5)

36 37

 損益通算や損失の繰越控除を行うと、 課税標準となる総所得金額や分離課税の 各所得金額が確定します。続いて行う作 業は所得控除です。

 所得控除とは、課税標準となる所得金 額から一定額を控除するもので、納税者 の家族構成や医療費の支出、不測の事態

に対する備え(生命保険や損害保険への 加入など)といった個人的事情に配慮す ることを目的としています。

 所得控除は全部で14種類あります。控 除の適用順序については、 47ページ のQ&Aを参照してください。

山林所得を生ずべき業務を行う全ての人は、総収入金額と必要経費に関する 事項を記帳しておかなければなりません(平成26年分の所得税より、所得の 合計額が300万円以下であっても記帳が義務づけられるようになりました。)  青色申告をする場合は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」 や「青色事業専従者給与に関する届出書」などを所轄の税務署長に提出しな ければなりません(その年の1月16日以後に開業した場合などは、その日か ら2ヵ月以内)。

所得控除

●所得控除の一覧表(平成29年分) 所得控除

の 種 類 適用される条件・場合 控除される金額 備  考

雑損控

除 納税者または納税者と生計を一にする総所得金額等が38万円以下の配 偶者その他の親族の有する生活に通 常必要な住宅家財等について災害・ 盗難・横領による損失が生じた場合 (損失金額には「災害関連支出金

額」を含む)  

①損失金額のうち災害関連支出金額 が5万円以下の場合

 

②損失金額のうち災害関連支出金額 が5万円超の場合

     

③損失金額がすべて災害関連支出金 額である場合

 

※ 40ページのQ&Aも参照

               

損失金額−総所得金額等×10%  

 

(災害関連支出金額−5万円) と

(損失金額−総所得金額等×10%) とのうち多い金額

 

(損失金額−5万円) と

(損失金額−総所得金額等×10%) とのうち多い金額

◦災害関連支出金額とは、その災 害・盗難・横領に関連して納税者 がやむを得ず支出した金額で一定 のものをいう

例)◦住宅家財等が損壊した場合 の、取壊しや除去のための支 出

  ◦住宅家財等につき、まさに被 害が生ずるおそれがあると見 込まれる場合の被害防止のた めの支出(豪雪の場合の雪お ろし費用など)

◦盗難等による損失が生じた住宅家 財等の原状回復等のための支出は 損失金額に含まれるが、災害関連 支出金額には含まれない ◦保険金・損害賠償金等により補て

んされる金額は損失金額より除か れる

所得控除

の 種 類 適用される条件・場合 控除される金額 備  考

医療費

控除 ①納税者または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族のため に、通常必要であると認められる 医療費を支払った場合

(支払った医療費の額−総所得 金額等×5%〈最高10万円〉)

〈最高200万円〉

◦保険金・損害賠償金等(医療費の 支出を給付原因として支給を受け る健康保険・国民健康保険等を含 む)による補てん金額は支払った 医療費より除かれる

◦詳細は 43ページのQ&Aを参照

②特定健康診査、予防接種、定期健 康診断等のいずれか(医師の関与 があるものに限る)を受けている 納税者が、自己または自己と生計 を一にする配偶者その他の親族に 係るスイッチOTC医薬品の購入 の対価を支払った場合(セルフメ ディケーション税制)

  対価の合計額

12,000円以下 12,000円超  100,000円以下 100,000円超 

特例の適用なし 12,000円を超える金額

88,000円

◦スイッチOTC医薬品とは、要指 導医薬品および一般用医薬品のう ち、医療用から一般用に転用(ス イッチ)されたものをいう ◦平成29年1月1日から平成33年

12月31日までの間に購入した対 価について適用

◦①の医療費控除との併用は不可

◦詳細は 45ページのQ&Aを参照

社会保 険料控 除

納税者または納税者と生計を一にす る配偶者その他の親族のために社会 保険料を支払った場合、または給与

から控除される場合 支払額または控除額の全額 (社会保険料の全額)

◦社会保険料とは、健康保険・国民 健康保険・後期高齢者医療制度・介 護保険・雇用保険・国民年金・厚生 年金保険等の保険料や国民年金基 金・厚生年金基金等の掛金をいう ◦給与または年金から天引きされて

いる保険料については、社会保険 料控除を受けられるのは天引きさ れている本人のみである

小規模 企業共 済等掛 金控除

納税者本人が小規模企業共済等掛金 を支払った場合

支払った掛金の全額

◦小規模企業共済等掛金とは、小規 模企業共済法の共済契約に基づく 掛金、個人型確定拠出年金の加入 者掛金、企業型確定拠出年金の加 入者掛金、地方公共団体が実施す る心身障害者扶養共済制度の掛金 をいう

生命保 険料控 除

①新契約に係る一般生命保険料を支 払った場合

  支払った保険料

20,000円以下 20,000円超  40,000円以下 40,000円超  80,000円以下 80,000円超  ②新契約に係る個人年金保険料を支

払った場合   支払った保険料

20,000円以下 20,000円超  40,000円以下 40,000円超  80,000円以下 80,000円超  ③新契約に係る介護医療保険料を支

払った場合   支払った保険料

20,000円以下 20,000円超  40,000円以下

支払った保険料の全額 支払った保険料×½+10,000円 支払った保険料×¼+20,000円

40,000円(※1)(※2)  

   

支払った保険料の全額 支払った保険料×½+10,000円 支払った保険料×¼+20,000円

40,000円(※1)(※2)

支払った保険料の全額 支払った保険料×½+10,000円

◦新契約とは平成24年1月1日以 後に生命保険会社又は損害保険会 社等と締結した保険契約等 ◦旧契約とは平成23年12月31日以

前に生命保険会社又は損害保険会 社等と締結した保険契約等 ◦新契約については、主契約又は特

約の保障内容に応じ、その保険契 約等に係る支払保険料等を各保険 料控除に適用する

◦異なる複数の保障内容が一の契約 で締結されている保険契約等は、 その保険契約等の主たる保障内容 に応じて保険料控除を適用する ◦剰余金の分配等(剰余金の分配や

(6)

38 39

所得控除

の 種 類 適用される条件・場合 控除される金額 備  考

寡 婦 (寡夫)

控除

①納税者が寡婦の場合  

     

②納税者が特定の寡婦の場合  

 

③納税者が寡夫の場合

27万円         35万円

    27万円

◦寡婦とは、以下のいずれかの者 ①夫と死別・離婚等した女性で、扶

養親族等がいる者

②夫と死別等した女性で合計所得金 額500万円以下の者

◦特定の寡婦とは、寡婦のうち扶養 親族である子を有し、合計所得金 額が500万円以下の者

◦寡夫とは、以下のすべての要件を 充たす者

イ.妻と死別、離婚したこと等 ロ.総所得金額等が38万円以下の

生計を一にする子を有すること ハ.納税者の合計所得金額が500万

円以下であること

勤労学

生控除 納税者が勤労学生の場合 27万円 ◦勤労学生とは、合計所得金額が65万円以下であるなど一定の者

配偶者

控除 ①控除対象配偶者がいる場合

②老人控除対象配偶者がいる場合

38万円

48万円

◦控除対象配偶者とは、納税者と生 計を一にする配偶者で、合計所得 金額が38万円以下の者

◦老人控除対象配偶者とは、控除対 象配偶者のうち年齢が70歳以上 の者

◦平成30年分以後の控除見直しに

ついて 5ページを参照

配偶者 特別控 除

納税者の合計所得金額が1,000万円 以下で生計を一にする配偶者がいる 場合

配偶者の合計所得金額により 区分

次のページの一覧を参照

◦平成30年分以後の控除見直しに

ついて 5ページを参照

扶養控

除 ①控除対象扶養親族がいる場合②特定扶養親族がいる場合 ③老人扶養親族がいる場合 ④老人扶養親族のうち、納税者また

は配偶者の直系尊属で、納税者ま たは配偶者のいずれかとの同居を 常況としている者(同居老親等) がいる場合

1人につき38万円 1人につき63万円 1人につき48万円 1人につき58万円

◦扶養親族とは、納税者と生計を一 にする親族等(配偶者を除く) で、合計所得金額が38万円以下 の者

◦控除対象扶養親族とは、納税者と 生計を一にする16歳以上の親族 等(配偶者を除く)で、合計所得 金額が38万円以下の者

◦特定扶養親族とは、控除対象扶養 親族のうち19歳以上23歳未満の 者

◦老人扶養親族とは控除対象扶養親 族のうち、年齢70歳以上の者 ◦平成28年分の所得税より、国外

扶養親族の扶養控除については、 年末調整や確定申告の際、親族関 係や送金関係の事実を証する書類 の添付が必要

基礎控

除 すべての納税者 38万円

※1 表中の「合計所得金額」については、 47ページのCheck Point!を参照して下さい。 ※2 表中の「総所得金額等」とは、合計所得金額に損失の繰越控除を適用して計算した金額です。

所得控除

の 種 類 適用される条件・場合 控除される金額 備  考

生命保 険料控 除

40,000円超  80,000円以下 80,000円超  ④旧契約に係る一般生命保険料を支

払った場合(経過措置) 25,000円以下 25,000円超  50,000円以下 50,000円超  100,000円以下 100,000円超  ⑤旧契約に係る個人年金保険料を支

払った場合(経過措置) 25,000円以下 25,000円超  50,000円以下 50,000円超  100,000円以下 100,000円超 

支払った保険料×¼+20,000円 40,000円(※1)(※2)

支払った保険料の全額 支払った保険料×½+12,500円 支払った保険料×¼+25,000円

50,000円(※2)(※3)

支払った保険料の全額 支払った保険料×½+12,500円 支払った保険料×¼+25,000円

50,000円(※2)(※3)

 の支払保険料等の額から差し引く

◦新契約に係る一般生命保険料控除 は遺族保障等を対象とし、旧契約 に係る一般生命保険料控除は遺族 保障、介護保障、医療保障等を対 象としている

  

(※1)①〜③は別枠である (※2)複数の契約がある場合の各保

険料控除の合計適用限度額 ・新契約のみの場合:上限4万円 ・旧契約のみの場合:上限5万円 ・新旧契約両方の場合:上限4万円 ・介護保険料と生命保険料と年金保

険料の合算  :上限12万円 (※3)④と⑤は別枠である

地震保 険料控 除

①地震保険契約等の保険料のみ支払 った場合

②平成18年12月31日までに締結し た長期損害保険契約等(契約期間 10年以上で満期返戻金を支払う 旨の特約のある保険契約)の保険 料のみ支払った場合(経過措置)   支払った保険料 10,000円以下 10,000円超  20,000円以下 20,000円超  ③①と②の2つの保険に加入してい

る場合

④②に新たに①を付帯させた場合な ど1つの保険に①と②が備わって いる場合

支払った保険料の全額 〈最高5万円〉

支払った保険料の全額 支払った保険料×½+5,000円

15,000円

両方の保険料を合わせて最高5 万円まで控除が認められる。こ の場合、長期損害保険料の控除

限度額は最高1万5千円 ①あるいは②のいずれかを選択

適用

◦平成19年分の所得税からは損害 保険料控除は地震保険料控除へ改 組された

◦②の経過措置の対象となる損害保 険契約等には、一定の偶然の事故 によって生ずることのある損害を 補てんする損害保険契約等のほ か、身体の傷害に基因して保険金 が支払われる保険契約で、生命保 険会社等または損害保険会社等と 締結したもの(いわゆる第三分野 の保険契約)も含まれる

寄附金

控除 納税者が特定寄附金を支出した場合 「総所得金額等×40%」とのうち(「特定寄附金の支出額」と 少ない金額)−2,000円

◦特定寄附金の内容については

42ページのQ&Aを参照

◦ふるさと納税のワンストップ特例 制度については 71ページを参 照

障害者

控除 ①納税者、控除対象配偶者、扶養親族が障害者である場合 ②納税者、控除対象配偶者、扶養親

族が特別障害者である場合 ③控除対象配偶者、扶養親族が同居

の特別障害者である場合

1人につき27万円    1人につき40万円

   1人につき75万円

◦障害者とは心神喪失の常況にある 者、失明者その他の精神または身 体に障害がある一定の者 ◦特別障害者とは障害者のうち、精

(7)

40 41

  地震、火災、風水害などの 災害にあって、住宅や家財 などに損害を受けた場合には、確定 申告を行うことで所得税法の雑損控 除(くわしくは 36ページ参照) を受けることができるほか、災害減 免法の適用を受けることにより税金 の軽減または免除ができます。納税 者は、所得税法の雑損控除か災害減 免法の適用のいずれか有利な方法を 選ぶことができます。

1.雑損控除 ◆対象となる資産

 次の2つの条件を満たす資産が対

象となります。

①納税者本人、もしくは納税者と生 計を一にする総所得金額38万円以 下の配偶者やその他の親族が所有 者であること

②生活に通常必要な住宅、家具、衣 類などの資産であること(別荘や 事業用の資産、書画、骨とう、貴 金属等で1組または1個の価額が 30万円を超えるものは除かれます)

◆雑損控除を受けるための手続き

 控除に関する明細書を添付し、雑 損控除に関する事項を記載した確定 申告書を提出することになっていま

災害等にあったとき

災害にあって損害を受けた場合に、所得税の軽減などを

受ける制度があると聞きました。どのような制度がある

のか教えてください。

す。また、災害等に関連して支払っ たやむを得ない支出がある場合に は、その領収書を添付、もしくは提 示する必要があります。

 控除される金額の計算については

36ページの表を参照して下さい。

◆損失が控除しきれない場合

 災害にあった年の所得から雑損控 除額を控除しきれなかった場合は、 残りの額について、雑損失の繰越控 除を受けることができます。雑損失 の繰越控除は、翌年以降3年間の所 得から控除を受けられるものです ( 34ページを参照)。

2.災害減免法

 災害にあった場合に所得税を減免 する制度としては、雑損控除のほか、 災害減免法に基づいて所得税額を軽 減・免除する制度があります。  具体的には、災害のあった年分の 合計所得金額が1,000万円以下の場 合で、災害により受けた損害額が住 宅または家財の1/2以上で、かつ、

雑損控除の適用を受けない場合は、

以下の所得金額に応じて所得税額が 軽減・免除されます。

 住宅または家財とは、自己または その者と生計を一にする配偶者その 他の親族で、その年分の合計所得金 額が基礎控除額以下である者が所有 する常時起居する住宅または日常生 活に通常必要な家具、什器、衣服、 書籍その他の家庭用動産をいいます。  雑損控除の場合には、棚卸資産等 特定の資産を除く一切の資産が対象 となりますが、災害減免法の場合に は、住宅、家財に限られます。  別荘などが対象から除かれるのは 雑損控除と同様です。

 雑損控除と異なり、その年に控除 しきれなかった損失額を繰り越すこ とはできません。

 災害減免法の適用を受けるために は、確定申告書に適用を受ける旨、 被害の状況及び損害金額を記載し て、原則として確定申告期限内に、 納税地の所轄税務署長に提出するこ とが必要です。

●平成29年分までの配偶者控除および配偶者特別控除

配偶者の収入金額(給与収入) 配偶者控除の額 配偶者特別控除の額

103万円以下 38万円 0

103万円 超 〜105万円未満 0 38万円

105万円以上〜110万円未満 0 36万円

110万円以上〜115万円未満 0 31万円

115万円以上〜120万円未満 0 26万円

120万円以上〜125万円未満 0 21万円

125万円以上〜130万円未満 0 16万円

130万円以上〜135万円未満 0 11万円

135万円以上〜140万円未満 0 6万円

140万円以上〜141万円未満 0 3万円

141万円以上        0 0

※1 配偶者の収入金額は給与所得控除額(上記金額の場合は65万円)を差し引く前の金額です。

※2 平成30年分以後の控除額は 5ページを参照して下さい。

合計所得金額 所得税の軽減・免除額

500万円以下 全額

500万円超 750万円以下 1/2

(8)

42 43

 納税者が国や地方公共団 体、特定公益増進法人など に対し、「特定寄附金」を支出した 場合には、寄附金控除を受けること

ができます。

 特定寄附金には、たとえば、以下 のものなどがあります。

特定寄附金とは

寄附金控除の対象となる特定寄附金には、どのようなも

のがありますか。

 ただし、学校への入学に際して納 入する寄附金や、寄附をした納税者 に特別の利益が及ぶ寄附金、政治資 金規正法に違反する政治献金、宗教 法人に対する寄附金などは、特定寄 附金から除かれます。

 また、上記のうち、⑵および⑹に ついては税額控除を選択でき、⑶お よび⑸についても税額控除を選択で

きる場合があります。

 寄附金控除の適用を受けるために は、確定申告書に寄附した団体など から交付を受けた領収書などを添付 する必要があります。⑸一定の政治 献金の場合には、選挙管理委員会等 の確認印のある「寄附金(税額)控 除のための書類」が必要です。

医療費控除の対象となる医 療費は、病状などに応じて 一般的に支出される水準を著しく超 えない部分の金額となります。  医療費控除の対象には、治療を受 けるための通院費が含まれるほか、 医療サービスだけでなく介護保険制

度の下で提供される一定の施設・居 宅サービスの対価も含まれます。一 方で、健康診断の費用や、健康増進 のための栄養剤などの費用は医療費 控除の対象となりません。くわしく は、以下の表を参照してください。

医療費控除の対象となる医療費

確定申告をして医療費控除の適用を受けると税金が還付

されると聞きました。この医療費控除の対象となる医療

費にはどのようなものが含まれるのですか?

⑴ 国、地方公共団体への寄附金

⑵ 公益社団法人、公益財団法人等への寄附金で、財務大臣が指定したも の

⑶ 独立行政法人、学校法人等、社会福祉法人、更生保護法人などのうち 一定のものに対する寄附金

⑷ 特定公益信託のうち一定のもの ⑸ 一定の政治献金

⑹ 一定の認定NPO法人に対する寄附金

⑺ 特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得 した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額 (1,000万円が限度となります)

医療費控除の対象 控除の対象に含まれるもの(例示) 控除の対象に含まれないもの(例示)

・医師、歯科医師による 診療や治療の対価 ・治療のためのあんまマ

ッサージ指圧師、はり 師、きゅう師、柔道整 復師などによる施術の 対価

・助産師による分べんの 介助の対価

・医師等による一定の特 定保健指導の対価 ・介護福祉士等による喀

痰吸引等の対価

◦医師等による診療等を受けるために直接必要 なもので、次のような費用

 ・通院費

 ・入院の対価として支払う部屋代や食事代  ・医師等の送迎費

 ・医療用器具の購入や貸借のための費用  ・義手、義足、松葉づえや義歯等の購入の費用  ・身体障害者福祉法などの規定により、都道 府県や市町村に納付する費用のうち、医師 等の診療費用などに当たるもの

 ・6ヵ月以上寝たきりの人のおむつ代で、そ の人の治療をしている医師が発行した証明 書(「おむつ使用証明書」)のあるもの ◦介護保険制度の下で提供される一定の施設・

居宅サービスの対価

・容姿を美化し、容ぼう を変えるなどの目的で 行った整形手術の費用 ・健康診断の費用 ・タクシー代(公共交通

機関が利用できない場 合を除く)

・自家用車で通院する場 合のガソリン代や駐車 料金

・治療を受けるために直 接必要としない、近視 や遠視のための眼鏡等 の購入費用

・保健師や看護師、准看 護師による療養上の世 話の対価

・左記以外で、療養上の世話を受けるために特

に依頼した人に支払う療養上の世話の対価 ・親族に支払う療養上の世話の対価

・治療や療養に必要な医 薬品の購入の対価

・かぜの治療のために使用した一般的な医薬品 の購入費用

・医師等の処方や指示により、医師等による診 療等を受けるため直接必要なものとして購入 する医薬品の購入費用

・疾病の予防または健康 増進のために供される ものの購入費用

・病院、診療所または助 産所などへ収容される ための人的役務の提供 の対価

・病状からみて急を要する場合に病院に収容さ れるための費用

・親族などから人的役務 の提供を受けたことに 対し支払う謝礼

(9)

44 45

セルフメディケーション税 制とは、平成28年度税制改 正において創設された「スイッチ OTC医薬品」の購入費用を所得か ら控除する医療費控除の特例です。 予防接種や定期健康診断等の「一 定の取組」を行っている個人が、平 成29年1月1日から平成33年12月31 日までの間に、自己又は生計を一に する配偶者や子ども等のためにスイ ッチOTC医薬品を購入した場合、

対価の合計額が1万2,000円を超え るときは、その超える部分の金額(8 万8,000円が上限)が総所得金額か ら控除されます。ただし、本制度は

通常の医療費控除との選択制ですの で、どちらが有利になるか検討する 必要があります。

 「スイッチOTC医薬品」とは、要 指導医薬品および一般用医薬品のう ち、ロキソニンなど、ドラッグスト ア等の店頭(OverTheCounter) で処方箋なしに購入できる、医療用 から一般用に転用(スイッチ)され た市販医薬品を指します。

 「一定の取組」とは、次のものを 指します(証明方法は、 46ペー ジ参照)。セルフメディケーション 税制の適用を受けようとする年分に 行う必要があります。

セルフメディケーション税制とは

セルフメディケーション税制とはどのような制度ですか。

 本制度の適用を受けるためには、 セルフメディケーション税制の適用 に関する事項を記載した確定申告書

を所轄税務署長に提出しなければな りません。確定申告書には、次の書類 を添付又は提示する必要があります。 後期高齢者医療制度は、平

成20年4月より始まった、 75歳以上の高齢者および65歳以上の 一定の障害者が加入する医療制度で す。

 75歳以上の高齢者は、子どもや配 偶者に扶養されているか否かや職業 等にかかわらず全員が同じ医療制度 となっています。

 後期高齢者医療制度の保険料は、 個人単位となり、一人当たり定額の 保険料(均等割)と所得に応じた保 険料(所得割)の合計です。原則と して年金からの天引きにより徴収さ れますが、申請により本人または本 人と生計を一にする配偶者その他の 親族の口座からの振替により支払う ことができます。

 親の後期高齢者医療制度の保険料

について子が社会保険料控除を受け られるのは、子の口座からの振替に より支払う場合のみです。親の年金 から天引きにより徴収された社会保 険料については、親に社会保険料控 除が適用されます。

 親の年金に対して所得税や住民税 が課税されていない場合は、後期高 齢者医療制度の保険料の支払方法を 子の口座からの振替にすることで、 子に社会保険料控除が適用され、子 の税負担が軽減されます。

 また、親の年金に対して所得税や 住民税が課税されている場合でも、 親より子に適用される税率が高けれ ば、後期高齢者医療制度の保険料の 支払いを子の口座からの振替にする ことで世帯全体での税負担が軽減さ れます。

後期高齢者医療制度と社会保険料控除

同居している、親の後期高齢者医療制度の保険料につい

て、社会保険料控除を受けることはできますか? 後期

高齢者医療制度について詳しく教えてください。

※2 おむつ代について医療費控除を受けることが2年目以降で、介護保険法の要介護認定を受けている 一定の人は、市町村長等が交付するおむつ使用の確認書等を「おむつ使用証明書」に代えることが できます。

※3 医療費は、その年に実際に支払ったものに限って控除の対象となります。未払となっている医療費 は、実際に支払った年の医療費控除の対象となります。

※4 医療費控除の対象となる介護保険制度の下で提供される一定の施設・居住サービスの対価について は、国税庁ホームページまたは税務署で配布している「医療費控除を受けられる方へ」という冊子 に説明されています。

※5 「スイッチOTC医薬品」に該当するものについては、購入の対価が平成29年1月以降において控除 の対象となります( 45ページQ&A参照)。

(出所:国税庁「平成28年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」および改正税法により作成)

①保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査【人間ドッグ、各種 健(検)診等】

②市町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康 診査】

③予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】 ④勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】

⑤特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導 ⑥市町村が健康増進事業として実施するがん検診

①スイッチOTC医薬品購入費の領収書等(他の金額と区別されているもの)※

②「一定の取組」の証明書

(10)

(出所)厚生労働省ウェブサイト

46 47

 所得控除を適用するとき (各所得控除額を所得から 差し引くとき)は、最初に雑損控除 を行い、続いて残りの控除を行いま す。雑損控除を一番に差し引くこと 以外、順番に決まりはありません。  また、控除を受けるとき(各所得

から所得控除額が差し引かれると き)は、総所得金額から優先的に控 除されます。

 総所得金額で控除しきれない場合 は、次の順序で控除される決まりに なっています。

所得控除の順序

所得控除は14種類もありますが、適用する順序に決まり

はあるのでしょうか?また、所得控除を受ける所得の順

序に決まりはあるのでしょうか?

 合計所得金額とは、総所得金額、特別控除前の分離短期・長期譲渡所得の 金額、申告分離課税を選択した配当所得等の金額(上場株式等の譲渡損失の 通算後)、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、 山林所得金額および退職所得金額の合計額をいいます。

 ただし、純損失や雑損失の繰越控除、その他一定の損失の繰越控除の特例 の適用を受ける場合には、適用前の金額をいいます。 31ページでは、「損 失の繰越控除」の手前上段に「合計所得金額」を表示しています。

 また、源泉徴収口座で申告不要を選択した株式譲渡益や配当等、申告不要 制度の適用を受ける配当、収益分配金等は除外されます(申告不要のもので あっても、確定申告を行えば合計所得金額に含まれます。 121ページ参照)。  合計所得金額は、寡婦(寡夫)控除・勤労学生控除・配偶者控除・配偶者 特別控除・扶養控除などの所得控除や、税額控除( 49ページの「住宅ロ ーン減税」を参照)の適用の有無を判定する際に使用します。

合計所得金額

 ①土地・建物等の短期譲渡所得の金額 ②土地・建物等の長期譲渡所得の金額

 ③上場株式等に係る利子所得・配当所得の金額 ④一般株式等に係る譲渡所得等の金額

 ⑤上場株式等に係る譲渡所得等の金額 ⑥先物取引に係る雑所得等の金額

(11)

48 49

 所得金額から所得控除の額を差し引い た後の金額を課税所得金額といいます。 課税所得金額が確定したら、この金額に 税率を適用します。所得税の税率は、所 得が多くなればなるほど税率が高くなる 仕組みになっています。これは納税者の

租税負担能力を考慮した税率の構造であ り、超過累進税率といいます。

 次の計算例のように課税所得金額 2,000万円に見合う税率をそれぞれ適用 すると、算出税額520万4千円が求めら れます。

所得税の税率

もっとも、実際に税額を求める場合は、 下の速算表を用いて計算します。速算表

を用いて計算した場合も同じ結果になり ます。

課税所得金額2,000万円の場合の計算例

195万円以下の部分 195万円×5%= 97,500円 195万円超〜 330万円以下の部分 135万円×10%= 135,000円 330万円超〜 695万円以下の部分 365万円×20%= 730,000円 695万円超〜 900万円以下の部分 205万円×23%= 471,500円 900万円超〜1,800万円以下の部分 900万円×33%=2,970,000円 1,800万円超〜2,000万円以下の部分 200万円×40%= 800,000円

税額合計 5,204,000円

 課税所得金額に税率を適用すると、税 額が算出されます。しかし、これで最終 的に納付する所得税額が確定するわけで はありません。もし、総所得金額のなか に配当所得が含まれていたり、すでに外 国で課税されていたり、住宅の取得資金

としての借入金等があったりする場合に は、算出した税額から一定の金額を控除 することが認められます。これを税額控 除といいます。以下では、主な税額控除 について説明します。

税額控除

 配当所得の10%(公募株式投資信託の 収益分配金については最大5%)(注) 当額を税額から控除します。ただし、申 告不要制度( 23ページ参照)および 申告分離課税の適用を受けた上場株式等 の配当、外国株式の配当(外国株式投資

信託の収益分配金を含む)などについて は配当控除が認められません。くわしく は「株式投資と税金―譲渡益・配当課税 の原則―」「投資信託と税金」で説明し ます。

◆(1)配当控除

(注)課税総所得金額等が1,000万円を超える部 分については、控除率が1/2になります。 また、公募株式投資信託のうち、投資信託 約款等に記載されている株式以外の資産や

外貨建資産の運用割合が高いものについて も、割合に応じて控除率が低くなります(詳 細は 189ページ参照)。

 住宅借入金等を有する場合の特別税額 控除(以下「住宅ローン減税」)は、(原 則として)期間10年以上の住宅ローンを 利用した場合に、住宅ローンの年末残高 の合計額をもとに算出する金額を一定期 間にわたって所得税額から控除するもの です。納税者が平成33年12月31日までの 間に住居として新築住宅や既存住宅を取 得し居住したとき、または住んでいる家 屋の増改築を行ったときに、合計所得金 額3,000万円以下の年に限り認められま す。

 なお、新築住宅または既存住宅を取得

した者が、一定期間内の従前の住宅(敷 地を含む)の譲渡について「居住用財産 の軽減税率の特例」などの適用を受ける (受けた)場合は、住宅ローン減税は適 用されません。ただし、居住用財産を買 換え等のために譲渡し譲渡損失が出た場 合には、譲渡損失の繰越控除制度との併 用が認められています。

 この住宅ローン減税については、居住 の用に供した日や住宅の種類などによっ て、所得要件や適用対象となる借入金な どの範囲、各年分の控除額や控除期間な どが異なります。

◆(2)住宅ローン減税

●所得税速算表

課税所得金額(千円未満切捨て) 税率 速算控除額

195万円以下 5% 0円

195万円超 330万円以下 10% 97,500円 330万円超 695万円以下 20% 427,500円 695万円超 900万円以下 23% 636,000円 900万円超 1,800万円以下 33% 1,536,000円 1,800万円超 4,000万円以下 40% 2,796,000円

4,000万円超 45% 4,796,000円

2,000万円×40%−2,796,000円=5,204,000円

(12)

50 51

(注)耐震改修の投資型減税については、住宅ロ ーン減税と併用することができます。

 政治活動に関する寄附で一定のものは 所得控除の対象となっていますが、政党 や政治資金団体に対する寄附金について は税額控除も認められています。納税者 は所得控除と税額控除の有利な方を選択 することができます。この場合の税額控 除の金額は、原則として下のようになり ます。税額控除の金額は、所得税額の25

%相当額が限度となります。

 ただし、所得控除の適用を受ける寄附 金がある場合には、所得控除を受ける寄 附金と税額控除を受ける寄附金の合計額 が総所得金額等の40%相当額を超えない よう調整する措置が設けられています。 下の算式の「2,000円」についても、一 定の調整が加えられます。

◆(4)政治活動に関する寄附をした場合の特別控除

 認定NPO法人や所得控除としての寄 附金控除の対象となっている公益社団法 人、公益財団法人、学校法人、社会福祉 法人、更生保護法人のうち、一定の法人 に対して、2,000円を超える寄附をした

場合、 38ページの寄附金控除のほか に、税額控除を選択することができます。 納税者はいずれか有利な方を選択しま す。税額控除の金額は、次の算式で計算 します。

◆(5)認定NPO法人、公益社団法人等への寄附

 税額控除額は所得税額の25%相当額を 限度とされますが、上記の政治活動に関 (注)外国債券の利子については、平成27年12月31日までは源泉徴収の段階で一定の外国税

額が差し引かれているため、確定申告時に さらに外国税額控除を受けることはできま

せん。平成28年1月1日以後は、特定公社 債で申告分離課税を選択すれば、外国税額

控除を受けることができます( 232ペー

ジ参照)。

◆外国税額の繰越控除

 外国税額控除は、翌年以降3年間の繰 越しが認められています。

◆外国税額が減額された場合

 外国税額控除の適用を受けた翌年以後 に対象となる外国所得税額が減額された 場合は次のような調整が行われます。  日本国内に住所がある個人、または1

年以上居所がある個人を居住者といいま す( 52ページQ&Aを参照)。居住 者の場合、国内で生じた所得のほか、外 国で生じた所得(国外所得)についても 課税されます。しかし、国外所得につい て既に外国で所得税等が課されている場 合は、二重に課税することになってしま います。そこで、この二重課税を調整す るため、算出した税額から外国の所得税

等の金額を控除する外国税額控除が認め られています(注)

 所得税額から控除しきれない場合は、 ①復興特別所得税(控除限度額は 54 ページ参照)②道府県民税額(所得税の 控除限度額の12%まで)、③市町村民税 額(所得税の控除限度額の18%まで)の 順で控除することができます。具体的に は次の算式で求められた金額(控除限度 額)の範囲内で控除することができます。 する寄附をした場合の特別控除とは別枠

で判定します。住民税と合わせた場合は、 最大で50%までの税額控除が可能です。  また、控除の対象となる寄附金額(総 所得金額等の40%相当額)および控除適

用下限額(2,000円)は、所得控除とし ての寄附金控除、上記の政治活動に関す る寄附をした場合の特別控除と合わせ て、判定します。

◆(6)外国税額控除

 住宅関連費用を支払った場合、住宅ロ ーン減税に代えて工事費等の金額を基準 として税額控除を受けられる「投資型減 税」を選択することができます(注)  投資型減税には、長期優良住宅の新築、 省エネ改修、バリアフリー改修、耐震改

修、多世帯同居改修の5種類があります。 それぞれ適用される期間や適用条件や控 除額などが異なりますので、詳細につい ては 378ページからの「住宅ローン 減税・投資型減税」を参照して下さい。 ◆(3)住宅関連の投資型減税

(寄附金額※1−2,000円)×40%=税額控除額※2

 ※1 総所得金額等の40%相当額を限度  ※2 所得税額の25%相当額を限度

(その年中の政党等に対する寄附金額※1−2,000円)×30%

=税額控除額※2 

 ※1 総所得金額等の40%相当額を限度  ※2 所得税額の25%相当額を限度

控除限度額=その年分の所得税の額× その年分の国外所得総額その年分の所得総額

①減額されることとなった日の属する年(減額に係る年)に納付する外国所 得税から減額分を差し引き、その残額について外国税額控除を適用する ②減額に係る年に納付する外国所得税額がない場合、または納付する外国

所得税額が減額された外国所得税額を下回る場合は、過去3年以内の繰 越控除を受けた金額から差し引く

③減額分のうち、①②によって調整できない金額がある場合は、減額に係 る年分の雑所得の計算上、総収入金額に算入する

(13)

52 53

海外に転勤した給与所得者 は、通常はいわゆる非居住 者となります。非居住者とは居住者 以外の個人を指します。居住者とは、 国内に住所がある、または現在まで 継続して1年以上居所がある個人の ことをいいます。住所とは「個人の 生活の本拠」であり、居所は「(住 所ではないが)現実に居住している 場所」です。

 非居住者には、わが国では「国内 源泉所得」について所得税(注1) 課税されます。国内源泉所得とは、 日本国内で生じた所得のうち事業・ 資産による所得、土地建物による所 得、人的役務の提供による所得、公 社債や預貯金の利子等などを指しま す。これらの所得については、原則 として所得税(注1)の源泉徴収がな

されます。ただし、公社債の利子等 など一定のものについては源泉分離 課税になるなど、実際には対象者や 対象となる所得によって細かく規定 さ れ て い ま す( 100ペ ー ジ の Q&A参照)。また、所得控除につ いては雑損控除、寄附金控除、基礎 控除の3種類に限定されています。 非居住者にはわが国の外国税額控除 は適用されません。

 海外の居住国では、現地の法令等 により、所得税等が課税されます。 その際、日本で支払った所得税等に ついて海外の居住国で現地の法令等 により外国税額控除が適用できる場 合があります。

 租税条約を締結している国に関し ては、租税条約によって異なる定め がなされている場合があります。そ

海外に転勤する場合の税金

海外へ転勤することになりました。海外在住者の税金は

どのような仕組みになっているのでしょうか?

 平成23年度の税制改正により、東日本 大震災の復興施策に必要な財源を確保す るために、復興特別所得税を設けること が定められました。

 平成25年分から平成49年分まで、所得 税を納める者は、所得税の2.1%を復興

特別所得税として所得税と併せて納付す る義務があります。

 復興特別所得税の税収は、全額、復興 費用または復興債の償還費用に充てられ ます。

復興特別所得税

復興特別所得税の源泉徴収

 復興特別所得税は、通常の所得税と同 じく、源泉徴収と申告納税の2種類があ ります。

 平成25年以後においては、上場株式等 の配当を受け取ったとき、会社から給与 を受け取ったとき、年金を受け取ったと きなどに、所得税と併せて復興特別所得 税も源泉徴収されています。

 源泉徴収される復興特別所得税の金額 は「所得税額の2.1%」となります。税 額が2.1%増えるわけですから、税率に 直すと、所得税の税率が1.021倍になり

ます。

 平成29年に受け取る上場株式等の配当 に対する源泉徴収税率(大口株主を除く) は、復興特別所得税を考慮しないと、20 %(所得税率15%・住民税率5%)です。 このうち、所得税率の部分が1.021倍に なりますので、復興特別所得税を考慮し た税率は20.315%(所得税+復興特別所 得税の税率15.315%・住民税率5%)と なります。

 この他、各種所得に対する源泉徴収税 率は、以下の図表のようになります。

(注1)平成25年から、所得税と併せて復興特別所得税も課税されています。

(注2)平成29年4月1日以後に行う有価証券の譲渡から、外国金融商品取引所において譲渡されるもの など一定の譲渡所得は非課税となります。

の場合は条約が優先されることにな ります。

 なお、平成27年7月1日以後の国 外転出から、国外転出時に1億円以 上の有価証券等を所有している者 で、一定の期間(原則として転出前

10年以内において5年超)居住して いた者について、課税されることが あります(国外転出時みなし譲渡益 課税の特例)。くわしくは 428ペ ージを参照して下さい。

納税者の区分 課税所得の範囲

居住者 ・国内に住所を有する個人

・現在まで継続して1年以上居所がある個人 ・すべての所得

非永住者

・居住者のうち、日本国籍を有しておらず、 かつ過去10年以内において国内に住所又 は居所を有していた期間の合計が5年以下 である個人

・国内源泉所得

・国内源泉所得以外で、日本国 内で支払われたもの、または

日本国内に送金されたもの(注2)

非居住者 ・居住者以外の個人 ・国内源泉所得のみ

●主な源泉徴収税率(平成29年現在)

復興特別所得税を考慮しない税率 復興特別所得税を考慮後の税率

所得税 住民税 合計税率 所得税+復興特別所得税 住民税 合計税率

上場株式等の配当の源泉税率 15% 5% 20% 15.315% 5% 20.315%

未公開株式等の配当の源泉税率 20% − 20% 20.42% − 20.42%

預貯金・公社債の利子の源泉税率 15% 5% 20% 15.315% 5% 20.315%

参照

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