惑星地球の環境問題と原子力推進宇宙船

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

全文

(1)

惑星地球の環境問題と原子力推進宇宙船

大学院工学研究院・大学院工学院 教授

奈良林

ならばやし

ただし

(工学部機械知能工学科機械システムコース)

専門分野 : エネルギー環境システム

研究のキーワード : 原子力,原子炉工学,ロケット,原子力推進宇宙船,地球環境

HP アドレス : http://roko.eng.hokudai.ac.jp/index.html

惑星地球の環境保全と原子力推進宇宙船の開発を目指します

地球温暖化が進んできて、異常気象(大洪水や海水温度の上昇、ハリケーン・台風の強

大化、竜巻の発生、砂漠化)や異変の兆候が多発しています。世界人口は70億人を超え、

2050年には100億人を突破します。中国やインド、エネルギー資源国の経済発展に伴い、

化石燃料の大量消費がますます加速し、二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスの排出が地

球環境を悪化させています。しかし、宇宙的視野に立って宇宙の営みを支えるエネルギー

を考えてみると、宇宙空間は99.999999…%が原子力です。モンスター銀河群を構成する

無数の恒星の成長と寿命を迎えた恒星の超新星爆発によって生成される様々な元素により

核融合反応や核分裂反応が行われ、宇宙空間を放射線や素粒子が飛び交っています。地球

環境を維持するために、核分裂や核融合の原子力エ

ネルギーを使うことはごく自然のことなのです。人

類を存亡の危機から救うことにもなります。

太陽系や宇宙にはたくさんの惑星が存在しており、

将来、人類は複数の惑星を原子力推進宇宙船を使っ

て自由に旅することができるようになるでしょう。

このような宇宙的・長期的な視野に立って当研究

室では安全性を高めた高性能原子炉や原子力推進

宇宙船の開発を進めています。

原子力推進宇宙船の研究をはじめたきっかけは技術試験衛星の地上ループ

企業の原子力技術研究所に入社したてのころ、X線を使った気体と液体からなる二相流

の高速測定装置を開発して、日米の特許を取得しました。これがきっかけとなって技術試

験衛星の地上ループ試験プロジェクトを受注しました。少ないポンプ動力で技術試験衛星

の太陽に照らされる側と日陰の部分の温度を均一にしたり、宇宙空間に人工衛星の熱を排

熱する二相流技術が有利だったのです。これは原子炉の炉心を冷却する技術の応用でした。

日米宇宙ワークショップなどで講演をしたり、その後、数基の技術試験衛星を受注するきっ

かけとなりました。北大に移ってから、このときの経験を基に、学生とコンピュータシミュ

レーションにより固有の安全性を有する液体金属冷却の高速増殖炉の炉心の設計をしたり、

スパコンを用いてスターリングエンジンのシリンダーヘッドの液体金属加熱器の最適設計

をしました。高温の原子炉を熱源にして24基のスターリングエンジン発電機を作動させ、

キャプション

出身高校:千葉県立千葉高校

最終学歴:東京工業大学大学院理工学研究科

エネルギー/天体

北大が開発した原子力推進宇宙船の3次元CAD図

(2)

ラジエータパネルから宇宙空間に輻射で排熱し、NASAが開発中の磁場圧縮プラズマロ

ケットエンジンを駆動する大電力を供給します。こうして惑星間航行用原子力推進宇宙船

の主要システムが設計できました。磁場圧縮プラズマエンジンはイオンエンジンの更に10

倍の比推力を得ることができます。光速に近い速度で宇宙空間を航行する宇宙船がスパコ

ンを用いて理論的に可能なことを確認しました。火星まで約5ヶ月で到達します。是非、

当研究室のホームページを訪れてみてください。

原子炉の断面構造

次は原子力発電知能ロボットの開発を目指します

福島第一原子力発電所の事故は地元に深刻な被害を与えてしまい、極めて残念なことで

した。なぜ防げなかったのか、その反省のもとに開発して

いるのが対話型の原子力発電知能

ロボットです。原子力発電所の重

要機器や配管の損傷の予兆を多数

のセンサーで検知し、運転員に音

声や表情で教えると共に、知能ロ

ボットとして自ら事故の回避行動

を遂行します。従来の発電所は多

くの人によって保守点検され、異

常は人間が気づく必要がありまし

たが、未来の発電所は知能を有し人間に異常を

教えるとともに、自動修理装置や事故回避シス

テムを起動します。

参考書

(1) ニュートン(2011年7月号) (2) 日経サイエンス(2011年7月号)

高温高圧流動実験装置 対話型原子力発電知能ロボット

原子炉工学研究室メンバー一同、君たちを歓迎します 火星までのミッション軌道 スターリングエンジン発電システム 宇宙船の概略寸法(全長約100m)

Updating...

参照

Updating...

関連した話題 :