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第3回(配布)pdf 最近の更新履歴 Keisuke Kawata's HP

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Academic year: 2018

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(1)

労働経済学1 (第3回)

広島大学社会科学研究科 特任助教

川田恵介

労働経済学1 1

(2)

今回の目的

•労働供給の決定要因を探る。

•とくに賃金水準と労働供給との関係( ) を明らかにする。

•労働者の属性間で労働供給行動は異なるか?

•何が労働供給の決定に大きな影響を与えるか?

労働経済学1 2

(3)

2012年の年齢別、性別労働力率

(労働力調査より)

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

総数 1519 2024 2529 3034 3539 4044 4549 5054 5559 6064 6569 70歳以上

男性 女性

労働経済学1 3

(4)

人口比率

(労働力調査より)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

1524 2534 3544 4554 5564 64歳以上

労働経済学1 4

(5)

年齢構造の変化VS各年齢層の就業率の変化

• 年齢、性別間で労働力率には大きな違いが存在する。

⇒一般に の労働力率は低い。

• 年齢構造は大きく変化している( の進展)

⇒労働力率の変化に対して、年齢間での就業率の違いと年 齢構造の変化がどの程度貢献しているか?

労働経済学1 5

(6)

年齢構造の変化VS各年齢層の就業率の変化

• 労働力率の変化は、年齢構造の変化と各年齢層におけ る労働力率の変化、に分解できる。

(例)1996年:5人中3人が若年者、2人が高齢者であり、 若年者の内2人が、高齢者の内1人が労働力化している。 全体の労働力率= 、若年者の労働力率=

高齢者の労働力率= 全体の就業率=

3

5 = × 2

3 + × 1 2

労働経済学1 6

(7)

年齢構造の変化VS各年齢層の就業率の変化

• より一般的には、就職率は以下のように変形できる。 労働力率=15から19歳の労働力率

× 15歳から19歳の人口比率 + 20歳から24歳の労働力率

× 20歳から24歳の人口比率 … .

+65歳以上の就職率 × 65歳以上の人口比率

労働経済学1 7

(8)

シュミレーション分析

分析1:年齢構造を1973年時点の水準で固定し、各年齢 層の労働力率のみを現実のデータに合わせて変化させる。 分析2:各年齢層の労働力率を1973年時点の水準で固定 し、年齢構造のみを現実のデータに合わせて変化させる。

労働経済学1 8

(9)

シュミレーション:労働力率

(毎月勤労統計調査より)

0.580 0.600 0.620 0.640 0.660 0.680

1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

労働力率(現実) 労働力率(人口比率一定) 労働力率(労働力率一定)

労働経済学1 9

(10)

シ ュ ミ レ ー シ ョ ン : 就業 率

(毎月勤労統計調査よ 0.560 0.580 0.600 0.620 0.640 0.660 1973

1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

就業率(現実)

就業率(人口比率一定)

就業率(労働力率一定)

労働経済学110

(11)

シ ュ ミ レ ー シ ョ ン : 失業 率

(毎月勤労統計調査よ 0.010 0.020 0.030 0.040 0.050 0.060 1973

1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

失業率(現実)

失業率(人口比率一定)

失業率(労働力率一定)

労働経済学111

(12)

“主流派”経済学の理論モデル

• 主流派経済学の理論モデルは、経済主体の選択の 在り様が土台となっている。

経済主体の 選択

社会的変数

(例:価格や賃 金)

経済主体の 選択

労働経済学1 12

(13)

“主流派”経済学の理論モデル

(仮定)合理的な経済主体:経済主体(企業や家計)は、 選択可能な選択肢から、自身の目的を最大限達成できる ものを選択する。

目的の例

家計の目的: の最大化

企業の目的: の利潤最大化

合理的な経済主体

労働経済学1 13

(14)

家計の選択行動:効用関数

効用最大化収入最大化

• 労働経済学でよく用いられる効用関数は、

• 消費水準の増大、余暇時間の増加は、効用を増大する。

(注意)余暇時間は、散歩やゲーム、おしゃべり以外にも、 家事や勉強、睡眠等、仕事以外のさまざまな活動に費やし ていると解釈される。それらに時間が割ける、ということか ら効用を感じている。

労働経済学1 14

(15)

いろいろな効用関数

効用=�(自身の消費水準、子どもの効用)

⇒子どもに対する利他性を持つ個人を想定

⇒他者に対する利他性、あるいは嫉妬心を持つ個人を想 定

効用=�(自身の消費水準、他者の消費水準)

効用=�(自身の消費水準、居住地域の異人種比率)

⇒多人種への差別意識を持つ個人を想定

労働経済学1 15

(16)

家計の選択行動:制約

選択可能な行動は限られている=制約が存在する。 技術的制約:物理的に不可能なことがある。

(例)拳で鋼鉄を破壊する。

:限られた予算内で消費選択を行う必要がある。

(例)フェラーリ、白金台に200坪の家を同時に買う。

:限られた時間内で行動選択を行う必要がある。

(例)一日で、卒論を書きあげ、就活を成功させる。

労働経済学1 16

(17)

家計の選択行動:

労働時間:h、賃金(時給):w、総時間:T、物価:p、非労働 所得:b、と記す。

予算制約: ⇒ 時間制約: ⇒

ある仕事をした場合の効用は、

ℎ� + � , � − ℎ

労働経済学1 17

(18)

固定労働時間モデル

b=10000T=24p=1の時に、w=1000h=8という仕事で働 くことを望むか?

働いた場合の効用:� 18000,16

働かなかった場合の効用:�(10000,24)

� 18000,16 > �(10000,24) ならば働くことで効用が増大する⇒

労働経済学1 18

(19)

固定労働時間モデル

一般に就労するか否かの選択の際には、

VS

という が重要になる。トレードオフ

労働経済学1 19

(20)

比較静学:賃金 (w) の増大

・賃金がwからw’(w’>w)に増大した場合、消費量Cは、 就業した場合:

就業しなかった場合:

c = �’ℎ + �

� =

就業した場合の消費量は増大するが、就業しなかった 場合の消費量は変化しない。⇒

比較静学:他の変数を一定に保ったままで、ある変数だ け変化させた場合、どのような影響が生じるか予想する。

労働経済学1 20

(21)

留保賃金

留保賃金

就業するか否かがちょうど無差別になる賃金水準

留保賃金以上の賃金ならば、労働者は働きたいと考える。 供給関数と は同じものであると考えられる。

労働者数

労働経済学1 21

(22)

実証研究:労働の供給弾力性

• 賃金に対する労働供給の弾力性は、

黒田、山本(2007、金融研究)において、就業選択、 労働時間選択を合した弾力性は、男性が0.2から 0.7程度、女性は1.3から1.5程度

• 労働時間選択のみを反映した弾力性は、男女とも 0.1から0.2程度と小さい。

労働供給の増加量 労働供給量

/ 賃金の増加幅 賃金水準

労働経済学1 22

(23)

非労働所得の増大

・非労働所得がbからb’(b’>b)に増大した場合、消費 量は、

就業した場合:

就業しなかった場合:

�� + ��

��

就業した場合、しなかった場合、ともに消費量が増大 する。

労働経済学1 23

(24)

非労働所得の増大

余暇が (所得が増加した場合、消費量を増やし たい財)の場合、就業を選ぶ家計の数を減少させる。

労働者数

労働経済学1 24

(25)

非労働所得の影響

• 余暇時間が正常財ならば、非労働所得の増大は、労働 供給を減少させることが予想させる。

• アンケート結果より、時給800円のアルバイトについて、 50000万円の非労働力所得が増加した場合、47人中 27人が労働時間を減少させることを望み、平均的には 4.7時間減少した(増加させることを望んだ人はいな かった)。

労働経済学1 25

(26)

実証研究

• 非労働所得の増大が、労働供給を減らすことは、多くの 実証研究で確認されている。

例)日本において、年金給付の増大が、高齢者の労働供 給を減らす。

労働経済学1 26

(27)

頑強性のチェック

• 家計の効用関数の定式については、さまざまな可能性 が考えられる。

• 仕事をすることそのものから効用を感じる可能性があ る(やりがい等)。

• 効用を消費からの効用+余暇からの効用+仕事から の効用と書き換えても、留保賃金は導出できる。

• やりがいを感じる仕事ほど、留保賃金は低くなる。

労働経済学1 27

(28)

まとめと次回に向けて

• 家計の行動から留保賃金が導出できる。

• 供給関数と留保賃金は、完全に対応している。

• 非労働所得の増加した場合、留保賃金は低下すること が、理論的に予測され、実証的にも確認されている。

• 現実には労働時間は、雇用者との交渉、あるいは仕事 の選択によってある程度調整できる。

• どのように働くか、という問題も考察する必要がある。

労働経済学1 28

参照

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