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ASBJ Newsletter 第9号(2009年6月19日発行) ASBJ Newsletter|企業会計基準委員会:財務会計基準機構

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(1)

2009619日発行(第9号)

目 次

1. 企業会計基準等の開発( 200941 日~ 2009531 日)

2. 企業会計基準委員会の概要(第 174 回~第 177 回)

3. IASB 及び FASB に対する ASBJ のコメント( 2009 4 1 日~ 2009

5 31 日)

4. 各国基準設定主体( NSS )会議に参加

5. アジア・オセアニア会計基準設定主体グループ創設に向けた準備会合に参加

6. 2009 年国際財務報告基準地域政策フォーラムに参加

7. IASB Regional Standard-Setters Meeting 会議に参加

8. Mary E. Barth IASB 理事と市場関係者の懇談会

9. FASF セミナー「有価証券報告書の作成要領(平成 213 月期提出用) 」及

び「四半期報告書の作成要領(平成 216 月第 1 四半期提出用) 」を開催

10. 公益財団法人移行へ向けて理事会・評議員合同会議を開催

11. Warren McGregor IASB 理事と市場関係者との懇談会を開催

12. プロジェクト進捗(コンバージェンス関連項目) 200961 日現在

13. お知らせ

≪ご注意≫本文中のハイパーリンク先につきましては、一部、財務会計基準機構の会員限 定サイトとなっており、一般の皆様にはご覧頂けないこともございます。あらかじめご了 承ください。

(2)

1. 企業会計基準等の開発( 20094

1 日~ 2009531 日)

1Final】実務対応報告第 27 号「電子記 録債権に係る会計処理及び表示について の実務上の取扱い」の公表(20094月 9日)

2ED実務対応報告公開草案第31号(実 務対応報告第 15 号の改正案)「排出量取 引 の 会 計 処 理 に 関 す る 当 面 の 取 扱 い

(案)」の公表(2009410日)

(コメント受付は511日に終了していま す。)

3ED】企業会計基準公開草案第33

「会計上の変更及び過去の誤謬に関する 会計基準(案)」及び企業会計基準適用指 針公開草案第32号「会計上の変更及び過 去 の 誤 謬 に 関 す る 会 計 基 準 の 適 用 指 針

(案)」の公表(2009410日)

(コメント受付は61日に終了していま す。)

4ED企業会計基準公開草案第34号(企 業会計基準第 12 号の改正案)「四半期財 務 諸 表 に 関 す る 会 計 基 準 ( 案 )」の 公 表

2009526日)

(コメント受付は68日に終了していま す。)

5DP「金融商品会計の見直しに関する 論点の整理」の公表(2009529日)

(コメント受付は 729 日までとなりま す。)

【凡例】

DP 論点整理・検討状況の整理 ED 公開草案

Final 会計基準/適用指針等(最終)

2. 企業会計基準委員会の概要 (第 174

回~第 177 回)

1) 174回(200943日開催) a. 実務対応報告第27「電子記録債権に

係る会計処理及び表示についての実務 上の取扱い(案)」【公表議決】

b. 公開草案「会計上の変更及び過去の誤 謬に関する会計基準(案)」及び同適用 指針案【公表議決】

c. 公開草案「排出量取引の会計処理に関 する当面の取扱い(案)」【公表議決】 d. 1 株当たり利益専門委員会における検

討状況

e. 財務諸表表示専門委員会における検討 状況

f. 収益認識専門委員会における検討状況 g. 金融商品専門委員会における検討状況 h. 企業結合専門委員会における検討状況 a. 基準諮問会議からの検討提言を受けて、 電子記録債権の会計処理等が検討されてい ました。今回、手形債権に準じて取り扱う こと等を内容とする実務対応報告の公表が 議決されました。

4 9 日に公表され、公表日以後に適用 することとされています。

b. 会 計 上 の 変 更 及 び 過 去 の 誤 謬 に 関 す る 会計基準及びその適用指針についての公開 草案の公表が議決されました。昨年 6月に 公表された「会計上の変更及び過去の誤謬 に関する検討状況の整理」からの主な変更 点は、誤謬の修正再表示について実務上不 可能な場合に企業が行うべき処理に係る定 めが削られたことなどとなっています。 c. 昨年 10 月より開始されている試行排出 量取引について、企業が政府から排出枠の 交付を受けた場合の会計処理を定めた公開 草案の公表が議決されました。

d. 1 株当たり利益に係る論点について、説 明が行われました。

e. IASB 及 び 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会

(3)

FASB)のディスカッション・ペーパーに 対するコメントの検討が行われました。 f. IASB/FASBのディスカッションペーパ ーに対するコメントの検討が行われました。 g. 論点整理の項目のうち、金融商品の測定 区分の見直しの要否と保有目的区分の変更 といった金融商品の測定に係る検討が行わ れました。

h. 企 業 会 計 基 準 委 員 会 プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 表において企業結合のステップ2として検 討することが予定される項目についての洗 い 出 し 、 現 行 基 準 と 国 際 財 務 報 告 基 準

IFRS)との相違点の整理などが行われま した。

2) 175回(2009423日開催) a. 金融商品専門委員会における検討状況 b. 収益認識専門委員会における検討状況 c. 無形資産専門委員会における検討状況 d. 引当金専門委員会における検討状況 e. 企業結合専門委員会における検討状況 f. 財務諸表表示専門委員会における検討

状況

g. 新規検討テーマ

a. 金 融 商 品 の 測 定 区 分 の 見 直 し に 係 る 論 点を中心に議論が行われました。

金融商品の測定区分に関しては、国際的 な会計基準においては、売却可能区分を削 除して公正価値により測定する区分と償却 原価で測定する区分のみにすることが検討 されています。

これを踏まえ、我が国の論点整理におい ても同様の考え方を取り入れるべきかどう かについての検討が行われました。

b. IASB 及 び 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会

FASB)のディスカッション・ペーパーに 対するコメント案の検討が行われました。 c. 専門委員会での検討の状況が報告されま した。

d. 引 当 金 の 認 識 要 件 に 係 る 論 点 に つ い て

の検討が行われました。

IAS37 号の改訂に係る公開草案では蓋然 性規準の削除が提案されています。我が国 の会計基準における蓋然性規準の取扱いな ど、実務上の影響を踏まえその扱いが検討 されています。

e. 連 結 財 務 諸 表 に お け る 少 数 株 主 持 分 の 取扱いについては、我が国の会計基準では 親会社の観点からの取扱いがなされていま す。一方、国際的な会計基準では企業主体 の視点(entity perspective)からの取扱い が示唆されています。この差異により生じ る会計処理の違いを比較し、検討すべき論 点の整理が行われました。

f. 論点整理の全体的な構成についての検討 が行われました。

g. IASB の公開草案「認識の中止」に対す るコメント検討を特別目的会社専門委員会 で行うこととされました。

3) 176回(200957日開催) a. 特 別 目的 会 社専 門 委員 会に お ける 検

討状況

b. 企 業 結合 専 門委 員 会に おけ る 検討 状 況

c. 金 融 商品 専 門委 員 会に おけ る 検討 状 況

d. 引当金専門委員会における検討状況 e. 財 務 諸表 表 示専 門 委員 会に お ける 検

討状況

f. 1 株 当た り 利益 専 門委 員会 に おけ る 検討状況

g. 四 半 期財 務 諸表 に おけ る継 続 企業 の 前提に関する注記の取扱い

h. 新規検討テーマ

a. 「連結財務諸表における特別目的会社の 取扱い等に関する論点の整理」に寄せられ たコメントの分析とその対応が報告されま した。

b. 「取得原価の配分」に係る論点の検討が

(4)

行われました。

c. 売却可能金融資産(その他有価証券)の 取扱いについて、国際的な会計基準の検討 の動向を念頭におき、縮小又は削除の可能 性の検討が行われました。

事務局からは、そのための 3つの案が示 されています。

d. 測定の基本的な考え方、現在価値への割 引の要否、期待値及び最頻値の使用に係る 論点の検討が行われました。

e. 国際的な会計基準においては、廃止事業 及び売却目的保有の非流動資産の表示が定 められていますが、現行日本基準では同様 の定めはありません。そのため、財務諸表 における廃止事業等に関する取扱いの検討 が行われています。

今回、「廃止事業に関連する損益の損益計 算書における区分表示」の検討が行われま した。今後の検討は、現在 IASB において 損益計算書本表での廃止事業の区分表示を 取り止めるか否かの検討を行っていること から、その動向を踏まえて進められます。 f. 国際的な会計基準とのコンバージェンス の観点から「1 株当たり当期純利益に関す る会計基準」の改正が専門委員会で検討さ れてきましたが、IASBでの検討が一時中断 されたことに伴い、専門委員会での検討も 一時中断することとされました。

g. 四 半 期 財 務 諸 表 に お け る 継 続 企 業 の 前 提に関する注記の取扱いの改正が検討され ています。

h. IASB/FASB のリースに係るディスカッ ション・ペーパーに対するコメント検討を リース会計専門委員会で行うこととされま した。

4) 177回(2009521日開催) a. 論点整理「金融商品会計の見直しに関

する論点の整理(案)」【公表議決】 b. 公開草案「四半期財務諸表に関する会

計基準(案)」【公表議決】

c. 退 職 給付 専 門委 員 会に おけ る 検討 状 況(コメント分析)

d. 排 出 権取 引 専門 委 員会 にお け る検 討 状況(コメント分析)

e. 企 業 結合 専 門委 員 会に おけ る 検討 状 況

f. 財 務 諸表 表 示専 門 委員 会に お ける 検 討状況

g. 収 益 認識 専 門委 員 会に おけ る 検討 状 況

a. 金 融 商 品 会 計 の 見 直 し に 関 す る 論 点 整 理の公表が議決されました。

本論点整理では、主に金融商品会計の範 囲、金融商品の測定、ヘッジ会計の 3つの 論点を内容としています。

729日までコメントの募集を行ってい ます。

b. 継 続 企 業 の 前 提 に 関 す る 注 記 に 関 し て 四半期財務諸表会計基準を改正する公開草 案の公表が議決されました。

一定の事実に該当するだけではなく、改 善のための対応をしてもなお継続企業の前 提に重要な不確実性がある場合に注記する ことを内容としています。

c. 論点整理に対するコメントの分析と今後 の進め方についての報告が行われました。

今後の検討については、IASBでの検討の 影響を受ける可能性のないものから順次進 めることとされました。

d. 公 開 草 案 に 寄 せ ら れ た コ メ ン ト の 分 析 と報告が行われました。

e. の れ ん の 償 却 の 論 点 に つ い て の 検 討 が 行われました。

のれんの償却については、我が国の基準 が規則的な償却を定めているのに対して、 国際的な会計基準では非償却(減損処理) とされている点が大きく異なります。

現状の検討では、現行の取扱いを継続す るという考えと、非償却及び減損処理の考

(5)

え方を示すに留め、いずれが適当かとの判 断は明示されていません。

f. 包括利益の表示に関する論点の検討が行 われました。

我が国の会計基準では包括利益表示の定 めはないため、表示を要求する場合の根拠 について十分な検討・説明が必要であるこ とが確認されています。

g. IASB へのコメント案の検討が行われま した。

3. IASB 及び FASB に対する ASBJ

コメント ( 200941 日~ 2009

531 日)

1ディスカッション・ペーパー「財務諸表 の表示に関する予備的見解」に対するコ メントを提出(2009414日)

(公開草案の原文はこちら)

4. 各 国 基 準 設 定 主 体 ( NSS ) 会 議 に

参加

200948日と9日、南アフリカのヨ ハ ネ ス ブ ル グ で各 国 基 準 設 定 主 体 会 議

NSS会議)が開催されました。

NSS会議は、旧リエゾン国等の各国会計 基準設定主体の主催のもと、各主体が行っ ている研究プロジェクト、IASBのプロジェ クト・作業計画に対するインプット及びサ ポートなどを議論する会議として、毎年春 と秋の2回開催されているものです。なお、 議長は、英国ASBMackintosh議長が務 めています。

今回の NSS会議は、日本、米国、英国、 カナダ、ドイツ、フランス、オーストラリ ア、ニュージーランド、欧州財務報告アド バイザリーグループ(EFRAG)、南アフリ カ、韓国、香港、台湾、インド、イタリア、 ス ウ ェ ー デ ン の 会 計 基 準 設 定 主 体 及 び IASB、国際公会計基準審議会(IPSASB) から総勢約40名が参加しました。ASBJ

らは、加藤常勤委員と石原研究員が参加し ました。

議題と担当した基準設定主体は以下のと おりです。

48日(水) 1.概念フレームワーク … IASB・カナダAcSB 2.世界的な金融危機

英国ASB

3. IASBの作業計画とIASC財団の定款レビュー英国ASB・カナダAcSB 4.不動産に関連する会計の側面 … 南アフリカSAICA

5. IFRS2のレビュー・プロジェクト … フランスANC・南アフリカSAICA 6.退職給付制度

ニュージーランドFRSB 7.無形資産

オーストラリアAASB、日本ASBJ 49日(木)

8.業績報告

… EFRAG・英国ASB

9.自由経済における外貨換算取引会計 … 韓国KASB

10.会計基準の影響の分析:モデルフレームワークの提案 … 英国ASB

11.法人所得税の会計英国ASB

12.法人所得税の会計とフロースルー株式 … カナダAcSB

13.NSSグループの運営及び手続 … 英国ASB

無形資産のセッションでは、ASBJの「社 内発生開発費の IFRS のもとにおける開示 の 実態調査」を紹 介し、こ の調査を 2008 年のアニュアルレポートをもとに継続する 旨を述べています。また現在、中期プロジ ェクトとして、包括的な無形資産の基準の 制定に向けて作業を進めており、2010年に

(6)

ディスカッション・ペーパー(DP)を公表 する予定であることも説明しています。

5. ア ジ ア ・ オ セ ア ニ ア 会 計 基 準 設 定

主体グループ創設に向けた準備会合

に参加

2009417日、中国北京のウェステ ィンホテル北京フィナンシャル・ストリー トにおいて、アジア・オセアニア会計基準 設 定 主 体 グ ル ー プ ( Asia-Oceania Accounting Standard-Setters Group以下

AOSSG」という。)創設に向けた準備会 合が開催されました。域内から 9か国の関 係者及びIASBのDavid Tweedie議長らが 出席したこの会合に、ASBJ からは逆瀬副 委員長、新井常勤委員及び2名のスタッフ が参加しました。アジア・オセアニア地域 の基準設定主体間のコミュニケーションや 意見交換を促進する新たな枠組みとしての AOSSG の目的、組織構造、メンバーシッ プ、運営方法や IASB との連携方法など、 組織のあり方について議論し、AOSSG を できるだけ早期に設立することに合意して います。

AOSSGの発足となる第1回会議は、2009 年114日、5日にマレーシアのクアラル ンプールにて開催される予定です。

6. 2009 年国際財務報告基準地域政策

フォーラムに参加

2009416日、中国北京のウェステ ィンホテル北京フィナンシャル・ストリー トにおいて、2009年国際財務報告基準地域 政 策 フ ォ ー ラ ム (2009 IFRS Regional Policy Forumが開催されました。アジア・ オセアニア地域の9つの国の会計基準設定 主体や監督機関、会計士協会及び政府機関 の関係者、及びDavid Tweedie議長をはじ

めとするIASBの代表者など総勢約80名が 出席した本フォーラムに、日本からは金融 庁から総務企画局企業開示課国際会計調整 室の井上室長、財団法人財務会計基準機構

FASF)から遠藤常務理事、ASBJから逆 瀬副委員長、新井常勤委員及び2 名のスタ ッフが参加しました。

IFRS の採用又はコンバージェンスに伴 い生じる問題に関し共通理解を深め、IASB との議論を促進するため、参加者の間で活 発な意見交換が行われました。特に、近時 の金融危機における健全性規制と会計基準 との関係及び基準設定主体のガバナンスや デュー・プロセスの堅持に関して参加者か らは高い関心が示されました。

参加者はアジア・オセアニア会計基準設 定主体グループ創設をはじめとして域内の 関係を強化し、IASBの基準開発に対して積 極的に貢献していくことを確認し、次回の 地域政策フォーラムをシンガポールで開催 することに合意しています。

7. IASB Regional Standard-Setters

Meeting 会議に参加

2009428、第7IASB Regional Standard-Setters Meetingがマレーシアの クアラルンプールで開催され、ブルネイ、 インドネシア、マレーシア、タイ、シンガ ポール、ラオスの東南アジア諸国の基準設 定主体とともに、日本、韓国、台湾、イン ド、オーストラリア、ニュージーランドの 基準設定主体が参加しました。また、IASB か ら は David Tweedie 議 長 、Warren McGregor理事、Wayne Upton国際活動担 当ディレクターが出席し、総勢30名ほどの 会議となりました。ASBJ からは、加藤常 勤委員と石原研究員が出席しています。

議題と担当した基準設定主体は以下の通 りです。

(7)

1. IASB議長からのメッセージ …Tweedie IASB議長

2. IASBのプロジェクト・アップデート …McGregor IASB理事

3. 公正価値マレーシア 4. テクニカルな論点

IAS41号「農業」

…マレーシア、ニュージーランド IASB DP財務諸表の表示

マレーシア IASB DP収益認識マレーシア

IAS21号-通貨の下落韓国

IFRIC12号「サービス・コンセッション」 …台湾

排出権

オーストラリア、日本 5. イスラム取引

マレーシア

排出権のセッションでは、ASBJ から、 日本での排出権プロジェクトの紹介と、現 在IASBFASBが共同でプロジェクトを 進めているキャップ・アンド・トレード取 引の会計処理に関するASBJスタッフの分 析を紹介しました。また、IASBの財務諸表 の表示と収益認識のDPのセッションでは、 ASBJ のコメント(案)の概要について説 明しました。

なお、29日には、本会議に関連して、マ レーシア会計基準審議会(MASB)とマレ ーシア証券委員会主催の公開セミナーが開 催さ れました 。本セミ ナーで は、Tweedie IASB議長及びMcGregor IASB理事のプレ ゼンテーション、Putih MASB議長の2012 年のマレーシアでの IFRS とのコンバージ ェンスの完成に関するプレゼンテーション、 イスラム取引(保険に類似した取引である Takaful 等)の財務報告と公正価値に関す るマレーシアの市場関係者によるパネル・ ディスカッションが行われました。

8. Mary E. Barth IASB 理事と市場関係

者の懇談会

2009428日、関西学院大学の招聘 により来日中のMary E. Barth IASB理事 と市場関係者の懇談会が帝国ホテルにて開 催されました。早朝にもかかわらず ASBJ 及び基準諮問委員会から多数の参加があり、 また、山田IASB理事も出席しています。

冒頭にASBJの西川委員長から、スタン フォード大学の教授でもあるBarth理事の 経歴が紹介され、引き続きBarth理事より IASBFASBとの間の覚書(MoU)項目 の進展状況の解説が行われました。

2002 年の ノー ウォ ーク合 意に 端を 発す るIASBFASBの間のMoUは、2008年 にロードマップのマイルストーンを更新し、 現在は 2011 年までの中期目標が設定され ています。中期のロードマップには、収益 認識、財務諸表の表示、公正価値測定のガ イダンス、金融商品、認識の中止、負債と 資本、連結及びSPE、リース、退職後給付 などが含まれます。Barth 理事はこれらの プロジェクト及び MoU には含まれない概 念フレームワークのプロジェクトのそれぞ れについて簡単に概況を説明しました。そ の中で、公正価値測定のガイダンスに関し

(8)

ては公開草案を起草中であり間もなく公表 されること、また近時の金融危機で注目さ れている金融商品に関しては秋頃に公開草 案が出せるよう努力していることなどが示 されました。さらに Barth 理事は、IASBFASBの共同プロジェクトが公表してい る収益認識のディスカッション・ペーパー

DP)における提案内容についても詳しく 説明されました。

質疑応答において参加者からは当該 DP に対する質問の他、概念フレームワークと 個 別 の 基 準 開 発 と の 関 係 や 米 国 に お け る IFRS 受入れの動向などについて質問がな されました。一連の質問の中で、財務諸表 の表示プロジェクトにおいてキャッシュ・ フロー計算書を直接法に一本化する提案が 議 論とな っている との指摘 に対し 、Barth 理事は、ほとんどの利用者が直接法を求め ていると聞いており、間接的直接法という アプローチを用いれば、おそれているよう なコストや努力を払わなくても必要な数字 を集めることができるのではないかとの見 方を示していました。

9. FASF セミナー「有価証券報告書の

作成要領 (平成 213 月期提出用) 」

及び「四半期報告書の作成要領(平

216 月第 1 四半期提出用) 」を

開催

41日より、大阪、東京(3回)、名古 屋、金沢、広島、仙台、高松、福岡、札幌 の全国9か所11回にわたって「有価証券報 告書の作成要領(平成213月期提出用)」 のセミナーを開催しました。当セミナーで は、併せて金融庁総務企画局企業開示課よ り講師をお招きし、「ディスクロージャー制 度をめぐる最近の動向等」について講演頂 きました。

また、200941日より四半期報告

制度適用2年目となったことに伴い、5月 20日より、同じく東京(3回)、大阪、名古 屋、高松、金沢、仙台、広島、札幌、福岡 の全国9か所11回にわたって「四半期報告 書の作成要領(平成216月第1四半期提 出用)」のセミナーを開催しました。当セミ ナーでは、併せてASBJより「ASBJの活 動状況」として、コンバージェンスに向け た動向及び日本基準の開発状況について説 明が行われました。

セミナー参加者は延べ約6,500名と盛況 なものとなっています。

なお、次回の第2四半期に関しましては、 開示項目として前年度四半期情報並びに会 計期間・累計期間情報が求められ、いわば フルバージョンの開示となるため、今回の 第1四半期提出用と同様、セミナー時期を 前倒しして、本年9月中旬頃に開催する方 向で現在、準備を進めています。

10. 公 益 財 団 法 人 移 行 へ 向 け て 理 事

会・評議員合同会議を開催

FASF2009526日、理事会・評 議員合同会議を開催し、公益財団法人への 移行認定申請に伴う定款の変更等を決議し ました。公益財団法人への移行は、国際会 計基準委員会財団(IASCF)への拠出を長 期的に安定化させるためにFASF の会費か ら行うための措置となります。したがって、

(9)

2009 年 度中に 公益財 団法 人に移行 する こ とを前提として、20104月から法人会費 を現行の120万円から30万円に引き上 げること(会員規則の変更)も併せて承認 されています。

なお、この他に第8 期(平成20年度) 事業報告・決算及び理事の選任についても 承認されています。

11. Warren McGregor IASB 理事と市

場関係者との懇談会を開催

ASBJは、IASB主催の「連結」及び「認 識の中止」に関する円卓会議に合わせて、 最近の金融商品会計を巡る議論等について 相互理解を深めるべく、Warren McGregor IASB理事、山田辰己IASB理事他と国内の 市場関係者との懇談会を200969日 帝国ホテルにて開催しました。当日は、各 界において会計制度に携わる 40 名以上が 参加しました。

開会にあたり、西川ASBJ委員長より、 歓迎の意が示されるとともに、IASBにおい て金融商品会計基準について大きな動向が あ る 旨 の 紹 介 が さ れ ま し た 。 そ の 後 、 McGregor理事からは、「グローバルな金融 危機に対するIASB の対応」と題して、金 融危機やG20声明等を踏まえたIASBによ る最近の金融商品会計基準への対応につい て説明が行われました。その中では、最近、 株式について公正価値の変動をその他の包 括利益(OCI)で表示することを認める一 方でリサイクリングを認めない方針の他、 債券については公正価値の変動をOCIで表 示することを認めなくする方針について暫 定合意したこと等が紹介されました。

説明の後、参加者と IASB 関係者との間 で、本件に関する議論の進め方や具体的内 容に関して予定時間を超えて活発な意見交 換が行われました。参加者から出た主な意 見は、以下の通りです。

最近の IASB の対応は一部地域の意見 に過度に影響されているのではないか。 日本でも IFRS 採用に向けた取組みが されており、基準設定において幅広い 関係者から十分に意見を聞くプロセス を踏むことが必要である。

株式について一旦OCIに計上された評 価損益についてリサイクリングを認め るとともに、債券についても同様の取 扱いとすべきである。これを廃止した 場合、投資家にとって重要な指標であ る当期純利益の概念が変質してしまう のではないか。

 退職後給付会計において数理計算上の 差異を損益に即時認識する処理、また、 キャッシュ・フロー計算書において直 接法を採用する方針などについて、寄 せられている懸念を踏まえ、再検討す る必要があるのではないか。

 日本の銀行では債券運用の多くはトレ ーディング目的でなく、金利収益の獲 得を目的としている。このような業務 の実態を適切に反映するためには、評 価差額をOCIに計上しつつ、処分等の 際にリサイクリングさせることが必要 である。

(10)

12. プロジェクト進捗(コンバージェンス関連項目) 200961 日現在

2008 7-9

2008 10-12

2009 1-3

2009 4-6

2009 7-9

2009 10-12

2010

1.EUによる同等性評価に関連するプロジェクト項目(短期) 企業結合(ステップ1Final

棚卸資産(後入先出法) Final 固定資産(減損)

無形資産(仕掛研究開発) Final 退職給付(割引率) Final

投資不動産 Final

2.既存の差異に関連するプロジェクト項目(中期)

企業結合(ステップ2:フェーズ2関連) DP ED

企業結合(ステップ2:のれんの償却) DP ED

無形資産 DP

過年度遡及修正(会計方針の変更等) ED Final

廃止事業 DP ED Final

3.IASB/FASBMoUに関連するプロジェクト項目(中長期)

連結の範囲 DP ED Final

財務諸表の表示(包括利益等) DP ED Final

財務諸表の表示(フェーズB関連) DP

収益認識 DP

負債と資本の区分

金融商品(現行基準の見直し) DP

金融商品(公正価値測定) DP

退職給付 DP

リース

4.IASB/FASBMoU以外のIASBでの検討に関連するプロジェクト項目(中長期)

1株当たり利益* 専門委

引当金 専門委 DP ED

保険

【凡例】

WG ワーキング・グループ設置 専門委 専門委員会設置

RR 調査報告(Research Report

DP 論点整理・検討状況の整理(Discussion Paper ED 公開草案(Exposure Draft

Final 会計基準/適用指針等(最終) なお、斜体文字は終了イベント

*:一時休止中。IASBの動向を踏まえ、再開予定。

(11)

13. お知らせ

1)刊行物のご案内

機関誌「季刊 会計基準」第25号(2009615日刊行)

【主な内容】

特集 1“ASBJ 中長期プロジェクト と会計基準を巡る国際的動向”

 中長期プロジェクト項目(MoU 関連項目)の検討状況 秋葉賢一 ASBJ主席研究員

 会 計 基 準 を 巡 る 国 際 的 動 向 井 上俊剛氏/原 寛之氏/齋藤和紀氏

(金融庁)

特集2“IASCFトラスティーへの日 本 か ら の 参 画 藤 沼 ト ラ ス テ ィ ー/ 島崎トラスティー対談

 Accounting Square“会計基準:国 際的な危機への国際的な対応” Sir David Tweedie IASB議長

CFO Letter“財務報告に係る内部統 制への取り組みにあたって” 谷口進 一 新日本製鐵㈱常務取締役

 Chairman’s Voice“財務諸表の表示 プロジェクトと包括利益の表示” 西 川郁生 ASBJ委員長

本誌のご購入はこちらから。

2)連結及び認識の中止に関する IASBの 公開円卓会議をASBJ/FASFがサポート 200968日、9日の両日、IASB の アジアに おける連 結及び 認識の中 止に 関する公開円卓会議が、ASBJ/FASFのサ ポートの下、財務会計基準機構会議室にて

開催されました。円卓会議の模様について は、次号にてお伝えする予定です。

3ASBJ/FASFWebサイトをリニュー アル

2009616日、ASBJ/FASFWeb サイトがリニューアルされました。画面 デ ザ インを一 新すると ともに 横断的な 情報 検索も行いやすいよう工夫しています。ま た、システム面での安定性・安全性の向上 も図っております。

“ASBJ Newsletter(第9号)

2009619日発行

発行:企業会計基準委員会/ 財団法人 財務会計基準機構 東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル20

編集・発行人:丸山顕義 制作:広報プロジェクトチーム 禁無断転載

※ご意見・ご要望は下記までお寄せください。 E-mail : publicity@asb.or.jp

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参照

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