平成18年9月29日
長野市公共事業再評価委員会 委 員 長 酒 井 登 様
長野市公共事業再評価監視委員会 委 員 長 小 山 健
平成18年度 長野市公共事業再評価に関する意見について
平成18年7月27日に提出された4事業の再評価案及び対応方針案につい て、当監視委員会で慎重に審議した結果は別紙のとおりです。
公共事業再評価監視委員会意見
1 目的
長野市公共事業再評価監視委員会(以下「監視委員会」という。)は、長野市が実施す る公共事業の再評価について、客観性及び透明性を確保するため、長野市公共事業再評 価委員会(以下「市委員会」という。)から提出のあった再評価案及び対応方針案につい て審議を行い、意見を述べることを目的とする。
2 対象事業とその概要
(市委員会の対応方針案)
(1)特定環境保全公共下水道事業 豊岡処理区
(事業採択後10年間が経過した後も継続中) 継続
(2)特定環境保全公共下水道事業 鬼無里処理区
(事業採択後10年間が経過した後も継続中) 継続
(3)長野駅周辺第二土地区画整理事業
(再評価実施後5年間を経過した後も継続中) 継続
(4)市営住宅上松東団地建替事業
(再評価実施後5年間を経過した後も継続中) 継続
3 審議経過
監視委員会では、各事業について長野市から事業内容と再評価案及び対応方針案につ いての説明を受け、併せて事業の現地調査を行い、その妥当性について慎重に審議する とともに、監視委員会として評価を行い、その結果を取りまとめた。
4 評価手法
監視委員会における評価は、国土交通省所管の公共事業再評価実施要領に基づき、事 業の進捗状況、事業を巡る社会経済情勢の変化、事業に対する地元住民等の意向、事業 の投資効果及び代替案の可能性などについて審議を行い、利点(便益性)及び課題を整 理する中で総合的な視点で評価を行った。
また、事業の投資効果の検討に当たっては、国土交通省が策定している費用便益分析 マニュアル及び公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針による費用便益比(B/ C)を算出し、評価の判断材料とした。
ただし、ここで算出した費用便益比(B/C)は、将来に生起するかもしれない需要 の減少に関わるリスク、あるいは本事業の構造物の耐用年数期間に生ずる維持、補修に 関わる費用等については、現時点で正確には予測不可能であることから、考慮には入れ ていない。
5 各事業の評価における利点(便益性)と課題
(1)特定環境保全公共下水道事業 豊岡処理区 及び ( 2) 特定環境保全公共下水道事業 鬼無里処理区
【利点(便益性)】
○ 公共用水域(海や川・湖)の水質保全
○ 浸水被害の防止
○ 上水・工業用水などの浄化費用の軽減
○ 衛生的で快適な生活環境の確保
○ 水洗トイレの普及により、臭気及び蝿などの発生の解消
【課 題】
○ 本2事業のみならず、下水道事業は整備箇所が広範囲となるため、整備に長期間を 要する
(3)長野駅周辺第二土地区画整理事業 【利点(便益性)】
○ 道路整備、ライフライン整備による都市防災機能の向上
○ 地震、火災等の災害に強いまちづくり(生活道路の整備による福祉車両等各種サー ビス車、緊急車の通行確保)
○ 密集老朽化住宅の解消、住宅の不燃化と高度利用
○ 歩行者道路や歩道の整備による、高齢者や障害者に優しい安全なまちづくり
○ 環境に優れた個性豊かな街づくりによる、市街地への定住化の促進
○ 中心市街地の都市機能の分担(交通結節点としての長野駅善光寺口の補完)
○ 都市計画道路6路線による、交通の分散化、交通渋滞の緩和
○ 長野駅東西連絡道の開通による、東西の連絡性と回遊性の向上
○ 公園・広場の整備による、水と緑豊かなうるおいのあるまちづくり
○ 地理的条件を活かした土地の有効利用
【課 題】
○ 既成市街地の再開発型区画整理事業であるため、整備に長期間を要する
○ 既成市街地のため建物などの補償が多く、整備のための資金が多大となる
○ 整備に長期間を要するため、家屋等の移転時期など地権者の新たな生活設計が立て にくい
○ 土地の高度利用に対し、地権者の慎重な姿勢がやや見られる
(4)市営住宅上松東団地建替事業 【利点(便益性)】
○ 老朽化した市営住宅の集約による住環境の改善と、維持管理費の縮減及び効率的な 運用
○ 低額所得者、高齢者、子育て世帯などの住宅困窮者に対する住宅セーフティネット
○ バリアフリー化による身体障害者向け、高齢者向けの良質な賃貸住宅の提供
【課 題】
○ 民間賃貸住宅との供給バランスの確保
○ 老朽化した市営住宅の集約後の跡地利用
6 評価結果
評価は、「5 各事業の評価における利点(便益性)と課題」を判断材料の下、監視委 員会の委員が以下の5項目についてそれぞれの事業を5段階評価し、「事業継続・事業見 直し継続・休止・中止」の判断材料とした。
判断基準は、各委員が行った評価点を合計し、その総合評価の平均点が 3. 0 以上を「事 業継続」、2. 9 から 2. 1 を「事業見直し継続」、2. 0 以下を「休止又は中止」とした。
【評価項目】
( 1) 必要性(社会情勢の変化等から見て) ( 2) 妥当性(内容の時代変化に対する整合性等) ( 3) 優先性(市民の事業への要求程度の予測) ( 4) 効 果(目的と結果の予測と社会的満足度等) ( 5) 代替性(代替案が他にないか)
【結果】
(1) 必要性
(2) 妥当性
(3) 優先性
(4) 効果
(5) 代替性
総合評価
(平均) 特定環境保全公共下水道事業
豊岡処理区
4. 8 4. 9 4. 8 4. 9 4. 0 4. 7 特定環境保全公共下水道事業
鬼無里処理区
4. 8 4. 9 4. 8 4. 9 4. 1 4. 7 長野駅周辺第二土地区画整理事業 4. 4 4. 4 4. 4 4. 0 4. 5 4. 3 市営住宅上松東団地建替事業 4. 0 3. 5 3. 4 3. 8 2. 8 3. 5
評価項目 事業名
7 結論
以上の結果を持って監視委員会は、基本的にすべての事業について「事業継続」とす る。
なお、いずれの事業も、重点的かつ効率的に事業を執行し、早期の完成に努められた い。
各事業に付する意見は以下のとおりとする。
(1)特定環境保全公共下水道事業 豊岡処理区 及び ( 2) 特定環境保全公共下水道事業 鬼無里処理区
○ 事業の早期完成に努めるとともに、水洗化率の更なる向上を図られたい。
(3)長野駅周辺第二土地区画整理事業
○ 都市防災機能の向上が図られるよう、より一層地域の協力と合意形成に努め、事業 の早期完成に努められたい。
○ 自然環境や自然景観に配慮し、市民が水と緑によって潤いとやすらぎを感じられる 空間の充実を図るとともに、地域の特性を活かしながら、統一感のある街並みの形 成に努められたい。
○ 整備箇所が広範囲であることから整備に長期間を要するが、部分的であっても早期 の供用開始を目指して、重点的かつ効率的な事業の執行に努められたい。
(4)市営住宅上松東団地建替事業
○ 住宅全体の供給が充足ぎみの現状において、今後の住宅施策の推進に当たっては、 福祉・まちづくり・過疎化対策などとの連携を図るとともに、入居募集の当落によ って生じる不公平感や老朽化した市営住宅の集約後の跡地利用を考慮しながら、複 数の代替案についての検討を進められたい。
○ また、行政が住宅を建設するという従来の方式を見直すとともに、入居希望者に応 じた既存民間賃貸住宅の活用も選択肢に加えることで、行政は家賃補助のみを行う といった方式の検討も進められたい。
平成 18 年 9 月 29 日
長野市公共事業再評価監視委員会 委員長 小 山 健
委 員 金 澤 玲 子 委 員 倉 田 浩 委 員 武 井 久美子
委 員 中 嶌 実 香 委 員 萩 原 秋 夫