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「コミュニケーションレポート 2008」 CSRレポート | CSR | ワコールホールディングス

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たちの

CSR

ワコールホールディングス コミュニケーションレポート2008

(2)

目 次

脱・報告書宣言

お客様満足の実現

顧客第一主義とは、決してお客様に迎合することではない

お客様満足を実現する、製造現場の「徹底した品質へのこだわり」

お申し出を“うまく処理”するのではなく、真摯に耳を傾ける。それが、お客様センターの基本姿勢です

社会貢献事業

ワコールだからできる、

「本業のノウハウを活用した」社会的事業

社会貢献活動

乳がんで悲しむ女性を一人でもなくしたい

仕入先様との協働

ヒット商品「スゴ衣」は、サプライヤーとの強固なパートナーシップで実現した

環境保全の取り組み

使用済みのブラジャーを回収し、環境にやさしい固形燃料に

レポート① 廃棄物の5割を占める裁断くずを、固形燃料化してリサイクル

レポート② 主要事業所でISO14001を認証取得し、環境保全活動のレベルアップを図る

人材多様性

多文化社会のいま、企業社会だけが金太郎飴であっていいはずがない

仕事と生活の両立

契約社員が育児休業を取得しにくい会社だったら、退職していたかも…

仕事と家庭、この二つがあるから自分の人生が豊かなものになる

企業統治・法令遵守

「法と社会の要請」は、年々ハードルが高くなっている。大切なのは、従業員がそうした「時代の変化に気付く」こと

ガバナンスとは、従業員を統治することではなく従業員もまた「統治の主体」になることである

当たり前のことを当たり前にする。CSRって、そういうことだと思う

文化事業

“アートを取り入れた生活”を社会に提案し、事業として取り組む。それがスパイラルのコンセプトだ

企業市民活動

ワコールの企業文化が生んだ「ツボミスクール」。成長期のナイーブな心とからだに寄り添って

ものづくりから考えるワコールのCSR

トップメッセージ

CSRの基本にある、

「相互信頼」という思想

会社概要

取材を終えて/編集後記

2

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(3)

 ワコールでは過去3年間、年次のCSR報告書を発行してきました。

 毎回、編集にあたっては「まず従業員に読んでもらう」ことを目標に進めてき ましたが、従業員からは「興味深く読めない」「わかりづらい」といった声もあり、 必ずしも全員に読んでもらえているかどうか疑問でした。

 そこで今回は、「読んでもらい、理解してもらえる報告書」にすることを念頭 に、例年の作り方を大幅に変更することにしました。

 特徴の一つは、現在、多くの企業が報告書作成のベースに置いている特定の ガイドラインには準拠せず、自由な立場で冊子全体を企画・構成したという点 です。これはガイドラインが求める「網羅性」より、「私たちの想いと取り組み」 を率直に紙面に反映させたい、と考えたからです。

 次に、従業員にスポットをあて、彼ら彼女らに語ってもらう…という手法 をとりました。従業員が「自分の想い」を率直に語ることで、現場の臨場感も 伝わり、「飾らない等身大のワコール」が読者に理解していただけるのではない か…と考えたからです。

 これは、ある意味では冒険であり、「報告書の体をなしていない」とのご批判 をいただくかもしれません。しかし「網羅性の追求が報告書を読みにくくして いる」と、CSR関係者の間でしばしば指摘されているのも事実です。

 社内でもさまざまな議論を重ねてきましたが、CSRに取り組むことの目的 は「社会との相互信頼づくり」です。そしてこれは、ワコールが創業以来、一貫 して事業のベースに置いてきた視点です。この、極めて基本的な視点を外さな い限り、「読んでもらえるための最大限の冒険をしてみよう」という結論に達し、 本誌はできあがりました。

 これは言ってみれば、報告書自体の「変革と挑戦」であり、旧来の報告書から の脱皮宣言でもあります。

 よって冊子のタイトルも「私たちのCSR~ワコールホールディングス コミュ ニケーションレポート2008」とし、CSRのキーワードと言われている言葉を コンテンツ(目次)にして、全体を構成することにしました。登場している従業 員の一人ひとりがCSRに精通しているわけではありませんが、可能な限り飾る ことなく、その「肉声」をお伝えすることに努めました。

 どうぞご一読ください。

(4)

東日本販売統括部 首都圏(百貨店担当)店 販売二課 

杉山 真季

顧客第一主義とは、

決してお客様に迎合することではない

(5)

10人のお客様がいらっしゃれば、

そこには10のニーズがある

 西武百貨店池袋本店のビューティーアド バイザー、杉山真季はその日一日、ウキウ キしていた。50代のあるお客様が同窓会 の写真を持って、わざわざ杉山を訪ねてく ださったからだ。「あなたが選んでくれた下 着のおかげで、みんなから若々しいと褒め られたのよ」と、写真を見せてくださるお 客様の弾んだ声に、杉山はうれしさでいっ ぱいになっていた。

 入社以来、東急東横店で1年、三越日本 橋本店で1年、ここに移って7年目になる 杉山だが、一貫して最前線の接客業務を担 当してきた。

 「とにかく販売職に就きたかった…とい うのがワコールへの入社動機。でも店頭の 販売員をビューティーアドバイザーと呼ん でいるように、商品を売るというより、お 客様に満足していただくのが販売員の仕 事。かつてセールス・レディと言っていた 時期もありますが、ビューティーアドバイ ザーと言うようになってからは、特にその ことが意識されています。文字通りのアド バイザー。このことに私たちの仕事の醍醐 味があるんです」

 お客様のご来店動機・購買動機はさまざ まだ。杉山をお訪ねいただいたお客様のよ うに、「久しぶりに同窓会があるので、ボデ ィラインを整えたい」といった具体的なも のから、「気分を変えたい」という抽象的な ものまで、まさに「10人のお客様がいらっ

しゃれば、そこには10のニーズ」がある。 その一つひとつに耳を傾け、最適な提案を して、「ここで買ってよかった」と思ってい ただくことがビューティーアドバイザーの 仕事だ。

 春夏、秋冬の年2回、新商品が発表され るのをはじめ、毎月のように何らかの新し い商品が入荷してくる。そのたびに研修を 受け、お客様からのどんなご質問にもきち んと答えられるように商品知識を身につ けていく。長く大切にお使いいただくため に、素材に適した洗濯方法をお伝えするこ ともビューティーアドバイザーの大切な任 務のひとつ、と杉山は考えている。

お客様との「相互信頼」を築く

 「お客様と接していていつも難しいと感 じるのは、距離の取りかた。すべてのお客 様が一様に私たちのアドバイスを求めてい らっしゃるわけではないからです。なか には一人でゆっくり見て回りたいという方 もおられて、そんな時に横から商品説明を してしまうと不快な思いをさせてしまいま す。こうした個別のニーズをきめ細かく判 断しながら、過不足なく応対していく。そ れが理想のビューティーアドバイザーだと 思うのですが、私はまだまだ。簡単なこと ではありません」

 同時に、「顧客第一主義とは、決してお客 様に迎合することではない」とも杉山は言 う。「どう見ても似合っておられない、また サイズに無理があれば、遠慮せずにそのこ とを申し上げて、ご納得いただくことを心 がけています。何も言わずに販売してしま うのは簡単ですが、それではお客様との関 係は長続きしません。ときにはストレート にお話しします」とも。

 そうしてこそ、本当のお客様満足の実現 につながり、お客様との信頼関係も築ける と考えているからだ。結婚式に着るインナ ーウェアをお買い求めくださった方が、後

顧客第一主義とは、

決してお客様に迎合することではない

日、写真を見せに来てくださったり、お礼 状をいただいたりするのも、「迎合しない」 姿勢があったからこそといえる。

 さらに、「お客様のなかにある潜在的な “ご要望”を引き出して差し上げるのも私た ちの役割」とも語る。 “こんな色も私に似合 うんだ”とか、“あっ、私が欲しかったのは こんなブラジャー”というように、お客様 が漠然と求めていらっしゃったことをも理 解してご提案する。そんなビューティーア ドバイザーでありたいと願っている。

ワコールファンに支えられて、

会社があり、私たちがいる

 ただ、失敗もなくはなかった。まだ新人 で三越日本橋本店に勤務していたころ、「他 の店にはなかったけれど、ここならあると 思って」とご来店されたお客様。杉山はさ っそく、在庫伝票を調べ始めた。慣れない こともあって、あせりながら懸命に伝票を 繰っているうち、お客様から、こんな叱責 の言葉が発せられたのである。「あなた、客 とは視線を合わせて会話をしなさい!」  「お客様に顔を向けて応対するのが基本 なのに、それができていなかったんです。 ハッとしてすぐにお詫びをしました。で も、そのお客様はお怒りだけではなく、若 い私のためを思って注意してくださったん ですね。そんなことがあってからも頻繁に 足を運んでくださり、私を指名してお買い 求めくださいます。ワコールにはそんなお 客様が少なくありません。“いい商品を気持 ち良く買いたい”。そう思っていただける からこそ、至らない点はご指摘くださるの だと思います。そんなワコールファンに支 えられて、会社があり、私たちがいること を痛感しています」

(6)

工場では、針折れが発生したときには、周 りの従業員も作業をいったん中断。先に磁 石の付いた棒やローラー状の磁石で周囲を くまなく探し、針を完全な形に復元させ る。折れ針の飛び散りを防ぐために、「折れ 針飛散防止カバー」も取り付けられており、 集められた断片は「折れ針確認器」でチェッ クし、たとえ1ミリの断片が欠落していて もNGとなる。「こうした安全への配慮と、  縫製を担当する従業員たちの、ミシンの

針先を凝み つ め視る表情は真剣そのものだ。縫い 目のわずかなズレが品質を左右するだけで なく、ちょっとした操作で、針先が針板や ボビンに当たり、折れてしまうことがある からだ。断片がもし製品に付着したまま出 荷されたとすれば、それを身につけたお客 様の体を傷つけかねない。「ブラジャーの ホックなどの金属や、ボーン(形を整える ためにプラスチック板を縫い付けている部 分)を踏み越えるときは、針折れが発生し やすいので特に気を使います」と長崎工場 の製造部課長、菅すがたもつ保。

 しかし、いくら気をつけていても、ミシ ンによる縫製作業に針折れはつきものであ る。ならば、それを未然に防ぐ工夫と、万 が一、折れた場合の善後策が必要だ。  ワコールのマザー工場の一つである長崎

1針ごと、1秒ごと、1ミリごとに、

「真摯な想い」も一緒に製品に縫いこまれていく

九州ワコール製造㈱ 長崎工場

お客様満足を実現する、製造現場の

「徹底した品質へのこだわり」

菅 保

(7)

徹底した品質へのこだわりがあってこそ、 お客様の満足を得ることができると思うん です」と菅は言う。

 こうした品質管理の結果、平成19年 度は、1540本の針折れが発生したが、 99.4%が復元できた。「目標はこれを100 %にもっていくこと」。その実現に向けた スローガンが「1針1秒1ミリ」。ワコール の生産現場では1針ごと、1秒ごと、1ミ リごとに、真摯な想いも一緒に製品に縫い こまれている。

に、一人ひとりの実際の作業方法、作業手 順をビデオに撮り、その適否を「本人が納 得するように説明」してきたという。結果、 不良品の減少だけでなく生産効率も大幅に アップ。「品質への意識を、全員が共有で きたことの成果です」とダイは言う。いわ ば従業員の意識を改革し、自発性を引き出 すことに成功したのだ。このように、「お客 様満足の実現」というワコールマインドの 共有は、海外の生産工場でも進んでいる。  1枚のブラジャーは40以上のパーツで作られてい

ます。また他のアパレル製品に比べて、その縫製工 程は複雑で機能・デザインに左右される部分が多くあ ります。そのため、縫製担当者の技術レベルの維持・ 向上は、生産工場の大きなテーマとなってきます。  そこでワコールでは、培ってきた生産ノウハウを

集大成した『基礎技術集』を独自編集しました。これに基づき、新入社員から生産現場のリー ダーまでを対象とした技術教育が年4回、長崎工場で行われています。

 『基礎技術集』は「新入社員教育」「リーダー知識実技編」「リーダー管理編」「リーダー指導編」な ど12の項目から成り、技能と知識だけでなく教え方までも標準化しています。研修には国内 のみならず、海外のワコール製造工場からの参加も少なくありません。これもまた、お客様満 足の実現を支える取り組みの一つです。

技術・技能の伝承 『基礎技術集』

従業員の自発性を引き出し、不良品を大幅に削減

㈱ベトナムワコール

お客様満足の実現

 2007年11月21日、㈱ベトナムワコー ルの生産サポート部長、フン・クォック・ダ イは、全国から京都に集まったワコールの 仲間たちを前に「技術・品質への挑戦」と題 する報告を行った。

 「私たちは以下の3点をコンセプトに毎 日行動しています。一つ目は安心・安全な ものづくり。これは、針を折らない、折れ てもすぐに見つけられる、すなわち徹底し て検査するということです。二つ目は品位

あるものづくり。日本で合格しても、ベト ナムワコールではNGとなるほどの高い品 質基準を設けています。三つ目はムダを排 除したものづくり。大きなムダ、小さなム ダを、継続は力なり…と毎日のカイゼン活 動で取り組んでいます」。ときにたどたど しい日本語になるものの、その真摯な報告 に会場からは盛大な拍手が送られた。  ダイが指導するベトナムワコールの技 術・品質向上の取り組みは、ここ数年大き な成果をあげている。針が折れにくいミシ ン(新開発アタッチ)をJUKIベトナム様と 共同開発し、折れ針の飛散を防ぐマグネッ トカバーを独自開発。その結果、折れ針件 数は激減し、未復元本数も、2007年度は 限りなくゼロに近づけてきた。

 また昨年度より、前日の不良品発生の 真因を解明し、カイゼンを即実行するた めに、全員が参加する「朝会」を実施。さら フン・クォック・ダイ

折れ針確認器(折れ針が完全に 復元されたかを確認するツール)

毎日の朝会で、前日の報告をもとに品質管理を徹底 出荷時には金属探知器でも

検査

いくつもの厳しいチェックを経て、製 品は店頭に並ぶ

(8)

お申し出を“うまく処理”するのではなく、

真摯に耳を傾ける。

それが、お客様センターの基本姿勢です

お問い合わせには

「重層的な体制」で対応

 年間4万件に近い、お客様からのさまざ まな「お申し出・お問い合わせ」にお応えし ているのが、お客様センター。28名のス タッフが、在庫のお尋ね、商品の扱い方に ついてのお問い合わせ、また商品や接客態 度についてのご意見などをおうかがいし、 ワコールとお客様との信頼づくりに取り組 んでいる。

 「お客様からいただく“お声”のなかでも、 商品や売場に対する苦情を“お申し出”と言 っていますが、右ページの円グラフにある ように大半は商品についてのお問い合わせ です。もちろん苦情やご要望もあります が、いずれの場合も、お客様の立場に立っ てお知りになりたいことを迅速に、かつご 納得いただける説明を心がけています」と 責任者の田所里絵子。最前線での販売職、 その後ビューティーアドバイザーの教育担 当を経験してきたキャリアをもっている。

 そんな田所は2008年4月から、センタ ーのスタッフを3グループ(1次~3次)に 分けて、お問い合わせに「重層的に対応す る体制」をスタートさせた。第1次は、主 に商品についての在庫や取り扱い店舗のお 問い合わせに対応する。第2次はお申し出 など、ご要望やご相談、また対応を担当。 第1次に比べ、より高度な商品知識と判断 力を必要とする。そして第3次で、予期せ ぬトラブルに至らないための最終ジャッジ を下す。それぞれオペレーター、アドバイ ザー、運営管理者のグループと言い換えて もいいが、こうしたチーム編成で、以前に 比べ格段に、迅速かつ効果的な対応ができ るようになった。

 「たとえば、“○○は△△店に置いてあり ますか?”“ベージュの◇◇は発売されてい ますか?”といったお尋ねなら、第1次の スタッフで即座にお答えできます。でも、 “どうも、つけごこちがよくないんだけれ

ど…”といったお申し出であれば、第2次の スタッフが対応することで的確に説明でき

ます」

 それまでは、FAQ(よくある質問につい てのQ&A)を用意していても、こうした 「役割分担」をしていなかったため、お客様 を「お待たせする」ケースが少なくはなかっ た。また、早く対応しなければという意識 が働いてしまい、ときには説明不足になっ てしまうことも…。今年からはこうした体 制にしたことで、スピーディに、しかもよ り丁寧な対応が実現。しかしその際のポイ ントは、お電話をいただいたとき「お問い 合わせの内容を即座に把握できるかどう か」だ。そのためにも、「メンバーのトレー ニングは欠かせません」と田所は言う。

お申し出の中には

ヒントがいっぱいある

(9)

こにある“ヒントという宝”を私たちが見過 ごしてしまっては、せっかくのお申し出が お客様満足の実現につながりません」  それゆえ、お客様センターではお申し出 を週報、月報にまとめて社内に回覧するほ か、特に気付いた点があれば当該商品の担 当部署に連絡し、一緒になって善後策を考 える場合もある。「かつて、ある商品群に ついてのお申し出が多かったとき、ご意見 をいただいたお客様にモニターになってい ただくことを提案し、結果、商品改良の貴

重なヒントが得られたことがあります。そ んな経験からも言えるのは、お客様センタ ーの役割とは、お客様からのお申し出を “うまく処理”することではなく、真摯に耳 を傾け、そこにある“ワコールへの応援メ ッセージに気付き”“それを会社に伝えるこ と”だと思うんです」

 田所たちのこうした姿勢が、お客様との 信頼づくり、お客様満足の実現につながっ

ているのは言うまでもない。 お客様センター 課長品質保証部

田所 里絵子

 2007年度、お客様センターにお寄せいただ いたお問い合わせなどの総件数は40,224件で した。そのうち62%は、商品の在庫、取り扱 い店舗、商品特長などについてのお問い合わ せです。10%が「お申し出」で、商品、販売員、 宣伝販促活動などへの苦情が寄せられました。 担当部署と連携を図りながら、それぞれ誠意を もって対応いたしました。

約40,000件のお問い合わせをいただきました。

ご 報 告

 2007年度、商品の誤表示など、お客様の信頼を損ねてしまうような問題が何件か発生いたしました。以下にこれらの問題の概要 と対応をご報告します。

問 題 概 要 対 応

「撥水加工」の表示

全国の百貨店と専門店で販売した商品(女性用シュー ズ「ここちいい」)の一部に、表示の間違いが判明。「撥 水加工」を特性に掲げる商品群の一部に、実際には加 工済みでない素材を使用してしまい、発見できないま ま誤った表示を付けて販売した。

店頭、およびウェブサイトで公表。販売済みのお客 様から回収し、返金、ご要望に応じて修理を実施。 再発防止として、管理を徹底するための作業内容の 見直し、検査の仕組みを改めた。

ブラジャーの ワイヤーつき抜け

ワコールウェブストア、チェーンストアで販売して いたウイング商品について、一部本社から特定の工 場に指示が正しく伝わっていなかったために、ワイ ヤー挿入位置を間違え、専用の防護カバーにくるま れないために、包む生地からソフトワイヤーがつき 抜ける不具合が発生した。

店頭、およびウェブサイトで公表。販売済みのお客 様から回収し、返金を実施。

再発防止として、特定工場のみではなく、全工場で 同様の工程管理、および検査の仕組みを改めた。

●お問い合わせ内容の内訳(2007年度)

総件数 40,224件

商品・店舗についての お問い合わせ 24,946件(62%)

商品・販売員などへの お申し出(苦情)  3,918件(10%) ご意見・ご要望

2,258件(6%) 資料・パンフレット請求  1,771件(4%) 特別対応 393件(1%) その他  1,562件(4%) 未分類 

5,376件(13%)

 この他にも、生産国の誤表示などいくつかの問題が発生いたしました(詳しくは、ワコールウェブサイト http://www.wacoal. jp/tpnotice/をご覧ください)。ご迷惑をおかけした皆様には、深くお詫び申し上げます。ワコールでは今後、こうした問題の再 発防止と信頼回復のため、品質管理体制をより一層強化してまいります。

●「キャミブラNAMI・NAMI(ナミナミ)」 特別窓口

 2005年春に販売した「キャミブラNAMI・NAMI(ナミナミ)」の2品番 の商品について、留め金部分がブラジャーの生地からはがれ、着用で きなくなるという不具合が発生。特別窓口を設置し、商品を回収いた しました。再発防止に努めるとともに、引き続き、特別窓口を設置し ておりますので、お問い合わせいただきますようお願いいたします。

フリーダイヤル 0120-063-056

受付時間/平日9:30〜17:00

(土曜・日曜・祝日は休ませていただいております)

品番:BDB406およびBDB606の全カ ラー、全サイズ(品番は商品内側の織ネー ムをご覧ください)

(10)

個別に相談を承るというかたちを続けてい る。これまでにリマンマ製品をお使いいた だいたお客様は約20万人。まさに、ワコ ールだからできる、「本業のノウハウを活用 した」社会貢献事業(ソーシャル・ビジネス) である。

「心を通わせること」が

何よりも大切

 「これで、Tシャツのまま外に出られるよ うになったわ」と、鏡に映ったご自分の姿 を見て、にっこりほほえむお客様。なかに はうれしさで、思わず涙ぐむ方も。「普段 から外出を控えたり、夏でも厚手の服を着 ている方も多く、術後なにかと生活の不自 由を感じておられます。そんな方たちの不 自由さを少しでも取り除くことができれば …」と、チーフアドバイザーの西村えり子 は言う。

 いくつかの個室に区切られ、静かな音楽 が流れるリマンマルーム。専門アドバイザ ーがお話をうかがいながら採寸し、試着を していただくスペースだ。「ご家族にも見 せていらっしゃらない術後の姿を初対面の 私どもにお見せいただくこともあるので、 少しでもお気持ちが和ぐように努めていま

乳がんの術後をケアする

インナーウェアを開発

 「社会福祉課」――。これは1974年春、 ワコールの社長直轄部門として設けられた 事業課の名称である。当時、日本でも乳が んの手術を受ける女性が増えていたが、乳 房切除手術後に使えるのは輸入品の特殊な パッドのみ。それも、割高な価格で販売さ れていた。そこで「使いやすく、手ごろな 価格の製品を提供し、少しでも以前の生活 を取り戻していただくお手伝いができない だろうか」「それがワコールの社会的使命で はないか」という当時の社長・塚本幸一の発 案で、「本業のノウハウを活用した社会的事 業」はスタートした。当時、CSRはおろか フィランソロピー(社会貢献活動)という言 葉も概念も、日本の企業社会ではまだまだ 知られていなかった。まさに「企業の社会 的責任」を自覚した、先駆け的な取り組み と言えるもので、これが営利を第一の目的 としない、女性を中心としたグループで運 営する今日の「リマンマ事業」の始まりであ る。

 「リマンマ」という名称は、「乳房をふたた び」、「美しさをもう一度」という意味と願い をこめて名付けられたもので、現在ではパ ッドやブラジャーなどのインナーウェア、 水着などさまざまな製品を開発している。  スタート以来34年、リマンマ製品は百 貨店など一般の売場では販売せず、広告宣 伝もほとんど行ってこなかった。各地の病 院や「患者の会」のご紹介を通じ、お客様に ワコールの事業所を中心とした拠点(札幌・ 東京・名古屋・京都・福岡)に設けた「リマン マルーム」へ直接お越しいただいたうえで、

ワコールだからできる、

「本業のノウハウを活用した」社会的事業

~20万人の笑顔をつくりだしてきた「リマンマ事業」

リマンマルームで打ち合わせ リマンマ製品

(11)

す」と、アドバイザーの北川直美。  西村も北川も、お客様に接するなかで、 多くのことを教えられてきた。なかには、 「せっかく乳がんになったのだから、私の

この経験を、悩んでいる人たちのために生 かしたい」とアクティブに生きる人との出 会いもあった。ある「患者の会」の活動をさ れているその方の、こうしたひたむきな生 き方に、北川は同じ女性として頭の下がる 思いがする。西村も同じような経験をして いる。リマンマルームに来られたお客様 が、「あなたたちも気をつけなさいね。私の ようにならないよう、きちんと検診を受け るのよ」と助言してくださるのだ。人のこ とを思いやる余裕などは生まれにくい状態 のなかで、こんな気づかいをされるリマン マのお客様。そこにはビジネスを超えた、 人間同士の思いやりと信頼がある。「私ど もでできる、精いっぱいのことをさせてい ただかなければ…」二人は、そう感じる毎 日だ。

 ただ、ときには「もっと普通に接してほ しかったのに」「製品の説明はわかりやすい し、応対もきちんとしている。でも私のつ らい気持ちをわかってくれない」と、アド バイザーがご意見をいただく場合もある。 それだけに、まず「お客様と心を通わせる こと」——これが何よりも大切であること を西村たちは痛感している。

 女性のがんの中で、罹患者数が最も多い のが乳がん。その数は年々増え続けてお り、約20人に1人が発症すると言われて いる。また最近は、30代の若さで乳がん になる女性も増えている。「乳がんの早期 発見を社会に広く訴えることはますます必 要になっています」と社内のピンクリボン プロジェクトメンバーの経験もある北川。 そして「若い人たち向けの製品開発も今後 の課題です」と西村。しかし「乳がんで悲し む女性がいなくなり、リマンマ製品を必要 としない日」が来ることを願う二人の思い は同じだ。ワコールだからできる、ワコー ルにしかできない事業が、ここにある。

 現在、全国約2800か所の病院などの窓口にリマンマのパン フレットを置かせていただいています。また、リマンマルーム にお越しいただけない遠方の方のために、各地で「装いと下着 の相談会」を開催。製品の展示、ご相談をお受けするとともに、 通信販売も行うなどして、リマンマを必要とされる方に直接、 情報を届けられるように努めています。お客様のなかには、い ち早く新製品を知りたい方がいらっしゃる一方で、製品を見る のはつらいと感じる方もいらっしゃることから、パンフレット の発送ひとつをとっても、細心の注意を払っています。

 ご相談やご購入の際、「ありがとう」と言ってくださるお客様。この言葉には計り知れない 思いがこめられていることでしょう。そのことを心から理解できるリマンマメンバーであ りたいと思っています。

「ありがとう」という

お客様の言葉にこめられた思いを大切に

リマンマ事業課 チーフアドバイザー 

西村 えり子

リマンマ事業課 アドバイザー 

北川 直美

リマンマルーム

(12)

ルにふさわしい社会貢献活動である。当 時、日本での活動の必要性を感じていた企 業が集まり、約1年間ピンクリボンに関す る勉強会を実施した。こうして2002年9 月、朝日新聞社主催の「ピンクリボンフェ スティバル」に参画するかたちでワコール のピンクリボン活動が始まった。  社長の「まずは従業員、その家族から乳 がんで悲しむ人を出さない」という意見も あり、当初は社内啓発からスタート。従業 員向けに小冊子『ブレストケアノート』を配 布し、それを用いたセミナーを開催。翌年 には啓発ビデオを制作して従業員全員に配 った。「従業員の妻がビデオを自分の職場 に持っていき、その会社でも多くの女性た ちに見てもらえるようになったんです。う れしい誤算でした」と桂は当時を振り返る。 アップされた東京タワーを見上げながら、

桂は一人、そうつぶやいていた。  ピンクリボン活動については、既に㈱米 国ワコールで取り組んでいたものの、「ワコ ールグループをあげて」と言えるような状 況ではなかったのである。

 彼はさっそく、役員会にピンクリボン活 動への本格的な取り組みを提案。 反対意見 はまったくなかった。既に着手している 「リマンマ事業」が、乳がんになった女性に 対するアフターケアだとすれば、乳がんの 予防を呼びかけるピンクリボン活動は、い わばビフォーケアと言える。まさにワコー

社会貢献活動

乳がんで悲しむ女性を一人でもなくしたい

~ピンクリボン活動で発揮するフィランソロピー・マインド

それは、一社員の

「役員会への提案」から始まった

 2001年10月6日の夜、当時、宣伝部に いた桂一朗は、ピンク色に美しくライトア ップされた東京タワーを見上げていた。こ れはその前年より化粧品会社などの協賛で 取り組みが始まった、日本における「乳が ん撲滅キャンペーン」(ピンクリボン活動) の象徴的なイベントであり、風景であっ た。「女性共感企業を標榜し、リマンマ事 業に取り組むワコールこそ、この活動に本 格的に取り組むべきではないか」。ライト

コーポレート・フィランソロピー

乳がん検診の重要性や自己検診の方 法を紹介する自主製作ビデオや冊子 を従業員全員に配布

(13)

50以上の団体で構成される

「ピンクリボン京都」

桂には折りにふれて思い出すことがあ る。それは入社して間もない、全国の専門 店活性化を担当していたころ、あるお客様 から一通の手紙が届いたことだ。そこに は、「私はワコールに命を救われました」と 書かれてあった。

 その手紙は、「ブラジャーのフィッティン グ時に、いつも親しくしてもらっている販 売員さんから、“胸のしこりが気になる”と

 「しかし、こうした活動を販売促進に利 用したくはないんです」と桂は言う。リマ ンマはワコールにしかできない社会貢献 “事業”として取り組んでいるが、あくまで 事業であり、採算を度外視しているわけで はない。それに対してピンクリボン活動 は、「利益を意識しないピュアなフィランソ ロピー活動として位置付け、取り組んでい きたい」と語る。

 そんな姿勢があるからこそ、成功してい るのが「ピンクリボン京都」の取り組みだ。  2005年から、ワコールの呼びかけで始 まった「ピンクリボン京都」の活動は徐々に 広がり、いまでは企業だけでなく大学や行 政も参加し、参画団体は50以上に。京都 駅などでの、マンモグラフィ検診車での無 料検診、また約50の大学・短大が参加する 京都学生祭典でのキャンペーンなど、京都 ならではの活動が展開されている。  このように、活動を自社だけに終わらせ ず、乳がん撲滅キャンペーンを地域社会に 広げていくことにも積極的に取り組んでい るが、多くの人々や団体に参画していただ けるのも、「ピュアなフィランソロピーと位 置付けている」からとも言える。株主優待 として贈られるワコール商品券の一部を、 ご理解を得て「乳がんをなくす ほほえみ基 金」に寄付していただいているのも、株主 様の、そうした姿勢への「共感」と言ってい い。

 「乳がんで悲しむ女性を一人でもなくし たい」。ピンクリボン活動にこそ、ワコー ルのフィランソロピー・マインドがシンボ ライズされている。

言われて病院に行ったところ、やはり乳が んでした。でも幸い早期発見だったので完 治し、命拾いしました…」という、お礼状 だった。「お客様と親しくさせていただい ているからこその、ひとことだった」と桂 は考えているが、そんな出来事のあったワ コールが、ピンクリボン活動に本格的に取 り組むようになるのは、ある意味では必然 であったのかもしれない。

 本格的な取り組みが始まってから、ワコ ールのピンクリボン活動は年を追うごと に活発化していく。現在では毎年、「自分の バストを知ってもらうこと」をキーワード に「ピンクリボン・フィッティングキャンペ ーン」を乳がん月間である10月に実施。こ れは店頭でお客様がブラジャーを1枚ご試 着されるごとにワコールから10円を㈶日 本対がん協会「乳がんをなくす ほほえみ基 金」に寄付するというもので、2007年度 には総額314万円余を寄贈。同時にお客 様向けの啓発パンフレットも作成し、配布 している。

「乳がん検診推進企業ネットワーク」へ参画

 ワコールではこれまで、乳がんの早期発見・診断・治療の必要性などをお伝えするさま ざまな活動に取り組んできました。しかし、増加し続ける乳がん死亡者数の現状を見たと き、いままでの活動を一歩進めて、検診率を上げるための新たな取り組みが必要だと考え ていました。

 その一つが、2007年9月、ワコールなどピンクリボン活動に賛同する異業種企業15社 が集まって、日本で初めて発足した「乳がん検診推進企業ネットワーク」。社会への啓発活 動以外に、「社内の乳がん受診率を上げること」が、「日本の乳がん検診率引き上げ」に貢 献できるのではないかと考えての取り組みです。参加企業の社内受診率の平均は44%。3 年後には受診率65%を目標に、成功事例などの情報交換を行うなど、他企業との連携を深 めて受診率向上を目指します。

 なお、ワコールの社内受診率は71.7%(2007年度)。2010年には80%、2012年には 100%を目指しています。2008年度よりワコール健康保険組合加入の全社員(20歳以上) および被保険者の配偶者を対象に、受診費用を会社と健保組合が一人あたり1万円負担す ることにより、女性の大半は費用負担なしに検診が受けられます。

2007年7月25日、タイの乳がんセンターへ地元合 弁企業と協賛してマンモグラフィ検診車を贈呈

2007年9月28日、映画「Mayu~ココロの星」の試写 会をピンクリボン京都が主催。原作者の大原まゆさん、 山田啓二京都府知事も出席して開催

㈱ワコールホールディングス  人事総務部 CSR担当部長  桂 一朗

(14)

ヒット商品「スゴ衣」は、サプライヤーとの

強固なパートナーシップで実現した

ワコールブランド事業本部 インナーウェア商品統括部

商品企画部 商品企画一課 チーフデザイナー  

石浦 亜矢

(15)

社外の関係者も一緒になった

「ありえない」への挑戦

 2007年日経新製品ランキング(総合)第 4四半期(10~12月)第10位に選ばれ、秋 冬累計93万枚のヒットとなった「スゴ衣」。 常識をくつがえす発想と技術力で時代のニ ーズに応えたこの新製品の誕生と成功を陰 で支えたのは、紡績、編み立て、染色から 広告宣伝に至るさまざまな仕入先各社の知 恵と尽力、そして何よりも、惜しみない “人の力”、すなわちパートナーシップの輪

であった。

 挑戦は、ワコール商品企画一課チーフデ ザイナー石浦亜矢がなにげなく発したひと ことから始まった。

 「えっ。これだけでいいじゃないですか」  そのほうが、薄くて軽くてあったかい。 なのにどうして綿を入・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・れなければならない のか?

 「スゴ衣」のポイントは素材と構造にあ

る。主材料は空気を逃がしにくい断熱・保 温構造をもつ新素材の超極細マイクロアク リル糸。その極めて細いアクリル糸を用 い、単層構造のニットを編む。この二つが 「スゴ衣」のスゴさの秘訣である。

 ……と聞けばなるほどの話だが、実はこ れが肌着業界にとっては青天の霹へきれき靂とも言 えるコロンブスの卵だった。「肌着は綿」が 常識の世界に、綿の入らない化繊のみの商 品は「ありえない」ものだったからだ。  2006年春、来たる2007年秋冬シーズ ンの商品開発に向けて“うす・かる・あった か”をコンセプトと定めた石浦は、素材メ ーカーの担当者に相談をもちかけた。「ニ ットは生地が命です。お力を貸してくださ い」

 それを受けて超極細マイクロアクリル糸 を提案したのが、この繊維が開発された当 時、東洋紡株式会社の営業担当であった津 田幸一氏だった。だが津田氏はこのアクリ ル新素材をあくまでも副素材として考えて いた。セオリー通り内側に綿を用いた二層

一緒に仕事をしたのですが、そのときに石浦 さんのものづくりと素材に対する熱意と感性 を目の当たりにして、「すごい人だ」と思って いました。石浦さんは手の感覚がものすごく 鋭くて、生地のごくわずかな差異や変化を絶 対に見逃しません。それはもう現場の技術の 人間が「あの手は神がかりだ」と驚くほど(笑)。 その神がかりの手と情熱、そして消費者ニー ズへの貪欲なまでの探求心。それを全部もっ ておられる。だから僕らでは発想できない、 今まで業界になかったものができるんです。  今回は、営業・技術を含め社内に6名のプ ロジェクトチームをつくり、各工場も全力を あげて「スゴ衣」にあたりました。前例も実績 も何もないものを、わずか1年半で商品化に こぎつけたわけですから、生産現場の苦労は 甚大でした。でもみんなが同じベクトルで走 れたからこそできた。「なんとしてでも成功さ せよう」という気持ちを全員が共有していた。 そのときは、ただただ必死でしたが、「すごい ことが成し遂げられたんだな」という実感が

超極細マイクロアクリルニットの量産化に成功。

この成果は、業界にとっての技術遺産となるでしょう

 「スゴ衣」には、0.5デシテックス(※)とい う、衣料用量産化繊維として世界一細い繊維 が使われています。非常に難しい素材で、開 発に6年かかっています。私たちは迷わずワ コールの石浦さんにこれを提案しました。こ の新素材のよさを最大限に引き出してもらえ るのはワコールさんしかないと考えたからで す。石浦さんとはその前のシーズンで初めて

後からじわじわと湧いてきましたね。  今回の件は、一つの新しいヒット商品が生 まれたということ以上に、技術的課題がクリ アされたという意味で、業界にとって画期的 な1ページになりました。これだけの細さの アクリルニットの量産が可能になった。長い 繊維の歴史のなかで、限界だと思われていた 一つの壁を越えることができたんです。この 実績と経験の価値は計り知れません。これ は業界にとっての技術遺産となる成果でしょ う。「これまでにない新しいものをつくろう」 というものづくりのパワーが、技術を進歩さ せたのです。もちろん、ものづくりにゴール はありません。常によりよいもの、新しいも のを目指して開発は続いていきます。次の企 画もどんどん進んでいます。常に高いレベル を望まれるので、厳しい側面もありますが、 その緊張感はいい意味での刺激になっていま す。第二、第三の「スゴ衣」実現に向けて、こ れからもワコールさんとよきパートナーシッ プを発揮していきたいと思います。

東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社 インナー事業部

津田幸一様(左) 黒田修広様(右)

これまでのワコールにはなかったタイプの 広告表現は、「スゴ衣」製作チームのなかで も議論に。最終的には「マーケット全体の “肌着”のイメージを刷新する強烈なインパ クトをもった商品である」という営業課の 判断で決定。商品特性をストレートに伝え るわかりやすさと、今までにない斬新さで 話題となった

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 「新しい、よりわかりやすい商品の付加価 値をお客様にお伝えしたい」という共通目標 を基盤に、いい意味で「企業対企業の壁」が取 り払われていくのを強く感じました。デザイ ナー石浦がもつ商品イメージと、それを実現 するための東洋紡様の生地イメージ。そのお 互いのイメージをいかにして重ね合わせ、具 現化させていくか? 双方が妥協することな く自分のもつイメージを追求していこうとす

商品化の見通しもおぼつかないまま、手さ ぐりの日々は続く。技術的な困難と問題が 山

さんせき

積していた。とにかく繊維が細すぎる。 あまりの細さに紡ごうとしたら切れる。や っと完成した細くてやわらかい夢のような 糸は、今度は編むに難しく、ザラザラした り伸びが悪かったり。だが津田氏率いる “東洋紡スゴ衣チーム”は一度として「無理 です」「できません」と音を上げることなく、 またことさらに苦労を言い立てることもな く、黙々と粘り強く挑戦を続けた。そして とうとう完成した「スゴ衣」の試作生地に触 った。しばらくして「いやあ、あれ、難し

いですわ」と報告してきた津田氏に、「でも その難しいものがもしできたら、それって すごくないですか?」と食い下がった。  「これまで誰も見たことのないような、 軽くて暖かくて着ごこちのいい1枚の肌着 がなんとか作れないだろうか。窮屈感がな くて、肩がこらなくて、でもすっごくあっ たかい、毎日手放せなくなるような“お気 に入りの1枚”が」

 ものづくりにかける石浦の思いを軸に、 構造の保温肌着。そのサポート役にこの虎

の子の新素材を、と。

 「でもこれだけですっごい気持ちいいで すよ? どうして綿を入れないとダメなん ですか? こんなに気持ちいいのに」  消費者が求めているのは「綿そのもの」で はなく「綿の快適さ」ではないのか――。  このとき石浦は、入社以来約7年携わっ たショーツデザイン担当からニットインナ ーに移って半年たったばかり。常識という 名の固定概念にとらわれない“新人”石浦に とってごくごく自然な消費者目線の感覚 は、しかしこの道の玄人である津田氏にと ってはあまりにも思いがけない発想だっ た。津田氏は驚きに言葉を失った。

仕入先様の高い技術と

粘り強い努力に支えられて

 ふわふわでスベスベのなめらかな手ざわ り。これまでにない見事な風合いのアクリ ル原繊維に触れた石浦は「すごい! これで 糸ができたら、すごくないですか?」と言

るなか、互いに全力を尽くして、文字通り意 見をぶつけ合っていきました。本当の意味で の信頼と強靭なパートナーシップがあったか らこその切磋琢磨であったと思います。  広告表現をめぐっても一波乱ありました。 これだけのインパクトのある商品を、どんな 表現でアピールすればいいだろうか。商品と 広告はいわば車の両輪です。生半可な広告で は、両者のバランスがとれず、思うようにス ピードを上げられないのではないか? そう考 えて強く推したのが、今回のこの広告案(14 ページ)でした。当初は冒険すぎるという反 対意見もありましたが、私が入社してからの 10年…いや、それ以前を振り返ってみても、 ここまで飛び抜けた表現はこれまでのワコー ルにはありませんでした。「『スゴ衣』に必要な のはこのインパクトだ」。そう確信しました。  ひとつ忘れられない言葉があります。  「新しいマーケットって、こうやってでき ていくんですね」

 「スゴ衣」の店頭展開後、お客様からの「ほ

お客様視点の共有、そして切磋琢磨。

いい意味で「企業対企業の壁」が崩せた協働だった

んとにすごーい!」という反響のお声や、ま た弊社ビューティーアドバイザー(販売員)か らの「これは売れます!」という自信の声を 日々耳にしながら、東洋紡様との商談のなか で出た言葉でした。

 私たちが共に力を尽くして作り上げた新た な商品価値が世に認められ、瞬く間にマーケ ットに受け入れられていく…。私たちが送り 出した「スゴ衣」が本当にすごいことになって いく、そのあまりのスピード感を目の当たり にして、商品がお客様のもとへ歩み寄ってい くような不思議な感覚だったと、振り返って みて思います。

 今後も、仕入先様とワコールが、お客様視 点を共有し、切磋琢磨しながら、よりすばら しい商品をマーケットに届けていくことがで きれば。そしてそれによって人が、女性が、 常に美しく、そしてにこやかにいられること につながれば、これほど幸せなことはありま せん。この信念こそが、ワコールのCSRの 根幹であると思っています。

それまでの“あったかインナー”と比べて、薄さ約56 %、軽さ約66%(ワコール従来品比)。ずば抜けた“う す・かる・あったか”が消費者に支持され、一時は一部 アイテムが売り切れになるほどの人気商品に

超極細マイクロアクリルの原繊維。羽毛のよ うに軽くなめらかで、しばらく触れていると ほんのり指先が温まってくるのが感じられる

ワコールブランド事業本部 商品営業部 ランジェリー営業課 ニットMD(当時)

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れた瞬間、誰もが驚嘆した。「これがアク リル? すごい。なんて気持ちいい。これ はいける!」。それまで“アクリルを主材料 とするニット肌着”に懐疑的だった周囲の 目は、一気に変わった。

 そこに至るまでに試紡50回以上、試編 100回以上という大変な苦労がなされて いたことを石浦が知ったのは、このプロジ ェクトが成功を収めた後のことだった。ま さかそれほどだったとは。あらためて知っ た東洋紡様の気概に心を打たれて、石浦は 深く頭を垂れた。

 「津田さん、本当にありがとうございま した。よくここまでやってくださいまし た」と言う石浦に、「お礼を言うのは私たち です。綿がなくていいという、あれは目か らウロコの言葉だったんです。石浦さんは 私たちが思いつけないことを言ってくださ る。それが開発につながる。技術の人間は ずっと石浦さんに煽あおられてたんですよ。“や ったろやないか”と。ついていってよかっ た」と津田氏。

 目頭が熱くなった。

関係者の全員が

知識と知恵を絞りに絞った

 「いくつものターニングポイントがあり、 たくさんのキーパーソンがいた。何ひとつ 欠けても、誰一人抜けても、『スゴ衣』は実 現しなかった」と石浦は言う。

 ワコールの通常の商品開発では、営業担 当が商品開発や材料課や商品設計課など各 セクションと相談してものづくりを進める が、何もかもが初めてづくしの「スゴ衣」は 到底それでは乗り切ることができない。仕 入先様を含めた社内外の関係者がセクショ ンを超えて一堂に会し、全員総がかりで一 つひとつの問題の解決に当たるという異例 の検証会が繰り返しもたれ、全員が知識と 技術と知恵を絞りに絞った。「成功させよ う」という一人ひとりの思いと互いへの信 頼が、誰の想像をも超える大きなパワーと なり、ワコールものづくり部隊として余す ところなく力が発揮された。信頼しあうパ ートナーシップの底力を「スゴ衣」が教えて くれたと石浦は振り返る。

 最後の最後になって、宣伝広告をめぐっ

てメンバー間で意見が分かれ、すったもん だの結果、新しい商品に賭けた営業の判断 で、これまでにないタイプの広告表現が実 現するという一幕もあった。サプライヤ ー、バイヤーという立場を超え、2006年 春の素材開発から2007年秋の発売までの 約1年半を、いわば戦友として共に闘い抜 いたプロジェクトチームは、こうしてワコ ール史上初のアクリルが主材料のニット肌 着という新商品を世に送り出し、93万枚 の支持を得る成果を生んだ。異なる立場の メンバーが固定概念を覆くつがえし合うことで、今 までになかった新しい商品が実現したので ある。

仕入先様との協働

 2008年4月、仕入先様を対象とした「ワコ―ル認定登録仕入先検査機関制度」の登録説 明会を実施しました。よりよい品質のものづくりと良好なパートナーシップ形成を目指し て、2001年に業界初の試みとして創設されたこの制度は、各仕入先様の検査・試験の実施 状況を審査・認定することで、環境・条件・手順の共有化とデータの正確性向上を図ろうとす るものです。認可・登録は年1回、期限は4年。説明会当日は、ワコール品質保証部の体制 や活動方針の紹介に続き、制度担当者から認定制 度についての説明を行いました。また、試験手順 や認識の共有を図って、今年度の規格変更や要注 意項目、スライド映写による試験機器や薬品の問 題・改善例なども紹介し、続いてワコール商品試 験センターをご見学いただきました。説明会後の 懇親会にも多数の仕入先様にご参加いただき、日 頃一堂に会する機会の少ない仕入先様との交流の 場となりました。

 ワコールでは、「品質のワコール」であり続けるための生産活動を発表する場として、「技術 展 品質展」を継続的に開催しています。これまでは技術展と品質展を別々に行っていまし たが、2007年は「もっと顧客に近づく」をテーマに各関

連部門が力を合わせ、初めての共催展として実施しまし た。11月にワコール本社ビルで3日間にわたって開催さ れた「2007年 技術展 品質展」の品質展会場では、仕 入先様を招いて、ワコールの品質管理の取り組みや、お 客様からのお申し出の内容や対応の実例など、品質に関 するさまざまな情報を展示と発表で紹介。技術展会場で は、海外ワコールのものづくり体制や生産性向上プロジ ェクトの紹介、新しい技術・機器の展示、また実際に体 験することのできるコーナーも設けるなど、協力工場様 や国内・海外関連会社と従業員との情報共有と意識の向 上を図る催しとなりました。

「2007年 技術展 品質展」を開催し、

仕入先様と技術・品質情報の共有を図る

品質向上と良好な協働関係を目指す

「ワコ―ル認定登録仕入先検査機関制度」

「ワコ―ル認定登録仕入先検査機関制度」 説明会(2008年4/9・11、京都ビル)

(18)

総合企画室 宣伝部 宣伝企画課 

菊井 直人

使用済みのブラジャーを回収し、

環境にやさしい固形燃料に

(19)

“環境に役立つことだから”と

販売現場も積極的に協力

 2007年2月、ワコールホールディング スはある大学教授との共同研究として、「女 性の心理と下着に関する意識調査」を行っ た。1000人を超える女性を対象にした Web調査で、それによると、ブラジャー を捨てることに「躊ちゅうちょ躇することがある」と答 えた人は全体の6割にのぼっていた。理由 の大半は「捨てた後、誰かの目に触れるの ではないかが心配」というものだ。他の家 庭ゴミと一緒には出しにくく、いつの間に かタンスの隅にたまって処分に困っている ことが浮き彫りになったのである。  そこに着目したのが、宣伝部の菊井たち だった。「躊躇なく捨てることができれば、 タンスがすっきりして新しいブラジャー の購買につながるかもしれない」。加えて、 「単に回収するだけではなく、それを固形

燃料のRPFにしてリサイクルに回しては どうか」とも考えたのである。「ブラ・リサ イクルキャンペーン」はこうして始まった。

 2007年10月、菊井らはまず、九州の 福岡・佐賀地区でテストキャンペーンを行 った。店頭で「回収バッグ」「ゆうパックの 送り状」をお客様に配布。回収バッグは店 頭にお持ちいただくためのものであり、ゆ うパックの送り状は直接ワコールにお送り いただくためのものである。

 果たして、「手応えは十分」であった。「初 めての試みだし、直接的な販促キャンペー ンではないだけに、店頭の理解と協力がど

に委託し、RPFにリサイクルしたものは、 製紙工場で燃料として利用されている。  今回の回収では、他社製品も含めた回収 を行うかどうかで議論が起こったが、最終 的には「リサイクルをすすめることはトッ プメーカーとしての責務である」という意 見が採用され、他社製品にこだわらず回収 されたのである。また、このキャンペーン は、初めての取り組みだけに、総務部環境 担当や西日本流通センターの連携や支援の もとに実現した。

 「『ブラ・リサイクルキャンペーン』はスタ ートしたばかりで、まだまだ“地球環境へ の貢献”を数字に表して自慢できるほどで はありません。けれど…」と菊井は言う。 「地球環境の問題をお客様に提起し、それ

に共感していただいたことの意味は大きい のではないでしょうか。“環境にやさしく” を自社だけのアクションにせず、お客様を 巻きこんだ取り組みにした。いわば、社会 的な問題にお客様と一緒に取り組むコーズ マーケティングとも言えますが、CSRの 時代と言われる今日、企業にはこうした アクションがますます求められると思い ます。以前は、宣伝部の私たちにとって、 “CSRってあまり関係ないかも”と思って

いましたが、今回の回収キャンペーンで、 CSRが身近なものとして捉え直せたよう な気がします」

 たとえ成果はささやかであっても、「ブ ラ・リサイクルキャンペーン」が果たした社 内外への「環境意識の啓発」は、決して小さ くはない。

こまで得られるかを含めて、正直なところ 自信はありませんでした。ところが、お取 引先や現場のビューティーアドバイザーた ちが、“環境に役立つことだから”と積極的 に協力してくれたんです。店によっては、 手づくりのポスターまで用意する熱の入れ ようで、お客様の反応も上々。これならイ ケる! と確信できました」と菊井は振り返 る。

「お客様を巻きこんだ取り組み」

に意味がある

 九州の成功を経て、2008年は規模も拡 大し、「ブラ・リサイクルキャンペーン」は専 門店、直営店を中心に全国619店舗で実 施された。2~3月のキャンペーン期間中 に回収されたブラジャーは6209袋、回収 された袋の重量から推測すると、枚数にし て約30000枚が集まったのである。また、 「ブラ・リサイクルキャンペーン」に先立っ

て、「ブラをすっきり整理しよう!」と、店 頭で『ブラ・スッキリ整理術ハンドブック』 や「ブラ整理グッズ」の配布も行われた。  回収されたブラジャーは、粉砕・分別・圧 縮の工程を経てRPFにリサイクルされる。 RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)は 主に古紙と廃プラスチック(繊維くずなど を含む)から作られる固形燃料で、石炭や 石油などの化石燃料の代替として使用され ている。燃焼効率が良く、石炭に比べCO2

排出量が30%少ないことから、“環境にや さしい再生資源”と言われる。ワコールで は西日本流通センターからリサイクル業者 店頭で配布した『ブラ・スッキリ整理術ハ

ンドブック』(写真左)と「ブラ整理グッズ」

(20)

INPUT

OUTPUT

裁断くず 固形燃料(RPF)

■リサイクル内訳

リサイクル率 94%

INPUT

《生産関連資材》

繊維材料・副資材 その他

(単位:トン)

531t

OUTPUT

250.9t

《製品》

《リサイクル》

裁断くず プラ糸管 ダンボール箱 芯・箱 ボール紙 OA 用紙・雑誌・ 新聞紙

ビン・缶類 金属類 蛍光灯

147.4 0.3 105.1 8.1 0.1 0.1

0.5 0.7 0.1 (単位:トン)

262.4t

(単位:トン)

《廃棄物》

産業廃棄物 焼却廃棄物

4.2 13.5

17.7t

《CO2排出量》

76.2t-CO

2

裁断くず・ プラ糸管 56.3% 紙類

43.2%

金属類、ビン・缶類、 蛍光灯 0.5%

《生産関連エネルギー》

1,228,464 81,611 15,573 11,824 2,989 19,429 電気(kwh)

重油(ℓ) 軽油(ℓ) ガソリン(ℓ) プロパン(㎥) 水(㎥)

鉄道輸送比率 60%

383 148

九州ワコール製造㈱の環境負荷の全体像

 最も環境負荷の低減に努める必要がある のが、裁断くず。CADを使って裁断ロス を減らすように工夫していますが、繊維 76.2t-CO2でした。前年に比べ2%削減

することができましたが、より一層の省 エネをすすめていかなければなりません。

廃棄物の5割を占める裁断くずを、

固形燃料化してリサイクル

九州ワコール製造㈱の環境対応

裁断くずの軽減が課題

 ワコールのブラジャー、ガードルなどフ ァンデーションのマザー工場である、九州 ワコール製造㈱。

 工場で使われる生産資材の大半は、ポ リエステルやナイロンなどの繊維材料で す。その他、ワイヤーやホックなどの金属 部品・プラスチック材料など多岐にわたり ます。これらの資材を製品に仕上げるた めに使用された電気・重油などの使用量は、 CO2排出量に換算すると、2007年度は

(21)

材料の4割弱が裁断くずになってしまいま す。廃棄物全体の5割を占めていること から、裁断ロスをいかに低減していくかが 今後の課題であり、商品開発や設計段階か ら、裁断ロスの少ないエコ設計商品の比率 を高めていこうとしています。このように して生産関連資材全体の有効利用率は44 %(2006年)から47%(2007年)に若干、 向上したものの、まだまだ有効活用を図る 取り組みが必要です。

 これら裁断くずはすべて固形燃料(RPF) にし、製紙会社の燃料としてサーマルリサ イクルしています。サーマルリサイクルと は、廃棄物を単に焼却処理するだけでな く、焼却の際に発生するエネルギーを回 収・利用すること。結果として資源(石油・

の環境負荷を軽減するため、トラック輸送 から鉄道輸送への切り替えをすすめていま す。2007年度の鉄道輸送比率は60%で、 前年より4%向上しました。

 今後は九州ワコール製造㈱などの縫製会 社はもちろんのこと、ワコールグループ全 体で、環境負荷の低減に努めていきます。 石炭)の節約と焼却ごみの削減につながり

ます。

リサイクル率は94%

 また、廃棄物となるダンボール箱も環境 負荷の要因のひとつ。海外で生産された製 品は、ダンボール箱に梱包されて最終検品 のために工場に納品されます。開梱後は廃 棄物となるため、業者に委託して回収・リ サイクルされています。

 これらのリサイクルにより、最終的に廃 棄処理されたのは17.7t。リサイクル率は 2006年の92%から94%に高めることが できましたが、これからもその比率を高め ていかなければなりません。さらに輸送時

 「たまたまテレビのニュース番組を見てい たときです。環境問題を特集していて、そ こでエネットが紹介されていたんです」。  台東区のワコール浅草橋ビルにある東京 人事総務部。作本恵介は、この事業所の環 境事務局の担当者。会社の環境負荷を減ら すため、さまざまな取り組みを企画し、そ の推進を担ってきた。そして「この事業所で も新たな何かに取り組まねば…と考えてい た」ときだった。「思わず、これだ!」と思っ たと言う。

 エネットは、電力自由化のなか、NTT ファシリティーズと東京ガス・大阪ガス3社 の出資で新しく登場した電力供給事業者だ。 テレビでは、発電時のCO2排出量が少なく、

他社を説得して「環境にやさしい電力」に変更

しかも通常の電気料金より割安だと言って いる。作本はさっそく資料を取り寄せ、詳 しく調べてみることにした。

 確かに、天然ガスで発電するので従来の 火力発電に比べてCO2の排出量は少なく、 コストも安い。しかし難点が一つあった。 「ビル丸ごと」でないと切り替えがかなわな

いのだ。

 浅草橋ビルはワコールと、大手都銀との 共同ビルであり、電力会社を切り替えるに は、その銀行の同意が不可欠だった。  ここから、作本の「ひとりプロジェクト」 が始まった。社内だけでなく、同じビルに 入居している都銀を説得するため、両社の

環境保全に対する考え方と活動の取り組み をまとめ、プレゼンテーション資料を作成 して説得に動き出したのである。  社内はなんとか納得してくれたが、銀行 は「供給される電力の安全性が疑問」と、な かなか同意してもらえなかった。考えてみ れば、それは当然かもしれない。万が一、 電力トラブルで現金自動支払機がストップ などすれば、金融機関にとっては命取りに なりかねないからだ。しかし作本は、エ ネットの電力は東京電力の送電線を通って 供給されるので、「信頼性は同じ」であるこ と。そのうえ“エネット”と契約することに より、電力消費者としては「CO2排出量を 30%削減(火力発電対比)できる」こと。ま た「コストも2%の削減」(ビル全体は年間約 30万円)になることを説明。ついに銀行側 の同意を得たのである。

 「ひとりプロジェクト」と形容したよう に、彼の取り組みは当初誰にも理解されな かった。しかし、情報を集め、説得を丁寧 に行ったことで、理解の輪は社外にまで広 がった。こうした活動の積み重ねが、地球 環境の保全につながっていく…と作本は確 信している。

 東京人事総務部 作本恵介

鉄道輸送用のコンテナに製品を積んで出荷

参照

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(1) 再エネおあずかりプラン[時間帯別電灯(夜間 8

3.3.2.1.3.1 設置許可基準規則第 43 条第 1 項への適合方針 (1) 環境条件及び荷重条件(設置許可基準規則第 43 条第 1 項一).

学会論文 約4万件/年 自社/電力共研.

経常収益計 Ⅱ 経常費用 1.事業費 1人件費 給料手当 通勤費 アルバイト代 法定福利費 人件費計 2その他経費 報酬 外注費 旅費交通費 福利厚生費 通信費 交際費 会議費

(4) その他、運用管理条件とその実施状況がわかるもの. ※

- 復水移送ポンプ フィルタ装置 よう素フィルタ ラプチャーディスク ドレン移送ポンプ ドレンタンク 遠隔手動弁操作設備 フィルタベント遮蔽壁 配管遮蔽 復水貯蔵槽