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三極審査官会合 「特技懇」誌のページ(特許庁技術懇話会 会員サイト)

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(1)

寄稿3

三極審査官会合

庁における内部使用を想定していました。しかし、

公 共 図 書 館 と 公 衆 一 般 ま で 利 用 で き る こ と は 、 す

ぐ に 明 白 に な り ま し た 。 数 年 間 の 議 論 の 後 、 最 低

限 の コ ス ト で 特 許 の 情 報 を 普 及 す る と い う 政 策 が

採用されました。

そ の 後 、 直 面 し た 次 の 挑 戦 は 、 特 許 の 手 続 き に

お け る ペ ー パ ー レ ス 行 政 、 文 献 の 交 換 お よ び 電 子

的 な 出 願 、 な ら び に ワ ー ク ロ ー ド を 減 ら す た め の

可能な施策を発展する共通の取組みでした。

現 在 、 協 力 は 下 記 の よ う な い く つ か の プ ロ ジ ェ ク

トを含みます。

・電子ツール、データ標準化およびネットワーク

・結果の利用

・ドキュメンテーション、分類調和、機械翻訳シス

テム

・情報ポリシー

・法的な問題

・バイオテクノロジー

また他のプロジェクト。

審査官交換1)

審査官交換は、「結果の利用および特許審査官の

交換」のプロジェクトの重要な部分を構成します。

1 9 9 9年1 1月の三極特許庁会合における J P O とE P O はじめに−経緯

三極特許庁はP C T 出願を含めて世界中の特許出願

のかなりの部分(57%以上)を処理しています。

1 9 8 0年 代 の 初 め に 、 出 願 の 急 激 な 増 加 に 直 面 し

た 三 極 特 許 庁 は 、 必 要 性 に 応 じ て 、 具 体 的 な 手 段

を 取 り ま し た 。 各 庁 は 、 多 く の デ ー タ を 経 済 的 に

保 管 し 、 効 率 的 に 処 理 し 、 素 早 く 送 信 す る 新 た な

テ ク ノ ロ ジ ー を 実 施 す る た め の プ ロ ジ ェ ク ト に 従

事しました。

三 極 特 許 庁 は 同 じ 課 題 と 目 的 を 共 有 し て い た た

め 、 共 通 の 挑 戦 に 対 す る 解 決 に 向 け て 、 協 同 の ア

プ ロ ー チ を 提 案 し 始 め ま し た 。 そ の 結 果 、 ユ ニ ー

ク で 非 常 に 有 効 な 国 際 協 力 の 枠 組 み で あ る 三 極 協

力( 1 9 8 3年にワシントンでの最初の三極特許庁会合

により始まりました) を構築しました。

最 初 の 進 展 は デ ー タ ・ フ ァ イ ル の 交 換 の た め の

標 準 の 確 立 と ノ ウ ハ ウ の 交 換 に あ り ま し た 。 そ の

後 、 三 極 特 許 庁 は そ れ ら の 利 用 の た め に 新 し い デ

ー タ ベ ー ス お よ び 新 シ ス テ ム を 作 成 す る た め に 共

に取り組みました。

三 極 の パ ー ト ナ ー に よ る 、 新 し い 情 報 シ ス テ ム

の 共 同 作 成 、 お よ び 電 子 フ ォ ー マ ッ ト で の デ ー タ

の 収 集 は 、 情 報 お よ び サ ー ビ ス の 新 し い 世 代 に 取

っ て か わ り ま し た 。 こ れ ら は 、 最 初 は 、 三 極 特 許

134

tokugikon

2007.5.22. no.245

Anna Maria Villa Riva

Examiner Pure and Applied Organic Chemistry

European Patent Office

DG1 Trilateral examiner exchange coordination team

仮訳 

特許審査第一部ナノ物理 

多田

達也

(2)

品 か ら ビ ジ ネ ス 方 法 ま で 、 す べ て の 主 な 技 術 領 域

からの 2 4の 技 術 分 野 に お い て す で に 議 論 さ れ て お

り、さらに4分野での議論が春に東京で行われます。

私 の 意 見 で は 、 こ れ だ け で も 大 成 功 と 言 え 、 最 初

の 混 乱 を 徐 々 に 乗 り 越 え て い る こ と を 示 し て い ま

す 。 特 に 、 審 査 官 交 換 が 要 し た 、 審 査 官 の 時 間 と

組 織 の コ ス ト を 考 慮 し た と し て も で す 。 し か し 、

幸 い な こ と に 、 こ れ ま で の と こ ろ 、 潜 在 的 な 利 益

は 、 少 な く と も 部 分 的 に は 、 三 極 特 許 庁 の 投 資 が

正しかったことを示しています。

審査官交換:人的リソースと特許庁の向上

主催者は、よく、「どのような利益を審査官交換

か ら 得 ら れ る の で す か 」 と 問 わ れ ま す 。 そ の 答 え

は 単 純 で は あ り ま せ ん 。 私 の 見 解 に よ れ ば 、 最 も

重 要 な 利 益 は 直 接 定 量 化 で き ま せ ん が 、 非 常 に と

ら え に く い も の も 含 む い く つ か の 側 面 に 結 び つ け

る必要があります。

最 も 明 白 な 利 点 は 、 当 然 互 い の 検 索 ツ ー ル に つ

い て の 知 識 を 得 る こ と で す 。 ど の よ う に 他 庁 の 審

査 官 が サ ー チ し て い る か 、 彼 ら が ど の デ ー タ ベ ー

ス を 使 用 す る か 、 こ れ ら の 手 段 を 共 用 す る こ と が

で き る か 、 に つ い て ( 知 る こ と ) は 審 査 官 の 日 常

生 活 に お い て 、 す ぐ に 助 け と な り 得 ま す 。 い く つ

かのツールはさらに共に開発することができます。

分類 体 系 と ロ ジ ッ ク の 比 較 、 お よ び 分 類 が 再 編

成 さ れ て い る 分 野 で の 調 和 の 可 能 性 の 調 査 は 、 将

来、効率化を達成する上で、際立って重要です。

互いの法律および手続き に精通していることは、

他 庁 に お け る 審 査 段 階 で の サ ー チ レ ポ ー ト と ア ク

シ ョ ン で の 引 用 の 理 由 お よ び 背 景 を 理 解 で き る よ

う に な る こ と を 意 味 し ま す 。 理 解 お よ び 信 頼 の 構

築 が 進 み 、 他 庁 の 審 査 官 の 結 果 お よ び 発 見 物 を 利

用 で き る か ど う か を 容 易 に 判 断 で き る よ う に な る

でしょう。

三 極 審 査 官 会 合 の 別 の 有 益 な 結 果 は 、 個 々 の 技

術 分 野 に お け る そ の 後 の 小 プ ロ ジ ェ ク ト の 設 計 、

お よ び 自 庁 の 同 じ 審 査 室 の 他 の 審 査 官 へ の 情 報 の の 間 で の 二 極 間 の 合 意 の 結 果 、 最 初 の 審 査 官 交 換

が 行 わ れ ま し た 。 焦 点 は 主 に サ ー チ に お か れ 、 互

い の ツ ー ル の 使 用 を 促 進 し 、 ツ ー ル の 共 同 開 発 の

可 能 性 を 探 求 す る た め 、 サ ー チ 方 法 と ツ ー ル を 比

較 す る こ と を 目 的 と し て い ま し た 。 可 能 な 分 野 に

おける分類調和の促進の調査も更なる目的でした。

それ以来、 J P O とE P O 間で、多くの技術分野で開

催された有益な審査官交換に、2 5 0人を越える審査

官 が 参 加 し ま し た 。 審 査 官 交 換 の 目 的 は 、 急 速 に

発 展 し て い る 、 あ る い は ( 特 許 実 務 の 観 点 か ら )

問 題 の あ る 技 術 分 野 、 例 え ば コ ン ビ ナ ト リ ア ル ・

ケ ミ ス ト リ ー 、 ビ ジ ネ ス 方 法 、 ハ イ ブ リ ッ ド 自 動

車 な ど の よ う な 分 野 に お け る 審 査 実 務 お よ び 手 続

きの比較などのようにさらに広がりをみせました。

二極から三極の交換に

それまで、 U S P T O は、審査官交換プロジェクト

へ 参 加 せ ず オ ブ ザ ー バ ー で し た 。 し か し 、 2 0 0 3年

1 1月 の 三 極 特 許 庁 会 合 に お い て 歴 史 的 な ス テ ッ プ

がありました。 U S P T O がJ P O ,E P O と一緒に三極

審 査 官 会 合 を 開 催 す る こ と に 合 意 し ま し た 。 三 極

審 査 官 会 合 は 、 三 極 特 許 庁 に よ っ て 順 番 に 主 催 さ

れます。4つの技術分野が合意され、各分野におい

てJ P O 、 U S P T O および E P O の 審 査 官 が 共 に 、 基 礎

的 な 事 項 か ら 、 実 務 的 な 事 項 と し て 三 極 特 許 庁 で

の実際の案件に基づいた日常の実務、および法律、

手続きおよびツールの比較について議論します。

U S P T Oの方針転換は多くの要因によるものです。

内 部 の 管 理 レ ベ ル で の 変 化 、 三 極 パ ー ト ナ ー に も

影 響 を 与 え る ワ ー ク ロ ー ド の 増 加 、 お よ び 先 ほ ど

の 三 極 特 許 庁 会 合 で 報 告 さ れ た 日 欧 間 で の 審 査 官

交 換 の 結 果 の 認 識 も 、 説 得 力 が あ っ た の だ と 思 い

ます。

J P O との二極間の審査官交換も継続しつつ、私た

ちはJ P Oで( 2 0 0 7年)4月に行われる、7回目の三極

審査官会合を予定しています。我々は2つのサイク

ル( U S P T O 、J P O 、E P O 主催) を終了し、3つ目のサ

イクルを開始する予定です。自動車から医療機器、

ポ リ マ ー か ら バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 関 連 発 明 、 化 粧

三  極  審  査  官  会  合 

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tokugikon

(3)

普及です。

同 様 の 困 難 の 認 識 お よ び 運 用 の 比 較 は 、 出 願 に

対 し 、 よ り ( 審 査 の ) 質 の 高 め る こ と を 目 指 す 三

極 特 許 庁 の 共 通 の 政 策 に 向 け 指 針 を 与 え る こ と が

できるという観点から有用です。

最 後 に 、 し か し 重 要 な こ と で す が 、 別 の 特 許 庁

で 同 じ ( 技 術 ) 分 野 を 担 当 す る 審 査 官 と 個 人 的 に

知 り 合 い に な る こ と に よ っ て 、 障 壁 を 取 り 除 き 、

サ ー チ レ ポ ー ト や 審 査 レ ポ ー ト の 署 名 と し て 見 か

ける名前と顔が一致するようになります。そして、

技術的側面のみならず人間関係も構築し、更には、

将 来 、 疑 問 が 日 常 の 業 務 で 生 じ た 場 合 に 、 他 の 特

許庁に少なくとも1つの連絡の窓口を持つことがで

き ま す 。 し た が っ て 、 対 話 お よ び コ ミ ュ ニ ケ ー シ

ョ ン の 改 善 は 、 そ れ 自 体 が さ ら に 交 換 の 後 に も 価

値があることが既に示されています。

さ ら に 、 審 査 官 交 換 は 、 既 に 部 分 的 に 実 施 さ れ

て い る 包 袋 閲 覧 お よ び 機 械 翻 訳 ツ ー ル の プ ロ ジ ェ

クト、また今後可能性のある非特許文献の共有や、

バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 関 連 発 明 の 互 換 性 を も つ 配 列

デ ー タ ベ ー ス の 構 築 な ど の プ ロ ジ ェ ク ト や ツ ー ル

を推進し、有用な貢献をしました。

一 方 で 、 各 特 許 庁 は 、 法 律 体 系 お よ び 実 務 の 適

切なE ラーンニングモジュールを提供することがで

きます。

結論

要 約 す る と 、 私 の 見 解 に よ れ ば 、 三 極 審 査 官 会

合 は 、 直 接 参 加 し た 審 査 官 の み な ら ず 、 特 に 知 的

財 産 の 将 来 、 技 術 の 進 展 お よ び 他 の 主 要 特 許 庁 の

速 い 発 展 と い う 課 題 に 直 面 す る 三 極 特 許 庁 の た め

に 、 全 体 と し て 将 来 的 に 非 常 に 有 益 な プ ロ ジ ェ ク

トです。

こ の 記 事 は 著 者 の 個 人 的 な 意 見 を 述 べ た も の に

過ぎません。

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tokugikon

2007.5.22. no.245

訳者

p

ro f i l e

多田 達也(ただたつや)

平成1 2年4月 特許庁入庁(応用光学配属) 平成16年4月 審査官昇任

参照

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