2015年 5 月作成
- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。-
新医薬品の「使用上の注意」の解説
ポリペプチド系抗生物質製剤
劇薬 処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)
注射用コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム
【警 告】
本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「効能・効果に関連する使用上の注意」及び「用法・用量に 関連する使用上の注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
【禁 忌】 (次の患者には投与しないこと)
B市販直後調査
平成27年5月~平成27年11月
コリスチンはサイクリックポリペプチド系の抗菌薬であり、福島県伊達郡の土壌中の 有芽細胞菌から分離精製された新規の抗生物質として、1950年に小山らにより報告され ました。コリスチンは、当初硫酸塩および塩酸塩として開発されましたが、低毒性の誘 導体が検索された結果、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム(CMS-Na)が開発され ました。その後 1960年代から1970年代にかけてグラム陰性桿菌由来の感染症の治療に 用いられましたが、腎機能障害や神経毒性の頻度が高いこと、β-ラクタム系やアミノグ リコシド系など安全性が高く有効な抗菌薬が新たに開発されたことにより、CMS-Na 注 射剤は国内市場から姿を消し、経口剤及び外用剤のみが市販されています。
近年、既存の薬剤では効果が期待できない多剤耐性緑膿菌(MDRP: Multi-drug resistant
Pseudomonas aeruginosa)、多剤耐性アシネトバクター属など多剤耐性グラム陰性桿菌に
よる感染症が出現したことにより、CMS-Na 注射剤が治療薬として見直され、既存の薬 剤では効果が期待できない感染症に対する最終救済薬になるとの評価が得られています。
海外の標準的な教科書やガイドラインには、グラム陰性桿菌、とくに多剤耐性緑膿菌 感染症及び多剤耐性アシネトバクターバウマニ感染症の治療に際し、CMS-Na 注射剤を 用いた治療が推奨されています。また、国内においても呼吸器感染症に関するガイドラ イン・成人院内肺炎診療ガイドライン及び抗菌薬使用のガイドラインに、本邦未承認で あったCMS-Na注射剤が紹介されていました。
このような状況の中、2009 年 6~8 月に「医療上の必要性が高い未承認の医薬品又は 適 応 の 開 発 の 要 望 に 関 す る 意 見 募 集 」 が 実 施 さ れ 、 社 団 法 人 日 本 化 学 療 法 学 会 か ら CMS-Na 注射剤を多剤耐性グラム陰性桿菌による各種感染症を効能・効果として開発す べき薬剤であるとの要望が提出されました。当該要望の内容は第 3回「医療上の必要性 の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(2010年 4 月 27日開催)においても支持され、 2010年5月に開発企業を募集する医薬品の1つとして公表されました。グラクソ・スミ スクライン株式会社は、厚生労働省に対して開発意思の申し出を行い、日本人健康成人 男性を対象とした第Ⅰ相試験を実施後、「コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター 属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属(ただし、他 の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る)による各種感染症」を効能・効果として、2015 年 3月に承認を取得しました。
なお、本剤は希少疾病用医薬品として、2010年11月10日付けで指定を受けています。 本冊子では、本剤のご使用に際しての注意事項を各項ごとに解説いたしました。本剤 の適正使用の一助としてください。
効能・効果、効能・効果に関連する使用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 用法・用量、用法・用量に関連する使用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 警告、禁忌 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 使用上の注意
慎重投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 重要な基本的注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 相互作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 重大な副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ その他の副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高齢者への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小児等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 過量投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考文献・参考資料、国内外の診療ガイドライン及び成書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はじめに
コリスチンはサイクリックポリペプチド系の抗菌薬であり、福島県伊達郡の土壌中の 有芽細胞菌から分離精製された新規の抗生物質として、 年に小山らにより報告され ました。コリスチンは、当初硫酸塩および塩酸塩として開発されましたが、低毒性の誘 導体が検索された結果、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム( )が開発され ました。その後 年代から 年代にかけてグラム陰性桿菌由来の感染症の治療に 用いられましたが、腎機能障害や神経毒性の頻度が高いこと、β ラクタム系やアミノグ リコシド系など安全性が高く有効な抗菌薬が新たに開発されたことにより、 注 射剤は国内市場から姿を消し、経口剤及び外用剤のみが市販されています。
近年、既存の薬剤では効果が期待できない多剤耐性緑膿菌(
)、多剤耐性アシネトバクター属など多剤耐性グラム陰性桿菌に よる感染症が出現したことにより、 注射剤が治療薬として見直され、既存の薬 剤では効果が期待できない感染症に対する最終救済薬になるとの評価が得られています。
海外の標準的な教科書やガイドラインには、グラム陰性桿菌、とくに多剤耐性緑膿菌 感染症及び多剤耐性アシネトバクターバウマニ感染症の治療に際し、 注射剤を 用いた治療が推奨されています。また、国内においても呼吸器感染症に関するガイドラ イン・成人院内肺炎診療ガイドライン及び抗菌薬使用のガイドラインに、本邦未承認で あった 注射剤が紹介されていました。
このような状況の中、 年 ~ 月に「医療上の必要性が高い未承認の医薬品又は 適 応 の 開 発 の 要 望 に 関 す る 意 見 募 集 」 が 実 施 さ れ 、 社 団 法 人 日 本 化 学 療 法 学 会 か ら 注射剤を多剤耐性グラム陰性桿菌による各種感染症を効能・効果として開発す べき薬剤であるとの要望が提出されました。当該要望の内容は第 回「医療上の必要性 の高い未承認薬・適応外薬検討会議」( 年 月 日開催)においても支持され、 年 月に開発企業を募集する医薬品の つとして公表されました。グラクソ・スミ スクライン株式会社は、厚生労働省に対して開発意思の申し出を行い、日本人健康成人 男性を対象とした第Ⅰ相試験を実施後、「コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター 属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属(ただし、他 の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る)による各種感染症」を効能・効果として、 年
月に承認を取得しました。
なお、本剤は希少疾病用医薬品として、 年 月 日付けで指定を受けています。 本冊子では、本剤のご使用に際しての注意事項を各項ごとに解説いたしました。本剤
目 次
効能・効果、効能・効果に関連する使用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 用法・用量、用法・用量に関連する使用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 警告、禁忌 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 使用上の注意
1. 慎重投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2. 重要な基本的注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 3. 相互作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 4. 副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 (1) 重大な副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 (2) その他の副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 5. 高齢者への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 7. 小児等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 8. 過量投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 9. 適用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 参考文献・参考資料、国内外の診療ガイドライン及び成書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
1
【効能・効果】
<適応菌種>
コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、 緑膿菌、アシネトバクター属
ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る
<適応症> 各種感染症
効能・効果に関連する使用上の注意
1. β-ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系の3系統の抗菌薬に耐性を 示す感染症の場合にのみ本剤を使用すること。
2. 原則としてコリスチン及び上記3系統の抗菌薬に対する感受性を確認した上で本剤 を使用すること。
3. 本剤はグラム陽性菌、ブルセラ属、バークホルデリア属、ナイセリア属、プロテウス 属、セラチア属、プロビデンシア属及び嫌気性菌に対しては抗菌活性を示さないため、 これらの菌種との重複感染が明らかである場合、これらの菌種に抗菌作用を有する抗 菌薬と併用すること。
⇒ 効能・効果
本剤の臨床的位置付けは、他の抗菌薬で効果が得られないグラム陰性桿菌による感染症に 対する最終的な選択肢となる薬剤です。
効能・効果は、国内外の診療ガイドライン及び成書、公表文献等を参考に設定しました。 適応菌種に関しては、本剤の臨床的位置付けと異なる臨床使用を避けるため、「ただし、他 の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る」と設定しました。また適応症に関しては、本剤の臨床 的位置付けから、対象となる疾患を限定することなく、いかなる感染症に対しても投与可能 となるように、「各種感染症」と設定しました。
⇒ 効能・効果に関連する使用上の注意
本剤の適応菌種における耐性の規定に関し、投与対象をより明確にするために設定しまし た。
⇒ 効能・効果に関連する使用上の注意
本剤の臨床的位置付けと異なる臨床使用を避けるため、感受性を確認した上で本剤を使用 することを原則としました。
⇒ 効能・効果に関連する使用上の注意
本剤が抗菌活性を示さない菌種について具体的に列挙し、重複感染が明らかである場合は、 これらの菌種に抗菌作用を有する抗菌薬と併用するよう注意喚起が必要なことから設定しま した。
【効能・効果】
<適応菌種>
コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、 緑膿菌、アシネトバクター属
ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る
<適応症> 各種感染症
効能・効果に関連する使用上の注意
β ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系の 系統の抗菌薬に耐性を 示す感染症の場合にのみ本剤を使用すること。
原則としてコリスチン及び上記 系統の抗菌薬に対する感受性を確認した上で本剤 を使用すること。
本剤はグラム陽性菌、ブルセラ属、バークホルデリア属、ナイセリア属、プロテウス 属、セラチア属、プロビデンシア属及び嫌気性菌に対しては抗菌活性を示さないため、 これらの菌種との重複感染が明らかである場合、これらの菌種に抗菌作用を有する抗 菌薬と併用すること。
解 説
⇒ 効能・効果
本剤の臨床的位置付けは、他の抗菌薬で効果が得られないグラム陰性桿菌による感染症に 対する最終的な選択肢となる薬剤です。
効能・効果は、国内外の診療ガイドライン及び成書、公表文献等を参考に設定しました。 適応菌種に関しては、本剤の臨床的位置付けと異なる臨床使用を避けるため、「ただし、他 の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る」と設定しました。また適応症に関しては、本剤の臨床 的位置付けから、対象となる疾患を限定することなく、いかなる感染症に対しても投与可能 となるように、「各種感染症」と設定しました。
⇒ 効能・効果に関連する使用上の注意 1.
本剤の適応菌種における耐性の規定に関し、投与対象をより明確にするために設定しまし た。
⇒ 効能・効果に関連する使用上の注意 2.
本剤の臨床的位置付けと異なる臨床使用を避けるため、感受性を確認した上で本剤を使用 することを原則としました。
⇒ 効能・効果に関連する使用上の注意3.
本剤が抗菌活性を示さない菌種について具体的に列挙し、重複感染が明らかである場合は、 これらの菌種に抗菌作用を有する抗菌薬と併用するよう注意喚起が必要なことから設定しま した。
3
【用法・用量】
通常、成人には、コリスチンとして1回1.25~2.5 mg(力価)/kgを1日2回、30分以上 かけて点滴静注する。
用法・用量に関連する使用上の注意
1. 本剤の使用は、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行う こと。
2. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、感染部位、重症度、患者の症 状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必 要な最小限の期間の投与にとどめること。
3. 高齢者あるいは腎機能障害患者に本剤を投与する場合は、腎機能に十分注意し、患者 の状態を観察しながら、下表を目安として用法・用量の調節を考慮すること。(「慎重 投与」、「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)
<参考:腎機能に対応する用法・用量の目安> クレアチニンクリアラン
ス (mL/min) 用法・用量
≥ 80 1回1.25~2.5 mg(力価)/kgを1日2回投与 50~79 1回1.25~1.9 mg(力価)/kgを1日2回投与
30~49 1回1.25mg(力価)/kgを1日2回又は1回2.5mg(力 価)/kgを1日1回投与
10~29 1回1.5mg(力価)/kgを36時間ごとに投与
⇒ 用法・用量
本剤の用法・用量は、日本人健康成人と外国人健康成人において、本剤の薬物動態に明ら かな差異は認められていないこと、及び外国人健康成人と外国人患者において、本剤の薬物 動態には特段の差異は認められなかったこと、並びにコリスチンに対する感受性に国内外で 明らかな耐性化は認められていないことから、海外の承認用法・用量と同様の用法・用量を 設定しました。
⇒ 用法・用量に関連する使用上の注意
本剤の使用に際しては、医師の知識・経験に基づく医学的な判断が重要になることから、 設定しました。
⇒ 用法・用量に関連する使用上の注意
本 剤 に 対 す る 耐 性 菌 の 発 現 等 を 防 ぐ た め に は 、 投 与 継 続 の 必 要 性 の 適 切 な 判 断 を 行 い 、 疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが重要であることから設定しました。
⇒ 用法・用量に関連する使用上の注意
本剤は主として腎臓から排泄されるため、特に、腎機能低下患者での血漿中コリスチン濃 度は腎機能正常者よりも上昇する可能性があります。高齢者あるいは腎機能障害患者に本剤 を投与する際には、用法・用量を調節する必要があると考えられるため、患者の腎機能に応 じた本剤の用法・用量の目安を設定しました。
(本剤の添付文書【薬物動態】の項より抜粋)
.腎機能障害患者における薬物動態
多剤耐性グラム陰性桿菌による外国人重症感染症患者 例で が 未 満の患者 例にコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムの約 ~ 日を ~ 時間 ごとに静脈内投与したときのコリスチンメタンスルホン酸の (中央値)は 時間であり、 コリスチンの (中央値)は 時間であった。 が ~ の患者 例で のコリスチンメタンスルホン酸の (中央値)は 時間、コリスチンの (中央値)は
時間であった。 が 超の患者 例でのコリスチンメタンスルホン酸の
(中央値)は 時間、コリスチンの (中央値)は 時間であった。
【用法・用量】
通常、成人には、コリスチンとして 回 ~ (力価) を 日 回、 分以上 かけて点滴静注する。
用法・用量に関連する使用上の注意
本剤の使用は、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行う こと。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、感染部位、重症度、患者の症 状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必 要な最小限の期間の投与にとどめること。
高齢者あるいは腎機能障害患者に本剤を投与する場合は、腎機能に十分注意し、患者 の状態を観察しながら、下表を目安として用法・用量の調節を考慮すること。(「慎重 投与」、「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)
<参考:腎機能に対応する用法・用量の目安> クレアチニンクリアラン
ス
用法・用量
≥ 回 ~ (力価) を 日 回投与
~ 回 ~ (力価) を 日 回投与
~ 回 (力価) を 日 回又は 回 (力
価) を 日 回投与
~ 回 (力価) を 時間ごとに投与
解 説
⇒ 用法・用量
本剤の用法・用量は、日本人健康成人と外国人健康成人において、本剤の薬物動態に明ら かな差異は認められていないこと、及び外国人健康成人と外国人患者において、本剤の薬物 動態には特段の差異は認められなかったこと、並びにコリスチンに対する感受性に国内外で 明らかな耐性化は認められていないことから、海外の承認用法・用量と同様の用法・用量を 設定しました。
⇒ 用法・用量に関連する使用上の注意 1.
本剤の使用に際しては、医師の知識・経験に基づく医学的な判断が重要になることから、 設定しました。
⇒ 用法・用量に関連する使用上の注意 2.
本 剤 に 対 す る 耐 性 菌 の 発 現 等 を 防 ぐ た め に は 、 投 与 継 続 の 必 要 性 の 適 切 な 判 断 を 行 い 、 疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが重要であることから設定しました。
⇒ 用法・用量に関連する使用上の注意 3.
本剤は主として腎臓から排泄されるため、特に、腎機能低下患者での血漿中コリスチン濃 度は腎機能正常者よりも上昇する可能性があります。高齢者あるいは腎機能障害患者に本剤 を投与する際には、用法・用量を調節する必要があると考えられるため、患者の腎機能に応 じた本剤の用法・用量の目安を設定しました。
(本剤の添付文書【薬物動態】の項より抜粋) 5.腎機能障害患者における薬物動態
多剤耐性グラム陰性桿菌による外国人重症感染症患者105例でCLcrが10mL/min/1.73m2未 満の患者20例にコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムの約200~1093mg/日を8~24時間 ごとに静脈内投与したときのコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は11時間であり、 コリスチンのt1/2(中央値)は13時間であった。CLcrが11~69mL/min/1.73m2の患者62例で のコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は5.6時間、コリスチンのt1/2(中央値)は 13時間であった。CLcrが70mL/min/1.73m2超の患者19例でのコリスチンメタンスルホン酸の t1/2(中央値)は4.6時間、コリスチンのt1/2(中央値)は9.1時間であった。
5
【警 告】
本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「効能・効果に関連する使用上の注意」及び「用法・ 用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
【禁 忌】 (次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又はポリミキシンBに対し過敏症の既往歴のある患者
⇒ 警告
本剤の臨床的位置付けと異なる臨床使用を避けるために設定しました。
⇒ 禁忌
医薬品全般に対する一般的な注意事項です。
本剤の成分又はポリミキシン に対して過敏症の既往歴のある患者では、本剤の投与によ り、更に重篤な過敏症状を発現するおそれがあります。
本剤の投与に際しては問診等を行い、本剤の成分又はポリミキシン に対して過敏症の既 往歴のある場合には、本剤を投与しないでください。
本剤には、1バイアル中、有効成分として次の成分が含まれています。
(本剤の添付文書【組成・性状】の項より抜粋)
販売名 オルドレブ点滴静注用
バイアル中のコリスチンメタンスルホン 酸ナトリウム含量
コリスチン(別名:ポリミキシン )として
*
(力価)
添加物 なし
*
:調製時の損失を考慮に入れ、 バイアルから (力価)( 万国際単位( )に 相当)を投与可能な量として確保するため過量充てんされている。
【警 告】
本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「効能・効果に関連する使用上の注意」及び「用法・ 用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
【禁 忌】 (次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又はポリミキシン に対し過敏症の既往歴のある患者
解 説
⇒ 警告
本剤の臨床的位置付けと異なる臨床使用を避けるために設定しました。
⇒ 禁忌
医薬品全般に対する一般的な注意事項です。
本剤の成分又はポリミキシンBに対して過敏症の既往歴のある患者では、本剤の投与によ り、更に重篤な過敏症状を発現するおそれがあります。
本剤の投与に際しては問診等を行い、本剤の成分又はポリミキシンBに対して過敏症の既 往歴のある場合には、本剤を投与しないでください。
本剤には、1バイアル中、有効成分として次の成分が含まれています。
(本剤の添付文書【組成・性状】の項より抜粋)
販売名 オルドレブ点滴静注用150 mg 1バイアル中のコリスチンメタンスルホン
酸ナトリウム含量
コリスチン(別名:ポリミキシンE)として 172.5mg*(力価)
添加物 なし
*
:調製時の損失を考慮に入れ、1バイアルから150mg(力価)(450万国際単位(IU)に 相当)を投与可能な量として確保するため過量充てんされている。
7
【使用上の注意】
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 腎機能障害のある患者[本剤は主に腎排泄されるため高い血中濃度が持続するおそれ がある。](「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参 照)
(2) 重症筋無力症の患者[本剤の神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがある。] (3) 高齢者[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「高齢者への投与」の項参照]
⇒ 慎重投与
本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎機能障害のある患者では排泄遅延により高い 血中濃度が持続するおそれがあることから設定しました。腎機能障害のある患者に投与する 場合には、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
腎機能に応じた用法・用量の目安については、「用法・用量に関連する使用上の注意」を ご参照ください。
⇒ 慎重投与
本剤はシナプス前神経筋接合部からのアセチルコリン放出量を減少させることが知られ ています。重症筋無力症の患者では、この神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがあ ることから設定しました。
⇒ 慎重投与
高齢者では腎機能が低下していることが多いため、腎機能障害のある患者と同様の注意喚 起が必要なことから設定しました。
なお、製造販売後に、腎機能障害を伴う患者における安全性及び有効性について、情報収 集を行うこととしております。
【使用上の注意】
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
腎機能障害のある患者[本剤は主に腎排泄されるため高い血中濃度が持続するおそれ がある。](「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参 照)
重症筋無力症の患者[本剤の神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがある。] 高齢者[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「高齢者への投与」の項参照]
⇒ 慎重投与 (1)
本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎機能障害のある患者では排泄遅延により高い 血中濃度が持続するおそれがあることから設定しました。腎機能障害のある患者に投与する 場合には、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
腎機能に応じた用法・用量の目安については、「用法・用量に関連する使用上の注意」を ご参照ください。
⇒ 慎重投与 (2)
本剤はシナプス前神経筋接合部からのアセチルコリン放出量を減少させることが知られ ています。重症筋無力症の患者では、この神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがあ ることから設定しました。
⇒ 慎重投与 (3)
高齢者では腎機能が低下していることが多いため、腎機能障害のある患者と同様の注意喚 起が必要なことから設定しました。
なお、製造販売後に、腎機能障害を伴う患者における安全性及び有効性について、情報収 集を行うこととしております。
解 説
9
【使用上の注意】
2. 重要な基本的注意
(1) 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、 次の措置をとること。
1) 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギ ー歴は必ず確認すること。
2) 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。 3) 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。
特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
(2) 本薬の投与により腎機能障害が発現し、腎不全に至ったとの報告があるので、投与開 始にあたっては、腎機能を評価し、投与期間中は3日ごとを目安に腎機能のモニタリ ングを行うこと。腎機能に異常が認められた場合には、本剤を減量又は中止するなど 適切な処置を行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重 大な副作用」の項参照)
⇒ 重要な基本的注意
抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン( 年版)を参考に記載し ました 。
⇒ 重要な基本的注意
海外で本薬(コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤)の投与により腎機能障害が 発現し腎不全に至ったとの報告があり 、注意喚起が必要なことから記載しました。
本剤はクレアチニンクリアランスを参考に投与量を減量することで、腎機能障害の発現リ スクを低下することが可能であることが知られています。腎機能障害を早期に発見するため に、本剤の投与開始時に腎機能を評価するとともに、投与期間中は 日ごとを目安に腎機能 のモニタリングを行ってください。また、腎機能に異常が認められた場合には、本剤を減量 又は中止するなど適切な処置を行ってください。
腎機能に応じた用法・用量の目安については、「用法・用量に関連する使用上の注意」を ご参照ください。
なお、製造販売後に、本剤の使用により発現した腎機能障害について、情報収集を行うこ ととしております。
【使用上の注意】
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、 次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギ ー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。
特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
本薬の投与により腎機能障害が発現し、腎不全に至ったとの報告があるので、投与開 始にあたっては、腎機能を評価し、投与期間中は 日ごとを目安に腎機能のモニタリ ングを行うこと。腎機能に異常が認められた場合には、本剤を減量又は中止するなど 適切な処置を行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重 大な副作用」の項参照)
⇒ 重要な基本的注意 (1)
抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン(2004年版)を参考に記載し ました1)。
⇒ 重要な基本的注意 (2)
海外で本薬(コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤)の投与により腎機能障害が 発現し腎不全に至ったとの報告があり2)、注意喚起が必要なことから記載しました。
本剤はクレアチニンクリアランスを参考に投与量を減量することで、腎機能障害の発現リ スクを低下することが可能であることが知られています。腎機能障害を早期に発見するため に、本剤の投与開始時に腎機能を評価するとともに、投与期間中は3日ごとを目安に腎機能 のモニタリングを行ってください。また、腎機能に異常が認められた場合には、本剤を減量 又は中止するなど適切な処置を行ってください。
腎機能に応じた用法・用量の目安については、「用法・用量に関連する使用上の注意」を ご参照ください。
なお、製造販売後に、本剤の使用により発現した腎機能障害について、情報収集を行うこ ととしております。
解 説
11
【使用上の注意】
3. 相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
筋弛緩剤 ツボクラリン スキサメトニウム ボツリヌス毒素製剤 筋弛緩作用を有する薬剤
ア ミ ノ グ リ コ シ ド 系 抗 生 物 質(ゲンタマイシン、アミカ シン、トブラマイシン等) ポリミキシンB
エーテル
神経系障害を発現するリ スクが高まるおそれがあ るため、患者の状態を十 分に観察するなど注意す ること。
いずれの薬剤も神経筋遮 断作用を有しており、併 用によりその作用が増強 されるおそれがある。
バンコマイシン
アミノグリコシド系抗生物質 等
腎機能障害があらわれるこ と が あ る の で 、 併 用 の 必 要 性 に つ い て は 十 分 に 検 討 すること。
い ず れ の 薬 剤 も 腎 機 能 障害を悪化させる作用を 有しており、 併 用により その作用が増強するおそ れがある。
⇒ 相互作用(併用注意:筋弛緩剤、筋弛緩作用を有する薬剤)
本剤は神経筋遮断作用を有しており、他の神経筋遮断作用を有する薬剤との併用により神 経系障害を発現するリスクが高まる可能性が考えられます。これらの薬剤と併用する場合は、 患者の状態を十分に観察するなど注意してください。
⇒ 相互作用(併用注意:バンコマイシン、アミノグリコシド系抗生物質 等)
本剤は腎機能障害を悪化させる作用を有しており、他の腎機能障害を悪化させる薬剤との 併用によりその作用が増強する可能性が考えられます。これらの薬剤との併用は、その必要 性について十分検討してください。
なお、製造販売後に、他の抗菌薬との併用時の安全性及び有効性について、情報収集を行 うこととしております。
【使用上の注意】
相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
筋弛緩剤
ツボクラリン スキサメトニウム ボツリヌス毒素製剤 筋弛緩作用を有する薬剤
ア ミ ノ グ リ コ シ ド 系 抗 生 物 質(ゲンタマイシン、アミカ シン、トブラマイシン等) ポリミキシン
エーテル
神経系障害を発現するリ スクが高まるおそれがあ るため、患者の状態を十 分に観察するなど注意す ること。
いずれの薬剤も神経筋遮 断作用を有しており、併 用によりその作用が増強 されるおそれがある。
バンコマイシン
アミノグリコシド系抗生物質 等
腎機能障害があらわれるこ と が あ る の で 、 併 用 の 必 要 性 に つ い て は 十 分 に 検 討 すること。
い ず れ の 薬 剤 も 腎 機 能 障害を悪化させる作用を 有しており、 併 用により その作用が増強するおそ れがある。
⇒ 相互作用(併用注意:筋弛緩剤、筋弛緩作用を有する薬剤)
本剤は神経筋遮断作用を有しており、他の神経筋遮断作用を有する薬剤との併用により神 経系障害を発現するリスクが高まる可能性が考えられます。これらの薬剤と併用する場合は、 患者の状態を十分に観察するなど注意してください。
⇒ 相互作用(併用注意:バンコマイシン、アミノグリコシド系抗生物質 等) 本剤は腎機能障害を悪化させる作用を有しており、他の腎機能障害を悪化させる薬剤との 併用によりその作用が増強する可能性が考えられます。これらの薬剤との併用は、その必要 性について十分検討してください。
なお、製造販売後に、他の抗菌薬との併用時の安全性及び有効性について、情報収集を行 うこととしております。
解 説
13
【使用上の注意】
4. 副作用
多剤耐性グラム陰性桿菌患者を対象とした6 つの海外臨床試験において、主な有害事象
(本薬との関連性の有無にかかわらず発現した事象)として腎機能障害、神経系障害が 認められた。6試験を合算した各事象の発現割合は腎機能障害21%(53/248例)、神経系 障害2%(6/276例)であった。
(1) 重大な副作用
1) 腎不全、腎機能障害(頻度不明
注1)
):腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれる ことがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場 合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2) 呼吸窮迫、無呼吸(頻度不明
注1)
):神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわ れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、 適切な処置を行うこと。
3) 偽膜性大腸炎(頻度不明
注1)
):偽膜性大腸炎があらわれることがあるので、観察を 十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこ と。
⇒ 副作用
⇒ 重大な副作用、その他の副作用
⇒ 重大な副作用
本剤の投与により、腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれるおそれがあります。腎機能 障害を早期に発見するために、本剤の投与開始時に腎機能を評価するとともに、投与期間中 は 日ごとを目安に腎機能のモニタリングを行うなど観察を十分に行ってください。また、 異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。(重篤副作用疾患 別対応マニュアル「急性腎不全」(厚生労働省)もあわせてご参照ください 。)
⇒ 重大な副作用
本剤の投与により、神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわれるおそれがあります。 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
⇒ 重大な副作用
本薬(コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤)における海外臨床試験のうち、 用法・用量が本邦の承認内容に近い 試験を合算し、本剤の重要な特定されたリスクである 腎機能障害及び神経系障害の発現割合を記載しました 。なお、本剤は国内第 相臨床 試験を除いて臨床試験を実施していません。
海外におけるコリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤及び国内類薬の情報を基に設 定しました 。 本剤は国内第 相臨床試験を除き、副作用発現頻度が明確となる試験を 実施していないため、頻度は不明としました。
~
~
偽膜性大腸炎は、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤を含むほぼすべての抗菌 剤で報告されており、重症度は軽度の下痢から致死的な大腸炎までと多様です。観察を十分 に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。(重篤副 作用疾患別対応マニュアル「偽膜性大腸炎」(厚生労働省)もあわせてご参照ください 。)
【使用上の注意】
副作用
多剤耐性グラム陰性桿菌患者を対象とした つの海外臨床試験において、主な有害事象
(本薬との関連性の有無にかかわらず発現した事象)として腎機能障害、神経系障害が 認められた。 試験を合算した各事象の発現割合は腎機能障害 ( 例)、神経系 障害 ( 例)であった。
重大な副作用
腎不全、腎機能障害(頻度不明
注 )
):腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれる ことがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場 合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸窮迫、無呼吸(頻度不明
注 )
):神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわ れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、 適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎(頻度不明
注 )
):偽膜性大腸炎があらわれることがあるので、観察を 十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこ と。
解 説
⇒ 副作用
⇒ 重大な副作用、その他の副作用
⇒ 重大な副作用1)
本剤の投与により、腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれるおそれがあります。腎機能 障害を早期に発見するために、本剤の投与開始時に腎機能を評価するとともに、投与期間中 は3日ごとを目安に腎機能のモニタリングを行うなど観察を十分に行ってください。また、 異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。(重篤副作用疾患 別対応マニュアル「急性腎不全」(厚生労働省)もあわせてご参照ください12)。)
⇒ 重大な副作用2)
本剤の投与により、神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわれるおそれがあります。 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
⇒ 重大な副作用 3)
本薬(コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤)における海外臨床試験のうち、 用法・用量が本邦の承認内容に近い6試験を合算し、本剤の重要な特定されたリスクである 腎機能障害及び神経系障害の発現割合を記載しました 。なお、本剤は国内第 I相臨床 試験を除いて臨床試験を実施していません。
海外におけるコリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤及び国内類薬の情報を基に設 定しました 。 本剤は国内第 I相臨床試験を除き、副作用発現頻度が明確となる試験を 実施していないため、頻度は不明としました。
9)~11)
3)~8)
偽膜性大腸炎は、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム注射剤を含むほぼすべての抗菌 剤で報告されており、重症度は軽度の下痢から致死的な大腸炎までと多様です。観察を十分 に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。(重篤副 作用疾患別対応マニュアル「偽膜性大腸炎」(厚生労働省)もあわせてご参照ください 。13) )
15
【使用上の注意】
4. 副作用(2) その他の副作用
頻度不明
注1)
腎臓 尿量減少
精神神経系
錯乱、精神病性障害、運動失調、不明瞭発語、錯感覚、頭痛、浮 動性めまい
耳 回転性めまい 眼 視覚障害 筋骨格系 筋力低下
消化器 悪心、嘔吐、下痢
皮膚 瘙痒症、全身性瘙痒症、蕁麻疹、発疹 全身症状 過敏症反応(皮疹、血管浮腫)
注2)
、発熱 投与部位 注射部位反応、注射部位刺激感
注1)患者を対象とした国内臨床試験を実施していない。 注2)このような場合には投与を中止すること。
⇒ 副作用
以下に、国内第 相臨床試験において認められた本剤との因果関係がある有害事象(副作用) の一覧をお示しします。
<国内第Ⅰ相臨床試験において認められた副作用一覧>
投与群 プラセボ 本剤
単回投与 反復投与 単回投与 反復投与
被験者数
因果関係がある全有害事象発 現例数
有害事象発現例数 有害事象発現件数
有害事象項目 発現例数
神経系障害 浮動性めまい 頭痛
体位性めまい 胃腸障害
口の錯感覚 下痢 嘔吐
全身障害および投与局所様態 歩行障害
呼吸器、胸郭および縦隔障害 口腔咽頭痛
にて集計
【使用上の注意】
副作用その他の副作用
頻度不明
注 )
腎臓 尿量減少
精神神経系
錯乱、精神病性障害、運動失調、不明瞭発語、錯感覚、頭痛、浮 動性めまい
耳 回転性めまい
眼 視覚障害
筋骨格系 筋力低下
消化器 悪心、嘔吐、下痢
皮膚 瘙痒症、全身性瘙痒症、蕁麻疹、発疹 全身症状 過敏症反応(皮疹、血管浮腫)
注 )
、発熱 投与部位 注射部位反応、注射部位刺激感
注 )患者を対象とした国内臨床試験を実施していない。 注 )このような場合には投与を中止すること。
解 説
⇒ 副作用
以下に、国内第I相臨床試験において認められた本剤との因果関係がある有害事象(副作用) の一覧をお示しします。
<国内第Ⅰ相臨床試験において認められた副作用一覧>
投与群 プラセボ 本剤
単回投与 反復投与 単回投与 反復投与
被験者数 7 6 15 14
因果関係がある全有害事象発 現例数 (%)
0 (0) 3 (50) 1 (7) 7 (50)
有害事象発現例数 0 3 1 7
有害事象発現件数 0 6 1 11
有害事象項目 発現例数 (%)
神経系障害
浮動性めまい 0 (0) 2 (33) 0 (0) 5 (36) 頭痛 0 (0) 1 (17) 0 (0) 1 (7) 体位性めまい 0 (0) 1 (17) 0 (0) 0 (0) 胃腸障害
口の錯感覚 0 (0) 1 (17) 0 (0) 3 (21)
下痢 0 (0) 0 (0) 0 (0) 1 (7)
嘔吐 0 (0) 0 (0) 0 (0) 1 (7)
全身障害および投与局所様態
歩行障害 0 (0) 0 (0) 1 (7) 0 (0) 呼吸器、胸郭および縦隔障害
口腔咽頭痛 0 (0) 1 (17) 0 (0) 0 (0) MedDRA/J Ver 16.1にて集計
17
【使用上の注意】
5.高齢者への投与
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いた め、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判 断される場合にのみ投与すること。[コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過 することが報告されている。]
(2) 授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[コリスチンメタンスルホン 酸はヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内にお ける使用経験がない)。
⇒ 高齢者への投与
高齢者では腎機能が低下していることが多いため、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察 しながら慎重に投与してください。
腎機能に応じた用法・用量の目安については、「用法・用量に関連する使用上の注意」をご 参照ください。
⇒ 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過することが報告されています 。妊婦又は 妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にの み投与してください。
⇒ 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
コリスチンメタンスルホン酸はヒト母乳中へ移行することが報告されています 。授乳中 の患者には本剤投与中は授乳を避けるよう指導してください。
⇒ 小児等への投与
小児を対象とした国内臨床試験は実施しておらず、安全性が確立されていません。
【使用上の注意】
高齢者への投与
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いた め、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判 断される場合にのみ投与すること。[コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過 することが報告されている。]
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[コリスチンメタンスルホン 酸はヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内にお ける使用経験がない)。
解 説
⇒ 高齢者への投与
高齢者では腎機能が低下していることが多いため、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察 しながら慎重に投与してください。
腎機能に応じた用法・用量の目安については、「用法・用量に関連する使用上の注意」をご 参照ください。
⇒ 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)
コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過することが報告されています14)。妊婦又は 妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にの み投与してください。
⇒ 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (2)
コリスチンメタンスルホン酸はヒト母乳中へ移行することが報告されています15)。授乳中 の患者には本剤投与中は授乳を避けるよう指導してください。
⇒ 小児等への投与
小児を対象とした国内臨床試験は実施しておらず、安全性が確立されていません。
19
【使用上の注意】
8.過量投与徴候・症状:本剤の過量投与により神経筋接合部が遮断され、筋力低下、無呼吸、場合に よっては呼吸停止が引き起こされる可能性がある。また、尿量減少、血清BUN 及びクレ アチニン濃度の上昇を特徴とする急性腎不全が引き起こされる可能性もある。
処置:本剤の過量投与が疑われた場合は、投与を中止するなど、適切な対症療法を行うこ と。本剤を除去する処置(マンニトールによる浸透圧利尿の誘発、腹膜透析、長時間血液 透析等)の有用性は不明である。
9.適用上の注意
(1) 調製方法:本剤1 バイアルに注射用水又は生理食塩液2mL を加え、泡立たないよう に穏やかに溶解し溶解液とする(溶解液の濃度は75mg(力価)/mL である)。この溶 解液を生理食塩液等で希釈し、通常50mL の点滴静注用液とする。
(2) 調製後:調製後の溶解液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とす る場合でも、冷蔵庫(2~8℃)に保存し24 時間以内に使用すること。希釈した点滴 静注用液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
(3) 本剤を他の薬剤と配合しないこと。
⇒ 過量投与(徴候・症状)
本剤は神経筋遮断作用を有しており、過量投与により筋力低下、無呼吸、場合によっては呼 吸停止が引き起こされる可能性があります。また、本剤は腎機能障害を悪化させる作用も有し ており、過量投与により急性腎不全が引き起こされる可能性もあります。
⇒ 過量投与(処置)
本剤の過量投与に対する具体的な処置の方法は明らかではありません。本剤の過量投与が疑 われた場合は、投与を中止するなど、適切な対症療法を行ってください。(重篤副作用疾患別 対応マニュアル「急性腎不全」(厚生労働省)もあわせてご参照ください 。)
⇒ 適用上の注意 、( )
本手順に従い調製し、使用してください。
⇒ 適用上の注意
他の薬剤と混合した場合の安定性は確認しておりませんので、本剤の点滴静注に際しては、 他剤を希釈液中に混合したり、同時に投与したりしないでください。
【使用上の注意】
過量投与徴候・症状:本剤の過量投与により神経筋接合部が遮断され、筋力低下、無呼吸、場合に よっては呼吸停止が引き起こされる可能性がある。また、尿量減少、血清 及びクレ アチニン濃度の上昇を特徴とする急性腎不全が引き起こされる可能性もある。
処置:本剤の過量投与が疑われた場合は、投与を中止するなど、適切な対症療法を行うこ と。本剤を除去する処置(マンニトールによる浸透圧利尿の誘発、腹膜透析、長時間血液 透析等)の有用性は不明である。
適用上の注意
調製方法:本剤 バイアルに注射用水又は生理食塩液 を加え、泡立たないよう に穏やかに溶解し溶解液とする(溶解液の濃度は (力価) である)。この溶 解液を生理食塩液等で希釈し、通常 の点滴静注用液とする。
調製後:調製後の溶解液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とす る場合でも、冷蔵庫( ~ ℃)に保存し 時間以内に使用すること。希釈した点滴 静注用液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
本剤を他の薬剤と配合しないこと。
⇒ 過量投与(徴候・症状)
本剤は神経筋遮断作用を有しており、過量投与により筋力低下、無呼吸、場合によっては呼 吸停止が引き起こされる可能性があります。また、本剤は腎機能障害を悪化させる作用も有し ており、過量投与により急性腎不全が引き起こされる可能性もあります。
⇒ 過量投与(処置)
本剤の過量投与に対する具体的な処置の方法は明らかではありません。本剤の過量投与が疑 われた場合は、投与を中止するなど、適切な対症療法を行ってください。(重篤副作用疾患別 対応マニュアル「急性腎不全」(厚生労働省)もあわせてご参照ください12)。)
⇒ 適用上の注意 (1)、(2)
本手順に従い調製し、使用してください。
⇒ 適用上の注意 (3)
他の薬剤と混合した場合の安定性は確認しておりませんので、本剤の点滴静注に際しては、 他剤を希釈液中に混合したり、同時に投与したりしないでください。
解 説
21
<参考文献・参考資料>
1) 抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン(2004年版) 2) Falagas ME. and Kasiakou SK.: Crit Care, 10:R27 (2006)
3) Levin AS, et al.: Clin Infect Dis, 28, 1008-1011 (1999) 4) Linden PK, et al.: Clin Infect Dis, 37, 154-160 (2003)
5) Garnacho-Montero J, et al.: Clin Infect Dis, 36, 1111-1118 (2003) 6) Kallel H, et al.: Int J Antimicrob Agents, 28, 366-369 (2006)
7) Hachem RY, et al.: Antimicrob Agents Chemother, 51, 1905-1911 (2007) 8) Cheng CY, et al.: Int J Antimicrob Agents, 35, 297-300 (2010)
9) 米国添付文書:Coly-Mycin M Parenteral(Par Sterile Products社)(2013 年3 月改訂版) 10) 英国添付文書:Promixin(Profile Pharma 社)(2014 年7 月改訂版)
11) 英国添付文書:Colomycin Injection(Forest Laboratories 社)(2012 年8 月改訂版) 12) 重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性腎不全(厚生労働省)
13) 重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽膜性大腸炎(厚生労働省) 14) MacAulay MA, et al.: Clin Pharmacol Ther, 8(4), 578-586 (1967) 15) Borderon E, et al.: Med Mal Infect, 5, 373-376 (1975)
<国内外の診療ガイドライン及び成書>
・ワシントンマニュアル(第12版)
・ハリソン内科学(第4版)
・日本語版サンフォード感染症治療ガイド2013(第43版)
・Principles and Practice of Infectious Diseases, 7th Edition
・呼吸器感染症に関するガイドライン・成人院内肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)
・抗菌薬使用のガイドライン(日本感染症学会 日本化学療法学会)
・コリスチンの適正使用に関する指針(日本化学療法学会)
<参考文献・参考資料>
抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン( 年版)
米国添付文書: ( 社)( 年 月改訂版)
英国添付文書: ( 社)( 年 月改訂版)
英国添付文書: ( 社)( 年 月改訂版)
重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性腎不全(厚生労働省) 重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽膜性大腸炎(厚生労働省)
<国内外の診療ガイドライン及び成書>
・ワシントンマニュアル(第 版)
・ハリソン内科学(第 版)
・日本語版サンフォード感染症治療ガイド (第 版)
・
・呼吸器感染症に関するガイドライン・成人院内肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)
・抗菌薬使用のガイドライン(日本感染症学会 日本化学療法学会)
・コリスチンの適正使用に関する指針(日本化学療法学会)