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マクロ経済学 Kizuku Takao

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Academic year: 2018

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(1)

第10章 短期の経済分析 ()

190

(2)

短期と長期の違い

長期:市場の調整メカニズムが働く.

需要と供給のギャップを解消するように(需要 と供給が一致するように)価格が調整される.

短期: 市場の調整メカニズムがうま

く働かない.

GDPや雇用水準が大きく変動

(3)

10.1 総需要

短期において経済の生産水準を決める重要な要因は経済全体の 需要水準(総需要)である.

総需要曲線を導出する.

手順

1段階 r P を一定とする.

実質利子率 物価水準

変数; Y (実質国内総生産) 第2段階 P を一定のまま

変数; Y r

3段階

変数; Y r P

192

(4)

10.1 総需要

 短期の分析で注目する市場

財・サービス市場 貨幣市場

この2つの市場を分析するフレームワーク

IS-LMモデル

P(物価水準)を一定として,財・サービス市場の需要と供給 が一致するようなY(国内総生産)とr(実質利子率)の関 係

P(物価水準)を一定として,貨幣市場の需要と供給が一致す るようなY(国内総生産)とr(実質利子率)の関係

IS曲線

LM曲線 ここまでで第2段階

(5)

10.1 総需要

財・サービス市場 と 貨幣市場 が同時に均衡するような Y(国内総生産) と P(物価水準)の関係 総需要曲線

3段階では

Y P

総需要曲線

194

(6)

10.1.1 IS曲線

財・サービス市場

家計 企業 政府 海外

総需要 = 消費 + 投資 + 政府支出 + 純輸出

C I G

Y = C + I + G

(10.1)

総需要

総供給

(7)

10.1.1 IS曲線

消費(C) に依存

投資(I) 一定 ( rが一定より )

政府支出(G) 一定

1 段階

(実質利子率) , P (物価水準) 一定

変数;Y ( 国内総生産 )

総需要の構成要素

財・サービス市場

1 段階

196

(8)

10.1.1 IS曲線

消費 に対して影響を与える要因

1. 初期の実質資産

2. 実質利子率

3. 生涯に得られる実質所得

(物価)が一定 rが一定

現在の所得

将来の所得の割引現在価値 所与

×

×

×

消費(C)

現在の所得(Y)

が増えると増大する

1 段階

(9)

10.1.1 IS曲線

 消費(C)はYの増加関数

(実質GDP) (消費)

45°

消費;C

Y C

増えた所得⊿Yをすべ て消費せず,一部を貯 蓄する.

Y

C

1 段階

198

(10)

10.1.1 IS曲線

Y C(消費),総需要

45°

I+G C

YD

Y

D

= C

I G

一定 YS 総需要

Y

S

Y

D

=C I G

総需要 総供給

のとき,(10.1)式が成立 Y=Yのとき

Y0 Y0

A

B

総供給

Y0 CIG 総供給 総需要

財・サービス市場の需要と供給が一致するのは,

45 ° 線( Y

S

線)と総需要( Y

D

線)の交点 E

Ye Ye

総需要 E

1 段階

(11)

10.1.1 IS曲線

2 段階 ( 実質利子率 ) を変化させる.

r 1

一定としていた 利子率

r 2 (r 1

r 2 )

家計

r↑

⇒ 現在の消費↓ 貯蓄↑

上昇

消費 (C)

企業 r↑

⇒ 投資需要↓

投資 (I)

r

2

では,家計の消費および企業の投資が下が

るため,総需要が下がる.

2 段階

200

(12)

Y 総需要

45°

YS

Y1D(r1)

Y2D(r2) r 総需要

E1

E2

Y

r

Y1e Y2e

r 1

r 2

Y2e

Y1e

IS曲線

Y1D(r1) 利子率がr1のときの総需要 Y2D(r2) 利子率がr2のときの総需要

財・サービスの需要と供給を一致さ せる実質利子率と実質GDPの関係

r 1 Y

1e

r 2 Y

2e

IS曲線

財・サービスの需要と供給を一致さ せる実質利子率と実質GDPの関係

r 1 r 2

上昇

実質利子率rの上昇

総需要が下がり

実質GDPは減る.

(13)

10.1.2 LM 曲線

1 段階

(実質利子率) , P (物価水準) 一定

変数;Y ( 国内総生産 )

貨幣市場

貨幣需要の大きさは名目 GDP と名目利子率

に依存する.

物価水準一定

実質 GDP 実質利子率

貨幣需要 = kP Y

比例定数

Pが一定 =0

P P

今は一定とし ている.

1 段階

202

(14)

10.1.2 LM 曲線

Y 貨幣の需要,供給

O

貨幣需要 = kP Y

M 貨幣供給= M

E

貨幣供給は中央銀行によって コントロールさせる

←所与

1 段階

(15)

10.1.2 LM 曲線

2 段階 ( 実質利子率 ) を変化させる.

r 3

一定としていた 利子率

r 4 (r 3

上昇

r 4 )

実質利子率の上昇は貨幣以外の資産(債権)の収益が増えるので 貨幣を手放して債権を保有する.

r 貨幣需要↓

貨幣需要 = k(r)P

Y

rの減少関数 一定

r↑⇒傾きがゆるやかになる.

2 段階

204

(16)

A 貨幣の需要(r3)

B 貨幣の需要(r4) M

貨幣供給;M(一定)

Y 貨幣の需要・供給

O

r 3 r 4

上昇

貨幣の需要が下がる(需要 曲線の傾きが小さくなる) E3 E4

Y3e Y4e

Y

r

実質利子率rの上昇

Y3e Y4e

r 3

r 4

LM

曲線

r

貨幣の需要と供給を一致させる実質 利子率と実質GDPの関係

r 3 Y

3e

r 4 Y

4e

LM曲線

貨幣の需要と供給を一致させる実質 利子率と実質GDPの関係

実質GDPは増える.

(17)

経済の均衡

財・サービス市場 貨幣市場

IS曲線

財・サービス市場を均衡させる 実質利子率と実質GDPの組み合 わせ

LM曲線

貨幣市場を均衡させる実質 利子率と実質GDPの組み合 わせ

IS曲線 LM曲線

Y r

r*

E

Y*

2 つの市場を同時に均衡さ

せる実質利子率 (r) と実質

GDP(Y) のペア

(Y*,r*)

206

(18)

10.1.3 総需要曲線

 財・サービス市場への影響

貨幣市場への影響

3 段階 P( 物価水準 ) を変化させる.

3 段階

(19)

10.1.3 総需要曲線

 財・サービス市場への影響

家計の保有する資産に影響を与える.

物価 P の上昇

家計の保有する資産の実質価値を減らし,その結 果,家計の消費は下がる.

物価 P の下落

家計の保有する資産の実質価値を増やし,その結 果,家計の消費は上がる.

資産効果

3 段階

208

(20)

Y 総需要

45°

YS

YaD(r1Pa)

P 総需要

Ea

Eb

Y

r

Yae Ybe

r 1

Ybe

Yae

ISa

YbD(r1Pb)

ISb A B

物価水準;P の上昇 (P

aPb)

財・サービスの総需要が下がる

(消費の減少)

財・サービス市場の均衡 Ea Eb A

( Y , r

1

)

e

a B

( Y , r

1

)

e b

Yae Ybe IS曲線が左シフト

(21)

10.1.3 総需要曲線

貨幣市場への影響

物価 P の上昇

財・サービスの取引に必要な貨幣量が増える.

物価 P の下落

財・サービスの取引に必要な貨幣量が減る.

貨幣の需要↑

貨幣の需要↓

貨幣需要 = k(r)P

Y

物価P↑⇒傾きが大きく なる

3 段階

210

(22)

D 貨幣の需要(r3Pd)

M

貨幣供給;M(一定)

Y O

Ed Ec

Yde Yce

Y

r

Yde Yce

r 3

LMc

P

C 貨幣の需要(r3Pc)

LMd

物価水準;P の上昇 (P

cPd)

貨幣の需要が増加

貨幣市場の均衡

Ec Ed A

( Y , r

3

)

e

c B

( Y , r

3

)

e d

Yce Yde LM曲線が左シフト D C

(23)

Y r

IS1 LM1

Y1 Y2

E1 E2

P1 P2

Y2 Y1

AD

Y P

P P

物価水準;P の上昇 (P

1P2)

財・サービス市場 IS曲線が左シフト

貨幣市場

LM曲線が左シフト

財・サービス市場と貨幣市 場の同時均衡

E1 E2 Y1 Y2 総需要曲線

物価水準が変化したときに,財・ サービス市場と貨幣市場が同時に 均衡するような実質GDPがどう変 化するかを表す.

212

参照

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