長野市公共事業再評価の概要と実施について
1 公共事業再評価の概要
(1) 背 景
国土交通省が所管する国庫補助事業(維持・管理に係る事業、災害復旧に係る事業等を除く。) のうち、事業採択後一定期間が経過した事業については、国土交通省が策定した国土交通省所管 公共事業の再評価実施要領(以下「国の要領」という。)において、地方公共団体が再評価を実 施し、対応方針を決定するとともに、対応方針の決定理由等を添えて国土交通省に提出するよう 定められている。
再評価の実施に当たっては、平成12 年度まで長野県に依頼し実施していたが、中核市への移 行に伴い、地方分権を推進する上で、平成 13 年度に長野市公共事業再評価実施要領を制定し、 長野市において独自に実施するものとした。
(2) 目 的
公共事業の効率性及びその実施過程の透明性をより一層高めるため、事業採択(事業費の予算 化)後、一定期間(5 年間)を経過した後も未着工又は、長期間(10 年間)が経過している事業 等の再評価を行い、事業の継続に当たり、必要に応じその見直しを行うほか、事業の継続が適当 と認められない場合には、事業を中止するものとする。
(3) 再評価を実施する事業
ア 事業採択後 5 年間を経過した後も未着工の事業 イ 事業採択後 10 年間が経過した後も継続中の事業
ウ 事業採択前の準備・計画段階で 5 年間が経過している事業
エ 再評価を実施後 5 年間(下水道事業は 10 年間)を経過した後も未着工、継続中又は準備・ 計画段階の事業
オ 社会経済情勢の急激な変化、技術革新等により、再評価を実施する必要があると判断される 事業
(4) 再評価を行う委員会
ア 長野市公共事業再評価委員会(庁内)
長野市公共事業再評価委員会(以下「再評価委員会」という。)は、再評価対象事業の各 担当部局が作成した再評価案及び対応方針案についての審議を行い、対応方針案を市長に報 告する。
また、再評価案及び対応方針案を審議するに当たり、長野市公共事業再評価監視委員会(学 識経験者等)へ意見を求め、これを最大限尊重する。
委員長:酒井副市長
委 員:総務部長、企画政策部長、行政改革推進局長、財政部長、産業振興部長、建設
資料 1
イ 長野市公共事業再評価監視委員会(学識経験者等)
長野市公共事業再評価監視委員会(以下「監視委員会」という。)は、公共事業の効率的 な執行及び透明性の確保の観点から、学識経験者等の第三者から構成される委員会であり、 再評価委員会の求めに応じ、市が作成した再評価案及び対応方針案に対して審議を行う。
なお、国の要領において、「再評価の実施主体の長は、再評価に当たって学識経験者等の第 三者から構成される委員会を設置し、意見を聴き、その意見を尊重するものとする。」とされ ている。
委員数:8名以内 任 期:2年
構 成:中立的立場で専門的知識を有する方々のうち、学識経験者などから選任
※ 監視委員会委員名簿(任期:20.7.27∼22.7.26)(50 音順 敬称略) 岡
お か
田
だ
和
か ず
枝
え
弁護士(長野県弁護士会推薦) 加
か
藤
とう
恵 美 子
え み こ
社団法人 長野青年会議所 委員 小
こ
山
や ま
健
け ん
信州大学工学部教授(公共政策(環境と公共の経済ほか)) 武
たけ
井
い
久 美 子
く み こ
長野商工会議所女性会 理事 松
ま つ
岡
お か
保
や す
正
ま さ
長野工業高等専門学校教授(水工水理学) 松
ま つ
本
も と
明
あ き
人
と
信州大学工学部准教授(土木環境システム)
(5)再評価の手法・視点
再評価の評価手法は、国の要領等における評価手法を準用するものとする。ただし、事業の特 殊性等により、国の要領等における評価手法の準用が困難な場合には、必要に応じ関係機関と協 議の上、事業の状況に応じて適切な評価方法を設定する。
また、再評価を行う際の視点は以下のとおりとする。 ア 事業の必要性に関する視点
( ア) 事業の進捗状況
再評価を実施する事業の進捗率、残事業の内容等。 ( イ) 事業を巡る社会経済情勢等の変化
需要の見込みや地元情勢の変化等事業を巡る社会経済情勢等の変化状況等。 ( ウ) 事業の投資効果
事業の投資効果やその変化。 イ 事業の進捗の見込みの視点
事業実施のめど、進捗の見通し等。 ウ コスト縮減や代替案立案等の可能性の視点
技術の進展に伴う新工法の採用等による新たなコスト縮減の可能性や事業手法、施設規模等 の見直しの可能性。
(6)対応方針の決定
対応方針は、市長が再評価委員会(庁内)からの対応方針案の報告を基に決定する。
(7)公共事業再評価の概要(フロー図)
(8) 対応方針決定までの流れ(フロー図)
再 評 価
ア 事業採択後5年間を経過した後も未着工の事業 イ 事業採択後 10 年間が経過した後も継続中の事業 ウ 事業採択前の準備・計画段階で 5 年間が経過して
いる事業
オ 社会経済情勢の急激な変化、技術革新等により、 再評価を実施する必要があると判断される事業
再 評 価(再々評価)
エ 再評価を実施後 5 年間(下水道事業は 10 年間)を経 過した後も未着工、継続中又は準備・計画段階の事業
再評価案・対応方針案の審議と対応方針の決定
(平成 13 年度から実施)
市 長
(対応方針の決定)
対応方針案を市長へ報告 再評価委員会(庁内)
(再評価案・対応方針案の審議) 事務局:行政改革推進局
意見を求める
意 見 再評価案・対応方針案の作成
(再評価対象事業を担当する各部局) 再評価を実施後
5年間経過 事業採択後
5年間未着工 10年間事業継続中 事業採択
事業費の予算化
事 業 完 了
監視委員会(学識経験者等)
(再評価案・対応方針案の審議) 事務局:行政改革推進局
国土交通省へ提出
(県経由)
2 これまでの取組
(1) 平成13年度の再評価対象事業 ア 銀座A−1地区市街地再開発事業 イ 市営住宅若里西町団地建替事業 ウ 市営住宅上松東団地建替事業 エ 長野駅周辺第二土地区画整理事業
オ 公共下水道事業千曲川流域関連上流処理区
(2) 平成14年度の再評価対象事業
ア 東後町・権堂町A地区市街地再開発事業
(3) 平成18年度の再評価対象事業
ア 特定環境保全公共下水道事業 豊岡処理区 イ 特定環境保全公共下水道事業 鬼無里処理区 ウ 長野駅周辺第二土地区画整理事業
エ 市営住宅上松東団地建替事業
3 平成20年度の取組
(1) 再評価対象事業 整理
番号
対象事業名
(事業担当所属名)
再評価の対象となる理由
1
公共下水道事業 東部処理区
(上下水道局業務課)
④ 再評価を実施後一定期間(10 年)を経過した後も 継続中の事業
2
公共下水道事業 千曲川流域関連 下流処理区 (上下水道局業務課)
④ 再評価を実施後一定期間(10 年)を経過した後も 継続中の事業
3
特 定 環 境 保 全 公 共 下 水 道 事 業 千 曲 川 流 域 関 連 下 流 処 理 区
(上下水道局業務課)
② 事業採択後 10 年間が経過した後も継続中の事業
4
特 定 環 境 保 全 公 共 下 水 道 事 業 飯綱処理区 (上下水道局業務課)
④ 再評価を実施後一定期間(10 年)を経過した後も 継続中の事業
※ H21 年度に実施の予定であったが、公共下水道事業東部処理 区の関連事業であるため、H20年度に同時に再評価を実施す るもの。県とは調整済み。
(2) スケジュール 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
事業担当部局
再評価案・対応方針案の作成
監視委員会①∼④
(うち、1回は現地視察) 再評価委員会①
意見を求める
意 見
対応方針の決定
ホームページ掲載
対応方針の提出 再評価委員会②
ア 再評価委員会(庁内) 第 1 回 7 月 18 日(金)
事業担当課が作成した再評価案・対応方針案の審議 第2回 10 月 14 日(火)
監視委員会の意見を受けて、市の対応方針案の最終審議
イ 監視委員会(学識経験者等) 第 1 回 7 月 29 日(火)
委員委嘱、委員長選出(互選)、再評価・委員会の概要説明、対象事業の概要説明 第2回 8 月 19 日(火)
現地調査、質疑 第3回 9 月 5 日(金)
再評価案・対応方針案の審議 第4回 9 月 30 日(火)
議事録の確認、意見書に関する審議及び決定、市委員会への意見書提出
(3)対応方針の決定 10月下旬 市長決裁