行 政 視 察 等 報 告 書
平成29年6月20日
長野市議会議長 小 林 義 直 様
報告者氏名(代表)
福祉環境委員会委員長 小 林 治 晴
この度、行政視察をしましたので、その概要について下記のとおり報告いたします。
記
1 視察区分 福祉環境委員会行政視察
2 視察者氏名 小林 治晴 勝山 秀夫 西村 裕子 近藤 満里 宮崎 治夫 塩入 学 黒沢 清一 小林 義直 市川 和彦 阿部 孝二
3 随 行 者 書記 中澤 達彦
4 視察期間 平成29年5月17日(水) ∼ 平成29年5月19日(金)
5 視察先及び視察事項
視 察 先 視 察 日 時 視 察 事 項 愛知県
東海市
5月17日(水) 午後1時∼3時
・いきいき元気健康推進事業について
岡山県 津山市
5月18日(木) 午前10時30分∼正午
・再生可能エネルギーの利用促進について
香川県 高松市
5月19日(金) 午前9時45分
∼11時15分
・高松市こども未来館について
6 調査概要 月日
視 察 地
(市町村名等)
考 察
(所感、課題、提言等) 5/17
(水)
東海市 【いきいき元気健康推進事業について】
[概要]
東海市民は平均寿命が低く、愛知県内の平成17年市区町村生命 表の順位が男性68位、女性43位。また、生活習慣病患者が多く、 超高齢化社会の到来に伴う医療費の増加、健康意識が低いという 課題があることから、現市長の選挙公約「東海市民の健康推進」 につながったとのこと。東海市では健康増進の取組を全庁的に行 えるよう「いきいき元気推進委員会」を設置。「健康・生きがい 連携推進プラン」を策定して、ひとりひとりがいきいきと笑顔で いられるまちを将来像に据え、5つの推進項目を掲げている。
① 健康を意識するきっかけづくり
② こころと体がよろこぶ食生活
③ 体を動かすことを生活のリズムに
④ 人と人がつながる場づくり
⑤ 心豊かにLet's enjoy
◇具体的な取組、特徴のある取組
トマトde健康まちづくり
○トマトで健康づくり条例
平成26年9月30日に、『東海市トマトで健康づくり条例』が策 定。毎月10日はトマト給食の日。トマトジュースで乾杯等
○トマトde健康プロジェクト
市とカゴメが連携して健康づくり、地域活性化に取組む等の トマトを積極的にいかした健康への取組
運動・食生活応援メニュー
「健康診断の結果」と「生活習慣に関する質問」から一人一人に あった運動メニュー、食生活メニューを策定して市民に提供。 平成23年10月から開始して昨年度までに延べ4,754人に提供。
○運動応援メニュー
一人一人に合った運動を「星の数」で提示。また、ウォーキ ングのペースと頻度の提示や筋トレの家庭メニューを提示。
○食生活応援メニュー
一人一人に合った食生活を「四ツ葉」で提示。エネルギー、 ごはん、野菜、塩分の目安量を提示。
東海市健康応援ステーション
市民が主体的に健康づくりに取り組みやすい生活環境を整備
○運動ステーション
市 内 5 施 設 な ど で 、 ペ ー ス が 体 感 で き る ウ ォ ー キ ン グ コ ー ス、有酸素運動、筋トレができる設備を備えている。
○食生活ステーション
市内31店舗と提携して、バランスのとれた「いきいき元気メ ニュー」を提供。
○メディカルステーション3師会との事業協定
医師会、歯科医師会、薬剤師会からの情報を頂き、市民の健 康づくりを応援している。
5/18
(木)
津山市
[考察]
○長野市も生活習慣病予防、健康意識の高揚などを目指す取組を 進め、健康寿命延伸と医療費の削減を目指すべきである。
○運動・食生活応援メニュー提供など、一人一人の状態に応じた きめ細かい情報提供は、単に意識啓発にとどまることなく、具 体的で望ましいと感じた。
○健康診断結果と日頃の生活習慣から、一人一人にあったメニュ ー作り、30秒で判定されるペース体感ゾーンで自分に合ったウ ォーキングペースを体感でき、メディカルステーションで市民 の健康づくりを応援していることが考察でき、本市にも活かさ れる課題が多かった。
○運動応援、食生活応援、医療連携の3つを様々な団体と協働し て市民が継続的に健康づくりを実践する場面づくりは、きめ細 かな事業だと感じた。日頃の生活に運動を取り入れやすい仕組 みができており、大規模なオリンピック施設を所有する長野市 においても、上手な活用のヒントになるのではないかと思う。
○トレーニング室利用者(60∼74歳)と国保加入者の一人当たり の医療費を比較した。平成24年度→平成26年度のトレーニング 利用者の医療費の推移は、約49万円→約37万円と削減され、健 康づくりの効果が現れている。
○トマトde健康プロジェクトでは、条例の制定など、マスコミで も全国放送で取り上げられ、アピール力は強力だ。反響の大き さは、そのまま市民意識啓発につながると思われる。
長野市においても、より多くの市民に興味を持っていただける 取組を展開することが重要だと感じた。
【再生可能エネルギーの利用促進について】
[概要]
津山市は省エネへの取組と併せて再生可能エネルギーの導入を 促進することで低炭素社会と循環型社会への移行を目的として、 平成25年10月に「津山市再生可能エネルギー導入推進実行計画」 を策定した。また、組織・機構の編成として、平成25年4月に新 エネルギー環境政策室を設置し、平成27年4月に「低炭素都市推 進室」へ名称を変更している。エネルギーの自立、地球温暖化対 策への貢献、経済効果への期待、災害に強いまちの想像、脱原発 依存社会の実現を目的に以下の9つの施策を推進している。
津山再生可能エネルギー導入推進実行計画の概要
①市有施設と再生可能エネルギー、省エネ導入のガイドライン
②市民発電所構想の具現化と実行
③民間事業者による風力発電計画の実施
④木質バイオマス事業の展開―「木の駅プロジェクト」取組
⑤小水力発電事業ポテンシャル調査―河川の活用
⑥次世代自動車普及促進事業―電気自動車充電器
5/19
(金)
高松市
⑦超小型モビリティー活用事業 実証実験に26台購入
⑧環境省委託事業「住民参加による低炭素都市形成計画策定モデ ル事業」の取組
⑨Jクレジットの推進
今回はその中の「つやま市民協働発電所」と「Jクレジット」 の説明を受けた。
市民協働発電所は市民ファンド490万円、クラウドファンド125 万円、津山信用金庫からの低金利融資により、道の駅や庁舎、公 民館など4基のソーラーパネルを設置し、売電で得られた利益と 設備投資額の差額を地域特産品や地元商店商品券にして還元にす ることで、地域内経済循環や地域振興につなげる取組であった。
Jクレジットは日常生活や経済活動の中で排出する二酸化炭素
(CO2=カーボン)を他の場所で削減されたCO2削減量・吸 収量を購入することで埋め合わせする活動で、環境保全意識啓発 や地球温暖化防止活動の一つ。埋め合わせ(カーボンオフセット) の仕組みを利用してCO2排出の埋め合わせを地域経済の中で行 えば、地元から生まれた環境価値を地元で商品に付加でき、市民 の環境保全意識向上も期待できるというもの。
[考察]
○ 平 成 32 年 度 ま で の 8 年 間 の 計 画 で 、 目 標 が 達 成 で き れ ば 、 44,540世帯のうち、37,100世帯分の消費電力量に相当する電力 を再生可能エネルギーで賄えるというもので、取組に対する積 極的な姿勢は大変すばらしいと感じた。
○「つやま市民協働発電所」の特徴は、市民や地域住民からの資 金が一定の割合を占めている。当初の目標額を上回って、市民 の関心の高さがうかがえる。また、市民や地域住民が意思決定 に関わっていて、資金調達の方法「お返し」についても協議や 関わる場があるので、共同意識に支えられていることが印象的 であった。さらに、収益の一定部分が、市民や地域に還元され るので、市民の意欲・関心も高まるものと思われる。
○民間事業者による大規模風力発電所や、小水力発電のポテンシ ャル把握など道半ばの施策はあるにせよ、東日本大震災を機に 脱原発依存社会に向けた取組を官民協働でスタートさせた津山 市の機敏性に長野市も見習うことは多い。
【高松市こども未来館について(たかまつミライエ)】
[概要]
高松市こども未来館は平成28年11月に市民文化センターの跡地 に、未来を担う子供たちと一緒に、親や祖父母世代も集える場所 として、また、それぞれの施設の特色を活かしながら連携するこ とで幅広い世代の人々が多様な関わりを持てるきっかけの場とし てつくられた。
◇施設概要
○施設面積:約3,120㎡
○建設費:49億円(合併特例債を活用)
○運営費:1億2,000万円
○施設名称:高松こども未来館、高松市図書館地域館、高松市平 和記念館、高松市男女共同参画センター
○施設構成
1F:市民交流ゾーン、2F:図書館ゾーン、3F:子育て 支援ゾーン、4F:科学体験ゾーン、5F:平和記念館、プ ラネタリウム、6F:男女共同参画センター、7F:機械室
○施設利用
開館時間:9:00∼19:00
休館日:週1日及び年末年始期間
○利用状況(平成28年度) こども未来館 約54,000人
(うち、プレイルーム・みんなのひろば約35,000人)
○入館料:無料
[考察]
○3Fの 「みんなのひろば」「プレイルーム」は ゆったりした環 境で、親子でゆったりと過ごせるようになっている。ファミリ ーサポートセンターも併設されていて、利用しやすいようにな っていると感じた。5Fの「 平和記念館」が、「高松市こども 未来館」の中にしっかりと位置づけられていて、市の平和への 積極的な姿勢が伝わってきた。悲惨な「高松空襲」を中心に構 成された「展示」などが見学者にとっては、強く印象に残るも のになっている。
○子育ち子育ての孤立化や、少子化をどうやって乗り越えて子ど もがいきいきと成長していける環境を作るか?
その方向性や実行力が、各自治体は問われているのだと痛感し た。
○未来を担う全ての子供たちの限りない夢と創造力を育むため、 成長段階に合わせた子育て支援や学び・遊び・交流など、子供 を主体とした、子供のための施策・事業を実施しており、子供 を中心とした、幅広い世代の人々が交流できる施設が、今後、 本市にも出来ることを望みたい。
○長野市においても、機能を出来るだけ維持しながら効率的な施 設の配置はこれからの重要課題だ。博物館、科学センター、子 育て支援スペースなど、利用しやすく機能的な配置を考えてい く必要があると感じた。