上監委告第 16 号
地方自治法第199条第 1 項及び第4項の規定に基づき、定期監査を実施したので、同条第 9 項の規定により、その結果を公表する。
平成23年6月14日
上越市監査委員 大 原 啓 資
上越市監査委員 勝 島 朝 子
上越市監査委員 山 﨑 一 勇
記 第1 監 査 の 種 類 定期監査
第2 監 査 の 対 象 浦川原区教育・文化グループ 第3 監 査 項 目 浦川原区体育施設管理運営費
第4 監 査 の 方 法 提出された資料に基づき、帳簿、書類を調査するとともに、担当及び関 係職員の説明を聴取した。
第5 監 査 の 期 間 平成23年3月 1 日∼平成23年6月7日 第6 監 査 の 結 果 別紙指摘事項のとおり。
監査結果
1 調査の経緯
本監査は、地方自治法第 199 条第1項及び第 4 項に規定する定期監査の一環として、 浦川原区教育・文化グループが所管する浦川原区体育施設管理運営費について、財務に 関する事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として、平成 23 年 3 月、実施したものである。
提出された関係書類の調査を進めた結果、平成 21 年度及び 22 年度浦川原体育館使用 料が平成 20 年度と比べ激減していることが判明し、その理由を聞き取り調査したところ、 明確な回答が得られなかったことなどから、平成 20 年度から 22 年度の浦川原体育館使 用申請書などの関係書類の提出について 3 月 14 日から再三求めていたが、担当者から紛 失してしまったため提出できないとの報告を受けた。
そこで、改めて 3 月 30 日付で教育委員会浦川原区分室長に対し再調査通知を行い、よ うやく一部の関係書類等の提出を受け、調査を開始したところ、平成 20 年度体育館使用 料で市の会計に収納されていない不明金があることが判明したため、市当局へその旨、 口頭報告した。
また、平成 21 年度及び 22 年度の関係書類等から判断される体育館使用料と市の収納 額は一致していたが、平成 21 年度、22年度体育館使用申請件数と体育館使用料が平成 20 年度と比べ極端に少ないこと、そして、平成 23 年 4 月分の体育館使用申請件数及び使 用料が急増していたことから、さらに調査を進めた。
【参考】浦川原体育館使用料の収納金額
・平成 20 年度 520, 850 円
・平成 21 年度 164, 550 円
・平成 22 年度 72, 000 円
2 浦川原体育館関係職員 分室長
グループ長(次長兼務) 班長
主任 1 人(浦川原体育館担当) 管理人 3 人(臨時職員)
3 関係書類について
監査にあたり以下の書類の提出を求めたが、平成 19 年度浦川原体育館利用日誌、平成 19 年度から平成 22 年度浦川原体育館使用受付簿、使用簿については所在不明との理由に より、提出されていない。
・平成 19 年度から平成 22 年度
浦川原体育館使用申請書、使用許可決定通知書の控、使用料減免申請書 使用料領収書の控、利用日誌、利用予約簿、使用受付簿、使用簿
・平成 23 年度
使用受付簿(4 月分)の写 4 関係職員からの事情聴取等の実施
浦川原体育館の担当職員(前任者を含む)及び管理人に対し、平成 23 年 3 月 14 日か ら平成 23 年 5 月 11 日にかけ事情聴取を行うとともに、調査を進める上で生じた疑義に 関して、文書による照会を行った。
5 調査結果
本件は、平成 20 年度浦川原体育館使用料で市の会計に収納されていない不明金がある こと、平成 21 年度と 22 年度浦川原体育館使用申請件数及び使用料が、平成 20 年度と比 べ激減していること、さらに、平成 23 年 4 月分の体育館使用申請件数及び使用料が急増 していたことに端を発し、前記 3 の関係書類の調査や前記 4 の関係職員からの聞き取り 調査等を行った結果、次の疑義が生じた。
まず、平成 20 年度浦川原体育館使用料については、提出された使用申請書、使用料領 収書控の合計額と市の会計に収納された金額とが一致しておらず、市の収納額が多くな っていた。また、使用申請書に記載されている使用許可番号に連続性がなく、一部抜け ているものがあり、最後に綴られている使用申請書の受付年月日は平成 21 年 1 月 27 日 となっていた。利用日誌では 2 月、3 月にも通常どおりの利用があったことが記録されて いるため、そのほかにも使用申請書が存在しており、使用料も徴収されていたものと推 測できる。
また、管理人の 1 人が利用日誌に記録していた使用料の徴収額と許可番号で判断する 限り、現在、市に収納されている金額以上の使用料が徴収されていたものと推測される。 そのほかにも、通常、使用料を納めて利用している団体名が利用日誌に記録されている ものの、使用申請書の所在が不明なために、本来の使用料の徴収額が確認できない状況 も見られた。
なお、平成 21、22 年度の使用料が激減した理由として、分室長、次長、主任からは、
「浦川原区独自の減免を運用していた」旨、事情聴取や照会に対して回答を受けている が、当時の意思決定となる起案文書もないため、実際にどのように決定されたのかは不 明である。また、その経緯についても明確な回答を得ることができなかった。
そのため、平成 21、22 年度の使用料の徴収実態を把握するため、当職としては、浦川 原区教育・文化グループに対し、利用者が保管している使用許可決定通知や領収書等を 取り寄せ、提出するよう依頼した。
その結果、平成 21 年度の最後の許可番号は、申請日が平成 22 年 3 月 27 日で 70 番で あったが、利用団体が保管していた許可番号は平成 22 年 2 月 25 日現在で 430 番であっ た。同じく平成 22 年度の最後の許可番号は、申請日が平成 23 年 3 月 25 日で 57 番であ ったが、利用団体が保管していた許可番号は平成 23 年 2 月 24 日現在で 419 番であった。
以上の調査を踏まえ、当職は、平成 20 年度、平成 21 年度、平成 22 年度浦川原体育館 使用料について、市の会計に収納されていない不明金があると判断した。
しかし、本来、適正に保管されていなければならない受付簿や平成 20 年度の申請書の 一部が紛失しているほか、平成 21、22 年度の提出書類が偽造された疑いもあり、十分な 調査ができず、不明金額の特定ができない状態となっている。
市においては、関係者からの聞き取りにおける矛盾点や関係書類等の検証など再度、 十分調査を実施して本件の全容解明に努め、厳正な措置を講じていただきたい。
また、この度の監査において浦川原区教育・文化グループから提出された関係書類を 調査したところ、決裁を適切に受けていなかったほか、使用料の徴収にあたり連番を付 した領収書を使用していなかったなど、公金管理にあたり作成されているマニュアルに 基づかない処理を漫然と継続していた実態がある。
このように、管理職などの複数人による業務の進捗管理や公金管理体制が全く機能せ ず、この不十分であった体制が今回の不明金を生じさせた一因となったものと思われる。
この度の監査を通じて明らかとなった問題点等を改めて検証・把握し、全庁的に文書 管理の徹底を図るなど、再発防止に向けた適切な処置をとっていただきたい。