教授法 1
英語教育方法論3( 5/6 )
人文学部 英語英米文化学科 3 年 成岡 優
Grammar-Translation Method (文法・訳読法)
Direct Method (直接教授法)
Oral Approach (オーラル・アプローチ)
Total Physical Response ( TPR )
Grammar-Translation Method
(文法・訳読法)
英語を日本語に翻訳し、意味把握の手がかりとする指導法。
ヨーロッパでは、古くからギリシャ語やラテン語の指導法として 用いられてきた。
大人数に対して行う教授法として効率が良いという側面を持って いるため、日本の英語教育の主流になってきた。
19 世紀末頃からこの方法は批判されるようになってきたが、今 でも続いている。
Grammar-Translation Method
(文法・訳読法)
[Merit]
① 大人数のクラスにおいて指導がしやすい。
② 英語がどのくらい理解できたか測るのに便利な手段である。
③ 英語の構造を理解させるのに便利である。
Grammar-Translation Method
(文法・訳読法)
〔課題〕
① 英語の音声訓練が軽視され、無視されやすい。
② 日本語への置き換え作業や翻訳することが目的化してしまう。
③ 不自然な訳文を生み出す可能性がある。
④ 内容把握が行われていない危険性が生じる。
⑤ リスニングやスピーキング能力の育成に結び付かない。
Direct Method (直接教授法)
話しことばを優先的に学習の対象とする教授法。
母語を介さないで目標言語の音声指導を重視する。
当該外国語のみを用いて授業を行うべきというものである。
Direct Method (直接教授法)
〔課題〕
① 学習段階が進むにつれて、母語の使用を禁じることにより、理解 に
時間がかかりすぎてしまう。
② 学習者によっては誤解や理解不能を持ち越したまま学習が継続さ れ
てしまう。
③ 教師の言語運用力により、授業の質が大きく左右されてしまう。
Oral Approach
(オーラル・アプローチ)
「模倣記憶練習」などによって、発音や表現を口頭練習により定 着させようとするのが特徴。
この指導法の前提となっている理論は次の 5 点に集約される。 ①言語は構造体を成し、科学的に分析・記述できる。
②言語の本質は音声である。
③言語には型 (pattern) が存在し、異言語間の相違は対立 (contrast)
を形成する。
④言語は習慣形成によって獲得される。
⑤言語はそれを母語として話す人々のものである。
Oral Approach
(オーラル・アプローチ)
〔課題〕
① 言語習得は模倣と記憶だけに依存した反復練習で十分か。
② 意識せず機械的に口頭で言えることが、言語を習得したことにな る
のか。
③ 文法的に正確な文を作る能力が、コミュニケーション力の必要十 分
条件となるか。
④ 誤りが生じないように周到に行われる練習は、コミュニケーショ ン
に必要な自律的表現力を阻害しないか。
Total Physical Response ( TPR )
1973 年代初期に提案された指導法。
指導においては命令や指示に対して全身で反応するように求め る。
「この指導法が役立つのは入門期の学習者だけかもしれない。ま た、実社会でのニーズとどう結びつくのか」などの批判もある。