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認知症とよりよく生きる(別ウィンドウで開きます) 人権学習講座の記録|江東区

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Academic year: 2018

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1 認知症と家族の会について

家族の会は、1980年1月に京都で発足し、

今年で36年目を迎えます。1992年に国際アル ツハイマー病協会(ADI)に加盟しました。現

在は全国47都道府県に支部があます。認知症

の人と家族が安心して暮らせる社会の実現を

目指して、認知症の人同士、介護家族同士が

共に支えあって認知症の理解と介護の社会化 に向けて活動しています。

日常の活動は、世話人と称するスタッフが

中心で、全員無償のボランティアで認知症の

介護経験者です。介護体験や情報を掲載した

支部報「きずな」の発行、会員の集いの開催、

電話相談を3本柱として活動しています。

地域包括ケアシステムの中で、私たちの一

番の役割は、当事者である本人や家族の生の

声を発信していくこと、電話相談を通じて、

認知症のご本人と家族を地道に支えることだ

と考えています。

2 電話相談から見える変化

超高齢化社会になり、85歳以上の 4人に1

人は認知症の症状があると言われています。

認知症は誰にも起こりうる病気であり、自分 事として考える時代になりました。

電話相談は、東京都支部が全国に先駆けて1 982年度から始めていますが、開始当初と現在

を比較すると、相談者は娘と嫁が多かったの

ですが、現在は娘が半数以上を占めています。

家族構成では、三世代家族は激減し、一人暮

らしの方が 8 倍に、老夫婦のみ、親と独身の

子の世帯も増えています。介護者は、嫁が激

減し、娘と最近は息子も増えています。介護

者の年齢では、現在も50代と60代で50%以 上を占めていますが、30代と40代が減り、7

0代と80代が増えています。

3 介護する家族の思い

相談内容では、介護方法と精神的援助でな

ど認知症の行動心理症状的な部分での対応や、

介護方法、精神的な部分の援助が非常に多い

です。一人暮らしの方からは、受診ができな

い、介護保険のサービス利用拒否や本人の不

安や心細さとか、いつまで自分はひとり暮ら

しが可能なのか、経済的な問題もあります。

老老介護では、認知症に対しての理解も難し

く、「子どもに迷惑をかけたくない」、「介護を

一人で抱えて疲れ果てて限界」という場合も

多いです。男性介護者では、不慣れな家事と

介護の両立で疲弊している、孤立しがちで自

分の時間が持てないという方が多いです。独

身の子による介護では、介護離職の問題があ

ります。介護はどのくらい続くかわかりませ

んので、できる限りお仕事は辞めないように とお話をしています。

実際は自分の抱えている心の底の悩み、例

えば今、介護している父や母との精神的な葛

藤、ずっと親子関係が悪いとか、「自分がこん

なに一生懸命介護をやっているのにその苦労

を 分 っ て も ら え な い 」、「 結 婚 し て 家 を 出 た

人々が、なかなか介護をしている人のことを

理解してくれない」、そういった精神的な悩み

を打ち明けられる方がほとんどです。

4 介護を困難にする理由

認知症本人の行動障害にうまく対応できず

に、家族が心身の疲労を訴える場合が多いで

す。「同じことを何回も言われてしまう」、「優

しくしたいと思うけれどつい怒鳴って、無視

してしまったりする。実はそういう自分がま

た許せない。自分はこんな人間だったのだろ

うかと思うと許せないです」という相談も多

いです。認知症のご本人が思っていることを

うまく言葉に表わせないために、どうしても

感情的になってしまったりするということが あります。

言葉の暴力で介護者は傷ついています。病

気が言わせていると思っても、「自分がこんな

【前期】第2回 6月23日(木)講演要旨

認知症とよりよく生きる

~当事者の声から始めよう~

【講師】公益社団法人 認知症の人と家族の会

東京都支部副代表 松下

まつした

より子

(2)

に一生懸命、いろいろなことも全部犠牲にし

てやっているのに、何でこんなにきついこと

を言われなきゃならないのだろう、もう顔も

見たくない、体にも触りたくない」という電

話もあります。心身の疲労に関する相談がコ

ンスタントに続く理由として、認知症ケアに

伴う精神的な負担が介護保険のサービスだけ

では解決できていないと、電話相談の中で感

じています。

5 認知症の人の思い

認知症の人は、一番自分の衰えに自覚があ

って、混乱、困惑、不安、孤独の中にいると

いうことと、ありのままの自分を尊重してほ

しいという思い、プライドを傷つけられ、自

信を失っている、今までできていたことがで

きなくなって、悔しい思いや不自由を感じて

います。迷惑をかけてすまない、慣れ親しん

だ物や人のそばにいたい、役割を持ちたい、

人の役に立ちたい、自分にもできることがた

くさんありますよ、皆さんと一緒に仲間に入 りたいというような思いをお持ちです。

2004 年に日本でアルツハイマー国際会議が

開かれた時に、認知症本人が自ら発表を行っ

たことが、その後の認知症ケアを大きく進展 させる契機となりました。

2006 年に「家族の会」を中心に認知症の人

本人が集まり「本人会議」が開催されました。

その場に集まった本人によって、「本人会議」 アピールが発表されました。

6 忘れても心は生きている

本部が出している月間「ぽ~れぽ~れ」に、 39 歳で発症した方が認知症でも働けることを

証明したいと思い、仕事をしていることが書

かれています。「周りの環境や本人の工夫がな

ければ仕事はできないと感じます。体調にも

波がありますので、調子のいい時はいいので

すが、今、難しい仕事をしていて、調子が悪

いなと思ったときは簡単な仕事にしてもらっ

ています。認知症の人が仕事をするのは大変

なことです。しかし、何もできないのではな

いのです。周りの人の協力があると仕事がで

きるのです。そのことを多くの人に知っても

らい、仕事を辞めさせたりいじめたりするこ

とがないようにしていきたいと思っています。

もう一人も、ご本人の思いを述べられてい

ます。「今一番ほっとするのは自分の部屋にい

るときです。ほっとできるときに犬と遊ぶと

きがいいのです。でも動物とのつながりだけ

ではつまらない。やはり人と人との関係は必

要です。人間対人間は大事です。時々寂しい

と思うことがあります。不安から来るのかも

しれませんが、寂しいです。誰のせいでもな いのが寂しいです。

人間性を大事にしてほしい。自尊心を大事

にしてほしい。自尊心がなくなったらおしま

いです。コミュニケーションをとって私たち

の思いを受けとめてもらいたい。仲間をつく

りたい。仲間づくりの手助けをしてほしい。

自尊心は生きる力で、何かをするきっかけを

つくってくれます。ハートとハートのつなが

りを大事にしてほしい。家族に接するように

私たちにも接してほしい。」

「忘れても心は生きている認知症」という

標語を会で掲げたことがあります。認知症に

なっても、いろいろなことを忘れても、心は

生 き て い る ん だ よ と い う こ と を 本 人 た ち は 常々訴えられます。

認知症の症状も多種多様で、その症状も一

定しない状況の中で、本人の不安な思いに寄

り添うことの大切さを痛感しています。表面

上は明るくされている家族でさえ、本当に言

葉に言い表しがたい介護の大変さに心が揺れ

動きます。

7 介護で大切なこと

在宅での介護が限界になったときには、病

院や施設等、専門職の助けが必要になってき

ます。電話相談で感じることは、その時その

時で共に向き合う、一緒に考えて支えてくれ

る人に出会うか出会わないかで、その後のそ

の方の人生が随分変わってきてしまうという

ことです。ぜひ医療福祉専門職の皆様には専

門知識や技術だけでなく、本人の思いや介護

家族の思いをより理解していただきたい、心

を支える支援をお願いしたいと思っています。

認知症の方と家族が穏やかに暮らすために

は、本人の思いを大切にする介護や介護家族

がゆとりを持つということが大事です。一人

で悩まないで、一人で抱え込まないで、困っ

たら近くの地域包括支援センター等に相談し

て、家族会等が地域にあれば相談していただ

参照

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