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理科(物理・化学) 学部入試:入学試験過去問題|国立大学法人名古屋工業大学

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(1)

平成28年度

後 期 日 程

科 (1・・分)

       注 意 事 項

1.試験開始の合図があるまで,この問題冊子を開いてはいけません。

2.問題は,「物理」が1ページから15ページまで,「化学」が16ページから24ペー

ジまであり就解紺紙は剛馴ま[亙ユ[i ≡コ・[亙コの3

枚「化勃ま[亙コ[圧コ[亙コ[亘コの轍からなっ

 ています。ページの脱落等に気付いたときは,手をあげて監督者に知らせなさ

 い。

3.解答は,以下の指示に従い解答用紙の指定された欄に記入しなさい。

(ア)生命・応用化学科,物理工学科,電気・機械工学科,社会工学科,創造工学教

 育課程を志望するものは,「物理,「化学」のうちから1科目を選択し,解答しな

 さい。

(イ)情報工学科を志望するものは,1物理]を解答しなさい。

4.監督者の指示に従って,選択した科目のすべての解答用紙の該当欄に志望学科名

 (社会工学科を志望するものは志望分野名,創造工学教育課程を志望するものは

 志望コース名)及び受験番号(2か所)を記入しなさい。

5.解答用紙の※ を付した欄には,何も記入してはいけません。

6.問題冊子の白紙と余白は,下書きに適宜利用してもよいが,どのページも切り離

 してはいけません。

7.試験終了後,この問題冊子及び下書き用紙は持ち帰りなさい。

(2)

注意問題は1,五,班の3題である。

1

問]図1のように水平な粗い床の上に物体が置かれており,固定壁とばねで連結   されている。ばねが自然長のときの物体の位置を原点Oとし,図の右向きに

  κ 軸をとる。ばねを自然長から距離40〔m〕だけ縮めた状態から静かに手を離し

  たところ物体は図の右向きに動きだし,ばねの自然長から距離∂1〔m〕だけ伸

  びた位置まで進んで振動することなく静止した。物体の質量を頑kg〕,物体

  と床の間の静」と摩擦係数をμ ,動摩擦係数をμ ノ,ばね定数を飢N/1n〕,重力加

  速度をg〔m/S2〕として以下の問いに答えよ。なお,物体の大きさとばねの質

  量は無視でき,ばねは床に平行に取り付けられているとする。

40 41

自然長

灘懸

×早、

灘}灘べ’ @  ・艇/〆

蕪灘ぶ

\、べ苛、

@苛  \繊べ ノ\ ‘、

O

κ

運動開始前

〉 ・、    \

がべ・べ灘 ぷ◇ノド・ A麟ぺ  〉\

\\@”鴛

、 澱灘覇シ

1

静止

図1

1

(3)

団 物体から手を離す直前にばねに蓄えられていた弾性エネルギーを求めよ。

(2)運動中の物体の位置がパm〕であるとき,物体に作用しているばねの弾性

 力を求めよ。

(3)物体が動きだしてから位置κ 〔m〕に達するまでの間に摩擦力が物体にした

 仕事を求めよ。

(4)運動中の物体の位置がパm〕であるときの物体の速さを求めよ。ただし,

 解答にめを用いないこと。

(5)物体の速度が0になる位置の原点からの距離41を4⑪,祝,〆,☆,gを用

 いて表せ。

(6)前間(5)の位置で物体の速度が0になった後に,その位置でそのまま物体が

 静止しているための条件を求めよ。ただし,解答に∂oを用いないこと。

2

(4)

問2 図2のように水平な粗い床の上を物体1,物体2,物体3,物体4が一直線

  状に連結された状態で動いている。隣り合う物体どうしは伸縮しない糸で連結

  されており,それぞれの糸は水平にぴんと張られている。物体1には図の右向

  きに引く力が糸と平行に加えられている。物体1,物体2,物体3,物体4の

  質量をそれぞれ卿〔kg〕,〃22〔kg〕,〃Z 3〔kg〕,♂η4〔kg〕,各物体と床との間の動

  摩擦係数をμ’ ,重力加速度をσ〔m/s 2〕として以下の問いに答えよ。なお,各

  物体の大きさと糸の質量は無視する。

(7)物体1を右向きに引く力の大きさがFI 〔N〕で一定のとき,すべての物体が

 同じ加速度で等加速度運動をした。このときの加速度の大きさをのこm/s 2〕

 として各物体の運動方程式を立てよ。ただし,物体1と物体2を連結する糸  の張力の大きさをτ 12〔N〕,物体2と物体3を連結する糸の張力の大きさを

 T23〔N〕,物体3と物体4を連結する糸の張力の大きさをτ 34〔N〕とする。

(8)前間(7)の運動方程式から,加速度の大きさα 1と,物体2と物体3を連結

 する糸の張力の大きさT23を求めよ。解答は勿1,勿2,勿3,勿4,μ 〃, g, FI

 のうち必要な記号を用いて表すこと。

(9)物体1を右向きに引く力の大きさを徐々に変化させてF2〔N〕で一定にした

 ところ,すべての物体が同じ速さで等速直線運動をするようになった。この

 ときの力の大きさF2を求めよ。解答は物,㌘2,働3,微,μ ’ , g,のうち

 必要な記号を用いて表すこと。

図2

3

(5)

問3 図3のように水平面からの角度がθ 〔r ad〕である粗い斜面1上に物体1が置   かれ,水平面からの角度が同じくθ 〔r ad〕である粗い斜面2上に物体2と物体   3が置かれており,各物体は同一平面内で運動する。物体1と物体2は伸縮し   ない糸で滑車を介して連結されており,物体2と物体3は伸縮しない糸で連結

  されている。各糸はそれぞれ斜面に平行にぴんと張られている。物体2と物体3

  を連結する糸の長さはL23〔m〕である。各物体ははじめは静止しており,大き

  さがF3〔N〕の力を物体1に斜面1にそって下向きに糸と平行に加えるとすべて   の物体が同時に動きだし,物体1は斜面1をすべり下り,物体2と物体3は斜   面2をすべり上がった。物体1,物体2,物体3の質量をそれぞれ微こkg〕,

  脚2〔kg〕,批3〔kg〕,物体1,物体2,物体3と斜面との問の動摩擦係数をそれ

  ぞれμ1〃,μ 2’ ,μ3ノ,重力加速度をg〔m/S2〕として以下の問いに答えよ。な

  お,各物体の大きさ,糸の質量,滑車の質量は無視でき,滑車はなめらかに回

  転するものとする。

qo)物体1に力F3を加え続けたところ,すべての物体が同じ大きさの加速度

 で等加速度運動をした。このときの加速度の大きさをα 3〔m/s 2〕として各物

 体の運動方程式を立てよ。ただし,物体1と物体2を連結する糸の張力の大

 きさを7’ 12〔N〕,物体2と物体3を連結する糸の張力の大きさを7123〔N〕とす

 る。

吻香3

吻斑

図3

(6)

働 物体1が動きだしてから斜面1に沿って距離L1だけすべり下りたところ  で,物体1はストッパーに衝突して瞬時に停止した。物体1が停止する直前

 の速さをα 3とLl を用いて表せ。

 次に,物体1が停止した後の物体2と物体3の運動を考える。物体1と物体2 を連結する糸は物体1が停止した直後にたるんだ状態となり,物体2と物体3 を結ぶ糸もその直後にたるんだ状態になった。物体2と物体3はその後も斜 面2をすべり上がり続け,やがて物体2の速度が0になって斜面2上の一点で

静止した。また,物体3の速度もやがて0になり,斜面2上の一点で静止した。

物体2および物体3が停止するまでの間に物体2と物体3が衝突することはな

かった。

(12)物体1が停止してから物体2が停止するまでの間に物体2が斜面2をすべ

 り上がる距離L2〔m〕を求めよ。解答は慨,勿3,μ2’ ,μ3ノ,砺, Ll ,θ, gの

 うち必要な記号を用いて表すこと。

(13)物体3が物体2に衝突しないために両者間の最初の距離L23が満たすべき

 条件を求めよ。解答は初2,初3,μ2’ ,μ 3ノ,α 3,L1,θ , gのうち必要な記号

 を用いて表すこと。

(14 物体1が停止して物体1と物体2を結ぶ糸がたるんだ直後に,物体2と物

 体3を結ぶ糸がたるむための条件を考える。そのためにまず,物体2と物体3

 を結ぶ糸がぴんと張ったままであったと仮定して,そのときの糸の張力の大

 きさを求めよ。

(15)物体1が停止して物体1と物体2を結ぶ糸がたるんだ直後に,物体2と物

 体3を結ぶ糸がたるむための条件を求めよ。

5

(7)

丑 薄い導体板が電場や磁場から受ける力を,導体中の荷電粒子が電場や磁場から受

 ける力に基づいて考えることにする。以下の問いに答えよ。ただし,真空の誘電率

 をε o〔F/m〕とする。

問] まず,図1のように,電気量一ε 〔C〕(ε >0)の荷電粒子が単位面積(1mり

  あたりη 個帯電した長方形の薄い導体板A(長さL〔m〕,幅¢〃〔m〕)に対し,同

  じ大きさ・形状の接地された導体板Bを平行に置いた場合を考える。時間が   十分経過すると,導体板Bには接地点を経由して導体板Aとは逆符号の電荷

  が誘導され,両導体板間には板面に垂直な一様な電場が誘起された。なお,導

  体板の長さや幅は両導体板の間隔に比べて十分に大きく,端の影響は無視でき

  るものとする。また,導体板間の空間の比誘電率は1とする。

(1)導体板Bに誘導された電気量の大きさを示せ。

② 導体板問に誘起された電場の大きさを求めよ。

(3)導体板間に誘起された電場は,導体板Aの電荷がつくる電場と,導体板  Bの電荷がつくる電場の和と考えることができる。導体板Bの電荷が導体

 板間につくる電場の大きさはいくらか。

(4)前間(3)で求めた導体板Bの電荷がつくる電場は,導体板Aの位置にもお

 よんでいる。この電場から導体板Aの1個の荷電粒子が受ける力の大きさ

 を求めよ。

   導体板A

       グ

接地

導体板B

図1

6

(8)

(5)導体板Aの全荷電粒子が導体板Bの電荷が作る電場から受ける力の総和

 の大きさを求めよ。

問2次に,図2のように,負の荷電粒子の移動によって電流を流すことができる

  導体板A(長さL〔m〕,幅ω 〔m〕)の左右両端に電極をつけ,電源回路を接続

  し,一夕方向に電流を流すとともに,導体板と平行に+κ 方向に磁束密度

  B〔T〕の一様な磁場を加えた。

   導体板Aの厚みを考えた場合(図3),導体板A中を移動する荷電粒子は磁

  場の影響を受けて導体板の上面または下面に集まり,荷電粒子が集まった面と

  反対側の面は逆符号に帯電することになる。その結果,導体板の内部には厚さ

  方向(+2方向または一g方向)にホール電場と呼ばれる電場が生じる。時間

  が十分経過したとき,導体板内部では,荷電粒子が,磁場から受ける力とホー

  ル電場から受ける力のつり合いを保ちながら,+ッ方向に一定の速さ〃〔m/s 〕

  で移動しているとみなすことができるようになる。

(6)ホール電場の大きさを示せ。

スイッチ電源 抵抗

      導体板A

      O

ナ(→〃   野

      ∈>〉(}予 ○→ひ

       ○

ナe遠(}劉シ電極

多B

9

y

図2

7

(9)

  電流

 ○ →/ ○ ナ   ○ →

    砂  (三遠(}〉

シB

図3

(7>前間(6)で求めた電場は,導体板の上面および下面それぞれに,電気量の大

 きさθ の荷電粒子が単位面積(1m2)あたり何個集まった場合にできる電場

 に相当するか。但し,上面と下面の間の比誘電率は1とする。

 続いて,前問(6),(7)とは異なり,図2において導体板の厚さが十分に薄い場

合を考える。このとき導体板申では,単位面積(1r n 2)あたり㌘個の荷電粒子

(電気量一ε 〔C〕ピ>0))が,+y方向に一定の速さρ〔m/s 〕で,電極間を一様

に移動しているとみなせる。この導体板が磁場から受けるカを,導体板中の荷

電粒子が磁場から受ける力に基づいて求めることにする。

(8)導体板Aを流れる電流の大きさ(単位時間(1s )あたりに電極に到達する

 電気量の大きさ)を示せ。

(9)導体板A中を率y方向に移動している1個の荷電粒子が磁場から受ける  力の大きさを求めよ。また,その力の方向は,図2に示した座標軸に対して  どちらの方向か。{+2方向,−z 方向}の中から1つ選び,解答欄に記入せ

 よ。

(10)導体板A中を+夕方向に移動している全荷電粒子が磁場から受ける力の

 総和の大きさを求めよ。

(10)

問3次に,導体板が電場と磁場の両方から同時に力を受けている場合を想定す   る。図4のように,負の荷電粒子の移動によって電流を流すことができる薄い

  導体板A(長さL〔m〕,幅ω 〔m〕)の左右両端に電極をつけ,電源回路を接続

  し,片方の電極を接地した。電源回路のスイッチを開いた状態で,正に帯電さ

  せた同じ大きさ・形状の導体板Bを,距離4〔m〕だけ離して平行に置いたとこ

  ろ,導体板Aには負の電荷が誘導され,導体板Aと導体板Bの間には一様な   電場が誘起された。さらに,導体板Aの+κ 方向に磁束密度8〔T〕の一様な

  磁場を加え,電源回路のスイッチを閉じて電流を流した。電源回路の可変抵抗

  を調整して電流の大きさを∫ 〔A〕にしたところ,導体板Aが導体板Bの電荷か   ら受ける力と,導体板Aが磁場から受ける力がつり合った。このとき,導体   板Aでは荷電粒子が電極間を一定の速度で一様に移動しているものとみなせ

  る。なお,導線や電極上の電荷による電場,電流による磁場,重力の影響は考

  えないものとする。また,導体板A中に存在する電気量の総和は,電源回路

  のスイッチの開閉や電流値の調整に際して変化しないものとする。

スイッチ電源可変抵抗

y

図4

(11)

圓 導体板Aを基準にした導体板Bの電位を,∫ を含む式で符号まで正しく  答えよ。但し,導体板Aの厚さ方向の電位差や電流方向の電圧降下は,両

 導体板間の電位差と比較して無視できるものとする。

(12)他の条件を保ったまま下記の(a)∼(c )いずれかの変更を加えたあと,磁束密

 度の大きさを調整することによって,導体板Aが電場および磁場から受け

 る力の合力をゼロにしたい。それぞれ磁束密度の大きさを最初の何倍にすれ

 ばよいか答えよ。

 (a)導体板Aと導体板Bの間に比誘電率ε ,(ε ,>1)の誘電体を挿入した場

  合。

 (b)最初に導体板Bに帯電させる電気量を半分にした場合。

 (c )電流∫ の大きさを半分にした場合。

(12)

皿 断熱壁に閤まれた箱の中に閉じ込められた,単原子分子N個からなる理想気体

 について以下の設問に答えよ。単原子分子1個の質量を斑こ1くg〕とする。気体分子

 は断熱壁と完全弾性衝突をすると仮定する。ボルツマン定数をね〔J /K〕とする。

問]次の文章の(1)∼(6)の空欄に適切な数式を入れよ。

   N個の単原子分子からなる理想気体を断熱壁に囲まれた一辺がL〔m〕の立方

  体の箱に閉じ込める(図1)。6面の壁のうちある1面(図1,斜線部)に注目

  し,ある気体分子の速度のこの壁に垂直な成分をκ 〔m/s 〕とする。この気体分

  子が壁と完全弾性衝突をしてはね返ったとき,壁に与えられた力積の大きさは

  巨]〔N

・s 〕になる.壁で跳ね返されたこの分子が反対側嘘で節跳ね返

  されてもとの壁までもどってくるのにかかる時間は「四〔・〕なのでぴ秒

  間にこの分子が壁に与えた鋤勧大きさは[匝〔N・・〕となる.

L

L

図1

 壁には多数の粒子が絶えず衝突しているので,壁には平均の力F〔N〕が常に

作用していると考えることができる。平均すると,互いに垂直な3方向の運動

はすべて同様であるので,気体分子の速さ〃〔m/s 〕の二乗平均を〆とすると,

力積の平均から

    云=∼v卿ア

      3L

が求められる。これより,気体の圧力をP〔Pa〕,全体積をγ 〔m 3〕とすると,

(13)

〃2を使って

    P‥ 「(4)]

と表すことができる。この式と温度丁〔K〕の理想気体の状態方程式を見比べれ

ば,分子1個あたりの平均運動エネルギーが

    1万一[亙]妬τ

となり,理想気体の温度は運動エネルギーの平均値に比例することがわかる。

単原子分子理想気体の場合,内部エネルギーに含まれるのは運動エネルギーだ

けなので,この箱の中の理想気体の内部エネルギーU〔戊〕は温度のみの関数で

    σ一[(6)]〃・・T

となる。

(14)

問2次に,断熱壁で閲まれた,断頂が一辺L〔m〕の正方形で,長さが2Lの箱を

  考える。はじめ箱の中央に断熱壁の仕切りがおかれて二つの立方体の部屋にわ

  けられており,片方の部屋にだけN

個の単原子分子が入れられていた

  (図2)。もう一方の部屋は真空である。

2L

L

L

図2

 ある時刻に断熱壁の仕切りが気体に何の作用も及ぼすことなく取り去られ,

その後,十分な時間が経過すると気体分子は箱全体に拡がり一様になった

(図3)。これを自由膨張という。

L

L

?ヘ

ノ 2 ♂ ♂° ” ㌔ノ)(ヘーつ

j 一♂♂二も

㌔『

/♂㌧→膓ノ↓

2L

図3

(7)自由膨張前後で,気体の内部エネルギーと圧力がどうなるか,理由をつけ

 てそれぞれ2行以内で解答せよ。理由の記述では状態方程式は使わず,気体  分子の運動について問1の導出過程のどこが変わるか,あるいは,変わらな

 いかを述べること。

(15)

問3再び一辺の長さLこm〕の立方体の断熱壁に囲まれた箱に1V個の単原子分子を   入れることを考える。今度は,6面の壁のうち1面が摩擦なく平行に動く可

  動壁になっている。壁には問1で求めたFの力がはたらいており,外部の

  圧力をごくわずかにゆっくり低下させると,この力により可動壁が微小距離

  2L〔m〕だけ外に動いた(図4)。これは断熱膨張である。∠Lが十分に小さい場

  合,この過程で気体が外部にした仕事は1必Lと書くことができる。可動壁の

  移動は十分にゆっくり行われ,全ての気体分子は可動壁が移動するあいだ均等

  に可動壁と衝突したとする。

   取り扱いを容易にするため,以下ではすべての分子が同じ速さρ 〔m/s 〕を

  持っているとする。この仮定の下では,問1の〆は単に〆とすることができ

  る。

L

L

ZL

図4

(8)断熱壁内部に閉じ込められた気体が外部に仕事をしたので,気体分子の運

 動エネルギーが減少し速さも〃から〃一加へと減少する。このときの気体

 分子1個あたりの運動エネルギーの減少分を4〃を使って表せ。ただし

 (2の2は十分に小さく無視できるとして省略せよ。

(9)速さの減少分加を〃,L,∠Lのみを使って表せ。

(16)

(10)このとき,気体の温度がτ 〔K〕から7’ +Z7’ 〔K〕に変化した。温度変化

 ∠7’ を移動前の温度丁とL,4Lのみを使って表せ。符号に注意して解答せ

 よ。

㈲ 可動壁移動後,可動壁と反対側の壁の間の距離はL〔m〕からL+∠L〔m〕

 に増加していることも考慮し,気体の圧力変化ZP〔Pa〕を求め,移動前の圧

 力PとL,∠Lのみを使って表せ。答だけではなく,導出過程も解答欄に書

 くこと。

ただし,卜割《1が成り立つとして(乎)2とそれより小さ噸は鰍

する・近似公式(  ZL1十 .)α ≒1+・告(・}ま臆の麹)を使ってよい・

 ここで得られた結果をγ =が,∠γ =LぴLとして変形していくと,単原

子分子理想気体の断熱過程での温度,圧力と体積の関係式であるボアソンの関

係式を導くことができる。

一15一

(17)

注意問題は1,H

,班の3題である。解答に単位が必要なものには単位をつけ

  て記すこと。また,問題文中の体積の単位記号Lは,リットルを表す。

1 次の文章を読み,以下の問1∼問7に答えよ。問3,問4,問5,問7は解答に

 至る導出過程も記すこと。必要であれば,下の値を用いよ。

  気体定数 1∼=8.3× 103Pa・L/(l nol ・K)

  原子量  H :1.O  I  :127

 ヨウ素は人体にとって必須な物質である。ヨウ素が欠乏すると甲状腺がうまく働か

なくなる。ヨウ素を摂取すると甲状腺ホルモンを合成するために,ヨウ素が甲状腺に

蓄積される。ヨウ素を摂取するには昆布など海藻を食べるとよい。海藻は海水中から

ヨウ素を濃縮する力をもっている。また,最近では放射性物質を摂取する可能性のあ

る場所でヨウ素剤が配布されることがある。これは,核分裂によって生じたヨウ素の

放射性同位体が甲状腺に蓄積されるのを防ぐためである。あらかじめヨウ素の安定同

位体を摂取しておくことにより,放射性同位体はそのまま排出される。また,ヨウ素

は非常に殺菌性が高いので,うがい薬や消毒薬として用いられている。工業的には,

ヨウ素はヨウ化ナトリウムを多く含む地下水に塩素を吹き込むことにより製造されて

いる。

   2N

al 十Cl 2 ・2N

aCl ÷

12      … … … ①

 日本のヨウ素の生産量は世界第2位であり,資源の少ない日本にとって数少ない輸

出資源である。実験的にはヨウ素デンプン反応がよく知られている。デンプンが含ま

れる水溶液にヨウ素溶遊加えると,[]色を示すため,櫃のデンプンの齢

翻いられる。また,これに[1を力日えると以下の跡が終了し臓間に働・消

失するため,滴定にも利用される。

   12+[ア]Na 2 S203−→[こ]Nal +[亘]Na 2S406… ・一②

(18)

問1反応式②について,以下の(1)と②に答えよ。

ω 空欄[ロー巨]に当てはまる整数を記ぱ

 (2)この反応における還元剤として働いている物質について,電子を含むイオン

  反応式を示せ。

問2空欄[]に当てはまる適当な語と[1に当てはまる化舗名を記

 せ。

問30.10mol /1.のヨウ素溶液(ヨウ素のヨウ化カリウム水溶液)25 mLにデンプ

ンを臓巨]溶液で粧したら,5.・m

Lで色が瀧た.この巨]噸

 度(mol /L)を求め,3桁目を四捨五入して有効数字2桁で記せ。なお,解答に至

 る導出過程も記すこと。

問4 ヨウ素の結晶5.08gを真空の密閉容器に入れ,容器全体を227℃で十分な  時間加熱したところ,ヨウ素はすべて気化した。このときの容器内の圧力は  1.0× 105Paだった。この容器の容積(L)を求め,3桁目を四捨五入して有効数

 字2桁で記せ。なお,解答に至る導出過程も記すこと。

問5 問4のヨウ素を入れた容器に水素0.020mol を加えて,さらに加熱したとこ

 ろ,以下の反応によりヨウ化水素が生成した。

   H2(気)+12(気)ご2HI (気)

 この反応が平衡に達したときにヨウ化水素は0.032mol 生じていた。このときの

 平衡定数を求め,3桁目を四捨五入して有効数字2桁で記せ。なお,解答に至る

 導出過程も記すこと。

一17一

(19)

問6 問5の反応を容器内に触媒を加えて同じ温度で行った。問5の反応よりも,

反応速度が巨]ので,平衡遮するまでの目寺間は巨].また,生成した

ヨウ化糠の物難は[[.

巨]一巨]に当てはまる幽な髄以下から翻して記せ.

  選択肢:増加する,滅少する,変化しない

問7 問5の実験で,同じ温度で加える水素の量を変えて実験した。この反応が平

衡に達したときにヨウ化水素が0.020mol 生じていた。加えた水素の質量(g)を

求め,3桁日を四捨五入して有効数字2桁で記せ。なお,解答に至る導出過程も

記すこと。

(20)

丑 次の文章を読み,以下の問1∼問4に答えよ。問2,問3(2),および問4は,解

 答に至る導出過程も記すこと。必要であれば以下の値を用いよ。

  原子量 H:1.O O:16.O Fe:55.9 Ni :58.7 Pb:207.2

  アボガドロ定数 6.02× 1023/mol

  気体定数 R=8.3× 103Pa・L/(K・moD

  ファラデー定数 F=96500C/mol

  海一=1.41, ∼/至’ 『=1.73

 近年,電気自動車や燃料電池車など「電気エネルギー1を利用して走行する自動車が

注目されており,既に国内での市販も始まっている。これらの自動車は従来のガソリ

ン車と異なり,走行時に二酸化炭素や一酸化炭素,窒素酸化物,粒子状物質(PM)な

      (a) どの大気汚染物質を排出しないという利点がある。

 電気自動車は,つい最近発明されたばかりの新技術だと誤解されることが多いが,

実はガソリン自動車よりも長い歴史をもつ。たとえば,イギリスのダビットソンは

1873年に鉄一亜鉛電池を使用した実用電気自動車の開発に成功している。これはドイ

ツのダイムラーとベンツによるガソリン自動車の発明よりも10年以上も前のことで

ある。ただし,この時使われた鉄一亜鉛電池は充電できない電池(一次電池)であっ

た。世界で最初に開発された実用的な二次電池は鉛蓄電池である。これは1859年に

       (b)

フランスのプランテによって発明された電池であり,ガソリン自動車の補助電源とし

て現在でも使用されている。19世紀末には鉛蓄電池を搭載した電気自動車が販売さ

れていたが,鉛蓄電池は質量当たりに蓄えられるエネルギー量が小さいため,走行可

能距離が短いという問題があった。アメリカのエジソンは1903年にニッケルー鉄電池

       (C)

を搭載した電気自動車を発明した。この発明によって電気自動車の走行距離は大幅に

向上し,一回の充電で160kmもの長距離を走行することに成功している。

 ニッケルー水素電池はニッケルー鉄電池とよく似た構成の電池であり,現在でも広く

(d)

利用されている。ニッケルー水素電池の正極と電解質の構成,および正極の反応は

ニッケルー鉄電池と同じであるが,負極では以下に示すように水素を用いた反応が起

こる。

   H

2Ψ 20H

一ご2H

20+2e−

(21)

この反応では充電時に水素ガスが発生するが,ガス状の水素は取扱いが困難である。

そのため,一般に普及している現在のニッケルー水素電池の負極には水素吸蔵合金が

含まれている。この電池では,水素吸蔵合金の結晶格子内に水素を吸蔵させること

で,ガスの発生しない充放電反応を実現している。

問1 下線部(a)について,以下の(Dと(2>に答えよ。

(1)以下の文中の空欄「刀一[三]に当てはまる幽な数または縦記

  也ただし[ア]と[]は裾付の撒,[互]は化舗名で記入す

  ること。

  窒素の酸化物としては,N20, NO, NO 2, N204などさまざまなものが知られ

  ている.窒素原子の酸化縦,N

・・カ・[],N

… が[三]である.

  N

・は巨]色の気体である.N

・は,アンモニアと麟を反応させて繊

  を合成する工業プロセス(オストワルト法)における中間体として生成する化合

  物である。オストワルト法におけるアンモニアの酸化反応では,白金が

  巨]として鮪される。N

O

は酸化されやすく,空榊の藤と反応して

  N・、に変化する.このN・・は巨]色の気体である。N・とNO・を比べる

  ど水への溶縦は巨]の方が高い.巨コが水に醐すると繊が生

  じる。濃硝酸は強い酸化力をもち,銀や銅などの貴金属を溶かすが,鉄やアル

       ①

 ミニウムは濃硝酸に溶けない。これは,金属表面にち密な酸化被膜ができて内

部が保護されるためである.このような斗犬態を「キ]という.

(2)下線部①と同様の性質をもつ酸を下記の選択肢から1つ選び,その酸と銀と

 の化学反応式を記せ。

  選択肢:シュウ酸,酢酸,無水酢酸,塩酸,希硫酸,熱濃硫酸

問2本文の下線部(b)について,鉛蓄電池の負極には単体の鉛が使われる。この鉛

 の結晶は剛体球の鉛原子が最密充填した面心立方構造とする。この面心立方構造

 の単位格子の一辺の長さ(m)を求め,3桁目を四捨五入して有効数字2桁で記

 せ。ただし鉛の原子半径は1.75× 10一三〇r nである。なお,解答に至る導出過程

 も記すこと。

(22)

問3 本文の下線部(C)は正極にオキシ水酸化ニッケル,負極に鉄,電解質に水酸化

 カリウム水溶液を用いた電池である。電池全体の反応式は以下のように表され

 る。

   Fe十2Ni OO}1十2H20<ごFe(O}1)2十2Ni (OH)2   … … … (i >

 なお,正極では放電時に以下の反応が進行し,Ni (O間2が生成する。

   Ni OOH十H20十e−一>Ni (O}D 2十〇1{一        一・… … (i i )

 以下の(Dと(2)に答えよ。

 (D ニッケルー鉄電池の放電時に負極で起きる反応を,電子を含んだ反応式で記

  せ。

 (2)この電池をある一定の電流値∫ (A)で100分間放電したところ,負極の質量

  が204mg増加した。このときの電流値∫ (A)を求め,4桁目を四捨五入して

  有効数字3桁で記せ。ただし,流れた電流はすべて(1)式の反応に使用され,負

  極に析出した物質の電解液への溶出や,析出した物質が他の物質に変化する反

  応は起こらないものとする。なお,解答に至る導出過程も記すこと。

問4 本文の下線部(d)について,宇宙開発用途では水素吸蔵合金を含まない負極で

 ガス状水素をそのまま利用した充放電を行うタイプのニッケルー水素電池が使用

 されることがある。このとき負極で起こる反応は次のように書ける。

   H

2+20H

−=2}120+2e−         … … … (鋤

 容積1.5× 103L,圧力3,0× 103Pa,温度300 Kの水素ガス容器を用意し,容

 器内の水素ガスすべてを用いてこの電池の放電を行った。このときに正極で反応

 したNi OOHの質量(g)を求め,3桁目を四捨五入し,有効数字2桁で記せ。た

 だし,容器内の水素は理想気体として振る舞い,すべて(i i i )式の反応に使用される

 ものとする。また,正極では問3のω 式以外の反応が起こらないものとする。な

 お,解答に至る導出過程も記すこと。

(23)

皿 次の文章を読み,問1∼問9に答えよ。問4,問9は解答に至る導出過程も記す

 こと。必要であれば,原子量は下の値を用いよ。

  H

:LO

C:12N

:140:161:127

 構造式は例にならって記すこと。

[例]

HO−CH 2

H

2N

O α {3

|{ l

C−CH−CH 2−CH 3

  *

 ヒトの体を構成するタンパク質を合成するために必要なα 一アミノ酸は約20種類で

あるが,その中で食物として摂取しなくてはならないアミノ酸を必須アミノ酸とい

う。残りのアミノ酸は,必須アミノ酸を原料として生合成することができる。例え

ば,チロシンはフェニルアラニンのベンゼン環のパラ位を水酸化する酵素により生合

成されている。実際には,ヒトの体内にはα 一アミノ酸以外に,β 一アミノ酸など多様

なアミノ酸が存在している。アミノ酸はタンパク質を構成するだけではなく,酵素に

よりさまざまな物質に変換されて重要な生理作用を担っている。

 体内の脱炭酸酵素の中には,α 一アミノ酸に対して下に示すような反応を行うもの

がある。側鎖Rの中のカルボキシ基に対しては,この酵素は働かない。

R−−CH−NH 2

  1 −一一RCH

・−N

H

・+C・・

  CO

O

H

 この酵素の働きにより,アスパラギン酸はβ 一アラニンに変換される。また,グル

タミン酸はGABAに変換される。 GABAは抑制系の神経伝達物質であり,血圧を下

げる作用がある。

 カテコール(o一ジヒドロキシベンゼン)部位はさまざまな生理活性物質に含まれて

いる基本構造の1つである。神経伝達物質でもありストレス・ホルモンとして働くノ

(24)

ルアドレナリンは,構造中にカテコール部位を有している。体内では,チロシンを原

料として,神経伝達物質の1つであるドーパミンを経由してノルアドレナリンに変換

されている。

問] タンパク質はさまざまな試薬により呈色反応を示すが,代表的なものとして

 ビウレット反応,キサントプロテイン反応,ニンヒドリン反応があり,タンパク

 質の検出に用いられている。アミノ酸でもタンパク質の検出反応用の試薬を加え

 ることにより呈色することがある。チロシンとグルタミン酸のうち一方が呈色す

 るが,もう一方は呈色しない反応を上記の反応の中から選び,その名称を記せ。

問2 フェニルアラニン3分子とアスパラギン酸3分子からなるヘキサペプチドが  ある。このヘキサペプチド溶液のpHを7に調整して電気泳動を行うと,どちら

 の極へ移動していくかを理由とともに2行以内で記せ。

問3GA BAの構造式を記せ。

問4 ノルアドレナリンは分子量169の化合物であり,元素分析の結果は

 C:56.8%,H:6.5%, N:8.3%である。ノルアドレナリンの分子式を記

 せ。なお,解答に至る導出過程も記すこと。

問5体内の水酸化酵素はC−H

結合をC−O

H

に変換している。チロシンに水

 酸化酵素Aが働くとカテコール部位が生成する。その後,脱炭酸酵素が働くと

 ドーパミンが生成する。ドーパミンの構造式を記せ。

問6 ドーパミンに水酸化酵素Bが働くとノルアドレナリンが生成するが,ノルア  ドレナリンには不斉炭素原子が1つ存在している。この条件の下でノルアドレナ

 リンの構造式として考えられるものをすべて記せ。ただし,不斉炭素原子の上ま

 たは下に*をつけて記すこと。

一23一

(25)

問7 実験室でノルアドレナリンの人工合成を行った。チロシンに問6の水酸化酵

 素Bを作用させるとヒドロキシ基が一つ増加し,不斉炭素原子を2つ有する化合  物Xが生じた。Xに脱炭酸酵素を作用させた後に,問5の水酸化酵素Aを作用さ  せるとノルアドレナリンが生じた。Xとノルアドレナリンの構造式を記せ。ただ

 し,不斉炭素原子の上または下に*をつけて記すこと。

問8 天然に存在するカテコール部位を有する化合物としては漆の主成分であるウ

 ルシオールがある。ウルシオールはさまざまな化合物の混合物であるが,基本的

 には下に示す構造である。構造式中のRは炭化水素鎖であり,枝分かれおよび

 炭素一炭素3重結合は存在していない。しかし,炭素一炭素2重結合が存在し,酸

 素による酸化重合により樹脂状になる。

 O

H

ウルシオールのある成分の分子式はC21H3002である。

2重結合の数を整数で記せ。

この成分中の炭素一炭素

問9不飽和脂肪酸の場合,不飽和度が大きいほど酸化重合により固化しやすい。  問8のウルシオールのRに存在する炭素一炭素2重結合の数と同じ数の炭素一炭  素2重結合を有する炭素数18の高級脂肪酸(分子量278)がある。このトリグリ  セリド100gに付加するヨウ素の質量(g)を求め,3桁目を四捨五入して有効数

 宇2桁で記せ。なお,解答に至る導出過程も記すこと。

一24一

参照

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