特集
~持続可能な社会の実現に向けた日揮グループの取り組み国内でも日照時間が長い大分県。この大分 県で、当社は2012年8月に、国内最大級の発 電容量2万6,500kWを誇る大規模太陽光発電
(メガソーラー)事業の実施を決定しました。 本発電所の建設は、当社の子会社である日揮 プラントソリューション(株)(本年7月1日より、 日揮プラントイノベーション(株)に社名変更)
と、四電エンジニアリング(株)のコンソーシア ムによって急ピッチで進められ、当初の計画通 り本年4月末に発電所は完成、5月1日より商 業運転を開始しました。当社は、この発電所を
20年間に亘って運営していきます。
この発電所には、敷地面積約35万平方メー トルという広大な土地に、約11万4,000枚も の太陽光パネルを敷き詰められました。その発
電容量は、2万6,500kWと一般家庭約9,000 戸分の電力消費量に相当します。発電した電力 は、地元電力会社である九州電力(株)に全量売 電されています。
このような当社の取り組みを、地元大分の 方々をはじめ、より多くの方々に知ってもらうた め、本発電所ではご希望に応じて施設見学会も
実施しています。
当社は、再生可能エネルギー事業の開発案 件では、スペイン・コルドバ地区で太陽熱発電 事業(発電容量10万kW)を2011年3月に商
業運転を開始させるなど、再生可能エネルギー の事業化に積極的に取り組んでいます。 また当社は、本年4月に千葉県富津市で、ミ ツウロコグリーンエネルギー(株)と(株)リサイ
クルワンが中心となって進めるメガソーラー発 電所の建設工事を受注するなど、事業者として の知見と経験を活かして、再生可能エネルギー 発電所の建設工事にも積極的に取り組み、再生
可能エネルギーの普及にも貢献しています。
再生可能エネルギーの
普及に向けた取り組み
社会
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特集
~持続可能な社会の実現に向けた日揮グループの取り組みは大分の大規模太陽光発電(メガソー ラー)プロジェクトにおいて、事業の開
発から本年5月に開始した発電所の商業運転の マネジメントをしています。
現在の投資事業の仕事にかかわる前は、原 子力関連施設のEPC事業部門に所属していま
した。
ビジネスモデル、仕様を自ら構築して進めて いくところに投資事業の面白さと同時に難しさ があると感じていますが、かつてのEPC事業の
仕事の中でも明確な仕様がお客様から提示さ れることばかりではなく、お客様と一緒に仕様 を確定しながらプラントを完成させた経験が現 在の仕事にとても活きています。
この投資事業は、20年、30年と長期に亘って ビジネスを展開していくことから、関係者が納 得する、無理のない計画であることをいつも強 く心がけています。
大分のメガソーラープロジェクトは、広大な土 地の有効活用、震災以降の電力不足への対応、 地元の雇用創出などの点について、土地のオー
ナーである日産株式会社や地元大分県の自治 体、住民の方々にご理解をいただき、そして多
くのご協力をいただき実現に至ることができま した。
とはいえ、建設工事期間が9か月ほどだった のに対し、関係各社や地元自治体、住民の方々
に対して1年以上の月日をかけて丁寧に事前に 説明を行ってきました。投資事業はこの事業の 企画、開発に多くの時間とエネルギーが必要だ
ということを実感しています。
当社はメガソーラー分野において、この数年 の間にビジネスモデルの構築、建設工事、商業 運転などに関し、着実に知見やノウハウなどを
積んできました。
今後は電力需要の逼迫が将来的に見込まれて いる中東諸国での事業展開を見据えています。 燦々と照りつける太陽光、当社のこれまでの 石油・天然ガス分野での知見を活かし、「石油と
同じ価値」を生む再生可能エネルギーの創出を 実現することで、これまで以上に中東諸国の繁 栄に貢献したいと考えています。
事業推進プロジェクト本部 電力・水事業推進部
大津 栄治
大分・メガソーラープロジェクト:
持続性のあるビジネスモデルの構築を
投資事業の面白さ、難しさは
ビジネスモデル・仕様を自ら構築し、
進めるところにあると思います。
私
社会
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