美しい宮崎づくり推進計画(素案)
~愛着と誇りを持てる「美しい宮崎」の継承に向けて ~
平成29年
月
目
次
第1章 計画策定に当たって 1
1 計画策定の趣旨 1
2 条例の目的 4
3 「美しい宮崎づくり」とは 4
4 基本理念 6
5 各主体の責務又は役割 8
(1) 県の責務 8
(2) 市町村の役割 8
(3) 県民の役割 9
(4) 事業者の役割 9
6 計画の位置付け 10
7 計画の期間 11
第2章 景観の現状と課題 12
1 本県の景観特性 12
(1) 自然 12
(2) 歴史・文化 14
(3) 営み・生業 15
(4) 都市 16
2 景観を取り巻く環境の変化 19
(1) 人口減少、少子高齢化の進行 19
(2) 人々の豊かさに対する価値観の変化 21
(3) 環境意識の向上 22
(4) 旅行者のニーズの多様化 23
(5) 交流圏域の拡大 25
3 景観に対する県民等の意識 26
4 課題 27
(1) 「強み」を伸ばす 27
(2) 「弱み」を克服する 27
第3章 目指すべき姿 28
第4章 分野別施策 29
1 地域の特性を生かした景観の保全及び創出 30
(1) 自然景観の保全及び創出 30
(2) 農山漁村景観の保全及び創出 40
(5) 広域的景観の保全及び創出 57 2 景観を資源として活用するための環境づくり 59
(1) 視点場の整備等 59
(2) 沿道、沿線の整備等 61
(3) もてなしと賑わいの空間づくり等 66
(4) 景観阻害要因の改善 73
(5) 積極的な情報発信 76
3 公共事業に係る良好な景観の形成 79
4 美しい宮崎づくりを推進するための担い手の育成 83
(1) 普及啓発等 83
(2) 人材の育成 86
(3) 美しい宮崎づくり活動団体の登録等 89
(4) 景観形成促進機構の指定等 91
(5) 美しい宮崎づくり推進強化月間 93
(6) 表彰 95
第5章 重点施策 97
第6章 推進体制の整備 99
1 美しい宮崎づくり推進本部 100
2 美しい宮崎づくり推進市町村連絡会 101
3 美しい宮崎づくり推進有識者会議 102
4 計画の推進 102
施策の体系 103
主要指標一覧 107
【参考資料】
第1章
計画策定に当たって
1
計画策定の趣旨
私 た ち が 暮 ら す 宮 崎 県 は 、 九 州 山 地 や 霧 島連 山 を はじ め と する 緑 豊 か な山 々 、 そ れ ら を 源 と し 日 向 灘 に 注 ぐ 大 淀 川 や五 ヶ 瀬 川な ど の 清ら か な 河川 、 日 豊 海岸 か ら 日 南海岸に至る変化に富んだ海岸線など、雄大で美しい自然に恵まれています。
ま た 、 古 く か ら 日 本 発 祥 に ま つ わ る 日 向 神話 の 舞 台と し て 知ら れ 、 各 地に 多 く の 伝説や史跡、伝統文化を有しています。
そ の 中 で 先 人 た ち は 、 温 暖 な 気 候 風 土 に 根ざ し た 暮ら し の 積み 重 ね に より 、 の ど かな里山や歴史的な趣のあるまちなみなど地域固有の景観を育んできました。
ま た 、 宮 崎 交 通 グ ル ー プ の 創 業 者 で あ る 岩 切 章 太 郎 氏 は 、「 大 地 に 絵 を 描 く 」 と の 理 念 の 下 、 昭 和 初 期 か ら 、 本 県 の景 観 を 生か し た 観光 地 づ くり に 取 り 組ま れ ま し た 。 岩 切 氏 は 、本 県 が 持つ 「 自 然の 美 」 に、「人 工 の 美」、 つ まり 人 の 手 で花 や 緑 を 添えることで景観に磨きをかけ、さらに観光客へのもてなしの心である「人情の美」 を 加 わ え る こ と に よ り 、 日 南 海 岸 やえ び の 高原 等 を 、本 県 を 代表 す る 観 光地 に 育 て 上げられました。
こ の よ うな 民 間 の動 き に 呼応 す る よ うに 、 県 は、 昭 和 38 年( 1 96 3年 ) に「 美 し い 郷 土 づ く り 運 動 」 を 提 唱 し 、 花 の 植栽 や 清 掃な ど 各 種施 策 を 県民 総 参 加 によ る 運 動 と し て取 り 組 み、 昭 和 44 年( 1 96 9年 ) には 、 良 好な 沿 道 景観 の 保 全・ 創 出 に 努め 、 郷 土 の 美 化 を 推 進 す る こ と を 目 的 とし た 「 宮崎 県 沿 道修 景 美 化条 例 」 を 全国 に 先 駆 けて制定しました。
現 在 の 美 し い 宮 崎 の 景 観 は 、 こ う し た 先 人た ち の 取組 に よ って 守 ら れ 、育 て ら れ てきたものです。
し か し な が ら 、 本 格 的 な 人 口 減 少 ・ 少 子高 齢 化 の時 代 を 迎え る 中 、 本県 に お いて も 、 今 後 、 担 い 手 不 足 か ら 、 地 域の 人 々 によ っ て 守ら れ て きた 景 観 が 損な わ れ るこ とが懸念されています 。
ま た 、 人 々 の 価 値 観 の 変 化 や 環 境 意 識 の高 ま り 、旅 行 者 のニ ー ズ の 多様 化 や 交流 圏 域 の 拡 大 に 伴 い 、 以 前 に も 増 して 、 地 域の 特 性 を生 か し た景 観 の 保 全、 創 出 又は 活用による魅力ある地 域づくりが求められています。
このようなことから、県で は、美しい宮崎づくり推進条 例(以下「 条例」という。) を 制 定 し 、 地 域 に あ る 身 近 な 景 観を 県 民 共有 の 財 産と し て 、守 り 、 創 り出 し 、 又は 生かしていく取組を推 進していくこととしたところです。
【コラム】 岩切章太郎
岩切章太郎(明治26年(1893年) - 昭 和 6 0 年 ( 1 9 8 5 年 ) ) は 、 宮 崎 交 通 グ ル ー プ の 創 業 者 。「 大 地 に絵を描く」という理念のもと、 日 南 海 岸 に お け る フ ェ ニ ッ ク ス の 植 樹 や 、 こ ど も の 国 の 開 園 、 え び の 高 原 の 観 光 開 発 、 橘 公 園 の 整 備 に 取 り 組 み 、「 宮 崎 観 光 の父」と呼ばれています。
▲岩 切章 太郎 氏( 左端 )
【コラム】 宮崎県沿道修景美化条例
昭 和 4 4 年 ( 1 9 6 9 年 ) に 本 県 が 全 国 に 先 駆 け て 制 定 し た 景 観 に 関する条例。
沿 道 の す ぐ れ た 自 然 景 観 及 び 樹 木 そ の 他 の 植 物 を 保 護 す る と と も に 、 花 木 類 の 植 栽 等 を 行 う こ と に よ っ て 、 沿 道 の 修 景 を 図 ることを目的としています。
▲国 道220号 宮崎 南バ イパ スの 沿道 修景
【コラム】県民のおもてなしの心
「 の ん び り 」、「温 和」、「お 人 よ し」・ ・ ・ 。こ れ ら は、 宮 崎 県 の県 民 性 とし て 、 よ く 挙 げ ら れ る 気 質 で す 。 こ の よ う な 県 民 性 は 、 観 光 面 に お い て 、 旅 行 者に対する「おもてなしの心(=ホス ピタリティ)」として表れま す。
大 手 旅 行 サ イ ト の 調 査 で は 、「 地 元 の 人 の ホ ス ピ タ リ テ ィ を 感 じた 」 と いう 項目について、本県は、過去10年で8 回10位内にランクインしています。
「地元の人のホスピタリティを感じた」ランキング
2
条例の目的
(目的)
第 1 条 こ の 条 例 は 、 美 し い 宮 崎 づ く り に 関し 、 基 本理 念 を 定め 、 県 の責 務 並 び に 市 町 村 、 県 民 及 び 事 業 者 の 役 割 を 明 ら か に す る と と も に 、 そ の 施策 の 基 本 と な る 事 項 を 定 め る こ と に よ り 、 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 施 策 を総 合 的 か つ 計 画 的 に 推 進 し 、 も っ て 県 民 の 心 豊 か な 暮 ら し 及 び 活 力 あ る 地 域社 会 の 実現に寄与することを目的とする。
条例では、「『美しい宮崎づくり』を進めることにより、『県民の心豊かな暮らし』 と『活力ある地域社会』の実現に寄与すること」を、その最終的な目的として定め ています。
これは、県民や事業者等の様々な主体が連携して「美しい宮崎づくり」に取り組 むことにより、私たち県民が美しい景観の恩恵を享受しながら幸せに暮らすことが できるとともに、地域自体の価値が向上し、訪れる人が増え、地域に活力が生まれ るという考えによるものです。
3
「美しい宮崎づくり」とは
(定義)
第 2 条 こ の 条 例 に お い て、「 美 し い 宮 崎 づ く り 」 とは 、 本 県に お い て、 現 に ある良好な景観を保全すること、新たに良好な景観を創出すること又はこれ らの景観を活用することにより魅力ある地域をつくることをいう。
条 例 で は 、「 美 し い 宮 崎 づ く り 」 を 、「 本 県 に お い て 、 現 に あ る 良 好 な 景 観 を 保 全すること、新たに良好な景観を創出すること又はこれらの景観を活用することに より魅力ある地域をつくること」と定義しています。
人間は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感によって周囲の情報を分析し、自 分が今どのような場所にいるのかを認識しています。中でも、視覚から得られる情 報が、五感全てによって得られる情報の8割から9割を占めていると言われており、 目から得られる情報である「景観」は、旅行者等が地域を評価する際に大きな影響 を与えます。
地 域 の 景 観 は 、 地 域 の 人 々 の 暮 ら し や 、 事 業 活 動 の 積 み 重 ね に よ っ て 、 長 い 時 間を掛けて形づくられてきたものです。
美 し い 宮 崎 づ く り を 推 進 し て い く た め に は 、 県 や 市 町 村 の 取 組 は も と よ り 、 県 民や 事業者等の多くの主体の参加による息の 長い取組が必要になります。
【コラム】 景観とは
景観は、地域の歴史や風土、文化や 伝統、そして私たちの暮らしや経済活 動等により形成されるものです。
行政による景観施策はもとより、県 民や事業者など、一人ひとりの工夫で 景観は向上し、私たちの「まち」に対 す る 評 価 も 高 ま り ま す 。
▲ 宮 崎 市 役 所 前 交 差 点 の 景 観 ( 多 く の 建 物 や
4
基本理念
(基本理念)
第 3 条 美 し い 宮 崎 づ く り は 、 良 好 な 景 観 が県 民 共 有の 財 産 であ る と の認 識 の 下 、 現 在 及 び 将 来 に わ た っ て 、 県 民 が 良 好 な 景 観 の 恩 恵 を 享 受 で き るよ う 推 進されなければならない。
2 美 し い 宮 崎 づ く り は 、 地 域 の 良 好 な 景 観 が 有 す る個 性 及 び特 色 を 伸長 さ せ る と と も に 、 県 民 の 地 域 に 対 す る 愛 着 と 誇 り を 醸 成 す る よ う 推 進 さ れな け れ ばならない。
3 美 し い 宮 崎 づ く り は 、 良 好 な 景 観 が 観 光 そ の 他 の地 域 間 交流 の 促 進に 大 き な 役 割 を 担 う も の で あ る こ と に 鑑 み 、 訪 れ る 人 々 に 対 す る も て な し の心 を 持 って推進されなければならない。
4 美 し い 宮 崎 づ く り は 、 良 好 な 景 観 の 保 全 、 創 出 又は 活 用 に関 し 、 理解 を 深 め る こ と 、 自 ら 行 動 す る こ と 、 行 動 す る も の を 支 援 す る こ と 等 の 多 様な 取 組 により推進されなければならない。
5 美 し い 宮 崎 づ く り は 、 県 、 市 町 村 、 県 民 及 び 事 業者 の 適 切な 役 割 分担 及 び 相互の連携により推進されなければならない。
美 し い 宮 崎 づ く り を 推 進 し て い く た め に は 、 県 や 市 町 村 、 県 民 、 事 業 者 が 想 い を共 有し、一体となって取り組むことが重要 です。
こ の た め 、 条 例 で は 、 5 つ の 基 本 理 念 を 定 め て い ま す 。 そ れ ぞ れ に 込 め ら れ た 意味 を分かりやすく表現すると次のとおりで す。
今 を 生 き る 私 た ち の み な ら ず 、 未 来 を 生 き る 子 ど も た ち も 、 美 し い 宮 崎 の景観の恩恵を受けられることが望まれます。
地 域 に 対 す る 愛 着 と 誇 り が 、 魅 力 あ る 地 域 づ く り に 取 り 組 む た め の 原 動 力となります。
実 際 に 行 動 す る こ と は も ち ろ ん で す が 、 景 観 の 保 全 等 に つ い て 理 解 す る こ と や 、 行 動 す る 人 を 支 援 す る こ と な ど も 「 美 し い 宮 崎 づ く り 」 で す 。 一 人ひとりが今できることに取り組むことが大切です。
5
各主体の責務又は役割
美 し い 宮 崎 づ く り を 推 進 し て い く た め に は 、 県 、 市 町 村 、 県 民 、 事 業 者 が そ れ ぞ れ の 責 務 又 は 役 割 を 認 識 し た 上 で 、 相 互 に 連 携 し て 取 り 組 む こ と が 重 要 で す 。
条例では、それぞれの責務や 役割を次のとおり定めています。
(1)
県の責務
(県の責務)
第 4 条 県 は 、 前 条 に 定 め る 基 本 理 念 ( 以 下 「 基 本 理 念」 と い う。) にの っ と り 、 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 基 本 的 か つ 総 合 的 な 施 策 を 策 定 し 、 及び こ れ を推進するものとする。
2 県は、広域行政を担う者として、市町村との適切な役割分担を踏まえつつ、 市 町 村 が 実 施 す る 地 域 の 特 性 を 生 か し た 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 施策 に 協 力し、及びこれを支援するものとする。
3 県 は 、 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 県 民 及 び 事 業 者の 主 体 的か つ 積 極的 な 取 組が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
4 県 は 、 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 施 策 を 効 果 的 に推 進 す るた め 、 県、 市 町 村 、 県 民 及 び 事 業 者 が 相 互 に 連 携 を 図 る こ と が で き る よ う 必 要 な 措 置を 講 ず るものとする。
県は、広域行政の担い手として、基本的かつ総合的な施策の策定・推進、市町 村の施策への協力及び支援、県民・事業者の主体的かつ積極的な取組の促進並び に県、市町村、県民及び事業者の相互連携の推進に必要な措置を講ずる責務を有 します。
(2)
市町村の役割
(市町村の役割)
第 5 条 市 町 村 は 、 基 本 理 念 に の っ と り 、 景 観 行 政 を主 体 的 に担 う 者 とし て 、 県 と の 適 切 な 役 割 分 担 を 踏 ま え つ つ 、 県 、 県 民 及 び 事 業 者 と 連 携 し 、地 域 の 特 性 を 生 か し た 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 施 策 を 推 進 す る よ う 努 め るも の と する。
(3)
県民の役割
(県民の役割)
第 6 条 県 民 は 、 基 本 理 念 に の っ と り 、 そ の日 々 の 暮ら し が 地域 の 景 観の 形 成 に深い関わりを持つことを認識し、美しい宮崎づくりの重要な担い手として、 自 ら 進 ん で 美 し い 宮 崎 づ く り に 努 め る と と も に 、 地 域 社 会 の 一 員 と して 、 地 域 で 行 わ れ る 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る 取 組 に 参 加 す る よ う 努 め る もの と す る。
2 県 民 は 、 県 及 び 市 町 村 が 実 施 す る 美 し い 宮 崎 づ くり に 関 する 施 策 に協 力 す るよう努めるものとする。
県 民 は 、 美 し い 宮 崎 づ く り の 重 要 な 担 い 手 で す 。 自 身 の日 々 の 暮 らし が 地 域 の 景 観 に 深 く 関 わ っ て い る と い う こ と を 認 識 し 、 自 ら 進 んで 美 し い 宮崎 づ く り に努めるとともに、地域での活動に参加するなどの役割を担います。
(4)
事業者の役割
(事業者の役割)
第 7 条 事 業 者 は 、 基 本 理 念 に の っ と り 、 そ の 事 業 活動 が 地 域の 景 観 の形 成 に 深 い 関 わ り を 持 つ こ と を 認 識 し 、 事 業 活 動 を 行 う に 当 た っ て は 、 周 辺の 景 観 に 十 分 配 慮 す る よ う 努 め る と と も に 、 地 域 社 会 の 一 員 と し て 、 地 域 で行 わ れ る美しい宮崎づくりに関する取組に参加するよう努めるものとする。
2 事 業 者 は 、 県 及 び 市 町 村 が 実 施 す る 美 し い 宮 崎 づく り に 関す る 施 策に 協 力 するよう努めるものとする。
6
計画の位置付け
(推進計画の策定等)
第8条 知事は、美しい宮崎づくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図 るため、美しい宮崎づくりの推進に関する計画(以下「推進計画」という。) を定めなければならない。
2 推進計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。 (1) 美しい宮崎づくりの推進に関する施策の方向
(2) 美しい宮崎づくりの推進に関する施策の具体的な内容
(3) 前2号に掲げるもののほか、美しい宮崎づくりの推進に必要な事項 3 知事は、推進計画を定めようとするときは、市町村並びに県民、事業者及び
これらの者が組織する団体(以下「県民等」という。)の意見を反映させるた めに必要な措置を講ずるものとする。
4 知事は、推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。 5 前2項の規定は、推進計画の変更について準用する。
こ の 計 画 は 、 条 例 第 8 条 第 1 項 の 規 定 に基 づ く 計画 で 、 宮崎 県 総 合 計画 「 未 来み や ざ き 創 造 プ ラ ン 」 を 具 現 化 す るた め の 部門 別 計 画と 位 置 付け る こ と にな り ま す。 ま た 、 こ の 計 画 は 、「 美 し い 宮 崎 づ く り 」 に 関 し 、 自 然 環 境 や 農 林 水 産 業 、 歴 史 ・ 文 化 、 ま ち づ く り な ど 、 各 分 野で 取 り 組む べ き 施策 の 方 向や そ の 具 体的 な 内 容を 明 ら か に す る も の で あ り 、 県 、 市町 村 、 県民 及 び 事業 者 の 共通 の 指 針 とな る も ので す。
7
計画の期間
平成29年度から平成38年度まで(10年間)
美 し い 宮 崎 の 景 観 は 、 先 人 た ち が 自 然 と 共生 し た 暮ら し の 中で 、 世 代 を超 え て 守 り 、 育 ん で き た も の で す 。 こ の た め、 今 を 生き る 私 たち も 、 長期 的 な 展 望に 立 っ て 「 美 し い 宮 崎 づ く り 」 に 取 り 組 み 、県 民 共 有の 財 産 であ る 美 しい 景 観 を 将来 の 世 代 に引き継がなければなりません。
一 方 で 、足 も と に目 を 移 すと 、 平 成 32年 ( 2 02 0年 )に は 、 東京 オ リ ン ピッ ク ・ パ ラ リ ン ピ ッ ク が 開 催 さ れ る ほ か 、 県内 に お いて も 国 民文 化 祭 及び 全 国 障 害者 芸 術 ・ 文 化 祭が 開 催 され ま す 。さ ら に 、平 成 3 8年 (2 03 6年 ) に は、 国 民 体育 大 会 及 び全 国 障 害 者 ス ポ ー ツ 大 会 の 本 県 で の 開 催が 見 込 まれ て お り、 こ れ らの 大 き な イベ ン ト を 見据えての着実な準備が求められているところです。
こ れ ら の こ と か ら 、本 計 画 は、 平 成 29年 度 (2 017年 度 ) を初 年 度 と し、 国 民 体育 大 会 等の 本 県 開催 が 見 込ま れ る 平成 3 8年度 ( 202 6年 度) を 目 標 年次 と す る1 0か 年計 画とします。
第2章
景観の現状と課題
1
本県の景観特性
(1)
自然
本県は、豊かな自然環境に恵まれています。これらの自然環境は、昭和9年に我 が国で最初の国立公園に指定された霧島国立公園(現:霧島錦江湾国立公園)をは じめ、県内各地で自然公園等に指定され、大切に保全されています。
県内の自然公園等
○ 国立公 園 :霧 島錦 江湾 国立 公園
○ 国定公 園 :日 南海 岸国 定公 園、 祖母 傾国 定公 園、 日豊 海岸 国定 公園 、 九 州中 央山 地国 定公 園
○ 県立自 然 公園 :祖 母傾 県立 自然 公園 、尾 鈴県 立自 然公 園、 西都 原杉 安峡 県立 自然 公園 、 母 智丘 関之 尾県 立自 然公 園、 わに つか 県立 自然 公園 、矢 岳高 原県 立自 然公 園 ○ 自然環 境 保全 地域 : 樫 葉自 然環 境保 全地 域、 掃部 岳北 部自 然環 境保 全地 域
かしば かも ん だけ
○ 緑地環 境 保全 地域 : 森 谷観 音緑 地環 境保 全地 域、 大斗 滝 緑地 環境 保全 地域 、
もりや おせりのたき
三 之宮 峡緑 地環 境保 全地 域、 長谷 観音 緑地 環境 保全 地域
県内の景観に係る主な文化財
○ 国指定 名 勝及 び天 然記 念物 :五 箇瀬 川峡 谷( 高千 穂峡 ) ○ 国指定 名 勝: 妙国 寺庭 園、 比叡 山及 び矢 筈岳 、尾 鈴山 瀑布 群 ○ 国指定 特 別天 然記 念物 :青 島亜 熱帯 植物 群落 、都 井岬 ソテ ツ自 生地
○ 国指定 天 然記 念物 :ノ カイ ドウ 自生 地、青島 の隆 起海 床と 奇形 波触 痕、幸 島サ ル生 息地、 湯 ノ 宮 の 座 論 梅 、 高 岡 の 月 知 梅 、 石 波 の 海 岸 樹 林 、 虚 空 蔵 島 の 亜 熱 帯 林 、岬 馬及 びそ の繁 殖地、双 石山、甑岳 針 葉樹 林、川 南湿 原植 物群 落、 関 之尾 の 甌穴
○ 県指定 名 勝: 須木 の滝 (ま まこ 滝)、乙 島 、行縢 山、 鬼 神野 ・栂尾 溶 岩渓 谷
き じ の つ が お
○ 県 指 定 天 然 記 念 物 : 鵜 戸 千 畳 敷 奇 岩 、 白 岩 山 石 灰 岩 峰 植 物 群 落 、 ア カ ウ ミ ガ メ 及 び そ の 産 卵地 、 権現 崎の照 葉 樹林
▲ 霧 島 錦 江 湾 国 立 公 園 ( 韓 国 岳 ~ 高 千 穂 峰 ) (え びの 市・ 小林 市・ 高原 町・ 都城 市) ▲名 勝「 五箇 瀬 川峡谷 (高 千穂 峡)」
( 高 千穂 町)
▲青 島( 亜熱 帯植 物群 落、 鬼の 洗濯 板)( 宮崎 市)
(2)
歴史・文化
本県は、日向神話ゆかりの地や、西都原古墳群のような古代の息吹を今に伝える 貴重な文化的遺産、時代とともに形成されてきた重要伝統的建造物群保存地区のま ちなみ等が各地に残り、地域の歴史を知る上での貴重な資料となっています。
また、人々の手で代々伝えられてきた各地の神楽や祭りなどの情景は、地域固有 の歴史を継承する重要な宝になっています。
▲天 安 河 原( 高千穂 町) ▲鵜戸 神 宮( 日南 市)
あまのやすがわら
▲319基 の古 墳 が集ま る西 都 原古 墳群( 西都 市 )
▲銀 鏡神 楽( 西都 市) ▲都 井の 火祭 り (串間 市)
し ろ み
【コラム】重要伝統的建造物群保存地区
存地区(以下「重伝建 地区」という。)に選定します。
平成 29 年2 月2 3日 現在 、 重 伝建 地 区 は、 4 3道府 県 92市 町 村 に 所在 す る 112地 区 と な っ て い ま す 。 県 内 で は 、 昭 和 52 年 に 日南 市 飫 肥 (城 下 町 )が 九 州 で最 初 に 選 定 さ れ た の を は じ め 、 日 向 市 美 々 津 ( 港 町 )、 椎 葉 村 十 根 川 ( 山 村 集 落 ) の 計3地区が重伝建地区 に選定されています。
▲飫肥 藩 5万 1千 石の 城下 町の 風情 漂う ▲上 方と の交 易で 栄え た往 時を しの ばせ る
飫肥 の まち なみ (日 南市 ) 美 々津 のま ちな み( 日向 市)
▲ 椎葉 型と いわ れる 建 築様式 の民 家 や石 垣 など が残る 十 根川 地区( 椎 葉村 )
(3)
営み・生業
人々の営みや生業とともに育まれてきた田畑や里山、漁港などが醸し出す景観は、 県民に懐かしさや郷愁を抱かせる原風景です。
県内には、農林水産業を中心として、その土地の気候風土に根ざした営みや生業 からなる景観が見られます。
▲ 田 を 守 り 豊 作 を も た ら す 「 田 の 神 さ あ 」 ▲ 里 山 の 風 景 が 広 が る 高 岡 町 和 石 ( 宮 崎 市 )
よれし
▲日 向新 しき 村( 木城 町) ▲ 北浦 町地 下地 区の 茶畑 (延 岡市 )
ぢげ
【コラム】重要文化的景観
文 化 的 景 観 と は 、 棚 田 や 里 山 など の よ うに 、 地 域 にお け る 人々 の 生 活又 は 生 業 及 び そ の 地 域 の 風 土 に よ り 形 成 さ れ た 景 観 地 で 、 我が 国 民 の生 活 又 は生 業 の 理 解 の た め に 欠 く こ と の で き な い も の で す 。 平成 16 年の 文 化 財保 護 法 の改 正 に よ り 、 文 化 的 景 観 の 中 で も 特 に 重 要 な も の を 、 都 道 府県 又 は 市町 村 の 申出 に 基 づき、「 重要文化的 景観」として選定する制度が創設されま した。
平 成 2 9年 2月 9 日現 在 、 全国 で 51件 の 重 要文 化 的 景 観が 選 定 され て お り、 県 内 では、「酒谷の坂元棚田及び農山 村景観(日南 市)」の1件が選定されています。
▲ 酒谷 の坂 元棚 田
(4)
都市
本県では、地域の特性に応じて、周りを取り囲む豊かな自然環境と調和した都市 が形成されています。
▲ 日向 市駅 周辺 地区 (日 向市 )
▲ 橘通 り( 宮崎 市)
▲大 淀 川( 宮崎 市) ▲愛 宕山 の夜 景( 延岡 市)
▲ まな び野 地区 (宮 崎 市)
▲若 草通 り( 宮崎 市)
【コラム】ワシントニアパームの植替え
市 民 の 意 見 を 尊 重 し 、 平 成 29 年 5 月 、 ワ シン ト ニ ア パー ム を 若木 に 植 え替 え る 工事に着手しました。
多 く の 市 民 に 愛 さ れ る ふ る さ と の 景 観 が、 し っ か りと 次 世 代に 受 け 継が れ よ うとしています。
2
景観を取り巻く環境の変化
(1)
人口減少、少子高齢化の進行
我が国の総人口は平成 20年( 推計人口)をピークとして減少傾向に転じており、 少子 高齢化の進行はこれからも継続していく ものと予測されています。
ま た 、 本 県 の 人 口 も 平 成 8 年 ( 推 計 人 口 ) 以 降 減 少 が 続 く と と も に 、 高 齢 化 も 全国 平均より約5年早く進んでいます。
宮 崎 県 総 合 計 画 「 未 来 み や ざ き 創造 プ ラ ン」( 平 成2 7年 7月 改 定 宮 崎県 ) で は、 今 後 も この 傾 向 が 続く と 仮 定し た 場 合、 平 成 42年 ( 2030 年) に 人 口9 7万 9千 人(20 1 0年 113万 5 千 人、 同 年 比1 3.7% 減 )、 人口 構 成 につ い て は 、生 産年 齢人 口( 15~6 4 歳 ) 5 2 % ( 2 0 1 0 年 比 7 % 減 )、 高 齢 者 人 口 ( 6 5 歳 以 上 ) 3 6 % ( 2 0 1 0 年 比 1 0 % 増 ) にな ると推計しています。
こ の よ う な 急 激 な 人 口 減 少 と 人 口 構 成 の 変 化 は 、 地 域 経 済 に 大 き な 影 響 を 与 え る こ と は も と よ り 、 人 と 人 と の つ な が り の 希 薄 化 等 を も た ら し 、 景 観 を 守 っ て き た地 域の共同活動等のさらなる衰退を招くと 考えられます。
こ の た め 、 景 観 施 策 の 推 進 に 当 た っ て も 、 人 口 減 少 ・ 少 子 高 齢 化 に よ る 社 会 情 勢 の 変 化 に 伴 う 担 い 手 の 不 足 や 価 値 観 の 変 化 な ど を 的 確 に 踏 ま え て い く こ と が 求 めら れています。
年齢 3区分別人口の推移(昭和25年~平成27年)
平成42年(2030年)の宮崎県に関する推計
2010年 ケース1 ケース2
人口 万人 113.5 97.9 101.9
~14歳 14% 12% 14% 15~64歳 60% 53% 52% 65歳 26% 36% 34%
うち75歳~ 14% 22% 21%
就業 人口 万人 53.1 41.5 45.0
域内総 生産 億円 34,958 27,318 32,576
1 人 当 た り 所 得 万円 221 200 229
○ ケ ース1
人 口 動 態 ~ 各 年 齢 階 層 ご と の 自 然 増 減 を 現 状 と ほ ぼ 同 じ 、 社 会 増 減 率 を 今 後 も 収 束 し ない もの と仮 定。
就 業者 数 ~ 各年 齢階 層ご との 就業 率を 現状 とほ ぼ同 じと 仮定 。
生 産額 ~ 就業 者1 人当 たり の生 産額 を現 状と ほぼ 同じ と仮 定。
県 民所 得 ~ 生産 額に 対す る県 民所 得の 割合 を現 状と ほぼ 同じ と仮 定。
○ ケ ース2
2030年 まで に段階 的 に次 の条件 を満 た す場 合
➀ 合 計特 殊出 生率 ~ 2 .0 7
➁ 若 年層 の社 会減 ~ 3 0% 抑制
③ 非 就業 者の 経済 活動 への 参加
・ 60歳代 の就 業率 ~ 6 0%
・ 若 年層 、中 堅層 の失 業の 減
④ 経 済活動 の生 産 性 ~ 1 0% 向 上
(2)
人々の豊かさに対する価値観の変化
市 場 や 社 会 の 成 熟 化 に 伴 い 、 人 々 の 生 活 意 識 や 価 値 観 はま す ま す 多様 化 し てお り、「 豊かさ」の「質」の充実も今 まで以上に重要視されるようになってい ます。 内 閣 府 の 「 国 民 生 活 に 関 す る 世 論 調 査 」 に よ る と 、「 物 質 的 に あ る 程 度 豊 か に な っ た の で 、 心 の 豊 か さ や ゆ と り の あ る生 活 に 重き を 置 きた い 」 と する 人 の 割合 が 、「 ま だ ま だ 物 質 的 な 面 で 生 活 を 豊 か に す る こ と に 重 き を 置 き た い 」 と す る 人 の割合を大きく上回っており、今後も この傾向は続くものと思われます。
これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか
出典 :内 閣府 「国 民生 活に関 する世 論調 査」(平成 28年 )
( 注 ) 心 の 豊 か さ → 物 質 的 に あ る 程 度 豊 か に な っ た の で 、 こ れ か ら は 心 の 豊 か さ や ゆ と り の あ る 生 活 を す る こ と に 重 き を お
き たい 。
物 の豊 かさ →まだ まだ 物質 的な 面で生 活を 豊か にす ること に重 きを おき たい 。
ま た 、 宮 崎 県 が 平 成 2 7 年 度 に 実 施 し た 「 宮 崎 県 県 民 意 識 調 査 」 に よ る と 、「 あ な た に と っ て 『 豊 か さ 』 と は 何 で す か ? 」 と の 問 い に 対 し 、「 心 身 の 健 康 」 を 挙 げ た 人 の 割 合 が 最 も 高 く 、「 家 族 や 周 囲 と の 人 間 関 係 」 を 挙 げ た 人 の 割 合 が 3 番 目に、「時間的なゆとり」 を挙げた人の割合が6番目に高くなって います。
こ の こ と か ら 、 県 内 で も 、 物 質 的 な 面 以 外 の 「 豊 か さ 」を 求 め る 人が 多 い こと が伺えます。
あなたにとって「豊かさ」とは何ですか?
出典: 宮崎 県 「平成27年 度宮 崎県 県民 意識 調査」(平 成28年2月 )
(注1)イメ ージ に近 いも のを3 つま で選 択
(注2)回答 者数 (n)=1435
(3)
環境意識の向上
近 年 、 環 境 問 題 に 高 い 関 心 を 持 ち 、 自 ら 積 極 的 に 環 境 問 題の 解 決 に 向け た 取 組 を行う個人、企業、市民団体などが増えています。
環 境省 の「 環 境 に 優 し い ラ イ フ ス タ イ ル 実 態 調 査 」 に よ る と 、 各 種 の 環 境 問題 に 対 す る 考 え 方 へ の 意 見 に つ い て 、 ほ とん ど の 項目 で 肯 定的 な 意 見 が大 勢 を 占め ており、今後もこの傾向は続くものと 思われます。
環境問題に対する考え方への意見
*1 S N S : ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー キ ン グ ・ サ ー ビ ス ( So cial Netwo rking Service) の こ と 。 参 加
(4)
旅行者のニーズの多様化
平 成 2 7 年 宮 崎 県 観 光 入 込 客 統 計 調 査 ( 宮 崎 県 観 光 推 進 課 ) に よ る と 、 本 県 を訪れる旅行者の旅行目的のトップは、「自然・風景・名所を楽しむ」であり、 特 に 県 外 客 で は 6 4. 1% を 占 め て い ま す。 こ れ は 、 自 然 な ど の 本 県 の 景 観 が 魅 力 的 で あ る こ と の 証 左 で あ り 、 本 県 観 光 を 考 え る 上 で 、 景 観 を 生 か す と い う 視点が非常に重要であることを示しています。
一 方 で 、 個 人 の 価 値 観 や ラ イ フ ス タ イ ル の 多 様 化 に よ り 、 従 来 か ら の 物 見 遊 山 的 な 団 体 旅 行 が 減 少 す る 一 方 、 地 元 の 人 と の ふ れ あ い や 、 そ こ で し か で き な い 体 験 を 求 め 、 家 族 、 友 人 等 と い っ た 少 人 数 で の グ ル ー プ 旅 行 を 楽 し む 人が増加しています。
また、平成24年に総務省が実施した「ICT基盤・サービスの高度化に伴う利用者 意 識 の 変 化 等 に 関 す る 調 査 研 究 」 に よ る と、 イ ン ター ネ ッ トの 普 及 を 背景 に 、 観 光情報をインターネットで入手する人の割合が高いという調査結果が出ています。
さ ら に 、 近 年 は 気 軽 に 画 像 を 発 信 で き る S N S *1
の 普 及 に 伴 い 、 特 に 若 年 層 を 中 心 と し て 、 S N S を 介 し て 見 た 場 所 に 惹か れ て 出か け る とい っ た 、 SN S を き
ひ
っかけとした旅行需要が新たに生まれています。
地 域 固 有 の 良 好 な 景 観 を 生 か し た 活 力 あ る 地 域 づ く り を 進 め る た め に は 、 こうした動向に対応した施策の推進が求められます。
本県を訪れる旅行者の目的
自 然 ・ 風 景 味 ・ シ ョ ッ 温 泉 ・ 保 神 話 ・ 伝 説 ス ポ ー ツ ・ ビ ジ ネ ス そ の 他 の ・ 名 所 を 楽 ピ ン グ を 楽 養 を た ず ね る レ ク リ エ ー ・ 帰 省 兼 観光 しむ旅 しむ旅 旅 ション活動 観光
県内 客 39.5% 19.1% 10.4% 4.2% 8.1% 0.4% 6.7%
県外 客 64.1% 15.0% 17.3% 17.4% 7.0% 1.0% 7.2%
合 計 50.8% 17.2% 13.6% 10.3% 7.6% 0.7% 6.9%
情報種類別の入手メディア
出典:総務省「ICT基盤・サービスの高度化に伴う利用者意識の変化等に関する調査研究」(平成24年)
(注 )イ ン タ ー ネ ッ ト は 、「 報 道/文 字 サ イ ト 」「 報 道/映 像 サ イ ト 」「 そ の 他 一 般 映 像 サ イ ト 」「 イ ン タ ー ネ ッ ト ラ ジ オ 」「 ソ ー
シ ャル メディ ア」「 行政 機関 ・企 業サイ ト」「 その 他一 般サイ ト 」のい ずれ かを 選ん だ場合 の割 合
SNSがきっかけとなったお出かけ・旅行
(5)
交流圏域の拡大
本県の交通環境も大きく変化しています。
ま ず 、 空 路 で は 、 平 成 2 7 年 3 月 に 3 路 線目 の 国 際線 と な る宮 崎 - 香 港線 が 就 航 し た ほ か 、 国 内 線 に お い て も 同 年 8 月 に 初の L C C( 低 コ スト 航 空 会 社) 路 線 と な る 宮 崎 - 関 西 線 が 就 航 し ま し た 。 ま た 、海 路 で は、 外 国 人旅 行 者 を 乗せ た ク ル ー ズ 船 の 寄 港 が 増 加 し て い ま す。 さ ら に、 陸 路 にお い て も 、平 成 28 年 4月 に 東 九 州 自 動 車 道 が 北 九 州 市 か ら 宮 崎 市 ま で つ なが っ た ほか 、 地 域色 豊 か な 観光 列 車 を 目当てに県外から訪れる方も増えています。
こ の よ う な 移 動 の 広 域 化 や 移 動 時 間 の 短 縮 は 、 国 内 外 の 多く の 方 々 を本 県 に 招 き 入 れ る 契 機 と な る 一 方 で 、 日 帰 り や 本 県で の 観 光後 に 他 県に 移 動 し 宿泊 す る 通 過型の観光旅行の増加につながる恐れもあります。
こ の よ う な こ と か ら 、 県 内 に 一 日 で も 長 く 滞 在 し 、 本 県 の良 さ を 十 分に 感 じ て いただけるような魅力ある観光地・地域づくりを進めることが求められます。
▲油 津港 に入 港 するク ルー ズ船 ▲東 九 州自 動車 道「 日 向- 都 農」開 通式( H26.3.16)
全国の観光入込客数比較
資料: 観光 庁 「全国 観光 入 込客 統計」( 平成27年)
3
景観に対する県民等の意識
宮 崎 県 で は 、 平 成 28 年 、 県 民 や 本県 を 旅 行で 訪 れ たこ と が ある 方 な ど を対 象 に 、 「 美 し い 宮 崎 づ く り に 関 す る ア ン ケー ト 」 を実 施 し まし た 。 この ア ン ケ ート 結 果 に よ る と 、 宮 崎 の 景 観 を 美 し い と 感 じ ま す か 」 と の 問 い に 対 し 、「 感 じ る 」 又 は 「 多 少 感 じ る 」 と 回 答 し た 方 が 約 9 割 を占 め 、 多く の 方 が本 県 の 景観 に 好 印 象を 抱 い て いることが分かります。
宮崎の景観を美しいと感じますか
資 料: 宮崎 県「 美し い宮 崎づ くり に関 する アン ケー ト」( 平成28年7月) (注)回答者の現住地 県内:93%、 県外:7%
ま た 、 宮 崎 県 が 平 成 2 7 年 度 に 実 施 し た 「 宮 崎 県 県 民 意 識 調 査 」 に よ る と 、「 あ な た は 、 宮 崎 の どの よ う な風 景 が 美し い と 思い ま す か。」と の 問 いに 対 し て、「自 然 の 風 景 」 を 挙 げた 方 が 90 .6% に も の ぼっ て い ます 。 山 や川 、 海 など 、 本 県 の恵 ま れ た 自 然 を 美 し い と 感 じ て い る 方 が 多 い よ う で す 。「 歴 史 的 な 趣 の 残 る 風 景 」 に つ い て も 、 4 割 近 く の 方 が 美 し い と 回 答 して い ま す。 日 向 神話 ゆ か りの 地 や 各 地の 歴 史 的 な街並みも美しいと感じられているようです。
一 方 で 、「 魅 力 あ る 市 街 地 の 風 景 」 や 「 風 景 に 調 和 し た 公 共 施 設 」 を 美 し い 風 景 と し て あ げ た 方 は 1 0 % 未 満 と な っ て お り 、「 市 街 地 」 や 「 公 共 施 設 」 の 景 観 に つ い ては、今後の伸びしろが大きいと言えます。
あなたは、宮崎のどのような風景が美しいと思いますか
出典 : 宮崎 県「 平成27年 度 宮崎 県県 民意 識調 査」( 平成28年2月)
4
課題
美 し い 宮 崎 づ く り の 推 進 す る に 当 た っ て は、 ま ず 、本 県 の 「強 み 」 は 何か を 見 極 め 、 そ れ を 伸 ば す こ と が 重 要 で す 。ま た 、 一方 で は 、本 県 の 「弱 み 」 を 克服 す る こ とも重要です。
こ の こ と か ら 、 こ れ ま で 見 て き た 現 状 や 環境 の 変 化を 踏 ま え、 美 し い 宮崎 づ く り を 進 め る に 当 た っ て の 課 題 を 、「『 強 み 』 を 伸 ば す 」 と 「『 弱 み 』 を 克 服 す る 」 と い う2つの視点で整理すると、次のようになります。
(1)
「強み」を伸ばす
【強み】
・美しい自然景観
・神話など歴史が感じられる景観
・自然との共生によって生み出された文化 ・魅力的な食材を生産する農山漁村の景観
・沿道修景など、先人によって育まれた美しい景観 ・あたたかい県民性 など
【課題】
○ 本県の自然や歴史、文化等をしっかりと守り、将来の世代に継承する。 ○ 本県の美しい景観をさらに磨き上げ、県民が愛着と誇りを持って心豊かに
暮らせるような魅力ある地域づくりにつなげる。
○ 旅行者のニーズを踏まえた体験型観光メニュー等の提案などにより、旅行 者を増やす。
○ 県民性を生かし、旅行者をもてなす。
(2)
「弱み」を克服する
【弱み】
・全国平均より早く進行している人口減少や少子高齢化(それらによる景観の 担い手不足)
・知名度不足(これまでの交通の不便さ等による旅行者数の少なさ) など 【課題】
○ 環境意識の高まりを景観の保全等の活動につなげる(担い手の確保)。 ○ 様々な主体が景観を守り、育てる仕組みをつくる。
第3章
目指すべき姿
愛着と誇りを持てる「美しい宮崎」の継承
美しい宮崎の景観は、私たちに郷土への愛着と誇りや心豊かな暮らしをもたらす とともに、活力ある地域づくりに欠くことのできないものです。
これらの景観は、先人たちが自然と共生した暮らしの中で、世代を超えて守り、 育んできたものであり、今を生きる私たちも、長期的な展望に立ち、身の回りから 「美しい宮崎づくり」に取り組み、美しい景観を県民共有の財産として将来の世代 に引き継がなければなりません。
このため、条例で定める基本理念に基づき、
➀今を生きる私たちのみならず、将来を担う子どもたちのためにも、 ②県民が地域に対する愛着と誇りを育むように、
③訪れる人々へのもてなしの心を持って、 ④一人ひとりが今できることに、
⑤みんなの力を合わせて取り組むことにより、
美 し い 宮 崎 づ く り を 進 め 、「 愛 着 と誇 り を 持て る 『 美し い 宮 崎』 の 継 承 」を 目 指 し ます。
第4章
分野別施策
条例では、美しい宮崎づくりに関する4つの大きな施策の方向を定め、それぞれに 具体的な施策を定めています。
第4章では、条例で定める4つの分野ごとに、この10年間で具体的にどのような施 策を展開するのかについてまとめています。
【分野別施策1】地域の特性を生かした景観の保全及び創出
ÚP.30~58宮崎県の景観は、多種多様な地域の特性を基礎として育まれてきました。宮崎県 らしい景観を将来の世代へ引き継ぐためには、この「地域の特性を生かす」という 視点が重要です。
このことを踏まえ、市町村や県民、事業者と連携し、自然、農山漁村、歴史・文 化など、それぞれの地域の特性を生かした景観を保全又は創出していく取組を推進 します。
また、市町村の区域を越えて広がるような広域的景観が保全又は創出されるよう、 県は、市町村間の調整や市町村に対する技術的助言などの支援を行います。
【分野別施策2】景観を資源として活用するための環境づくり
ÚP.59~78人 口 減 少 等 が 進 む 今 の 時 代 に お い て 、 将 来 に わ た っ て 地 域 を 持 続 可 能 に す る に は 、 景 観 と い う 地 域 固 有 の 資 源 を 活 用 し 、 地 域 の 活 力 に つ な げ る と い う 視 点 が 重 要で す。
こ の た め 、 市 町 村 や 県 民 、 事 業 者 と 連 携 し 、 視 点 場 等 の 整 備 や 沿 道 ・ 沿 線 景 観 の磨 き上げを推進します。
また、もてなしや賑わいの空間づくりの推進や積極的な情報発信等を実施します。
【分野別施策3】公共事業に係る良好な景観の形成
ÚP.79~82公 共 事 業 に よ り 整 備 さ れ る 道 路 、 公 園 な ど の 公 共 施 設 や 博 物 館 、 図 書 館 な ど の 公共 建築物は、周辺の景観に長年にわたり大きな影響を及ぼします。
このため、公共事業を実施する際は、周辺の景観との調和を十分考慮し、住民の 地域に対する愛着と誇りを尊重するとともに、地域固有の景観を生かした魅力的な 地域づくりに資することを目指します。
【分野別施策4】美しい宮崎づくりを推進するための担い手の育成
ÚP.83~ 96美しい宮崎づくりは、子どもから高齢者まで、どの世代の方でも、あるいは、行 政や民間企業、ボランティア団体など、多様な主体が、それぞれ日々の暮らしや事 業活動等を通じて取り組むことができるものです。
一人ひとり、あるいは一団体ごとの取組は小さなものでも、それがたくさん 集まれば、大きな力となり、地域の財産となる美しい景観を創り出すことにつ ながります。
1
地域の特性を生かした景観の保全及び創出
(1)
自 然景観の保全及び創出
(自然景観の保全及び創出)
第 1 0 条 県 は 、 豊 か な 自 然 に よ り 生 み 出 さ れ る 景 観が 将 来 にわ た っ て保 全 さ れ 、 又 は 創 出 さ れ る よ う 、 市 町 村 及 び 県 民 等 と 連 携 し 、 森 林 の 保 全 又 は 整 備 、 河 川 及 び 海 岸 等 の 水 辺 環 境 の 保 全 又 は 整 備 、 希 少 な 野 生 動 植 物 の 生 息 又は生育環境の保護その他の必要な施策を推進するものとする。
現状と課題
宮崎県では、九州山地や霧島連山などの雄大な山々、そこを源とする大小の 河川、黒潮が流れる日向灘の海岸線など、変化に富んだ地形を目にすることが できます。
また、温暖で、日照、降水量ともに豊富な気候は、照葉樹林や亜熱帯性植物 群落、海岸マツ林など豊かな植生を育み、多種多様な野生動植物の生息・生育 環境を作り出しています。
これらの自然景観は、国立公園や国定公園、県立自然公園に指定され、その 美しい景観が保全されてきました。また、近年は、平成24年に綾地域が、平成 29年に祖母・傾・大崩地域が、それぞれユネスコエコパークに登録されるなど、 宮崎県の自然の価値が世界的に認められ、注目度も高まっています。
▲ 祖 母山 (高 千穂 町) ▲ ク ルソ ン峡( え びの 市)
▲ 「鮎 やな 」の 架か る五 ヶ瀬 川水 系・ 大瀬 川 ▲川 南湿 原( 川南 町 )
▲ 日 南 海 岸 ・ 堀 切 峠 ( 宮 崎 市 )
▲日 豊海 岸・ 馬が 背( 日向 市)
一 方 で 、 維 持 管 理 の 行 き 届 か な い 森 林 が 保 水 力 等 の 多 面 的 機 能 の 低下 に よ り 自 然 災 害 の 一 因 と な っ て い る ほ か 、 生 息 ・ 生 育 環 境 の 悪 化等 に よ り 希少 な 野 生 動 植 物 の 絶 滅 が 危 惧 さ れ る な ど 、 美 し い 自 然 景 観 を 脅 か す様 々 な 問 題が あ り ま す。
施策の方向
・希少な自然環境や野生動植物の保護 ・多様な担い手による森林づくりの推進 ・多面的機能を発揮できる森林づくりの推進 ・外来生物等による生態系への影響の抑制 ・巨樹・古木等の保全
・海岸松林の病虫害対策の推進
・河川や海岸における自然環境に配慮した施設整備
在 来種 の生 息・ 生育 環境 を悪 化さ せる 特定 外来 種の 例
出 典: 宮崎 県ホ ーム ペー ジ「 みや ざき の外 来生 物」
【施策1-➀】自然環境や野生動植物の保護等
自 然 公 園 等 に お い て 、 本 県 の 美 し い 景 観 の 素 地 と な る 希 少 な 自 然 環 境 を 保 護します。
ま た 、 平 成 2 7 年 3 月 に 策 定 し た 「 み や ざ き 自 然 と の 共 生 プ ラ ン ~生 物 多 様 性 み や ざ き 戦 略 」 に 基 づ き 、 生 物 多 様 性 の 保 全 と 持 続 可 能 な 利 用 に資 す る 取 組を進めます。
ア 自然公園等における自然環境の保護等
・ 本 県 、 ひ い て は 我 が 国 を 代 表 す る 優 れ た 風 景 地 で あ る 自 然 公 園 に つ いて、国等と連携し、希少な自然環境等の保護に努めます。
・ 自 然 環 境 保 全 地 域 や 緑 地 環 境 保 全 地 域 に 宮 崎 県 自 然 保 護 指 導 員 を 配 置 し 、 保 全 施 設 の 整 備 状 況 や 規 制 の 遵 守 状 況 の 監 視 、 立 入 者 等 に 対 す る 必 要 な 助 言 指 導 等 を 行 う こ と に よ り 、 自 然 環 境 の 保 全 に 努 め ま す 。 ・ 市 町 村 に 対 し 、 景 観 計 画 の 策 定 を 支 援 す る と と も に 、 景 観 計 画 に 基 づ く 規 制 ・ 誘 導 ( 自 然 公 園 法 に よ る 許 可 へ の 上 乗 せ 基 準 の 設 定 ) に つ い て の 技 術 的 助 言 を 行 う こ と に よ り 、 自 然 景 観 の 保 全 を 推 進 し ま す 。
イ 希少な野生動植物の生息・生育環境の保護等
・ 希 少 な 野 生 動 植 物 の 生 息 ・ 生 育 状 況 の 調 査 や 重 要 生 息 地 等 の 指 定 、 希 少 野 生 動 植 物 の 県 民 へ の 普 及 啓 発 等 に よ り 、 生 息 ・ 生 育 環 境 を 保 護 又は保全します。
▲家 田の 自然 を守 る会 によ る家 田湿 原で の
えだ
環 境保 全活 動( 延岡 市)
ウ ユネスコエコパーク等のブランドを生かした自然環境の保護等
・ 綾 地 域 や 祖 母 ・ 傾 ・ 大 崩 地 域 が 登 録 さ れ て い る ユ ネ ス コ エ コ パ ー ク や 霧 島 地 域 が 認 定 さ れ て い る 日 本 ジ オ パ ー ク な ど 、 認 知 度 の 高 い 地 域 資 源 ブ ラ ン ド を 活 用 し 、 関 係 市 町 等 と 連 携 し た 普 及 啓 発 活 動 や 県 内 外 へ の 情 報 発 信 を 行 い 、 貴 重 な 自 然 環 境 等 の 保 護 ・ 保 全 や 次 世 代 へ の 継 承を図るとともに、一層の地域活性化に取り組みます。
実 施 や ガ イ ド 体 制 の 充 実 を 進 め 、 ユ ネ ス コ 世 界 ジ オ パ ー ク へ の 認 定 を 目指します。
県の役割
・国立公園、国定公園、県立自然公園等での工作物設置に関する規制 ・国定公園、県立自然公園等における利用環境の保全
・自然環境保全地域や緑地環境保全地域における自然保護指導員の配置 ・ 国 、 県 、 市 町 村 、 事 業 者 、 県 民 等 と の 連 携 ・ 協 同 に よ る 生 物多 様 性 の保 全
と持続的な利用に資する取組の推進
・ 県 民 の 日 常 生 活 や 事 業 者 の 事 業 活 動 等 が 生 物 多 様 性 と 深 く 関わ る こ とを 認 識するための取組の推進
・ ユ ネ ス コ エ コ パ ー ク 等 の 地 域 資 源 ブ ラ ン ド の 制 度 ( 理 念 ) の普 及 啓 発や 地 域の魅力の情報発信
市町村の役割
・自然公園やユネスコエコパーク等を生かした地域づくりの推進 ・自然環境保全地域及び緑地環境保全地域内の利用環境の維持・管理
・ 景 観 計 画 の 策 定 ( 平 成 32 年 度 ま で ) 及 び 景 観 計 画 に基 づ く 規制 ・ 誘 導( 自 然公園法による許可への上乗せ基準の設定)の検討
・ 地 域 の 自 然 環 境 、 生 態 系 な ど の 調 査 の 実 施 並 び に 保 護 及 び 回復 に 関 する 施 策の実施
・地域住民や事業者が行う取組との連携・協働、支援の推進
県民の役割
・自然公園などにある施設の適切な利用
・ 生 物 多 様 性 の 保 全 と 持 続 的 な 利 用 の 重 要 性 を 理 解 し 、 生 物 多様 性 が 日常 の 生活に関わっていることを認識する
・自然環境保全活動や生物多様性の保全に資する活動等への参加 ・自然と共生した暮らしや伝統文化等の次世代への継承
事業者の役割
・事業活動において自然公園区域の確認、必要な申請・届出を行う
・ 開 発 行 為 に お け る 自 然 環 境 へ の 影 響 調 査 や 代 替 案 の 比 較 な ど、 地 域 住民 の 理解を得た事業活動の実施
・ 事 業 活 動 が 生 物 多 様 性 の 保 全 と 持 続 的 な 利 用 に よ っ て 成 り 立っ て い るこ と を認識する
・ 社 会 貢 献 と し て 、 生 物 多 様 性 の 保 全 に 資 す る 活 動 へ 参 加 し 、ま た 活 動を 行 っている個人・団体などとの連携・協働、支援を行う
主要指標
指 標
基準年次 短期目標 計画年次
( 平成 28年度) ( 平 成32年 度) ( 平 成38年 度) ※ 暫定 値
【コラム】ユネスコエコパーク
ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然 と人間社会の共生)を目的に、昭和51年からユネスコが開始した事業です。
登録地域は、地域の豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶと 共に、文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指すモデルとして 国際的にも注目されています。
国内では、平成29年7月時点で9地域が登録されており、宮崎県に関係 する地域として「綾」と「祖母・傾・大崩」の2地域が含まれています。
▲ 照葉樹 林( 綾町 ) ▲ 大崩 山系( 延岡 市 )
【コラム】ジオパーク
「 ジ オ パ ー ク 」 は 、「 地 球 ・ 大 地 ( = ジ オ : G e o )」 と 「 公 園 ( = パ ーク:Park)とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味します。 地形、地質、生態系等の遺産を保護し、研究に活用するとともに、教育や 観光など地域の振興に生かすことを目的にしており、平成27年にユネスコ が正式に事業化しました。
国内では、平成29年7月現在、日本ジオパーク委員会が認定した「日本 ジ オ パ ー ク 」 が 4 3 地 域 あ り 、 そ の う ち の 8 地 域 は、「 ユ ネス コ 世 界ジ オ パ ーク」にも認定されています。
なお、宮崎県に関係するものとしては、平成22年に「霧島」が日本ジオ パークに認定されています。
*2 針 葉 樹 と 広 葉 樹 の 混 交 林 : 針 葉 樹 を 一 斉 に 植 栽 し た 人 工 林 に お い て 帯 状 、 群 状 等 に 伐 採 を 行 い 、 そ
の 跡 地 に 広 葉 樹 を 天 然 更新 ( 植 林等 の 人 為 によ ら ず に森 林 の 造 成を 行 う こと 。 自 然に 落 ち た 種子 の 発
芽 や 樹 木 の 根 株 か ら の 萌 芽 等 に よ る 方 法 が あ る 。) 等 に よ り 生 育 さ せ た 、 針 葉 樹 と 広 葉 樹 が 交 じ り 合
った 森林。 針広混交 林。
*3 複 層 林 : 針 葉 樹 を 一 斉 に 植 栽 し た 人 工 林 に お い て 帯 状 、 群 状 等 に 伐 採 を 行 い 、 そ の 跡 地 に 植 栽 等 を
【施策1-②】多様で豊かな森林づくりの推進
県 民 や 事 業 者 等 と の 連 携 に よ り 、 水 源 の か ん 養 や 国 土 の 保 全 な ど の 多 面 的 機能を発揮する、多様で豊かな森林づくりを推進します。
また、県民共有の財産である巨樹・古木の保全等を推進します。
ア 県民や事業者の参加による森林づくりの推進
・ 県 民 参 加 の 森 林 づ く り を 推 進 す る た め 、 森 林 ボ ラ ン テ ィ ア 団 体 等 の 活動に必要な苗木の提供等の支援を行います。
・ 森 林 づ く り 活 動 に 協 力 し て い た だ け る 事 業 者 や 森 林 所 有 者 等 の 連 携 した森林づくり活動をサポートし、企業の森づくりを推進します。
▲ どん ぐり 1000年 の森 をつ くる 会
によ る植 樹活 動( 都城 市)
イ 針葉樹と広葉樹の混交林等への誘導
・ 針葉樹と広葉樹の混交林 *2
や複層林 *3
への誘導を目的とした間伐など に よ り 、 樹 冠 の 発 達 や 下 層 植 生 を 誘 導 し 、 浸 透 能 力 、 保 水 力 の 高 い 森 林 土 壌 を 形 成 し 、 水 源 か ん 養 機 能 が 高 く 景 観 の 保 全 に 資 す る 災 害 に 強 い森林づくりを推進します。
ウ 巨樹・古木等の保全
*4 松 く い 虫 : 北 米 原 産 の 体 長 約 1 m mの マ ツ ノ ザ イ セ ン チ ュ ウ (病 原 )を マ ツ ノ マ ダ ラ カ ミ キ リ が 媒 介 す
る 松 の 感 染 症 で 、 北 海道 を 除 く46都 府 県 全 てで 確 認 され て い る 。松 く い 虫被 害 は 正式 に は マ ツ材 線 虫
病と いう。
*5 マ ツ ケ ム シ : マ ツ カ レ ハ と い う 蛾 の 幼 虫 で マ ツ の 葉 を 食 う 大 害 虫 。 体 長 7 ㎝ に 達 す る 毛 虫 で 、 体 は
淡黄 褐色。 刺毛に毒 があり 全国に生 息して いる。
▲内海 のア コ ウ(宮 崎市 )
エ 海岸マツ林の保全
・ 海 岸 県 有 マ ツ 林 内 の 巡 視 、 清 掃 、 歩 道 や 自 転 車 道 沿 線 の 草 刈 り 、 歩 道等沿道の支障木・危険木の除去、松くい虫
*4
の防除、マツケムシ *5
の 駆 除 等 適 切 な 維 持 管 理 を 行 う こ と に よ り 、 貴 重 な 海 岸 県 有 マ ツ 林 を 保 全します。
・ 海 岸 林 へ の 松 く い 虫 の 感 染 源 と な る 海 岸 周 辺 民 家 等 の 被 害 木 駆 除 や ラ ジ コ ン ヘ リ を 用 い た 薬 剤 散 布 等 、 よ り き め の 細 か い 松 く い 虫 の 防 除 対策を推進します。
県の役割
・森林づくりに関する基本的、総合的な施策の策定
・ 県 民 等 と の 協 働 並 び に 国 及 び 市 町 村 と の 緊 密 な 連 携 に よ る 、森 林 づ くり に 関す施策の推進
・ 針 葉 樹 と 広 葉 樹 の 混 交 林 等 へ の 誘 導 を 目 的 と し た 間 伐 、 広 葉樹 の 植 栽等 の 推進
・ 市 町 村 が 実 施 す る 巨 樹 古 木 や 県 木 フ ェ ニ ッ ク ス を 病 虫 害 等 から 守 る 取組 の 支援
・松くい虫被害の予防・拡大防止に向けた薬剤散布や伐倒駆除 ・海岸マツ林への感染源となる海岸周辺民家等の被害木の伐倒駆除 ・より効果的な松くい虫対策に向けた研修会等の実施
・松くい虫被害を受けた海岸林への抵抗性マツ等の植栽 ・マツケムシ被害の拡大防止に向けた薬剤散布による駆除
市町村の役割
・治療の必要な巨樹古木等の早期発見及び早期治療の実施
県民の役割
・森林づくりに関する活動への積極的な参加 ・森林の公益的機能に対する理解を深める
・ 治 療 等 が 必 要 な 巨 樹 古 木 等 を 発 見 し た 場 合 は 、 市 町 村 の 林 務担 当 窓 口に 連 絡する
・巨樹・古木等の保全活動への協力
・ 海 岸 松 林 で 松 枯 れ を 発 見 し た 場 合 は 、 市 町 や 国 、 県 等 マ ツ 林の 管 理 者に 連 絡する
・居住する市町村の景観計画を調べる
事業者の役割
・森林づくりに関する活動に積極的への参加
・森林組合を中心にした間伐、広葉樹の植栽等の実施 ・巨樹・古木等の保全活動への協力
・ 海 岸 松 林 で 松 枯 れ を 発 見 し た 場 合 は 、 市 町 や 国 、 県 等 マ ツ 林の 管 理 者に 連 絡する
主要指標
指 標
基準年次 短期目標 計画年次
( 平成 28年度) ( 平 成32年 度) ( 平 成38年 度) ※ 暫定 値
森林ボランティア延べ参加人数 28,474人 33,000人 35,000人
( 平成 27年度)
針広混交林造成面積 179ha 200ha 200ha
【施策1-③】河川や海岸などの水辺環境の保全と整備
河 川 や 海 岸 な ど の 水 辺 環 境 を 魅 力 あ る も の と す る た め 、 自 然 公 園 内 等 に 存 在 す る 豊 か な 水 辺 環 境 を 保 全 す る と と も に 、 河 川 の 自 然 の 営 み と 治水 対 策 の 調 和 を 図 る 多 自 然 川 づ く り の 推 進 や 、 自 然 環 境 等 に 配 慮 し た 河 川 ・海 岸 施 設 の整備を行います。
ま た 、 県 民 等 の ボ ラ ン テ ィ ア 等 と の 協 働 に よ り 、 河 川 や 海 岸 の 美 化 に 取 り 組みます。
ア 自然公園等における自然環境の保護(再掲)
いて、国等と連携し、希少な自然環境等の保護に努めます。
・ 自 然 環 境 保 全 地 域 や 緑 地 環 境 保 全 地 域 に 宮 崎 県 自 然 保 護 指 導 員 を 配 置 し 、 保 全 施 設 の 整 備 状 況 や 規 制 の 遵 守 状 況 の 監 視 、 立 入 者 等 に 対 す る 必 要 な 助 言 指 導 等 を 行 う こ と に よ り 、 自 然 環 境 の 保 全 に 努 め ま す 。
イ 自然環境に配慮した河川・海岸の整備
・ 河 川 が 有 し て い る 自 然 の 復 元 力 を 活 用 し 、 河 川 の 自 然 の 営 み と 治 水 対 策 の 調 和 を 図 る 多 自 然 川 づ く り を 推 進 す る と と も に 、 河 川 が 多 様 な 生 物 の 生 息 ・ 生 育 ・ 繁 殖 の 場 で あ る こ と に 配 慮 し た 河 川 整 備 を 行 い ま す。
・ 津 波 、 高 潮 対 策 な ど の 海 岸 施 設 整 備 に つ い て は 、 優 れ た 海 岸 景 観 の 保 全 に 努 め 、 自 然 環 境 や 海 岸 利 用 者 に 配 慮 し な が ら 整 備 を 行 い ま す 。
▲ 多自 然川 づく りの 事 例・北 川( 延 岡市 )
人工 的に ワン ド( 入 り江・ 写真 中 央) を造成 し、
水生 生物 が棲 みや す い環境 を確 保 して いる。
ウ 県民等との協働による河川・海岸等の美化
・ 県 民 等 に よ る 美 化 活 動 の 支 援 な ど に よ り 、 河 川 ・ 海 岸 愛 護 意 識 の 醸 成を図り、魅力ある川づくり・海づくりを推進します。
・ 海 岸 景 観 を 損 ね る 台 風 な ど の 自 然 災 害 に よ る 流 木 や 海 か ら 流 れ 着 い た ご み な ど の 海 岸 漂 着 物 の 処 理 に つ い て は 、 市 町 村 や ボ ラ ン テ ィ ア な どと協力しながら取り組みます。
・ 自 治 会 等 が 草 刈 り 作 業 に 併 せ て 実 施 す る 特 定 外 来 種 「 オ オ キ ン ケ イ ギ ク」、「 オ オ フ サ モ 」 等 の 駆 除 の 取 組 を 支 援 す る こ と 等 に よ り 、 県 民 等との協働による美しい川づくりを推進します。
県の役割
・多自然川づくりを推進
・自然環境や海岸利用者に配慮した海岸施設を整備 ・河川や海岸で県民等が行う美化活動を支援
市町村の役割
・ 河 川 が 多 様 な 生 物 の 生 息 ・ 生 育 ・ 繁 殖 の 場 で あ る こ と に 配 慮し た 河 川整 備 や環境等と調和のとれた災害復旧
・県やボランティアなどと協力した海岸漂着物の処理
県民の役割
・河川や海岸での美化活動への積極的な参加
事業者の役割
・河川や海岸での美化活動への積極的な参加
主要指標
指 標
基準年次 短期目標 計画年次
( 平成 28年度) ( 平 成32年 度) ( 平 成38年 度) ※ 暫定 値
(2)
農 山漁村景観の保全及び創出
(農山漁村景観の保全及び創出)
第 1 1 条 県 は 、 農 林 水 産 業 そ の 他 の 地 域 に 根 ざ し た生 業 及 び人 々 の 生活 に よ り培われる農山漁村景観が将来にわたって保全され、又は創出されるよう、 市町村及び県民等と連携し、里山及び里海の保全、耕作放棄地の再生利用、 森林資源の循環利用その他の必要な施策を推進するものとする。
2 県 は 、 農 林 水 産 業 の 持 続 的 な 営 み が 農 山 漁 村 景 観 の 保 全 及 び 創 出に 大 き な 役 割 を 担 う も の で あ る こ と に 鑑 み 、 市 町 村 及 び 県 民 等 と 連 携 し 、 県 内 で 生 産 さ れ た 農 林 水 産 物 の 積 極 的 な 消 費 が 促 進 さ れ る よ う 必 要 な 施 策 を 推 進 するものとする。
現状と課題
農林水産業が盛んな宮崎県では、各地で個性豊かな農山漁村が形成されてきま した。豊かな自然と共生する人々の暮らしは、自然の美しさと相まって、その地 域ならではの美しい景観を創り出しています。
例えば、傾斜地に切り開かれた日南市酒谷や椎葉村下松尾地区など県内各地に 見られる棚田や、針葉樹と広葉樹が織りなす諸塚村のモザイク林相などは、本県 を特徴付ける景観です。また、冷たく乾燥した霧島おろしを利用する宮崎市田野 町の「大根やぐら」が林立する光景は、本県の冬の風物詩となっています。さら に、多くの漁船で賑わう延岡市北浦町や日南市南郷町などの漁港の風景は、海の 幸豊かな本県を象徴する景観です。
▲ 下 松尾 地 区 「仙 人 の 棚田」(椎 葉村 ) ▲針 葉樹 、常 緑広 葉樹 、落 葉広 葉樹 が織 り
なす 「モ ザイ ク林 相」( 諸塚村 )
▲田 野 町の 「大 根や ぐら」(宮崎 市) ▲ 古江 港 直 海 地区 (延 岡市 )
▲キ ャベ ツ 畑のヒ マワ リ( 高鍋 町)
一方で、少子高齢化や都市部への人口流出による人口減少など、農山漁村を 取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、これまで農山漁村景観の維持に 特に重要な役割を果たしてきた集落機能が低下していくことが懸念されます。 また、農林水産業の担い手が不足することにより、農地では特に耕作条件が 不利な農地において耕作放棄地の拡大が懸念されるほか、山林では伐採跡地に おける再造林が課題となり、漁村では漁業者が自主的に行ってきた漁場環境保 全活動の継続が困難になりつつあります。
施策の方向
・集落機能の維持 ・耕作放棄地の拡大防止 ・伐採地における再造林の推進 ・漁場環境保全活動の継続
▲耕作 放 棄地
【施策1-④】里山・里海の保全と耕作放棄地の再生利用
地域の人財を生かした多様な主体の参画による共同活動を促進し、草刈り等 を主体とした農地等の保全管理を進め、里山等の農村景観の保全を推進します。