つく ば市 自 転 車 安 全 利 用 促 進 計 画
平 成 ２ ７ 年 ４ 月
目
次
１
自 転 車 安 全 利 用 促 進 計 画 の 策 定 に あ た り . . . 1
1 . 1 計 画 策 定 の 主 旨 ... 1
1 . 2 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例... 2
1 . 3 各 種 構 想 等 と の 連 携 ... 5
２
自 転 車 の ま ち つ く ば の 現 状 . . . .. . . .. . . 6
2 . 1 地 勢 ・ 人 口 ... 6
2 . 2 自 転 車 利 用 の 現 況... 9
2 . 3 交 通 事 故 発 生 状 況... 13
2 . 4 温 室 効 果 ガ ス 排 出 状 況 ... 14
３
自 転 車 の ま ち づ く り に 関 す る 市 民 意 識
. . . .. . . 1 5
3 . 1 自 転 車 利 用 に 対 す る 意 識 ... 153 . 2 歩 行 者 ， 自 転 車 ， 自 動 車 の 共 生 に 関 す る 意 識... 16
3 . 3 各 種 自 転 車 施 策 に 対 す る 満 足 度 と 重 要 度 に 関 す る 意 識 ... 18
3 . 4 自 転 車 環 境 ハ ー ド に 対 す る 重 要 度 に 関 す る 意 識... 19
3 . 5 ペ デ ス ト リ ア ン デ ッ キ の 走 行 空 間 に 対 す る 意 識 ... 21
４
課 題 と 今 後 の 展 望
. . . .. . . .. . . 2 2
５
自 転 車 の ま ち つ く ば に 向 け た 取 組 . . . .. . . 2 5
5 . 1 将 来 像 と 基 本 テ ー マ... 255 . 2 基 本 目 標 と 施 策 の 方 向 性... 26
5 . 3 計 画 の 体 系... 40
６
自 転 車 の ま ち つ く ば の 推 進 . . . .. . . .. . . 4 1
１
自 転 車 安 全 利 用 促 進 計 画 の 策 定 に あ た り
1 . 1
計 画 策 定 の 主 旨
( 1 ) 計 画 策 定 の 背 景
自 転 車 は ， 子 供 か ら 高 齢 者 ま で 近 距 離 を 手 軽 に ， か つ ， 短 時 間 で 移 動 す る こ と
が で き る ツ ー ル と し て 広 く 利 用 さ れ て い ま す 。 通 勤 ・ 通 学 や 買 物 等 日 常 生 活 に お
け る 身 近 な 移 動 手 段 や サ イ ク リ ン グ 等 の 楽 し み・レ ジ ャ ー・ス ポ ー ツ 手 段 と し て ，
多 く の 人 々 に 利 用 さ れ て い ま す 。
ま た ， 近 年 ， 環 境 に 対 す る 国 民 の 意 識 の 高 ま り を 受 け て ， 自 転 車 は 温 室 効 果 ガ
ス を 排 出 し な い 環 境 負 荷 の 低 い 交 通 手 段 と し て 見 直 さ れ て い る ほ か ， 健 康 づ く り
の 視 点 か ら 自 転 車 の 利 用 が さ れ る 等 ラ イ フ ス タ イ ル の 変 化 を 背 景 に ， 自 転 車 の 利
用 ニ ー ズ は 高 ま り つ つ あ り ま す 。
反 面 ， 自 転 車 は 道 路 交 通 法 上 の 「 軽 車 両 」 に 該 当 し ，「 車 道 の 左 側 端 」 を 通 行 す
る こ と が 原 則 と さ れ て い る に も 関 わ ら ず ， ル ー ル や マ ナ ー に 対 す る 意 識 が 低 い 状
況 に あ り ， 多 く の 問 題 が 発 生 し て い ま す 。 自 転 車 の 並 走 ， 逆 走 ， 歩 道 通 行 等 の 無
秩 序 な 利 用 は 常 態 化 し て お り ， 自 転 車 対 歩 行 者 あ る い は 自 転 車 相 互 の 事 故 が 全 国
的 に 増 加 傾 向 に あ り ま す 。 つ く ば 市 内 の 事 故 の 総 件 数 は 減 少 傾 向 に あ る も の の ，
自 転 車 関 連 事 故 の 割 合 は 増 加 傾 向 に あ り ま す 。 全 国 的 に も 同 様 の 傾 向 に あ る た め ，
平 成 2 4 年 4 月 に は 国 土 交 通 省 道 路 局 及 び 警 察 庁 交 通 局 に 「 み ん な に や さ し い 自
転 車 環 境 － 安 全 で 快 適 な 自 転 車 利 用 環 境 の 創 出 に 向 け た 提 言 － 」 が 提 出 さ れ ， 平
成 2 4 年 1 1 月 に は ， 同 提 言 を 踏 ま え た 「 安 全 で 快 適 な 自 転 車 利 用 環 境 創 出 ガ イ ド
ラ イ ン 」（ 国 土 交 通 省 道 路 局 ・ 警 察 庁 交 通 局 ） が 策 定 さ れ て い ま す 。 全 国 的 に 安 全
な 自 転 車 走 行 環 境 の 整 備 が 求 め ら れ て い る 現 状 に あ り ま す 。
つ く ば 市 に お い て は ， 平 成 2 6 年 ４ 月 か ら 「 つ く ば 市 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用
の 促 進 に 関 す る 条 例 」（ 以 下 「 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 」） を 施 行 し て お り ， 自 転
車 を 安 全 か つ 快 適 に 利 用 で き る 環 境 づ く り の 新 た な ス テ ー ジ を 迎 え て い る と 言 え
ま す 。
( 2 ) 計 画 策 定 の 目 的
本 計 画 は ，「 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 」の 趣 旨 を 実 現 す る た め ，環 境 に や さ し く ，
健 康 づ く り に つ な が る 自 転 車 の 安 全 利 用 の 促 進 及 び つ く ば 市 に 適 し た 自 転 車 走 行
2
1 . 2
自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例
( 1 ) 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 の 目 指 す と こ ろ
本 条 例 で は ， 自 転 車 の 利 用 に つ い て ， 市 ， 市 民 等 及 び 関 係 機 関 の 相 互 の 連 携 に
よ り ， そ の 安 全 で 適 正 な 利 用 が 促 進 さ れ る よ う に す る こ と を 基 本 理 念 に 定 め ， つ
く ば 市 ， 自 転 車 を 利 用 す る 者 ， 事 業 者 ， 市 民 そ の 他 の 関 係 者 の 責 務 を 明 ら か に し
て い ま す 。
ま た ， 市 の 自 転 車 安 全 利 用 に 関 す る 基 本 的 な 施 策 や 関 係 者 が 実 施 す る べ き 事 項
等 を 定 め ， 社 会 全 体 で 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用 を 促 進 す る こ と を 目 的 に し て い
ま す 。
( 2 ) 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 で 定 め て い る 事 項
本 条 例 は ， 1 6条 の 条 文 で 構 成 し て お り ， 目 的 や 基 本 理 念 を 定 め ， 市 ・ 自 転 車 利
用 者 ・ 自 転 車 小 売 を 業 と す る 者 等 ・ 市 民 及 び 事 業 者 の 責 務 や そ の 講 じ る 措 置 を 明
確 に し て い ま す 。
第 ３ 条 か ら 第 ６ 条 は ， 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用 を 促 進 す る た め の 施 策 を 推 進
す る た め の 各 者 の 役 割 分 担 を 定 め て い ま す 。
第 ７ 条 で は ， 市 長 が 「 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用 を 促 進 す る た め の 計 画 」 を 策
定 す る こ と を 定 め て い ま す 。
第 ８ 条 か ら 第 1 2 条 は ， 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用 の た め の 技 能 及 び 知 識 の 習 得
等 に つ い て の 各 者 の 役 割 を 定 め て い ま す 。 市 は ， 自 転 車 が 安 全 で 適 正 に 利 用 さ れ
る よ う ， 必 要 な 技 能 ， 知 識 の 習 得 の 機 会 を 提 供 し ま す 。 自 転 車 利 用 者 は ， 必 要 な
技 能 ， 知 識 を 習 得 す る よ う 努 め ま す 。 保 護 者 等 は ， 児 童 ・ 生 徒 （ 1 8 歳 未 満 の 者 を
い う 。 以 下 同 じ 。） に 対 し 交 通 ル ー ル の 教 育 や 指 導 等 を 実 施 す る よ う 努 め ま す 。
第 1 3 条 ， 第 1 4条 は ， 自 転 車 を 安 全 に 利 用 す る た め に ， 自 転 車 利 用 者 や そ の 保
護 者 ， 自 転 車 小 売 業 者 等 に 対 し ， 各 々 の 立 場 に お い て ， 安 全 に 利 用 す る た め の 反
射 材 等 の 器 具 の 使 用 ， 自 転 車 ヘ ル メ ッ ト の 着 用 ， 適 切 な 点 検 整 備 の 実 施 等 の 責 務
を 定 め て い ま す 。
第 1 5 条 は ， 自 転 車 が 加 害 者 と な り ， 高 額 な 損 害 賠 償 責 任 が 生 じ た 交 通 事 故 が 発
生 し て い る こ と か ら ， 自 転 車 利 用 者 等 に 自 転 車 損 害 賠 償 保 険 等 へ の 加 入 ， 自 転 車
小 売 業 者 等 に は ， 自 転 車 損 害 賠 償 保 険 等 へ の 加 入 促 進 の た め の 対 応 を す る よ う に
定 め て い ま す 。
第 1 6 条 は ， 市 は ， 茨 城 県 や 警 察 署 ， 学 校 等 そ の 他 関 係 機 関 及 び 交 通 安 全 等 の 取
組 を 行 う 団 体 と 連 携 し て ， 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用 を 促 進 す る た め に 必 要 な 施
策 を 実 施 す る こ と を 定 め て い ま す 。
本 計 画 で は ， 本 条 例 で 定 め て い る 事 項 に つ い て ， 関 係 す る 各 主 体 の 果 た す べ き
( 3 ) 安 全 利 用 に 関 す る 各 主 体 の 役 割 等
社 会 全 体 で 自 転 車 の 安 全 利 用 を 促 進 す る た め に ，「 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 」 に
お い て ， 自 転 車 に 関 わ る 主 体 の 役 割 等 を 定 め て い ま す 。 市 ， 自 転 車 利 用 者 ， 自 転
車 小 売 を 業 と す る 者 等 ， 事 業 者 ， 保 護 者 ， 児 童 ・ 生 徒 の 教 育 又 は 育 成 に 携 わ る 者
に は ，そ れ ぞ れ 次 の よ う な 観 点 か ら ，自 転 車 安 全 利 用 促 進 の 責 務 が 求 め ら れ ま す 。
市 は ， 市 民 等 と 連 携 し て 自 転 車 の 安 全 で 適 正 な 利 用 を 推 進 す る た め の 施 策 を 総
合 的 に 実 施 し ま す 。 自 転 車 に 関 わ る 様 々 な 主 体 に よ る 自 転 車 安 全 利 用 の 取 組 が 社
会 全 体 で 効 果 的 に 行 わ れ る よ う ， 支 援 を し ま す 。
特 に 本 計 画 の 策 定 主 体 と し て ，自 転 車 に 関 わ る 多 様 な 主 体 の 連 携・協 力 の も と ，
本 計 画 を 踏 ま え た 取 組 を 促 進 す る た め の リ ー ダ ー と な り ま す 。
自 転 車 利 用 者 は ， 自 転 車 が 車 両 で あ る こ と を 認 識 し ， 歩 行 者 の 安 全 を 確 保 す る
視 点 で ， 自 転 車 を 安 全 に 利 用 す べ き で あ る こ と を 自 覚 す る 責 任 が あ り ま す 。 道 路
交 通 法 そ の 他 の 法 律 を 遵 守 し ， 自 転 車 を 安 全 か つ 適 切 に 利 用 し ま す 。
自 転 車 小 売 を 業 と す る 者 等 は ， 自 転 車 の 販 売 等 と い っ た 事 業 活 動 及 び 自 転 車 の
関 わ り の 内 容 に 応 じ て ， 自 転 車 が 安 全 に 利 用 さ れ る よ う に 適 切 な サ ー ビ ス や 情 報
を 提 供 し ， 自 転 車 が 安 全 か つ 適 切 に 利 用 さ れ る よ う に す る 責 任 が あ る こ と を 自 覚
し ， 取 組 を 実 施 し ま す 。 ま た ， 市 が 実 施 す る 安 全 利 用 促 進 施 策 に 協 力 す る よ う に
努 め ま す 。
市 民 は ， 自 転 車 の 利 用 の 有 無 に 関 わ ら ず ， 自 転 車 の 安 全 利 用 に つ い て の 理 解 を
深 め ， 交 通 事 故 の 防 止 に 努 め ま す 。 事 業 者 は ， 従 業 者 の 業 務 に お け る 自 転 車 の 利
用 及 び 従 業 者 の 通 勤 に お け る 自 転 車 の 利 用 時 の 安 全 利 用 に 関 す る 責 任 が あ る こ と
を 自 覚 し ， 必 要 な 取 組 を 実 施 し ま す 。
ま た ， 両 者 と も ， 市 が 実 施 す る 安 全 利 用 促 進 施 策 に 協 力 す る よ う に 努 め ま す 。
つ く ば 市
自 転 車 利 用 者
自 転 車 小 売 を 業 と す る 者
4
保 護 者 及 び 児 童 ・ 生 徒 の 教 育 ・ 育 成 に 携 わ る 者 は ， 児 童 ・ 生 徒 が 自 転 車 を 安 全
か つ 適 正 に 利 用 す る こ と が で き る よ う ， 必 要 な 交 通 ル ー ル や マ ナ ー を 習 得 さ せ る
よ う に 努 め な け れ ば な り ま せ ん 。
自 転 車 安 全 利 用 の 指 導 を す る と と も に ， 児 童 ・ 生 徒 の 交 通 ル ー ル ・ マ ナ ー に 関
す る 規 範 意 識 を 醸 成 し ま す 。
各 主 体 が 各 々 の 役 割 を 適 切 に 果 た す と と も に ， 互 い の 役 割 を 十 分 理 解 し た 上 で ，
相 互 に 協 力 し な が ら ， よ り 効 果 的 な 取 組 が 行 わ れ る よ う に す る た め ， 本 計 画 を 策
定 し ま す 。 自 転 車 に 関 わ る 各 主 体 は ， こ の 計 画 の 趣 旨 を 踏 ま え ， 自 転 車 の 安 全 利
用 が 社 会 全 体 で 取 り 組 ま れ る よ う ， 不 断 の 努 力 を し て い く こ と が 重 要 で す 。
1 . 3
各 種 構 想 等 と の 連 携
( 1 ) 各 種 構 想 等 と の 連 携
本 計 画 は ，「 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 」 に 基 づ く 計 画 で す 。
「 つ く ば 市 未 来 構 想 」，「 つ く ば 市 都 市 計 画 マ ス タ ー プ ラ ン 」，「 つ く ば 総 合 都 市
交 通 体 系 」 と 整 合 を 図 り ，「 つ く ば 市 環 境 基 本 計 画 」，「 つ く ば 市 環 境 モ デ ル 都 市 行
動 計 画 」，「 健 康 つ く ば 2 1 」 等 と 連 携 し た 計 画 と し て の 位 置 付 け を 有 し ま す 。
平 成 2 2年 度 か ら 実 施 し て き た 「 自 転 車 の ま ち つ く ば 基 本 計 画 」 及 び 「 同 行 動 計
画 」 の 成 果 と 課 題 を 踏 ま え つ つ ， 今 後 の つ く ば 市 の 自 転 車 施 策 の 方 針 を 示 す 計 画
と な り ま す 。
図 1 - 1 各 種 構 想 等 と の 関 係
( 2 ) 計 画 期 間
本 計 画 は ， つ く ば 市 に お け る 自 転 車 の 安 全 利 用 の 促 進 及 び 走 行 環 境 の 向 上 に 関
わ る 基 本 計 画 と し て ， 各 種 自 転 車 施 策 の 展 開 方 針 を 示 す も の で す 。 本 計 画 の 下 に
具 体 的 な 実 施 メ ニ ュ ー を 整 理 し た ア ク シ ョ ン プ ラ ン を 策 定 し ま す 。
図1 - 2 計 画 期 間
つ く ば 市 未 来 構 想
つ く ば 市
都 市 計 画 マ ス タ ー プ ラ ン
「 つ く ば 市 環 境 基 本 計 画 」 「 つ く ば 市 環 境
モ デ ル 都 市 行 動 計 画 」 「 健 康 つ く ば 2 1 」
「 つ く ば 市 交 通 安 全 計 画 」 等
自 転 車 安 全 利 用 促 進 計 画
ア ク シ ョ ン プ ラ ン
H 2 7年度 H 3 1年度
H 3 6年度
計画 見直し 計 画 期 間 ： 平 成 2 7 年 度 か ら 平 成 3 6年 度 ま で
つ く ば 総 合 都 市 交 通 体 系
自
転
車
安
全
利
用
促
進
条
例
自
転
車
安
全
利
用
促
進
計
6
２
自 転 車 の ま ち つ く ば の 現 状
2 . 1
地 勢 ・ 人 口
( 1 ) 地 勢
つ く ば 市 は ， 東 西 1 4 . 9㎞ ， 南 北 3 0 . 4 ㎞ と 南 北 に 長 い 形 状 と な っ て お り ， 北 端
に 筑 波 山 ， 南 端 に 牛 久 沼 が 位 置 し ま す 。 山 河 や 田 園 ， 研 究 学 園 地 区 ， つ く ば エ ク
ス プ レ ス 沿 線 市 街 地 ， 周 辺 市 街 地 や 農 村 か ら 構 成 さ れ て い ま す 。 市 域 が 広 が る 台
地 上 の 標 高 は 2 0 ～ 3 0 ｍ で ，関 東 ロ ー ム 層 に 覆 わ れ た ほ ぼ 平 坦 な 地 形 を し て い ま す 。
平 成 2 6年 に 策 定 を し た 「 つ く ば 市 未 来 構 想 」 に お け る 土 地 利 用 計 画 で は ， 集 約
型 の 都 市 構 造 へ の 移 行 を 考 慮 し ，「 豊 か な 自 然 と 都 市 機 能 が 調 和 し た ハ ブ ア ン ド ス
ポ ー ク 型 都 市 構 造 の 創 出 」 を 目 指 し た ま ち づ く り の 構 想 が 示 さ れ て い ま す 。
「 ハ ブ ア ン ド ス ポ ー ク 型 都 市 構 造 」 に お い て ， 自 転 車 が 果 た す こ と が で き る 役
割 と し て ， つ く ば 市 の 核 （ ハ ブ ） で あ る 研 究 学 園 地 区 及 び つ く ば エ ク ス プ レ ス 沿
線 市 街 地 と 従 来 か ら の 生 活 拠 点 で あ る 旧 市 街 地 が 連 携 （ ス ポ ー ク ） す る た め の 移
動 ツ ー ル の 一 つ と し て 位 置 付 け る こ と が で き ま す 。 ま ち づ く り の 視 点 か ら も ， 自
転 車 の 利 用 促 進 及 び 自 転 車 に よ る 移 動 が し や す い 環 境 づ く り を 進 め る こ と を 目 指
し て い き ま す 。
ま た ， 地 形 的 な 視 点 か ら も 標 高 2 0 ～ 3 0 ｍ の 平 坦 な 台 地 上 に 広 が る 都 市 で あ る た
め ， 自 転 車 の 利 用 環 境 に 適 し て お り ， 環 境 に や さ し い 自 転 車 の 利 用 促 進 を し て い
き ま す 。
8
( 2 ) 人 口
現 在 ， つ く ば 市 の 人 口 は つ く ば エ ク ス プ レ ス の 開 通 や 地 域 環 境 整 備 等 に よ り 増
加 傾 向 が 続 い て い ま す が ， 今 後 は 人 口 減 少 し て い く 時 期 が 訪 れ る と 予 測 さ れ て い
ま す 。人 口 推 計 （ 中 位 ） で は ， 今 後 も 一 定 の 人 口 定 着 が 続 き ま す が ， 2 0 3 5 年 の 約 2 5 万 2 千 人 を ピ ー ク と し て ， 緩 や か に 人 口 減 少 に 転 じ る と 示 さ れ て い ま す 。
図 2 - 3 つ く ば 市 の 人 口 見 通 し
資料：つくば 市
年 齢 別 人 口 で は ， 年 少 人 口 （ 0 ～ 1 4歳 ） 及 び 生 産 年 齢 人 口 （ 1 5 ～ 6 4 歳 ） が 減 少 す る 一 方 ， 老 齢 人 口 （ 6 5 歳 以 上 ） は 増 加 す る と 予 測 さ れ て い ま す 。 こ の こ と か ら ， 今 後 は 過 度 に 自 動 車 に 依 存 し な い ， コ ン パ ク ト プ ラ ス ネ ッ ト ワ ー ク な ま ち づ く り を 進 め て い く こ と が 求 め ら れ て い ま す 。
図2 - 4 つ く ば 市 の 年 齢 別 人 口 構 成 比 の 見 通 し
2 . 2
自 転 車 利 用 の 現 況
( 1 ) 移 動 目 的 別 の 交 通 手 段 分 担 率
平 成 2 0年 （ 第 5 回 ） の 東 京 都 市 圏 パ ー ソ ン ト リ ッ プ 調 査
1
（ 以 下 「 東 京 P T 」） の
結 果 と 平 成 1 0 年 の 東 京 P T の 結 果 と 比 較 す る と ， つ く ば 市 の 自 転 車 利 用 は 微 増
（ 1 3 . 6 ％ か ら 1 3 . 9 ％ ） し て い ま す が ， 自 動 車 の 占 め る 割 合 （ 6 7 . 8 ％ か ら 6 4 . 1 ％ に
減 少 ） や 鉄 道 ・ 地 下 鉄 の 占 め る 割 合 （ 3 . 2 ％ か ら 6 . 2 ％ に 増 加 ） の 方 が 大 き な 変 化
が あ り ， 他 の 交 通 手 段 に 比 較 す る と 自 転 車 の 利 用 割 合 の 伸 び は 低 い で す 。 鉄 道 分
担 率 の 増 加 は ， 平 成 1 7年 の つ く ば エ ク ス プ レ ス の 開 通 の 効 果 で す 。
ま た ，目 的 別 発 生 交 通 量 に お け る 自 転 車 利 用 割 合 で は ，「 自 宅 － 通 勤 」と「 私 事 」
が 微 増 傾 向 に あ り ま す 。 鉄 道 分 担 率 の 増 加 に 伴 い ， 駅 ま で の 移 動 に 自 転 車 を 利 用
し た り す る 生 活 パ タ ー ン が 生 ま れ つ つ あ る と 推 測 さ れ ま す 。
図2 - 5 つ く ば 市 の 目 的 別 発 生 交 通 量 の 交 通 手 段 （ 平 成 2 0年 ）
資料：第５回 東京都市圏 パーソン トリップ 調査（東京 都 市圏交通計画 協議会）
1パーソントリ ップ調査は，「どのよ うな人が 」「どのよ う な目的で」「どこからどこへ」「どのような交通手段で」
移動したか等 を調べるも ので， 東京都市 圏 （東 京都 ・ 神奈 川県 ・ 埼玉 県 ・ 千葉県 ・ 茨城県南 部）では 10年に一度，
10
図2 - 6 つ く ば 市 の 目 的 別 発 生 交 通 量 の 交 通 手 段 （ 平 成 1 0年 ）
資料：第５回 東京都市圏 パーソン トリップ 調査（東京 都 市圏交通計画 協議会）
資料：第５回 東京都市圏 パーソン トリップ 調査（東京 都 市圏交通計画 協議会）
( 2 ) 通 勤 ・ 通 学 時 に 利 用 す る 交 通 手 段 分 担 率
■ 国 勢 調 査 か ら の 利 用 状 況
国 勢 調 査 に お け る 通 勤 ・ 通 学 時 に 利 用 す る 交 通 手 段 を み る と ， 市 内 を 通 過 す る
鉄 道 は 1 路 線 し か な い た め ， 自 転 車 と 鉄 道 の ペ ア の 利 用 は 全 国 平 均 よ り も 低 い で
す が ， 自 転 車 単 独 の 利 用 は 全 国 平 均 を 大 き く 上 回 っ て い ま す 。
図 2 - 7 通 勤 通 学 時 に 利 用 す る 交 通 手 段 （ つ く ば 市 と 全 国 ）
■ 市 民 意 識 調 査 か ら の 利 用 状 況
2 年 ご と に 実 施 し て い る 「 つ く ば 市 民 意 識 調 査 」の 結 果 で は ， 自 家 用 車 の 利 用 意
識 は 減 少 し つ つ ， 自 転 車 及 び 鉄 道 ・ 路 線 バ ス 等 の 公 共 交 通 の 利 用 に 対 す る 市 民 の
意 識 は 向 上 傾 向 に あ り ま す 。
図 2 - 8 つ く ば 市 民 の 日 常 利 用 す る 交 通 手 段
12
( 3 ) 地 区 別 の 交 通 手 段 分 担 率
地 区 別 の 自 転 車 の 利 用 状 況 を み る と ，「 研 究 学 園 地 区 」，「 桜 地 区 」，「 谷 田 部 地 区 」
に お い て 比 較 的 自 転 車 の 利 用 が 多 く な っ て い ま す 。 市 内 中 心 部 の ペ デ ス ト リ ア ン
デ ッ キ の 整 備 等 ， 自 転 車 走 行 空 間 の 整 備 状 況 が よ い 効 果 を 生 み 出 し て い る よ う で
す 。
ま た ， 周 辺 地 区 で は ， 近 隣 商 店 等 の 減 少 の 影 響 か ら ， 日 常 的 に 自 動 車 を 利 用 す
る 生 活 に 傾 い て い る も の と 考 え ら れ ま す 。
図 2 - 9 東 京 P Tに お け る 地 区 別 の 交 通 手 段
2 . 3
交 通 事 故 発 生 状 況
茨 城 県 内 の 自 転 車 交 通 事 故 数 は 減 少 し て い る に も 関 わ ら ず ， つ く ば 市 内 の 自 転 車
事 故 数 は ほ ぼ 横 ば い で あ る こ と か ら ， 茨 城 県 内 に お け る つ く ば 市 の 自 転 車 事 故 数 が
占 め る 割 合 は 上 昇 し て い ま す 。
つ く ば 市 内 の 事 故 数 全 体 に 占 め る 自 転 車 事 故 数 の 割 合 は ， 事 故 数 が 増 加 し て い る
た め ， 相 対 的 に 減 少 し て い ま す 。
図 2 - 1 0 茨 城 県 及 び つ く ば 市 の 自 転 車 事 故 件 数 の 推 移
表 2 - 1 つ く ば 市 内 の 事 故 数 及 び 自 転 車 事 故 数
単 位 ： 人
2 0 0 8 年 2 0 0 9 年 2 0 1 0 年 2 0 1 1年 2 0 1 2 年 2 0 1 3 年
事 故 数 7 , 8 6 5 7 , 8 7 3 8 , 0 8 9 7 , 9 3 9 8 , 3 1 5 8 , 5 4 2
自 転 車 事 故 数 1 9 1 2 0 4 1 8 9 1 6 2 1 5 7 1 4 4
事 故 数 に お け る 自 転 車
事 故 が 占 め る 割 合
2 . 4 % 2 . 6 % 2 . 3 % 2 . 0 % 1 . 9 % 1 . 7 %
14
2 . 4
温 室 効 果 ガ ス 排 出 状 況
つ く ば 市 で は ， 環 境 モ デ ル 都 市 と し て ， 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 の 抑 制 に 努 め て い ま
す が ， 現 在 の 将 来 推 計 で は ， 市 民 一 人 当 た り の 温 室 効 果 ガ ス 削 減 目 標 値 を 実 現 す る
た め に は ， さ ら な る 努 力 が 必 要 と さ れ て い ま す 。 そ の た め ， 環 境 に や さ し い 自 転 車
の 利 用 促 進 を 強 化 し て い く 必 要 性 が あ り ま す 。
図 2 - 1 1 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 の 将 来 予 測 結 果 （ 現 状 す う 勢 ケ ー ス ）
表 2 - 2 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 の 将 来 予 測 結 果 （ 現 状 す う 勢 ケ ー ス ）
単位 ： t - C O
2
2 0 0 6年度 （ 実績値 ）
2 0 0 7年度 （ 実績値 ）
2 0 0 8年度 （ 実績値 ）
2 0 0 9年度 （ 実績値 ）
2 0 1 0年度 （ 実績値 ）
2 0 1 1年度 （ 実績値 ）
2 0 2 0年度
（ 予測値 ）
2 0 3 0年度
（ 予測値 ）
温室効果ガ ス 総排出量
1 , 8 7 2 , 7 6 5 2 , 0 8 1 , 5 9 7 2 , 0 2 9 , 9 1 7 1 , 9 1 1 , 5 8 2 1 , 9 6 9 , 6 4 9 1 , 9 8 6 , 6 5 7 2 , 0 9 0 , 1 8 5 2 , 1 9 0 , 7 3 7
市民１ 人当た り の 排出量
9 . 2 1 0 . 1 9 . 7 9 . 0 9 . 2 9 . 2 9 . 0 8 . 8
３
自 転 車 の ま ち づ く り に 関 す る 市 民 意 識
「 自 転 車 の ま ち つ く ば 基 本 計 画 」 及 び 「 同 行 動 計 画 」 の 進 捗 状 況 に 対 す る 市 民 の
意 見 を 聴 取 す る た め に ， ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し ま し た 。
3 . 1
自 転 車 利 用 に 対 す る 意 識
自 転 車 の 利 用 に 対 す る 意 識 と し て は ， 全 体 と し て 「 楽 し い 」 及 び 「 ど ち ら か と い
う と 楽 し い 」が 8 0 ％ を 占 め て お り ，多 く の 市 民 が 楽 し ん で 自 転 車 を 利 用 し て い る よ
う で す 。
図 3 - 2 自 転 車 利 用 に 関 す る 意 識 （ 年 代 別 ）
※未回答を除 く
回 答 数 割 合 1 0 歳 代 1 5 4 1 1 . 4 % 2 0 歳 代 2 1 6 1 5 . 9 % 3 0 歳 代 2 4 0 1 7 . 7 % 4 0 歳 代 2 2 1 1 6 . 3 % 5 0 歳 代 1 7 0 1 2 . 5 % 6 0 歳 代 1 7 5 1 2 . 9 % 7 0 歳 以 上 1 8 1 1 3 . 3 % 合 計 1 , 3 5 8 1 0 0 . 0 %
16
3 . 2
歩 行 者 ， 自 転 車 ， 自 動 車 の 共 生 に 関 す る 意 識
歩 行 者 , 自 転 車 , 自 動 車 の 三 者 が 快 適 か つ 安 全 に 空 間 を 共 有 す る こ と が で き る こ
と は , 安 全 ・ 安 心 な ま ち づ く り の 視 点 の 上 で 極 め て 重 要 な こ と で す 。 三 者 が 「 共 生 で
き て い る 」及 び「 ど ち ら か と い え ば 共 生 で き て い る 」と の 回 答 は 5 2 ％ と な り ，安 全 ・
安 心 に 三 者 が 空 間 を 共 有 す る ま ち づ く り へ の 取 組 の さ ら な る 充 実 が 今 後 の 課 題 と い
え ま す 。
年 代 別 に み る と ， 6 0 歳 代 以 上 に お い て 「 共 生 で き て い な い 」 及 び 「 ど ち ら か と い
え ば 共 生 で き て い な い 」 が 5 0 ％ 以 上 （ 6 0歳 代 ： 5 7 . 2 ％ 7 0 歳 代 ： 5 9 . 1 ％ ） を 占 め て
お り ，高 齢 者 に と っ て 安 全・安 心 な や さ し い 空 間 づ く り を 検 討 す る 必 要 が あ り ま す 。
図 3 - 3 歩 行 者 ， 自 転 車 ， 自 動 車 の 共 生 に つ い て （ 年 代 別 ）
地 区 別 の 回 答 を み る と ， ペ デ ス ト リ ア ン デ ッ キ 等 の 自 転 車 走 行 空 間 が 整 備 さ れ て
い る 「 桜 地 区 」 及 び 「 研 究 学 園 地 区 」 に お い て は ，「 共 生 で き て い る 」 及 び 「 ど ち ら
か と い え ば 共 生 で き て い る 」 と 回 答 す る 割 合 が 高 い 傾 向 に あ り ま す 。
図 3 - 4 歩 行 者 ， 自 転 車 ， 自 動 車 の 共 生 に つ い て （ 地 区 別 ）
利 用 交 通 手 段 別 の 「 共 生 で き て い る 」 及 び 「 ど ち ら か と い え ば 共 生 で き て い る 」
と 回 答 す る 割 合 を み る と ，自 転 車 利 用 者 は 6 5 . 3 ％ ，歩 行 者 は 5 2 . 2 ％ を 示 し て い ま す 。
歩 行 者 の 視 点 か ら の 施 策 の 検 討 が 必 要 で す 。
18
3 . 3
各 種 自 転 車 施 策 に 対 す る 満 足 度 と 重 要 度 に 関 す る 意 識
全 体 と し て 全 て の 自 転 車 施 策 と も 重 要 度 が 高 い と し て 認 識 さ れ て い る が ， 満 足 度
が 低 い 傾 向 に あ り ま す 。 満 足 度 が 高 い 施 策 は ，「 自 転 車 安 全 利 用 促 進 条 例 の 制 定 」 で
す 。 条 例 を 施 行 し た こ と が 評 価 さ れ ， 満 足 度 が 向 上 し て い る と 考 え ら れ ま す 。 重 要
度 と 満 足 度 の 乖 離 が 大 き い 施 策 は 「 自 転 車 走 行 空 間 づ く り に 関 す る 施 策 」， 重 要 度 が
高 い 施 策 は 「 照 明 施 設 の 設 置 に 関 す る 施 策 」 等 の ハ ー ド 整 備 が で て い ま す 。「 自 転 車
の ま ち つ く ば 基 本 計 画 」，「 同 行 動 計 画 」 に 基 づ き 施 策 を 展 開 し て き ま し た が ， さ ら
な る 施 策 の 強 化 ・ 充 実 を 検 討 す る 必 要 が あ り ま す 。
図 3 - 6 自 転 車 の ま ち つ く ば 基 本 計 画 の 施 策 評 価
資料：つくば 市2
2 「高い」 を 2 ポイント，「 どちらか といえば高 い」 を 1ポイント，「 どちらか といえば 低い」 を-1ポイント，「低
3 . 4
自 転 車 環 境 ハ ー ド に 対 す る 重 要 度 に 関 す る 意 識
「 研 究 学 園 地 区 」 及 び 「 Ｔ Ｘ 沿 線 開 発 地 区 」 は 環 境 整 備 に つ い て の 重 要 度 が 高 い
傾 向 に あ り ， 周 辺 地 区 で は 全 般 的 に 重 要 度 が 低 い 傾 向 に あ り ま す 。 自 転 車 利 用 が 多
い 地 域 に お い て ， 市 民 の ニ ー ズ が 高 い と 想 定 さ れ ま す 。 全 市 的 に は 「 幅 員 確 保 」 及
び 「 交 差 点 見 通 し 確 保 」 の 重 要 度 が 高 い 傾 向 に あ り ま す 。
20
資料：つくば 市3
3 「高い」 を 2 ポイント，「 どちらか といえば高 い」 を 1ポイント，「 どちらか といえば 低い」 を-1ポイント，「低
3 . 5
ペ デ ス ト リ ア ン デ ッ キ の 走 行 空 間 に 対 す る 意 識
市 内 4 8㎞ に わ た る ペ デ ス ト リ ア ン デ ッ キ の 走 行 空 間 に つ い て ， 自 転 車 と 歩 行 者 の
両 者 の 視 点 か ら の 意 識 を み る と 「 安 全 に な っ て い る 」，「 ど ち ら か と い え ば 安 全 に な
っ て い る 」 が 6 1 ％ を 占 め て お り ， 全 体 と し て 歩 行 者 と 自 転 車 の 双 方 が 安 全 に 利 用 で
き る 空 間 だ と 認 識 さ れ て い ま す 。 ペ デ ス ト リ ア ン デ ッ キ の 歩 行 者 と 自 転 車 の 分 離 に
つ い て は ， あ る 程 度 効 果 が 現 れ て い る の で ， 引 き 続 き 安 全 な 空 間 づ く り に 取 り 組 ん
で い く 必 要 が あ り ま す 。
22
４
課 題 と 今 後 の 展 望
現 在 ， つ く ば 市 で は 人 口 増 加 に 伴 い 自 転 車 利 用 が 増 加 し つ つ あ り ， 今 後 も 自 転 車
利 用 の 増 加 が 見 込 ま れ て い ま す 。 交 通 手 段 に お け る 自 転 車 分 担 率 も 増 加 傾 向 に あ り ，
自 転 車 利 用 者 の 増 加 に 対 応 す る た め に ， 自 転 車 の 安 全 利 用 に 対 す る 意 識 の 醸 成 や 安
全 ・ 安 心 な 走 行 空 間 の 構 築 が 求 め ら れ て い ま す 。
市 全 体 と し て は ， 環 境 負 荷 の 軽 減 の 視 点 等 か ら ， さ ら な る 自 転 車 の 利 用 促 進 に 取
り 組 む こ と が 重 要 で す 。 通 勤 ・ 通 学 に お い て 利 用 す る 市 民 が 増 加 し て い る こ と ， 利
用 意 向 が 徐 々 に 高 ま り つ つ あ る こ と を き っ か け に ， 自 転 車 利 用 ニ ー ズ を 育 成 し て い
く こ と が 必 要 に な っ て い ま す 。
こ の よ う な 現 在 の 状 況 及 び つ く ば 市 の 自 転 車 施 策 の 課 題 を 整 理 す る と ， 全 体 的 な
課 題 と し て は ， 自 転 車 利 用 の 増 加 に 対 応 す る た め の 走 行 環 境 等 ハ ー ド 面 の 充 実 ， ソ
フ ト 面 と し て は 自 転 車 の 安 全 な 利 用 促 進 に つ い て ， 着 実 に 取 り 組 む こ と が あ り ま す 。
こ れ ら の 課 題 を 解 決 す る た め に ， ３ つ の 基 本 目 標 を 設 定 し ま す 。
現 在 ， つ く ば 市 に お け る 自 転 車 事 故 数 は 微 減 傾 向 に あ り ま す が ， さ ら な る 自 転
車 事 故 数 減 少 に 向 け て ， 一 層 の 努 力 を す る こ と が 求 め ら れ て い ま す 。 そ の た め ，
交 通 ル ー ル 及 び 自 転 車 利 用 の マ ナ ー に つ い て ， 子 供 か ら 高 齢 者 ま で 広 く 啓 発 を し
て い く こ と が 必 要 で す 。
そ の た め 基 本 目 標 １ と し て ， 自 転 車 事 故 数 の 減 少 を 目 指 し ， 歩 行 者 ， 自 転 車 ，
ク ル マ の 三 者 が 安 全 ・ 安 心 に 共 生 で き る よ う に す る た め ， 自 転 車 利 用 に 関 す る ル
ー ル ・ マ ナ ー の 遵 守 を 促 す 自 転 車 安 全 利 用 の 充 実 を 設 定 し ま す 。
自 転 車 の 利 用 環 境 及 び 利 用 状 況 か ら み る と ， 自 転 車 利 用 環 境 の ハ ー ド 面 が 充 実
し て い る 場 所 や 地 域 に お い て ， 自 転 車 の 利 用 が 多 い 傾 向 で す 。 快 適 な 自 転 車 走 行
空 間 が あ る こ と に よ り ， 自 転 車 利 用 が 促 進 さ れ て い る 状 況 で す 。
駐 輪 場 の 利 用 状 況 と し て は ，研 究 学 園 駅 東 駐 輪 場 及 び 万 博 記 念 公 園 駐 輪 場 で は ，
駐 輪 場 の 利 用 に 関 す る 需 要 量 に 対 し 供 給 量 が 不 足 し て い ま す が ， そ の 他 の 駐 輪 場
で は ，需 要 量 に 対 し 供 給 量 が 上 回 っ て お り ，利 用 者 の ニ ー ズ に 対 応 で き て い ま す 。
目 標 と し て は ， 自 転 車 利 用 の 需 要 増 加 に 対 応 を す る た め 及 び 自 転 車 の 利 用 促 進
の た め に ， 駐 輪 場 の 整 備 ， そ の 他 快 適 な 自 転 車 利 用 環 境 づ く り に 取 り 組 む 施 策 を
設 定 し ま す 。
課 題 １
自 転 車 利 用 の ル ー ル ・ マ ナ ー の 向 上
課 題 ２
自 転 車 走 行 環 境 の 向 上
基 本 目 標 １
自 転 車 の 安 全 利 用 に つ な が る 意 識 づ く り
図 4 - 1 つ く ば 市 の 自 転 車 駐 輪 場 利 用 率 の 推 移
つ く ば 市 で は ， 環 境 モ デ ル 都 市 と し て ， 市 全 体 と し て 環 境 負 荷 軽 減 へ の 取 組 を
強 化 し て い く こ と が 求 め ら れ て い ま す 。 現 在 ， 市 民 の 自 転 車 の 利 用 へ の 意 識 は 少
し ず つ 高 ま り つ つ あ り ま す が ， 環 境 負 荷 軽 減 に 対 す る 貢 献 は ま だ ま だ 不 足 し て い
ま す 。 環 境 負 荷 軽 減 の 視 点 か ら も ， 今 後 自 転 車 の さ ら な る 利 用 促 進 を 働 き か け て
い き ま す 。
ま た ， 環 境 負 荷 の 軽 減 だ け で な く ， 健 康 づ く り に 役 立 つ 自 転 車 の 利 用 促 進 の 視
点 か ら も ， 楽 し い 自 転 車 利 用 を 働 き か け て い く 必 要 が あ り ま す 。
基 本 目 標 と し て ， 温 室 効 果 ガ ス 削 減 目 標 到 達 を 目 指 す た め に ， 環 境 に 優 し い 自
転 車 の 利 用 促 進 を 図 る 施 策 を 展 開 す る と と も に ， 健 康 づ く り の 視 点 か ら ， サ イ ク
リ ン グ 等 を 推 奨 す る た め の ソ フ ト 面 を 含 む 施 策 の 展 開 を 設 定 し ま す 。
