掲 示 用
長野市監査委員告示第14号
地方自治法第199条第7項の規定により、財政援助団体等監査( 財政援助団体監査) を実施しましたので、同条第9項の規定により、その結果を次のとおり公表します。
平成 17 年 12 月 21 日
長野市監査委員 小 林 昭 人 同 高 波 謙 二 同 町 田 伍一郎 同 山 田 千代子
第1 監査の対象
補助金等交付に係る出納その他の事務 長野市校長会及び教育委員会学校教育課 第2 監査の期間
平成 17 年8月4日から 12 月 19 日まで 第3 監査の方法
平成 16 年度の補助金等の出納その他の事務の執行について、決算報告書等あらか じめ提出を求めた資料に基づき、団体及び関係職員からの説明を聴取するとともに、 関係書類の監査を実施した。
監査に当たっては、その事務が関係法令に則り適正かつ効率的に執行されている かどうかを主眼として、次の諸点についてそれぞれ具体的に着眼点を定め監査を実 施した。
団 体 所 管 課
・事業計画書、予算書及び決算諸表 等 と 補 助 金 等 交 付 申 請 及 び 実 績 報告は符合しているか
・補助金等の手続きは適時適正に行 われているか
・事業は、計画及び交付条件に従っ て実施されているか。また、十分 効果が上げられているか
・補助金等に係る会計経理は適正に 行われているか
・実績報告は適正に行われているか
・補助金等の交付決定は長野市補助金等交 付規則及び要綱等に適合しているか
・補助金等の交付目的及び対象事業の内容 等は明確にされているか
・補助金等の額の算定、交付方法、時期及 び手続き等は適正に行われているか
・補助金等の効果及び条件の履行の確認は 実績報告書等によりなされているか
・補助金等交付団体への指導監督は適切に 行われているか
・補助金等の統合、廃止等の見直しをする 必要があるものはないか
第4 監査対象団体の概要
長野市校長会は、市内にある小学校・中学校(信州大学教育学部附属小学校・中学 校・養護学校を含む)、皐月高校及び県立自律学校の校長で組織され、会員相互の連 絡協調をはかり、校長としての職能の向上、学校経営の向上、教育に必要な研究調査 等を行い、もって、教育進展に寄与することを目的としている。
1 事業概要
(1)会員の連絡協調に関すること。
(2)学校経営の向上に関すること。
(3)教育に必要な研究調査。
(4)教育振興に関し、他団体との提携並びに世論の喚起。
(5)その他、会の目的達成に必要な事項。
平成 16 年度の事業は、総務、学校運営、教育計画、学力向上、学校自己評価、 生徒指導、教育行政、教育予算、人事推進、職員指導・研修、人権同和教育、適 応指導、旅行登山、教頭会、学校事務、バス運営、自律教育、保健安全、行事、 幼年教育、環境教育の各研究委員会により実施されている。
2 補助金等交付実績
平成 16 年度は、補助金等 10 件、19, 196, 460 円を支出している。
第5 監査の結果
出納その他の事務の執行については、一部に改善を要する事項が見受けられた。 なお、改善を要する事項は、次のとおりである。
その他軽微な指摘事項については、口頭で留意又は改善を促したので省略した。
( 補助金の内訳) (単位:円)
事業番号 補助金の名称 補助金額
1 長野市校長会交付金 3, 120, 000 2 長野市校長会小学校部会補助金 1, 183, 350 3 長野市校長会中学校部会補助金 536, 750 4 長野市小学校ブロック学年会(教科研究費)交付金 800, 000 5 長野市中学校教科研究費交付金 450, 000 6 長野市小・中学校教育課程研究費交付金 540, 000 7 長野市小学校芸術鑑賞音楽会補助金 4, 729, 900 8 長野市中学校芸術鑑賞音楽会補助金 3, 536, 460 9 長野市小中学校国際化教育推進補助金 4, 000, 000 10
平成16年度関東甲信越地区小学校長研究協議会 長野大会実行小委員会補助金
300, 000 合 計 19, 196, 460
1 全体事項
(1)交付対象事業の実績確認について
校長会では教科研究や教育課程研究に要する経費を研修補助費や教科研究運営 費等の名目で各学校へ交付している。各学校では学校長の責任の下、必要経費に使 用しているとされているが、一部において、各学校から経費の精算報告が校長会へ されていないことから、各学校での支出経費が補助対象経費に該当する経費か確認 がされていなかった。
校長会は、交付先に対して使途を明確にした精算書等の書類の提出を求め、支出 内容を確認されるよう改められたい。
(2)補助事業の審査及び補助金の額の確定について
長野市補助金等交付規則では、「交付申請」→「交付決定」→「実績報告」→「額 の確定」の手続きをするよう規定しているが、一部を除き、実績報告書に対する審 査並びに補助金額の確定がされていなかった。
額の確定は単なる金額の確定にとどまることなく、補助金の効果を測定する第一 段階として重要であるので、実績報告書による補助事業の審査及び額の確定を厳格 にされたい。
(3)補助金等対象経費の明確化について
校長会交付金、小・中学校部会への補助金並びに教科研究や教育課程研究への交 付金は、昭和 61 年4月に施行したそれぞれの交付要領により、下表のとおり交付基 準を定め、予算の範囲内で交付されているが、交付要領には対象経費が明記されて いない。対象経費を明確に定めた要綱を制定されたい。
事業番号 補助金の名称 交付基準 交付額
1 長野市校長会交付金
小中学校50, 000円以内/ 校 高等学校60, 000円以内/ 校
小中学校45, 000円/ 校 高等学校60, 000円/ 校
2 長野市校長会小学校部会補助金 25, 000円以内/ 校 24, 150円/ 校 3 長野市校長会中学校部会補助金 30, 000円以内/ 校 28, 250円/ 校 4 長野市小学校ブロック学年会(教科研究費)交付金 800, 000円以内 800, 000円
(4)事業間における経費負担のあり方について
校長会、小学校部会及び中学校部会(以下、「各部会」という。)の出納関係書類 を調査したところ、市から受領した校長会交付金の全額及び各部会補助金の一部が、 それぞれ各学校長へ校長交付金、校長研修補助の名目で交付されている。
各学校長は交付された資金を全国校長会、県校長会への負担金に充てる一方、校 長会や各部会への会費等に充てていた。
また、各部会が学校長から徴収した会費の一部は、校長会への負担金として納付 されており、結果的に、市からの補助金等が校長会、各部会、各学校長の間を行き 来している状況であった。
このような事務処理は事務の煩雑を招き、また、事業の責任所在や資金の流れを 不明確にするものである。経費負担のあり方を整理し、資金の流れを明瞭にするな ど、検討されたい。
2 個別事項
事業3 長野市校長会中学校長部会補助金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)収入・支出伺の収入日、支払日が通帳と符合しないものがあったので、適正 に処理されたい。
事業4 長野市小学校ブロック学年会(教科研究費)交付金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)決算報告書に預金利息が決算に計上されていなかったので、適時適正に処理 されたい。
事業5 長野市中学校教科研究費交付金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)決算報告書に他団体からの補助金収入及び預金利息が計上されていなかった ので、適正に処理されたい。
(イ)収入支出の際、収入・支出伺がなく、決裁処理がされていなかった。会計処 理上の責任体制を明確にし、適正な経理事務をされたい。
事業6 長野市小・中学校教育課程研究費交付金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)収入支出の際、収入・支出伺がなく、決裁処理がされていなかった。会計処 理上の責任体制を明確にし、適正な経理事務をされたい。
事業7 長野市小学校芸術鑑賞音楽会補助金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)市に提出された会計報告書(16. 7. 31 付け)と団体保管されていた会計報告 書(17. 3. 8 付け)が符合しなかった。実績報告を適時適切に行われたい。
(イ)収入支出の際、収入・支出伺がなく、決裁処理がされていなかった。会計処 理上の責任体制を明確にし、適正な経理事務をされたい。
事業8 長野市中学校芸術鑑賞音楽会補助金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)平成 16 年5∼6月に実施した事業に対して、平成 17 年1月に交付申請がな されていた。交付申請及び実績報告を適時適切にされたい。
(イ)決算報告書に預金利息が計上されていなかったので、適正に処理されたい。
(ウ)会計事務処理において、証拠書類の不足や、決算書類間での不整合があった ので、適正な事務処理をされたい。
(エ)収入支出の際、収入・支出伺がなく、決裁処理がされていなかった。会計処 理上の責任体制を明確にし、適正な経理事務をされたい。
事業9 長野市小中学校国際化教育推進補助金
(1) 団体の事務に関する事項
(ア)決算報告書に預金利息が計上されていなかったので、適正に処理されたい。
(イ)収入支出の際、収入・支出伺がなく、決裁処理がされていなかった。会計処 理上の責任体制を明確にし、適正な経理事務をされたい。
(ウ)交流事業を実施していない学校へ補助金が配分されていたり、補助金の対象 経費を上回る補助金が配分されていた。また、一部学校において、対象経費が 一校一国運動補助金の対象経費と区別されていなかった。
(2)課の事務に関する事項
(ア)補助金に係る補助対象経費の検証が十分に行われていないので、実績報告書 の内容を十分審査するとともに、検査体制を強化されたい。
(イ)市から一括交付された補助金は、校長会から各学校へ配分されているが、実 際の対象経費の支出を上回る配分や、他の補助事業の経費と区別されていない 事例が認められた。補助金事務の適正化を図るため、要綱を整備し対象経費を 明確にするとともに、事業費補助へ切り替えるなど補助制度の内容の見直しを 検討されたい。
第6 意 見
市内にある各学校長で組織された長野市校長会は、校長としての職能の向上、学 校経営の向上、教育に必要な研究調査等を行い、もって、教育進展に寄与すること を目的とし、各研究委員会により活発な活動が行われ、市の教育行政の中核を担っ ている。
今回の監査で経理的な面を通じ活動を検証するなかで、上部組織への負担金納付 をはじめとする各種経理事務において、事業を担当する学校長や各学校長の負担は 大きく、事務の簡素化が望まれる。
所管課及び補助金等の交付を受ける団体双方ともに、事業の執行に際し、その目 的を十分理解し、適正かつ効率的な補助金等の執行に努め、事業効果を発揮するこ とが重要となる。また、常に補助金等の活用状況を把握し、その成果について有効 性の観点から検証するとともに、社会情勢の変化に応じ、補助金の必要性と妥当性 の検討を行い、要綱等の見直しを随時することが必要である。
今後の事業推進にあたっては、教育委員会と十分連携し、経費負担の明確化、効 率化により努められたい。さらには、市教育委員会の一員としての認識の下、教育 行政発展のため、行政と校長会とが一体となった活動を期待するものである。