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第3回(配布用)pdf 最近の更新履歴 Keisuke Kawata's HP

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Academic year: 2018

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(1)

労働経済学 (第3回)

広島大学国際協力研究科

川田恵介

(2)

復習(競争市場モデル)

労働経済学 2

•競争市場モデルにおいては、労働需要と供給関数の形 状によって、賃金、雇用水準は決定された。

⇒とくに賃金水準と労働供給との関係( )を 明らかにする。

•労働者の属性間で労働供給行動は異なるか?

•何が労働供給関数の“形状“を決定するのか?

(3)

2012年の年齢別、性別労働力率

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

総数 15~19歳 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70歳以上

男性 女性

(4)

“主流派”経済学の理論モデル

• 主流派経済学の理論モデルは、経済主体の選択の 在り様が土台となっている。

労働経済学 4

経済主体の 選択

社会的変数

(例:価格や賃 金)

経済主体の 選択

(5)

“主流派”経済学の理論モデル

(仮定)“合理的”な経済主体:経済主体(企業や家計)は、 選択可能な選択肢から、自身の目的を最大限達成できる ものを選択する。

目的の例

家計の目的: の最大化

企業の目的: の利潤最大化

“合理的”な経済主体合理的な目的を持つ経済主体

(6)

家計の選択行動:効用関数

労働経済学 6

効用最大化収入最大化

• 労働経済学でよく用いられる効用関数は、

• 消費水準の増大、余暇時間の増加は、効用を増大す る。

(注意)余暇時間は、散歩やゲーム、おしゃべり以外にも、 家事や勉強、睡眠等、仕事以外のさまざまな活動に費やし ていると解釈される。それらに時間が割ける、ということか ら効用を感じている。

効用= , c: 消費水準, �: 余暇時間

(7)

家計の選択行動:制約

選択可能な行動は限られている=制約が存在する。

• 技術的制約:物理的、能力的に不可能なことがある。

(例)拳で鋼鉄を破壊する。

: 予算内で消費選択を行う必要がある。(例) フェラーリと白金台に1000坪の家を同時に買う。

• :時間内で行動選択を行う必要がある。

(例)一日で、卒論を書きあげ、就活を成功させる。

(8)

家計の選択行動のポイント:その1

労働経済学 8

• 経済モデルにおける選択行動では、ある行為から得る 便益と費用の関係が重要!!!

(復習:財市場モデル)チョコレートを買うことの費用は?

余暇のコストは?

機会費用

(9)

家計の選択行動のポイント:その2

• 所得(注:賃金ではない)の増加によって、消費量はど うなる?

消費量を増やす財:

消費量を減らす財:

余暇も財の一種⇒

所得効果

(10)

留保賃金

労働経済学 10

留保賃金(= )

就業するか否かがちょうど無差別になる賃金水準

留保賃金以上の賃金ならば、労働者は働きたいと考え る。

• 賃金増大⇒労働力増大?

• 、働きたいと考える人は増え ると考えられる。

(11)

非労働所得の増大

余暇が (所得が増加した場合、消費量を増やし たい財)の場合、就業を選ぶ家計の数を減少させる。 留保賃金が

(12)

実証研究

労働経済学 12

• 非労働所得の増大が、労働供給を減らすことは、多くの 実証研究で確認されている。

例)日本において、年金給付の増大が、高齢者の労働供 給を減らす。

(13)

頑強性のチェック

• 家計の効用関数の定式については、さまざまな可能性 が考えられる。

• 仕事をすることそのものから効用を感じる可能性があ る(やりがい等)。

• 効用を消費からの効用+余暇からの効用+仕事から の効用と書き換えても、留保賃金は導出できる。

• やりがいを感じる仕事ほど、留保賃金は低くなる。

(14)

人口比率

労働経済学 14

(労働力調査より)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

15~24 25~34 35~44 45~54 55~64 64歳以上

(15)

年齢構造の変化VS各年齢層の就業率の変化

• 年齢、性別間で労働力率には大きな違いが存在する。

⇒一般に の労働力率は低い。

• 年齢構造は大きく変化している( の進展)

⇒労働力率の変化に対して、年齢間での就業率の違いと年 齢構造の変化がどの程度貢献しているか?

(16)

年齢構造の変化VS各年齢層の就業率の変化

• 労働力率の変化は、年齢構造の変化と各年齢層におけ る労働力率の変化、に分解できる。

(例)1996年:5人中3人が若年者、2人が高齢者であり、 若年者の内2人が、高齢者の内1人が労働力化している。

労働経済学 16

全体の労働力率= 、若年者の労働力率= 高齢者の労働力率=

全体の就業率=

3

5 = × 2

3 + × 1 2

(17)

年齢構造の変化VS各年齢層の就業率の変化

• より一般的には、就職率は以下のように変形できる。 労働力率=15から19歳の労働力率

× 15歳から19歳の人口比率 + 20歳から24歳の労働力率

× 20歳から24歳の人口比率 … .

+65歳以上の就職率 × 65歳以上の人口比率

(18)

シュミレーション分析

分析1:年齢構造を1973年時点の水準で固定し、各年齢 層の労働力率のみを現実のデータに合わせて変化させる。 分析2:各年齢層の労働力率を1973年時点の水準で固定 し、年齢構造のみを現実のデータに合わせて変化させる。

労働経済学 18

(19)

シュミレーション:労働力率

0.580 0.600 0.620 0.640 0.660 0.680

1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

労働力率(現実)

労働力率(人口比率一定) 労働力率(労働力率一定)

(20)

シ ュ ミ レ ー シ ョ ン : 就業 率

労働経済学20 (毎月勤労統計調査よ 0.560 0.580 0.600 0.620 0.640 0.660 1973

1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

就業率(現実)

就業率(人口比率一定)

就業率(労働力率一定)

(21)

シ ュ ミ レ ー シ ョ ン : 失業 率

労働経済学 (毎月勤労統計調査よ 0.010 0.020 0.030 0.040 0.050 0.060 1973

1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

失業率(現実)

失業率(人口比率一定)

失業率(労働力率一定)

(22)

供給関数の形状の重要性

労働経済学 22

賃金

労働量 初期均衡労働量

労働供給

労働需要

需要ショックに対する、調整方法が変わる。

均衡賃金

(23)

供給関数の形状

より水平な供給関数

⇒賃金の変化に対して、

男性と女性、どちらがより水平?

(24)

実証研究:労働の供給弾力性

労働経済学 24

• 賃金に対する労働供給の弾力性は、

• 黒田、山本(2007、金融研究)において、就業選

択、労働時間選択を合した弾力性は、男性が0.2か ら0.7程度、女性は1.3から1.5程度

• 労働時間選択のみを反映した弾力性は、男女とも 0.1から0.2程度と小さい。

労働供給の増加量 労働供給量

/

賃金の増加幅 賃金水準

(25)

まとめと次回に向けて

• 家計の行動から留保賃金が導出できる。

• 供給関数と留保賃金は、完全に対応している。

• 非労働所得の増加した場合、留保賃金は低下すること が、理論的に予測され、実証的にも確認されている。

• 女性のほうが、労働供給はより賃金に対して感応的で あり(労働供給の弾力性が大きく)、需要ショックに対し て、労働量による調整が生じやすい。

参照

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