駒場ミクロ HW1 ∗
松井彰彦
October 22, 2016
1 基礎
下記表を参考にして下さい。
否定 negation ¬ A Aではない 論理積 A∧B Aかつ B 論理和 A∨B Aまたは B 含意 implication A⇒B Aならば B
x∈X xは X の要素 y/∈X yは X の要素ではない
∀x∈X 全ての X の要素 x について
∃x∈X Xのある要素xについて
1.1 問題 1
Xと Y は集合、x、y は X、Y の要素、P(x,y) は命題を表すとします。 X : 経済学部の学生の集合
Y≡ {ミクロ、マクロ、統計、経営、会計、経済史、原論、ファイナンス } P(x,y) : xが y の科目で優をとる
次の二つの論理式の意味を考え、それぞれの意味を日本語または英語で書いて下さい。 1 ∀y∃xP (x, y)
2 ∃x∀yP (x, y)
1.2 問題 2
次の推論 P⇒Q は TRUE か FALSE か答えて下さい。 P:蟻が鯛 、 Q:芋虫は鯨
P ⇒ Q
1.3 問題 3
選好 ⪰ の合理性の定義を書いて下さい。
1.4 問題 4
1.4.1
全体集合 X について、X = R3とし、 個人の選好 ⪰ が強い単調性を満たしているとします。消費ベクトル x, y についてのこの個人の選好関係は明らかですか。明らかである場合は x, y の選好関係を記号 ⪰ を用いて表して 下さい。x =
4 3 1
, y =
3 3 1
∗担当 村上愛。HW1 に関する質問、訂正のご指摘は TA メールアドレスの komabamicro2016@gmail.com までお願いします。
1
1.4.2
全体集合 X について、X = R3とし、 個人の選好 ⪰ が弱い単調性を満たしているとします。消費ベクトル x, y についてのこの個人の選好関係は明らかですか。明らかである場合は x, y の選好関係を記号 ⪰ を用いて表して 下さい。x =
2 3 1
, y =
3 3 1
2 標準
2.1 問題 1
奥野正寛編「ミクロ経済学演習」の下記の問題を解いて下さい。 問題 1.2
問題 1.4 問題 1.5 問題 1.6 問題 1.7 問題 1.8 問題 1.9 問題 1.10
2.2 問題 2
オレンジジュース、リンゴジュースの 2 種類のジュースからなるジュースのセットが売られています。このジュー スのセットに関する A さんの選好 ⪰A は以下を満たすとします。
(1)Aさんはリンゴジュースの量に関わらずオレンジジュースの量がより多いセットを好みます。 (2)もしオレンジジュースの量が同じセットがある場合リンゴジュースの量が多いセットを好みます。
ジュースのセットについて (オレンジジュースの量, リンゴジュースの量) と表記することにします。ただし ジュースの量は非負の実数をとるとします。以下の問いに答えて下さい。
2.2.1
x = (3, 4),y = (4, 1)とします。 x, y の選好関係を ⪰Aを用いて表して下さい。 2.2.2
Aさんの選好 ⪰Aは合理的ですか。合理的ならば証明して下さい。合理的でないならば反例をあげてください。 2.2.3
Aさんの選好 ⪰A は連続性を満たしますか。 2.2.4
Aさんの選好 ⪰A は凸性を満たしますか。
2.3 問題 3
以下で、x, y, z ∈ X = R とします。B ≡ 2X\ {∅}とします。ここで、S1, S2, S3 ⊂ Bについて, S1 = {x, y} ,S2= {y, z},S3= {x, y, z}とします。
Aさんの選択に関する選択関数 C : B → X についていま、以下が成立しています。C(S1) = x,C(S2) = z. Aさんの顕示選択が WARP を満たす時、C(S3)としてありうるものを答えて下さい。ただし顕示選好は強い 選好関係だけが成立していると仮定してかまいません。
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3 応用
3.1 問題 1
A,B,Cの 3 人が旅行先を決めようとしています。ここで 3 人のグループの選好 ≻gを以下のように定めます。も しグループ 3 人のうち過半数が x, y の選択肢について x ≻iy (i = A, B, C)であれば x ≻g yと定義します。こ こで選択肢は 3 つしかなく、X = { 山、川、海 } であり、3 人の選好は以下のようになっているとします。 山 ≻A川、山 ≻A海、川 ≻A海、川 ≻B海、川 ≻B山、海 ≻B山、海 ≻C山、山 ≻C川、海 ≻C川
3.1.1
x ≻iy (i = A, B, C)は合理性を満たしますか。 3.1.2
山と川に関して ≻gはどうなりますか。
3.1.3
3人の社会的選好 ≻gは合理性をみたしますか。
3.2 問題 2
X = Rn+の場合に、⪰ が完備性、推移性、連続性を満たせば ⪰ を表現する効用関数が存在することを授業で扱 いました。ここで一例を用いて、効用関数の存在証明をします。X = R2+とします。合理性と強い単調性を満 たす選好 ⪰ について、いますべての (x1, y1) ∈ Xについて、(x1, y1)を通る無差別曲線が y = −ax + ax1+ y1
と表せるとします。ただし 0 < a < ∞ を満たします。次の問いに答えて下さい。 3.2.1
上記の選好 ⪰ が 連続性を満たすことを示して下さい。
3.2.2
X の任意の点 (x1, y1)を通る無差別曲線と y = x の交点の x 座標を (x1, y1)の関数 f(x1, y1)として求めて下 さい。
3.2.3
f (x1, y1)を ⪰ を表す効用関数として定義することはできますか。証明して下さい。
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