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労働経済学(第7回)pdf 最近の更新履歴 Keisuke Kawata's HP

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Academic year: 2018

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国際比較の指標:

Standard retirement age: 公的年金の支給資格を得る年齢

国際比較:1969 年と 2003 年を比較した場合、多くの国において、standard retirement age に変化はない。 例外として、イタリアでは引き上げられ、フランスでは引き下げられている。

Pension replacement rate: 平均的な賃金を得ていた労働者が退職した場合に得ることができる年金額 と現役時代に得ていた所得の比

国際比較: 国家間で、大きな差が存在している。オランダでは、ほぼ現役時代と変わらない所得が得られ るのに対し、イギリスでは4割程度しか得られない。(Boeri and van Ours (2008) より)

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2 理論モデル

分析する問題:

• 公的年金の整備が、労働者の引退するかどうかの意思決定に及ぼす影響

• 高年齢の労働者の意思決定が、若年労働者の意思決定に与える影響 労働者の意思決定: • 労働者は自身が80歳で死亡すると予想している。

• 60歳から公的年金を毎年金額 b を受け取れる。

• 働いた場合、毎年賃金 w を受け取れる。

• 割引率、利子率ともに0とする。

• 現在60歳の労働者の生涯を通じた予算制約式は、 P C= w (R − 60) + 20b P:消費財の価格、R: 引退する年齢、C : 生涯の消費量

• 家計の効用は、消費量と引退後に楽しむ余暇から発生する。効用関数 U を以下のように定義 する。

U = U (C, 80 − R) ,

∂U

∂C,

∂U

∂80 − R >0

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労働市場への影響:

• 若年労働者と60歳以上の労働者からなる労働市場を考える。

• 単純化のために両労働者の生産性は等しいとし、若年労働者の留保賃金は0とする。

• 若年労働者の人数を N とする。

• 年金額 b が減少した場合、

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3 実証研究

実際に引退する年齢比較:Table 2 では、実際に労働者が引退する年齢の比較を行っている。1967 年と 2002 年を比較すると、ほとんどの国で、引退する年齢は下がっている。Boeri and van Ours (2008) より)

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Prim age と elderly の労働者の雇用率の関係: Table 3 では、Prime age (25-54) と elderly(55-64) の雇 用率の関係を掲載している。

• 男性に関してはあまり相関がみられない。国によって Early retirement problam が大きく異なっ ており、Elderly の雇用率はこの影響を強く受けていることが、原因として考えられる。

• 女性に関しては正の相関がみられる。これは、文化的、慣習的要因によって Prime age の女性の 雇用率の分散が大きく、Elderly の雇用率にも大きな影響を与えているためと考えられる。Boeri and van Ours (2008) より)

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3.1 引退の要因

Bratberg, Holmas, and Thogerson (2004 Journal of population economics): • 高年齢層が 非就業者になる要因は多く存在する(けが、病気、失業等)。

• 1989 年にスウェーデンにおいて施行された Early retirement problam が、高齢者の離職に与え た影響を、離職することになった原因も考慮に入れた分析を行った。

• Early retirement proglam によってスウェーデンの高齢者の雇用は減少したが、けがや病気、失 業が理由の離職も減少した。

Gielen and van Ours (2006, Labour Economics) • オランダのデータより、多くの労働者にとっ て、失職は引退の主要な理由である。

3.2 高齢者の再雇用

高年齢層の再就職:OECD 諸国において平均的に、失業状態にある Elderly の就職確率は、Prime age の 労働者の半分である。

Daniel and Heywood (2007 Labour Economics): 高齢者が再雇用されにくい理由として、以下のよ うに整理している。

訓練費用: 高齢者を再雇用したとしても、訓練費用をペイするほどの期間働かない。 長期契約: 後払い賃金によって努力を引き出すことが困難である。

また実証研究として、イギリスのデータを用い、後払い賃金や内部労働市場に大きく依存している企業 は、高齢者の雇用に慎重であることを明らかにしている。

3.3 年齢と生産性

Johnson (1993): 大部分の経営者は、40−50歳を超えると、年齢と生産性の間には負の関係がある と(なんとなく)考えている。

Warr (1998): サーベイの結果、高年齢の労働者が若い労働者よりも生産性が低い、と考える根拠はない。

参照

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