YAMAGATA UNIVERSITY
剛体の力学
『安定な回転軸』
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コマの運動
軸周りに回転しながら
軸も回転
問
・ 自由落下するコマはどのような運動をする?
・ (無重力の)宇宙空間でのコマの動き
・ 地球ゴマを自由落下させると? 問
・ 自由落下するコマはどのような運動をする?
・ (無重力の)宇宙空間でのコマの動き
・ 地球ゴマを自由落下させると?
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コマの運動
コマの歳差運動
重力 によるモーメントがある場合の
コマの回転軸の運動
コマの歳差運動
重力 によるモーメントがある場合の
コマの回転軸の運動
コマの歳差運動 コマの歳差運動
重力重力
剛体の
『安定な回転軸』
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コマの運動: 「安定な回転軸」
ω ⃗
外力によるモーメントがない場合
d ω ⃗
dt =0
剛体に固定された系(慣性主軸)から見て、 角速度ベクトルが時間的に変化しない
剛体の角速度ベクトル ω が安定 剛体の角速度ベクトル ω が安定
『安定な回転軸』である条件は?
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剛体の回転: 『剛体に対して静止している回転軸』
例) 直方体の回転
固定点を持たない = 重心周りの運動 対称軸はそれぞれの面に垂直な軸: x, y, z
→ 慣性乗積 = 0
→ 慣性モーメント Ixx, Iyy, Izz とする 例) 直方体の回転
固定点を持たない = 重心周りの運動 対称軸はそれぞれの面に垂直な軸: x, y, z
→ 慣性乗積 = 0
→ 慣性モーメント Ixx, Iyy, Izz とする
外力が働かない場合 → 外力によるモーメント = 0
I xx d x
dt
I zz−I yy
zy=0 I yy d ydt
I xx− I zz
xz=0 I zz d zdt
I yy− I xx
yx=0剛体に対して静止した角速度ベクトル
d x d t =0
d y d t =0
d z d t =0
x
y
z
ω ⃗
オイラーの運動方程式
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剛体に対して静止している回転軸: つづき
直方体
I
xx
≠I
yy≠ I
zz{ I I I
zzyyxx− I − I −I
yyzzxx≠0 ≠0 ≠0 {
ω
zω
y=0
ω
xω
z=0
ω
yω
x=0
オイラーの運動方程式 静止した角速度
{
IIIzzxxyyddddtdtdtωωωzyx+++(((IIIyyzzxx−I−I−Ixxyyzz)))ωωωxyzωωωyxz=0=0=0{
ddddtdtdtωωωxzy=0=0=0{ ( ( (
IIIzzyyxx−I− I− Iyyxxzz) ) )
ωωωzxyωωωyzx=0=0=0x
y z
静止する角速度ωの条件 静止する角速度ωの条件
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静止した回転軸
3つの成分の内、2つが 0 例 ωx≠0, ωy=0, ωz=0
慣性主軸のうち、x 軸まわりの回転 3つの成分の内、2つが 0
例 ωx≠0, ωy=0, ωz=0
慣性主軸のうち、x 軸まわりの回転 回転していない
回転していない
ω
x=0 ω
y=0 ω
z=0
{ ω ω ω
zxyω ω ω
yzx=0 =0 =0
x
y
z
ω ⃗
を満たすのは・・・ 静止する角速度ωの条件
静止する角速度ωの条件
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直方体の場合の『剛体に対して静止している回転軸』
x
y
z
ω ⃗
x
y z
ω ⃗
角速度ベクトルが
慣性主軸からずれている 角速度ベクトルが
慣性主軸のどれかと平行
角速度ベクトルは変化しない 直方体は回転軸周りで安定
˙⃗ω =0 ˙⃗ω ≠0
時間と共に
角速度ベクトルの 向きが変化
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回転軸の『安定性』
『安定な回転軸』 『安定性』とはなんだろうか?
『安定な回転軸』 『安定性』とはなんだろうか?
外部から何らかの瞬間的な作用があり、
剛体に瞬間的に外力のモーメントが働いたとき 外部から何らかの瞬間的な作用があり、
剛体に瞬間的に外力のモーメントが働いたとき 回転軸の方向が
変化しない場合 → 安定な回転軸 変化する場合 → 不安定な回転軸
d ω⃗
dt =0 角速度ベクトルが変化しない
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『回転の安定性』: 直方体の場合
yz~0
d x dt ~0
時間微分
I yy d
2y
dt2
Ixx−I zz
xd z dt ~0
{
IIIzzxxyyddddtdtdtωωωzyx+++( ( (
IIIyyzzxx−I−I−Ixxyyzz) ) )
ωωωzxyωωωyxz=0=0=0オイラーの運動方程式
角速度 ωy が従う方程式 角速度 ωy が従う方程式
=
I yy−I xx
I zz−I xx
x2
I yy I zz
d
2
ydt
2
y~0
ある瞬間に非常に小さな y, z 軸まわりの角速度が生じた
y≪1
z≪1
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『回転の安定性』: 直方体の場合
ω
z= I
yy( I
zz− I
xx) ω
xd ω
ydt
x 軸まわりの慣性モーメント Ix が一番小さい(大きい)場合
0
y~ Asin t
ある瞬間に非常に小さな y, z 軸まわりの角速度が生じた時
ω
y, ω
z≪1
角速度 ω
y が従う方程式
角速度 ωy が従う方程式
=
I yy−I xx
Izz−Ixx
x2
Iyy Izz
d
2ω
ydt
2+Ω ω
y∼0
ω
z∼ √ I
yy( I
yy−I
xx)
I ( I − I ) A cos ( √ Ω t+α)
d
2ω
ydt
2∼−Ωω
yI yy d ωy
dt +
(
I xx−I zz)
ωx ωz=0I yy> I xx , I zz>Ixx ( I yy<I xx , Izz< I xx)
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直方体の『安定な回転軸』
ω
z= I
yy( I
zz− I
xx) ω
xd ω
ydt ∼ √
I
yy( I
yy−I
xx)
I
zz( I
zz− I
xx) × A cos( √ Ωt+α)
x 軸まわりの慣性モーメント Ix が 一番小さい(大きい)場合
x 軸まわりの慣性モーメント Ix が 一番小さい(大きい)場合
y~ Asin t
x
y
ω ⃗
z
=
I yy−I xx
Izz−I xx
x2
Iyy Izz 0
回転の向きは x 軸を中心に振動する
→ 回転主軸 (x軸) は 『安定な回転軸』 回転の向きは x 軸を中心に振動する
→ 回転主軸 (x軸) は 『安定な回転軸』 回転軸をずらすような外力が作用
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直方体の『不安定な回転軸』
d
2
ydt
2
y~0
角速度 ωy 指数関数的に発散x
y
ω ⃗
z
x 軸まわりの慣性モーメント Ix が
I
z< I
x< I
y, I
y< I
x< I
zの場合
x 軸まわりの慣性モーメント Ix が
I
z< I
x< I
y, I
y< I
x< I
zの場合
Ω<0
回転の向きは x 軸からどんどん離れていく
→ 回転主軸 (x軸) は 『不安定な回転軸』 回転の向きは x 軸からどんどん離れていく
→ 回転主軸 (x軸) は 『不安定な回転軸』 回転軸をずらすような外力が作用
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