公共経済学 第 10 講 講義ノート 1/ 3
10 外部性問題の解決法1:ピグー税
10.0 今回のアウトライン
A. 外部性に対する方策であるピグー税を理解し、課題も理解する
10.1 外部性の解決方策としての課税
A. 外部性は社会的費用を経済主体が認知すれば適正化可能 1. 負担を認知させる方法として税で外部効果を内部化 2. 政府が外部費用を測定可能だと「仮定」する
B. 私的費用と外部費用、社会的費用を描き、課税の効果を分析する C. モデル化する際には個人自身、企業取引の場合をあわせて考察
1. 経済主体の活動で外部効果がある場合は個人内の需要と費用 2. 公害など企業活動で外部効果がある場合にも需要と供給
10.2 外部性のある環境の描写
A. 経済主体内も市場取引を見立てた需要と供給を考ると、需要曲線はグラフ 1 グラフ1
1. 需要曲線は右下がりで価格に応じて需要量が減少、外部性は無関係 B. 経済主体内、または取引先の供給曲線 (または費用曲線) を考える
Ver. 1.3 Masumi Kawade, 2017
公共経済学 第 10 講 講義ノート 2/ 3
1. 供給曲線なら価格に応じ供給量が増加、費用曲線なら供給量で費用増加 2. 負の外部性の場合、グラフ 2 に外部費用を加え、両者の和が社会的費用
グラフ2
C. 需要曲線と外部費用も加えた供給曲線 (費用曲線) の交点を求める グラフ3
1. 取引は均衡点 E だが、外部効果があると社会的には望ましい均衡点は E∗ 2. 両者を比較すると均衡点 E は均衡点 E∗に比べて安価で多量に財が取引 3. 一方で外部費用が通常の余剰分析の領域以外に存在:まさに外部効果
Ver. 1.3 Masumi Kawade, 2017
公共経済学 第 10 講 講義ノート 3/ 3
10.3 課税の導入
A. 政府が介入して外部効果分の課税を導入 (グラフ 4) グラフ4
1. 負の外部性部分を課税することで、均衡点が E → E∗となる
2. 発生した外部費用は全て課税されている → 被害者に補償すればよい
B. 外部効果を内部化する課税を(1) という1
1. 資金調達に使う課税を外部効果の内部化に使う独創性、現代の環境税も 2. 正の外部性では供給曲線と外部費用を表す線を逆にして(2)
10.4 ピグー税の課題
A. ピグー税が全てを解決できるわけではない
1. 政府が果たして外部性を正しく測定・予測できるのか 2. 課税できる政府機関がない国際社会などは実行不能
10.5 確認問題:次の文章の中で誤った文章を選びなさい
A. 負の外部性がある場合には社会的に望ましい水準より財が過小生産される B. ピグー税は負の外部性を抑制することができる
C. 課税権を持たない組織ではピグー税を使うことができない
1Pigou, A. C. (1947), A Study in Public Finance (3rd ed.), Macmillan, London.
Ver. 1.3 Masumi Kawade, 2017