1 平 成 2 7 年 ( 行 ケ ) 第 3 号
地 方 自 治 法 第 2 4 5 条 の 8 第 3 項 の 規 定 に 基 づ く 埋 立 承 認 処 分 取 消 処 分 取 消 命 令 請 求 事 件
原 告 国 土 交 通 大 臣 石 井 啓 一
被 告 沖 縄 県 知 事 翁 長 雄 志
第 3 準 備 書 面
平 成 2 7 年 1 2 月 1 日
福 岡 高 等 裁 判 所 那 覇 支 部 民 事 部 Ⅱ C 係 御 中
被 告 訴 訟 代 理 人
弁 護 士 竹 下 勇 夫
弁 護 士 加 藤 裕
弁 護 士 亀 山 聡
弁 護 士 久 保 以 明
弁 護 士 秀 浦 由 紀 子
2
被 告 指 定 代 理 人
町 田 優
池 田 竹 州 城 間 正 彦
神 元 愛
知 念 宏 忠 中 山 貴 史 川 満 健 太 郎
島 袋 均
桃 原 聡
吉 元 徹 成
赤 崎 勉
多 良 間 一 弘 粟 屋 龍 一 郎
佐 久 川 礼
3
目 次
第 1 章 公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 の 仕 組 み と 1 号 要 件 の 意 義 ... 9
第 1 公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 が 知 事 に 承 認 権 限 を 付 与 し た 意 義 ... 9
1 知 事 が 承 認 等 の 要 件 適 合 性 の 判 断 権 権 者 と さ れ た 趣 旨 ... 9
2 承 認 等 が 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る こ と ... 9
3 公 有 水 面 埋 立 法 が 地 域 の 利 益 の 考 慮 を 義 務 付 け て い る こ と ... 10
第 2 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 意 義 ... 11
第 3 埋 立 て の 用 途 が 国 防 施 設 で あ っ て も そ れ に よ っ て 生 じ る 影 響 は 1 号 要 件 の 判 断 の 中 で 考 慮 さ れ る こ と ... 14
1 国 の 公 益 実 現 を 目 的 と す る 埋 立 て に つ い て も 承 認 の 権 限 は 知 事 に 付 与 さ れ て い る こ と ... 14
2 公 有 水 面 埋 立 法 は 国 防 に 係 る 事 業 に つ い て も 除 外 規 定 ・ 特 例 を 設 け て い な い こ と ... 15
第 4 原 告 の 主 張 の 誤 り と 審 理 の 対 象 ... 17
1 公 有 水 面 埋 立 法 自 体 の 解 釈 を す べ き こ と ... 17
2 審 理 の 対 象 に つ い て の 原 告 の 主 張 ... 22
3 本 訴 訟 に お け る 審 理 の 対 象 と な る 行 政 行 為 は 現 沖 縄 県 知 事 に よ る 本 件 埋 立 承 認 取 消 で あ る こ と ... 24
第 2 章 本 件 埋 立 承 認 取 消 に 至 る 経 緯 ... 25
第 1 本 件 埋 立 承 認 に 至 る 経 緯 ... 25
1 環 境 影 響 評 価 書 ... 25
4
3 環 境 影 響 評 価 条 例 に 基 づ く 知 事 の 意 見 ... 26
4 環 境 影 響 評 価 法 第 24 条 に 基 づ く 承 認 権 者 意 見 ( 知 事 意 見 ) .... 26
5 補 正 評 価 書 の 提 出 ... 31
6 補 正 評 価 書 へ の 疑 義 の 表 明 ... 31
7 本 件 埋 立 承 認 出 願 ... 31
8 1 号 要 件 、2号 要 件 に 適 合 し な い と す る 意 見 の 表 明 ... 31
9 公 有 水 面 埋 立 法 第 3 条 第 4 項 第 1 項 に よ る 名 護 市 長 意 見 の 提 出 ... 32
10 中 間 報 告 (11 月 12日 ) ... 32
11 環 境 生 活 部 長 意 見 (11月 29日 ) ... 33
12 本 件 埋 立 承 認 (12 月 27日 )... 41
第 2 本 件 埋 立 承 認 前 の 沖 縄 県 議 会 に お け る 前 知 事 の 発 言 ... 41
1 平 成 24年 度 第 1 回 ... 41
2 平 成 24 年 度 第 5 回 ... 46
3 平 成 25 年 度 第 1 回 ... 47
4 平 成 25 年 度 第 4 回 ... 54
5 平 成 2 5 年 度 第 6 回 ... 55
6 平 成 25 年 度 第 7 回 ... 58
第 3 本 件 埋 立 承 認 の 直 前 の 前 沖 縄 県 知 事 の 言 動 に 関 す る 報 道 等 ... 60
1 平 成 25 年 12月 14日 ( 琉 球 新 報 ) ... 60
2 平 成 25 年 12月 18日 ( 琉 球 新 報 ) ... 61
3 平 成 25 年 12月 18日 ( 琉 球 新 報 ) ... 61
4 平 成 25 年 12月 20日 ( 琉 球 新 報 ) ... 62
5
6 平 成 25 年 12月 23日 ( 琉 球 新 報 ) ... 64
7 平 成 25 年 12月 26日 ( 琉 球 新 報 ) ... 65
8 首 相 官 邸 ウ ェ ブ サ イ ト よ り ... 66
第 4 本 件 埋 立 承 認 に 対 す る 抗 議 決 議 等 ... 69
1 沖 縄 県 議 会 ... 69
2 名 護 市 議 会 ... 70
第 5 県 知 事 選 挙 ... 71
第 6 第 三 者 委 員 会 の 設 置 と 検 証 結 果 ... 71
1 第 三 者 委 員 会 の 設 置 ... 71
2 第 三 者 委 員 会 の 検 証 結 果 ... 72
第 7 本 件 埋 立 承 認 取 消 ... 73
第 3 章 本 件 埋 立 の 遂 行 に よ り 損 な わ れ る 地 域 公 益 等 ... 74
第 1 概 要 ... 74
第 2 自 然 環 境 や 生 活 環 境 等 へ の 影 響 ... 78
1 辺 野 古 崎 及 び そ の 周 辺 地 域 の 自 然 環 境 や 地 域 性 等 ... 78
2 沖 縄 県 や 名 護 市 の 環 境 保 護 等 の 施 策 の 阻 害 要 因 と な る こ と に よ る 不 利 益 ... 87
3 航 空 機 騒 音 等 の 不 利 益 ... 90
4 自 然 環 境 に お け る 不 利 益 ... 103
第 3 米 軍 基 地 の 過 重 負 担 ・ 格 差 の 固 定 化 と い う 不 利 益 ... 174
1 沖 縄 へ の 米 軍 基 地 の 過 重 負 担 ・ 格 差 が 形 成 さ れ た 経 緯 ... 174
6
... 243
第 4 埋 立 て に よ る 悪 影 響 の 評 価 ( 沖 縄 県 の 公 益 を 著 し く 侵 害 す る に 至 っ て い る こ と ) ... 255
1 本 件 埋 立 に よ る 地 域 自 然 環 境 の 不 可 逆 的 な 喪 失 ... 255
2 日 本 国 憲 法 第 の 精 神 に 反 す る に 至 っ て い る こ と ... 256
第 4 章 代 理 署 名 訴 訟 事 案 と 本 件 と の 相 違 ... 264
第 1 原 告 の 代 理 署 名 訴 訟 最 高 裁 判 決 を 援 用 し た 主 張 ... 264
第 2 根 拠 法 令 ( 公 有 水 面 埋 立 法 ) は 知 事 に 承 認 権 限 、 要 件 裁 量 を 付 与 し て い る も の で あ る こ と ... 265
第 3 本 件 埋 立 承 認 取 消 は 既 存 の 米 軍 基 地 の 使 用 権 原 に 係 る も の で は な い こ と ... 266
第 5 章 埋 立 て に よ り 損 な わ れ る 地 域 公 益 を 正 当 化 す る に 足 る 根 拠 は 認 め ら れ な い こ と ... 267
第 1 原 告 の 主 張 自 体 が 地 域 公 益 を 根 拠 と す る も の で あ り 、 か つ 、 第 3 章 で 述 べ た 不 利 益 を 上 回 る 公 益 上 の 必 要 性 は 示 さ れ て い な い こ と .... 267
1 原 告 自 身 が 必 要 性 が 論 理 的 に 示 さ れ て い な い こ と を 自 認 し て い る こ と ... 267
2 国 は 普 天 間 爆 音 訴 訟 で は 住 民 の 被 害 は 「 日 常 生 活 上 の 不 便 、 支 障 と い っ た 生 活 妨 害 の 域 を で な い 」 と 主 張 し 、 普 天 間 飛 行 場 の 運 用 改 善 の 努 力 も し て い な い こ と ... 268
3 小 括 ... 269
第 2 都 道 府 県 知 事 の 公 有 水 面 埋 立 法 の 承 認 判 断 ・ 要 件 適 合 性 の 判 断 と し て 、 埋 立 事 業 の 公 共 性 の 程 度 を 判 断 し う る こ と ... 270
7
2 埋 立 必 要 理 由 書 に お け る 説 明 ... 271
3 県 内 移 設 以 外 は 適 切 で な い と す る 埋 立 必 要 理 由 に 実 証 的 根 拠 の な い こ と ... 273
4 「 一 体 的 運 用 の 必 要 性 」「 地 理 的 に 優 位 で あ る こ と 」な ど の 説 明 に つ い て ... 274
5 在 日 米 軍 全 体 の プ レ ゼ ン ス な い し 抑 止 力 の 維 持 と い う 説 明 .... 319
6 仲 井 眞 前 知 事 は 防 衛 大 臣 の 回 答 内 容 を 否 定 す る 答 弁 を し て い る こ と ... 329
7 小 括 ... 332
第 3 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に 関 す る 第 三 者 委 員 会 の 検 証 結 果 ... 333
1 埋 立 の 動 機 に つ い て ... 333
2 埋 立 の 必 要 性 に つ い て ... 333
第 4 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に つ い て の 審 査 の 実 態 ... 345
1 審 査 の 経 緯 ... 345
2 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に 関 す る 審 査 ... 346
第 5 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に 関 す る 審 査 基 準 の 適 合 性 判 断 の 瑕 疵 .... 346
第 6 埋 立 て の 必 要 性 に つ い て の 結 論 ... 347
第 6 章 1 号 要 件 に つ い て 審 査 基 準 へ の 適 合 性 判 断 の 誤 り ... 348
第 1 審 査 基 準 ... 348
第 2 審 査 項 目 ① に つ い て ... 348
1 検 証 結 果 報 告 書 の 第 5 ・ 3(2) ... 349
2 検 証 結 果 報 告 書 の 第 6 ・11(2) ... 350
第 3 審 査 項 目 ③ ⑤ に つ い て ... 352
8
1 検 証 結 果 報 告 書 の 第 5 ・ 3(2) ... 353
2 検 証 結 果 報 告 書 の 第 6 ・11(2) ... 353
第 7 章 結 論 ... 354
第 1 本 件 埋 立 て に 係 る 公 益 の 総 合 的 判 断 ... 354
1 第3 章 で 述 べ た 地 域 公 益 へ の 不 利 益 を 正 当 化 す る 埋 立 て の 公 益 は 求 め ら れ な い こ と ... 354
第 2 検 証 結 果 報 告 書 の 結 論 ... 356
1 検 証 結 果 報 告 書 の 第 5 ・ 5(4) ... 356
2 検 証 結 果 報 告 書 の 第 8 ... 358
第 3 1 号 要 件 に 係 る 考 慮 要 素 の 選 択 や 判 断 過 程 の 合 理 性 の 欠 如 .... 358
1 「 埋 立 て の 必 要 性 」 ... 358
2 自 然 環 境 及 び 生 活 環 境 等 ... 359
3 沖 縄 県 に お け る 過 重 な 基 地 負 担 や 基 地 負 担 に つ い て の 格 差 の 固 定 ... 361
4 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 総 合 的 判 断 の 欠 如 .... 361
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第 1 章 公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 の 仕 組 み と 1 号 要 件 の 意 義
第 1 公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 が 知 事 に 承 認 権 限 を 付 与 し た 意 義
1 知 事 が 承 認 等 の 要 件 適 合 性 の 判 断 権 権 者 と さ れ た 趣 旨
公 有 水 面 の 埋 立 て を し よ う と す る 者 は 、 都 道 府 県 知 事 の 免 許 又 は 国 の 場 合 は 都 道 府 県 知 事 の 承 認 を 受 け な け れ ば な ら な い ( 公 有 水 面 埋 立 法 第 2 条 1 項 ・ 第 42条 1 項 )。
原 告 は 、 そ の 趣 旨 に つ い て 、「 埋 立 て の 対 象 と さ れ た 区 域 に つ い て 、 当 該 地 域 の 実 情 に 詳 し い 都 道 府 県 知 事 の 判 断 に 委 ね る の が 合 理 的 と 考 え ら れ た か ら で あ る と 解 さ れ る 」( 訴 状 73 頁 ) と 主 張 し て い る 。
2 承 認 等 が 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る こ と
こ の 都 道 府 県 知 事 の 免 許 又 は 承 認 は 、 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る 。 す な わ ち 、 地 方 自 治 法 ( 以 下 、「 地 自 法 」 と 略 す こ と が あ る 。) の 別 表 第 1 に 定 め ら れ た 法 定 受 託 義 務 で あ る が 、「 自 治 事 務 も 法 定 受 託 事 務 も 等 し く 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る 。 さ ら に 法 定 受 託 事 務 は 、 法 律 の 定 め に よ っ て 、 国 の 事 務 が 地 方 公 共 団 体 の 事 務 と さ れ た 、 あ る い は 、 地 方 公 共 団 体 が 国 の 事 務 を 受 託 す る こ と を 法 律 上 義 務 付 け ら れ た と い う も の で は な い 」1、「 自 治 事 務 は も と よ り 、 法 定 受 託 事 務 も 、 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る 。 法 定 受 託 事 務 と い う 名 称 に も か か わ ら ず 、 国 の 事 務 が 委 託 の 結 果 、 地 方 公 共 団 体 の 事 務 に な っ た と 観 念 さ れ る わ け で は な い ( 第 1 号 受 託 事 務 の 場 合 。 こ の 点 で 従 前 の 〔 団 体 〕 委 任 事 務 と 異 な る 〕。地 方 自 治 法 2 条 2 項 の「 地 域 に お け る 事 務 で あ っ て も 、自 治 事 務 に 限 ら れ て い る わ け で は な く 、法 定 受 託 事 務 も 含 ま れ る 」2、「『 国( 又
10
は 都 道 府 県 ) が 本 来 果 た す べ き 役 割 』 に 係 る も の で あ っ て も 、 法 律 又 は こ れ に 基 づ く 政 令 に よ り 地 方 公 共 団 体 が 処 理 す る こ と と さ れ た 事 務 は 、 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る こ と に お い て は 『 自 治 事 務 』 と 同 じ で あ る と い う こ と で あ る 。 つ ま り 、 地 方 分 権 一 括 法 に よ る 改 正 後 に お い て は 、 国 と 地 方 公 共 団 体 の 事 務 分 配 の 考 え 方 に お い て 、 地 方 公 共 団 体 の 事 務 に つ い て は 、 現 に 地 方 公 共 団 体 が 処 理 し 、 又 は 処 理 す る こ と に さ れ る も の で あ れ ば 、 端 的 に 地 方 公 共 団 体 に 属 す る 事 務 と さ れ た の で あ る 」3と さ れ て い る と お り で あ り 、現 行 法 下 に お い て 、公 有 水 面 埋 立 て の 免 許 又 は 承 認 が 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る こ と 自 体 は 明 ら か で あ る 。
3 公 有 水 面 埋 立 法 が 地 域 の 利 益 の 考 慮 を 義 務 付 け て い る こ と
公 有 水 面 埋 立 法 第 3 条 は 、 埋 立 免 許 を 申 請 す る 願 書 の 提 出 が あ っ た 際 の 、 都 道 府 県 知 事 に よ る 告 示 縦 覧 及 び こ れ に 対 す る 意 見 聴 取 の 手 続 を 定 め 、 こ の 手 続 は 承 認 申 請 に つ い て 準 用 さ れ て い る 。
同 条 1 項 は 、 地 元 市 町 村 長 の 意 見 聴 取 を 義 務 づ け 、 同 条 4 項 は 市 町 村 長 が 意 見 を 述 べ る と き は 議 会 の 議 決 が 必 要 で あ る と 定 め て い る 。 ま た 、同 条 3 項 は 埋 立 て に 関 し 利 害 関 係 を 有 す る 者 は 都 道 府 県 知 事 に 意 見 を 提 出 す る こ と が で き る 旨 を 規 定 し て い る 。
こ の よ う に 、 公 有 水 面 埋 立 法 は 、 都 道 府 県 知 事 が 、 当 該 埋 立 対 象 地 の 地 域 の 利 益 に 鑑 み て 、公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 の 基 準 へ の 適 合 判 断 を し な け れ ば な ら な い と す る 仕 組 み を 採 用 し て い る 。
そ し て 、 埋 立 て の 免 許 を 受 け た 者 は 、 工 事 が 竣 功 し た 際 、 都 道 府 県 知 事 に 竣 功 認 可 の 申 請 ( 国 の 場 合 は 竣 功 の 通 知 ) を し な け れ ば な ら な
11 い ( 同 法 第 22条 1 項 、 第 42 条 2 項 )。
こ の よ う に 、 公 有 水 面 埋 立 法 第 2 条 1 項 ・ 第 42 条 1 項 は 、 行 政 の 責 任 者 た る 都 道 府 県 知 事 に 対 し て 、 地 方 公 共 団 体 の 重 大 要 素 と な る 海 域 、 沿 岸 域 の 総 合 的 な 管 理 ・ 利 用 の 際 の 重 要 な 法 的 コ ン ト ロ ー ル の 手 法 と し て 、 埋 立 の 免 許 ( 承 認 ) 権 限 を 与 え て 、 そ の 権 限 行 使 に よ っ て 当 該 地 方 公 共 団 体 の 利 益 を 保 護 す る と い う 仕 組 み を 採 用 す る こ と に よ り 、 当 該 公 有 水 面 が 所 在 す る 地 方 公 共 団 体 の 個 別 的 利 益 を 保 護 し て い る も の で あ る 。
第 2 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 意 義
公 有 水 面 埋 立 法 の 第 4 条 1項( 同 法 第 42 条 3 項 で 承 認 に 準 用 )は 、 そ の 柱 書 に お い て 「 都 道 府 県 知 事 ハ 埋 立 ノ 免 許 ノ 出 願 左 ノ 各 号 ニ 適 合 ス ト 認 ム ル 場 合 ヲ 除 ク ノ 外 埋 立 ノ 免 許 ヲ 為 ス コ ト ヲ 得 ズ 」 と し 、 第 1 号 は「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」と 定 め て い る( 以 下 、「 1 号 要 件 」 と い う 。)。
12
益 を 比 較 衡 量 し て 判 断 す べ き も の と 考 え ら れ る 。な お ,同 様 な 判 断 方 法 は , 類 似 の 法 律 の 解 釈 に お い て も 採 用 さ れ て い る 。 例 え ば , 土 地 収 用 法 の 事 業 認 定 の 場 合 で あ る 。土 地 収 用 法 は 公 共 の 利 益 と な る 事 業 の た め に 必 要 と さ れ る 土 地 を 強 制 的 に 取 得 す る と い う 制 度 で あ り 公 有 水 面 埋 立 法 と 類 似 な 性 格 を 有 す る 制 度 で あ る 。こ の 土 地 収 用 法 は ,土 地 収 用 手 続 を 行 う 前 提 と し て『 事 業 認 定 』( 土 地 収 用 法 第 20条 )を 要 求 し て い る が ,そ の 事 業 認 定 の 要 件 と し て ,同 法 第 20条 第 3 号 は「 事 業 計 画 が 土 地 の 適 正 且 つ 合 理 的 な 利 用 に 寄 与 す る も の で あ る こ と 」を 要 求 し て い る と こ ろ ,こ の 要 件 は『 そ の 事 業 に 供 さ れ る こ と に よ っ て 得 ら れ る べ き 公 共 の 利 益 』と『 事 業 に 供 さ れ る こ と に よ っ て 失 わ れ る 私 的 な い し 公 共 の 利 益 』を 比 較 衡 量 し て 判 断 す べ き も の で あ り ,そ し て こ の 判 断 は ,『 総 合 的 な 判 断 と し て 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。』と さ れ て い る( 小 沢 道 一「 逐 条 解 説 土 地 収 用 法 ・ 上 」・ 第 二 次 改 訂 版 ・335 頁 以 下 )。 こ の よ う な 見 解 は , 多 数 の 判 例 , 学 説 に よ り 支 持 さ れ て お り , 特 に 反 対 す る 考 え 方 は な い 。 ま た , 法 第 4 条 第 1 項 第 1 号 に つ い て ,「 国 土 利 用 上 公 益 に 合 致 す る 適 正 な も の で あ る こ と を 趣 旨 と す る も の で あ り 」,免 許 権 者 は ,「 国 土 利 用 上 の 観 点 か ら の 当 該 埋 立 の 必 要 性 及 び 公 共 性 の 高 さ と , 当 該 自 然 海 浜 の 保 全 の 重 要 性 あ る い は 当 該 埋 立 自 体 及 び 埋 立 後 の 土 地 利 用 が 周 囲 の 自 然 環 境 に 及 ぼ す 影 響 等 と を 比 較 衡 量 の う え ,諸 般 の 事 情 を 斟 酌 」す る も の と 判 示 し た 判 例 が 存 在 す る ( 高 松 高 裁 平 成 6 年 6 月 24日 判 決 ・ 判 例 タ イ ム ス ・851 号 80 頁 )」( 乙 A 1 、36頁 )4と し て い る 。
裁 判 例 に お い て も 、広 島 地 方 裁 判 所 平 成 21 年10 月 1 日 判 決 は「 知
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事 は , 本 件 埋 立 免 許 が 『 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 』 で あ る か 否 か を 判 断 す る に 当 た っ て は , 本 件 埋 立 及 び こ れ に 伴 う 架 橋 を 含 む 本 件 事 業 が ○ ○ の 景 観 に 及 ぼ す 影 響 と , 本 件 埋 立 及 び こ れ に 伴 う 架 橋 を 含 む 本 件 事 業 の 必 要 性 及 び 公 共 性 の 高 さ と を 比 較 衡 量 」 し て 合 理 的 に 判 断 す べ き と 判 示 し 、 ま た 、 検 証 結 果 報 告 書 に も 引 用 さ れ て い る 髙 松 高 等 裁 判 所 平 成 6 年 6 月 24 日 判 決 は 「 昭 和 四 八 年 の 法 改 正 以 後 、 近 年 に お け る 公 有 水 面 の 埋 立 を 取 り 巻 く 社 会 経 済 環 境 に 即 応 し 、 公 有 水 面 の 適 正 か つ 合 理 的 な 利 用 に 寄 与 す る た め 、 特 に 自 然 環 境 の 保 全 、 利 用 の 適 正 化 等 の 見 地 か ら 、 従 来 以 上 に 環 境 保 全 等 に 留 意 し 、 公 共 の 利 益 に 適 合 す る よ う 慎 重 に 処 理 す る 必 要 が あ る と の 観 点 か ら 、 埋 立 免 許 の 基 準 を 設 け る に 至 っ た ( 中 略 ) そ の 文 言 及 び 事 柄 の 性 質 上 、 当 該 埋 立 が 国 土 利 用 上 公 益 に 合 致 す る 適 正 な も の で あ る こ と を 趣 旨 と す る も の で あ る か ら 、 免 許 権 者 は 、 特 に 本 件 の よ う に 瀬 戸 内 海 の 自 然 海 浜 を 埋 め 立 て る 場 合 に お い て は 、 国 土 利 用 上 の 観 点 か ら の 当 該 埋 立 の 必 要 性 及 び 公 共 性 の 高 さ と 、 当 該 自 然 海 浜 の 保 全 の 重 要 性 あ る い は 当 該 埋 立 自 体 及 び 埋 立 後 の 土 地 利 用 が 周 囲 の 自 然 環 境 に 及 ぼ す 影 響 等 と を 比 較 衡 量 の う え 、 諸 般 の 事 情 を 斟 酌 し て 、 瀬 戸 内 海 に お け る 自 然 海 浜 を で き る だ け 保 全 す る と い う 瀬 戸 内 法 の 趣 旨 を ふ ま え つ つ 、 合 理 的 ・ 合 目 的 的 に 判 断 す べ き も の 」 と 判 示 し 、 総 合 的 判 断 に よ る 比 較 衡 量 と の 判 断 枠 組 み を 示 し て い る 。
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な お 、原 告 は 、「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 」と い う 承 認 基 準 は 、そ の 文 言 及 び 事 柄 の 性 質 上 、 お よ そ 総 合 的 な 判 断 と な ら ざ る を 得 ず 、 こ の 判 断 に 当 た っ て は 、「 埋 立 て の 必 要 性 及 び 公 共 性 、当 該 埋 立 自 体 及 び 埋 立 て 後 の 土 地 利 用 が 周 囲 の 地 域 社 会 や 自 然 環 境 等 に 及 ぼ す 影 響 な ど の 諸 事 情 を 比 較 衡 量 し た 上 で 、 技 術 的 、 政 策 的 見 地 か ら 総 合 的 に 判 断 す る も の と 解 さ れ る 。 し た が っ て 、 同 要 件 は 、 そ れ を 判 断 す る 承 認 ( 免 許 )権 者 に い わ ゆ る 要 件 裁 量 を 相 当 程 度 広 範 に 認 め る 趣 旨 で あ る 」( 原 告 第 1 準 備 書 面 13 頁 ) と し て い る 。
第 3 埋 立 て の 用 途 が 国 防 施 設 で あ っ て も そ れ に よ っ て 生 じ る 影 響 は 1 号
要 件 の 判 断 の 中 で 考 慮 さ れ る こ と
1 国 の 公 益 実 現 を 目 的 と す る 埋 立 て に つ い て も 承 認 の 権 限 は 知 事 に
付 与 さ れ て い る こ と
(1) 公 有 水 面 埋 立 法 は 、当 該 地 方 公 共 団 体 の 公 益 を 適 切 に 保 護 す る た め 、 都 道 府 県 知 事 に 、 同 法 第 4 条 第 1 項 第 1 号 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 判 断 権 限 を 与 え て い る 。
都 道 府 県 知 事 に 承 認 権 限 を 与 え て い る の は 、 公 有 水 面 埋 立 て は 、 当 該 地 域 に 重 大 な イ ン パ ク ト 、 深 刻 な 不 利 益 を 与 え る 可 能 性 が あ る こ と か ら 、 公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 第 1 項 第1 号 は 、 不 適 正 ・ 不 合 理 な 公 有 水 面 埋 立 て に よ っ て 、 当 該 地 方 公 共 団 体 の 利 益 等 が 侵 害 さ れ る 場 合 に は 当 道 府 県 知 事 が 公 有 水 面 埋 立 て を 承 認 し な い と い う 権 限 を 付 与 す る こ と で 、 不 適 正 ・ 不 合 理 な 公 有 水 面 埋 立 に よ っ て 当 該 地 方 公 共 団 体 の 利 益 等 が 侵 害 さ れ な い 仕 組 み を 採 用 し た も の で あ る 。 (2) 公 有 水 面 埋 立 法 は 、 国 が 事 業 主 体 と な る 承 認 の 出 願 に つ い て も 、
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承 認 に つ い て は 、 国 が 事 業 主 体 と な る も の で あ る か ら 、 埋 立 て の 目 的 は 、 国 の 事 務 に か か る 公 益 の 実 現 に あ る 。 承 認 の 出 願 に つ い て も 、 都 道 府 県 知 事 に 承 認 権 限 を 与 え て い る の は 、 事 業 者 で あ る 国 の 実 現 し よ う と す る 公 益 と 、 こ れ に 対 立 す る 諸 利 益 の 比 較 衡 量 ・ 総 合 判 断 の 権 限 を 都 道 府 県 知 事 に 与 え た も の で あ り 、 国 が 当 該 事 業 に よ っ て 実 現 し よ う と す る 公 益 の 内 容 ・ 程 度 に つ い て 都 道 府 県 知 事 が 判 断 す る こ と に し て い る も の で あ る 。こ れ は 、「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 要 件 適 合 性 判 断 と い う 地 方 公 共 団 体 の 事 務 と し て 、 諸 利 益 を 勘 案 す る も の で あ り 、 国 の 事 務 を 行 う も の で は な い 。
2 公 有 水 面 埋 立 法 は 国 防 に 係 る 事 業 に つ い て も 除 外 規 定 ・ 特 例 を 設 け
て い な い こ と
公 有 水 面 埋 立 法 は 、 国 防 に 関 す る 事 業 に つ い て 除 外 規 定 ・ 特 別 規 定 を 設 け て い な い 。
し た が っ て 、 こ の 公 有 水 面 埋 立 法 の 仕 組 み よ り 、 国 防 に 関 す る 目 的 の 事 業 で あ る と し て も 、 公 有 水 面 埋 立 法 の 要 件 に お い て 、 異 な る 扱 い を す る 根 拠 は な く 、 公 有 水 面 埋 立 法 が 都 道 府 県 知 事 に 付 与 し た 権 限 と 都 道 府 県 知 事 の 責 務 に 基 づ き 、「 当 該 埋 立 て の 必 要 性 及 び 公 共 性 の 高 さ 」 を 都 道 府 県 知 事 が 審 査 で き る こ と は 当 然 の こ と で あ る と 言 わ な け れ ば な ら な い 。 も と よ り 、 公 有 水 面 埋 立 法 の 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 判 断 に お い て 、 調 整 の 対 象 と な る 公 益 の 一 つ と し て 考 慮 さ れ る も の で あ り 、 国 防 に か か る 事 務 、 国 の 事 務 を 行 う こ と に な る も の で は な い こ と は 言 う ま で も 無 い 。
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い う だ け で 、 こ れ に よ っ て 損 な わ れ る 他 の 利 益 と の 関 係 に お い て 、 自 動 的 に 高 度 の 公 共 性 、 必 要 性 を 認 め る こ と は で き な い 。 米 軍 飛 行 場 の 公 共 性 が 問 題 と さ れ た 訴 訟 に お い て も 、昭 和 62年 7 月15 日 東 京 高 等 裁 判 所 判 決 ( 第 一 次 ・ 第 二 次 横 田 基 地 訴 訟 ) は 「 行 政 は 、 多 く の 部 門 に 分 か れ て い る が 、 各 部 門 の 公 共 性 の 程 度 は 、 原 則 と し て 、 等 し い も の と い う べ き で あ る 。 国 防 は 行 政 の 一 部 門 で あ る か ら 、 戦 時 の 場 合 は 別 と し て 、 平 時 に お け る 国 防 の 荷 う 役 割 は 、 他 の 行 政 各 部 門 で あ る 外 交 、 経 済 、 運 輸 、 教 育 、 法 務 、 治 安 等 の 荷 う 役 割 と 特 に 逕 庭 は な い の で あ り 、 国 防 の み が 独 り 他 の 諸 部 門 よ り も 優 越 的 な 公 共 性 を 有 し 、 重 視 さ れ る べ き も の と 解 す る こ と は 憲 法 全 体 の 精 神 に 照 ら し 許 さ れ な い と こ ろ で あ る 。 そ れ で あ る か ら 、 国 防 上 の 諸 機 関 の 公 共 性 も 他 の 諸 部 門 の 諸 機 関 の そ れ と 同 程 度 と い わ な け れ ば な ら な い 。 殊 に 、 同 種 の 機 関 の 場 合 は 尚 更 で あ る 。 従 つ て 、 軍 事 基 地 と し て の 横 田 飛 行 場 の 公 共 性 の 程 度 は 、 例 え ば 、 航 空 機 に よ る 迅 速 な 公 共 輸 送 の た め の 基 地 で あ る 成 田 空 港 等 の 民 間 公 共 用 飛 行 場 の そ れ と 等 し い も の と い う べ き で あ
る 」と し 、平 成 7 年 12 月 26日 東 京 高 等 裁 判 所 判 決( 第 一 次 厚 木 基 地
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後 述 す る と お り 、本 件 埋 立 承 認 出 願5は 、米 軍 基 地 建 設 に よ り 、自 治 権 の 及 ば な い 地 域 を 作 出 す る こ と に よ り 自 治 権 を 制 約 し 、 極 め て 高 い 価 値 を 有 す る 本 件 埋 立 対 象 地 域 の 自 然 を 喪 失 さ せ 、 沖 縄 県 民 の 民 意 に 反 し て 、 米 軍 基 地 の 存 在 に よ っ て 負 担 を 受 け 続 け て き た 沖 縄 県 民 の 負 担 を 将 来 に わ た っ て 固 定 化 す る も の で あ り 、 そ の 不 利 益 の 程 度 は 、 憲 法 の 精 神 に 反 す る に 至 る 重 大 な も の で あ る か ら 、 こ の よ う な 不 利 益 を 正 当 化 し う る 公 共 性 、 必 要 性 が 認 め ら れ る か 否 か を 、 都 道 府 県 知 事 が 判 断 す べ き こ と は 当 然 で あ る 。
第 4 原 告 の 主 張 の 誤 り と 審 理 の 対 象
1 で 述 べ た こ と と 重 複 す る が 、 都 道 府 県 知 事 の 要 件 適 合 性 判 断 と 審 理 の 対 象 に つ い て 、 原 告 の 主 張 の 誤 り を 指 摘 し 、 本 訴 訟 に お け る 審 理 の 対 象 を あ ら た め て 確 認 し て お く こ と と す る 。
1 公 有 水 面 埋 立 法 自 体 の 解 釈 を す べ き こ と
公 有 水 面 埋 立 法 に 基 づ き 都 道 府 県 知 事 は 埋 立 承 認 の 承 認 権 限 ・ 要 件 適 合 性 の 判 断 権 限 を 有 す る も の で あ り 、 根 拠 法 令 が 公 有 水 面 埋 立 法 で あ る 以 上 、 そ の 判 断 権 限 は 、 公 有 水 面 埋 立 法 自 体 の 解 釈 に よ っ て 導 か れ る も の で あ る 。
(1) 原 告 は 、 訴 状 71 頁 以 下 に お い て 、 最 高 裁 判 所 平 成 8 年 8 月 28 日 大 法 廷 判 決 ( 以 下 、 同 事 案 を 「 代 理 署 名 訴 訟 」 と い い 、 同 最 大 判 を「 代 理 署 名 訴 訟 最 高 裁 判 決 」と い う 。)を 引 用 し 、「 最 高 裁 判 所 は 、 『 駐 留 軍 の 用 に 供 す る た め 土 地 等 を 必 要 と す る 場 合 に お い て 、 当 該 土 地 等 を 駐 留 軍 の 用 に 供 す る こ と が 適 正 か つ 合 理 的 で あ る と 判 断 さ れ る と き に な さ れ る の で あ る が( 同 法 五 条 、三 条 )、右 認 定 に 当 た っ
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て は 、 我 が 国 の 安 全 と 極 東 に お け る 国 際 の 平 和 と 安 全 の 維 持 に か か わ る 国 際 情 勢 、 駐 留 軍 に よ る 当 該 土 地 等 の 必 要 性 の 有 無 、 程 度 、 当 該 土 地 等 を 駐 留 軍 の 用 に 供 す る こ と に よ っ て そ の 所 有 者 や 周 辺 地 域 の 住 民 な ど に も た ら さ れ る 負 担 や 被 害 の 程 度 、 代 替 す べ き 土 地 等 の 提 供 の 可 能 性 等 諸 般 の 事 情 を 総 合 考 慮 し て な さ れ る べ き 政 治 的 、 外 交 的 判 断 を 要 す る だ け で な く 、 駐 留 軍 基 地 に か か わ る 専 門 技 術 的 な 判 断 を 要 す る こ と も 明 ら か で あ る か ら 、そ の 判 断 は 、被 上 告 人
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の 政 策 的 、 技 術 的 な 裁 量 に ゆ だ ね ら れ て い る も の と い う べ き で あ る 。 沖 縄 県 に 駐 留 軍 の 基 地 が 集 中 し て い る こ と に よ っ て 生 じ て い る と さ れ る 種 々 の 問 題 も 、 右 の 判 断 過 程 に お い て 考 慮 、 検 討 さ れ る べ き 問 題 で あ る 』と し て い る と こ ろ( 最 高 裁 平 成 8 年 8 月 28日 大 法 廷 判 決 ・ 民 集 50 巻 7 号 1952 ペ ー ジ 参 照 )、 本 件 埋 立 事 業 に つ い て も 、 日 米 両 政 府 間 の 協 議 や 閣 議 決 定 を 経 て 国 に お い て 米 軍 に 提 供 す る 埋 立 地 と し て の 辺 野 古 沿 岸 域 を 選 択 し た も の で あ っ て 、 米 軍 に 提 供 す る 土 地 等 の 使 用 又 は 認 定 と 同 様 、 政 治 的 、 外 交 的 判 断 を 要 す る の み な ら ず 、駐 留 軍 基 地 に 関 わ る 専 門 技 術 的 な 判 断 を 要 す る も の で あ る か ら 、 国 の 政 策 的 、 技 術 的 な 裁 量 に 委 ね ら れ て い る と い う べ き で あ る 」 と 主 張 し て い る 。
し か し 、 こ の 国 の 主 張 は 、 お よ そ 論 理 を な し て い な い 。 代 理 署 名 訴 訟 は 、日 本 国 と ア メ リ カ 合 衆 国 と の 間 の 相 互 協 力 及 び 安 全 保 障 条 約 第 六 条 に 基 づ く 施 設 及 び 区 域 並 び に 日 本 国 に お け る 合 衆 国 軍 隊 の 地 位 に 関 す る 協 定 の 実 施 に 伴 う 土 地 等 の 使 用 等 に 関 す る 特 別 措 置 法 ( 以 下 、「 駐 留 軍 用 地 特 措 法 」 と い う 。) に 基 づ く 署 名 等 代 行 を
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内 閣 総 理 大 臣 が 沖 縄 県 知 事 に 職 務 執 行 命 令 を し た 事 案 に つ い て 、 駐 留 軍 用 地 特 措 法 の 解 釈 と し て 、 同 法 第 5 条 、 3 条 に 基 づ き 内 閣 総 理 大 臣 に 付 与 さ れ た 「 適 正 且 つ 合 理 的 」 の 要 件 該 当 性 判 断 の 権 限 に つ い て 判 示 し た も の で あ る 。
日 本 国 の 独 立 回 復 後 も 米 軍 が 駐 留 す る こ と に な っ た こ と に 伴 い 、 米 軍 基 地 の 強 制 収 用 ・ 使 用 に 関 し て は 、 駐 留 軍 用 地 特 措 法 が 制 定 さ れ た が 、 第 3 条 に お い て 「 適 正 且 つ 合 理 的 」 と い っ た 要 件 が 定 め ら れ 、第 5 条 に お い て 内 閣 総 理 大 臣7が そ の 要 件 に 該 当 す る と 認 め る と き は 、 収 用 ・ 使 用 認 定 で き る と 定 め 、 駐 留 軍 用 地 特 措 法 に よ っ て 、 内 閣 総 理 大 臣 に 権 限 が 付 与 さ れ て い た も の で あ る 。 代 理 署 名 訴 訟 最 高 裁 判 決 の 判 示 は 、 駐 留 軍 用 地 特 措 法 第 5 条 、 第 3 条 に よ り 内 閣 総 理 大 臣 に 付 与 さ れ た 、「 適 正 且 つ 合 理 的 」の 要 件 該 当 性 判 断 の 要 件 裁 量 の 範 囲 に つ い て 判 示 し た も の で あ り 、 あ く ま で 駐 留 軍 用 地 特 措 法 の 解 釈 を 示 し た も の で あ る 。
こ れ に 対 し 、 公 有 水 面 埋 立 法 は 、 同 法 第 4 条 第 1 項 第 1 号 に 定 め る 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 」 の 要 件 該 当 性 判 断 の 権 限 を 、 大 臣 に 付 与 し て い る も の で は な く 、 都 道 府 県 知 事 に 付 与 し て い る も の で あ る 。 し た が っ て 、 代 理 署 名 訴 訟 最 高 裁 判 決 は 、 国 ( 原 告 ) の 主 張 の 裏 付 け に は な り え な い も の で あ り 、国( 原 告 )の 主 張 は 失 当 で あ る 。 本 件 は 、 公 有 水 面 埋 立 法 が 根 拠 条 文 で あ り 、 そ の 仕 組 み に し た が っ て 解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い も の で あ る か ら 、 公 有 水 面 埋 立 法 に よ っ て 要 件 適 合 性 の 判 断 権 限 が 付 与 さ れ た 都 道 府 県 知 事 の 要 件 該 当 性
7 そ の 後 の 改 正 に よ り 、 現 在 は 、 収 用 ・ 使 用 認 定 を 行 う の は 防 衛 大 臣 で あ
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に お け る 要 件 裁 量 の 範 囲 の 問 題 で あ る 。
こ れ は 、 あ く ま で 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 と い う 要 件 適 合 性 の 判 断 、 す な わ ち 、 様 々 な 公 益 等 の 衡 量 の 判 断 に お け る 考 慮 要 素 の 一 つ と し て 、 判 断 さ れ る も の で あ る 。 国 防 ・ 外 交 と い う 事 務 を 沖 縄 県 知 事 が 行 う こ と に な る も の で は な く 、 ま た 、 公 有 水 面 埋 立 法 は 公 益 調 整 の 判 断 は 都 道 府 県 知 事 が 行 う と い う 仕 組 み を 採 用 し て い る の で あ る か ら 、 国 防 に 関 す る も の で あ る と し て も 、 他 の 公 益 と の 衡 量 を 都 道 府 県 知 事 を 行 う の が 法 の 定 め る 仕 組 み で あ る 。 (2) ま た 、 国 ( 原 告 ) は 、 訴 状 72 頁 以 下 に お い て 、 地 自 法 1 条 の 2
を 根 拠 に 、 公 有 水 面 埋 立 法 の 埋 立 承 認 の 知 事 の 審 査 権 限 が 限 定 さ れ る 旨 を 主 張 す る 。
し か し 、 そ も そ も 同 条 は 、 地 方 公 共 団 体 の 自 主 性 及 び 自 律 性 が 発 揮 さ れ る べ き こ と を 定 め た も の で あ る 。
そ し て 、 原 告 は 、 訴 状 に お い て 、 埋 立 承 認 が 、 都 道 府 県 の 事 務 で あ る こ と 自 体 は 明 示 的 に 認 め て い る の で あ る 。 す な わ ち 、 訴 状 73 頁 に は 、「 埋 立 承 認 が 法 定 受 託 事 務 と し て 都 道 府 県 の 事 務 と さ れ た の は 、 当 該 地 方 の 実 情 に 詳 し い 都 道 府 県 知 事 に 判 断 を 委 ね る の が 合 理 的 と 考 え ら れ た か ら で あ る と 解 さ れ る 」 と し 、 埋 立 承 認 が 「 都 道 府 県 の 事 務 」で あ り 、「 都 道 府 県 知 事 に 判 断 を 委 ね る 」も の で あ る と さ れ て い る が 、 こ れ 自 体 は 、 あ ま り に 当 然 の こ と で あ る 。
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(3) ま た 、国( 原 告 )は 、訴 状 71 頁 に お い て 、論 拠 は 不 明 で あ る が 、
法 定 受 託 事 務 で あ る こ と か ら 、 都 道 府 県 知 事 の 判 断 権 限 は 制 約 さ れ る と 主 張 し て い る か の よ う で あ る 。
法 定 受 託 事 務 で あ る こ と が 、 公 有 水 面 埋 立 法 に よ っ て 都 道 府 県 知 事 に 与 え ら れ た 権 限 を 制 約 す る 根 拠 と な り 得 る も の で は な く 、 お よ そ 論 理 を な し て い な い 。
自 治 事 務 も 法 定 受 託 事 務 も 等 し く 地 方 公 共 団 体 の 事 務 で あ る 。 地 方 分 権 一 括 法 に よ る 改 正 後 に お い て は 、 国 と 地 方 公 共 団 体 の 事 務 分 配 の 考 え 方 に お い て 、 地 方 公 共 団 体 の 事 務 に つ い て は 、 現 に 地 方 公 共 団 体 が 処 理 し 、 又 は 処 理 す る こ と に さ れ る も の で あ れ ば 、 端 的 に 地 方 公 共 団 体 に 属 す る 事 務 と さ れ た も の で あ る 。
公 有 水 面 埋 立 法 に よ っ て 都 道 府 県 知 事 に 明 示 的 に 付 与 さ れ た 権 限 に つ い て 、 法 定 受 託 事 務 で あ る か ら 、 明 文 に な い 制 約 が あ る と の 主 張 は 、 地 方 自 治 法 を 解 さ ぬ も の と い う ほ か は な い 。
(4) 埋 立 承 認 に 際 し て 、都 道 府 県 知 事 が 要 件 該 当 性 判 断 の 要 件 裁 量 を 有 す る こ と は 、 公 有 水 面 埋 立 法 の 解 釈 と し て 導 か れ る も の で あ る 。 公 有 水 面 埋 立 法 は 、 国 が 事 業 主 体 と な る 承 認 の 出 願 に つ い て 、 都 道 府 県 知 事 を 承 認 権 者 と し て い る 。 す な わ ち 、 事 業 者 で あ る 国 の 実 現 し よ う と す る 公 益 と 、 こ れ に 対 立 す る 諸 利 益 の 比 較 衡 量 ・ 総 合 判 断 の 権 限 を 都 道 府 県 知 事 に 与 え た も の で あ り 、 国 が 当 該 事 業 に よ っ て 実 現 し よ う と す る 公 益 の 内 容 ・ 程 度 に つ い て 都 道 府 県 知 事 が 判 断 す る こ と に し て い る も の で あ る 。
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か を 判 断 す る も の で あ り 、高 木 光「 行 政 処 分 に お け る 考 慮 事 項 」( 法 曹 時 報 第62 巻 8 号 21頁 )は「 4 条 1 項 1 号 に お い て は 、様 々 な『 一 般 公 益 』 を 比 較 衡 量 す べ き も の と 読 む べ き で あ り 、 そ こ で の 要 件 該 当 性 に 関 す る 免 許 権 者 の 判 断 は 、 性 質 上 、 裁 判 所 に よ る 尊 重 の 度 合 い が よ り 高 い 」、「 一 般 論 と し て は 、『 一 般 的 公 益 』 と 『 一 般 的 公 益 』 の 利 益 衡 量 に つ い て の 幅 は 『 広 い 』 と 考 え る べ き で あ る 」 と し て い る 。
2 審 理 の 対 象 に つ い て の 原 告 の 主 張
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件 に 関 す る 要 件 裁 量 が 広 範 で あ る こ と を 主 張 す る 。
(2) 続 け て 、「 そ し て 、 こ の よ う な 行 政 庁 の 広 範 な 裁 量 に 委 ね ら れ て い る 判 断 の 適 否 を 裁 判 所 が 審 査 す る に 当 た っ て は 、 当 該 判 断 が 裁 量 権 の 行 使 と し て な さ れ た こ と を 前 提 と し て 、 そ の 基 礎 と さ れ た 重 要 な 事 実 に 誤 認 が あ る こ と 等 に よ り 、 重 要 な 事 実 の 基 礎 を 欠 く こ と に な る 場 合 、 又 は 、 事 業 に 対 す る 評 価 が 明 ら か に 合 理 性 を 欠 く こ と 、 判 断 の 過 程 に お い て 考 慮 す べ き 事 情 を 考 慮 し な い こ と 等 に よ り そ の 内 容 が 社 会 通 念 に 照 ら し 著 し く 妥 当 性 を 欠 い て い る と 認 め ら れ る 場 合 に 限 り 、 裁 量 権 の 範 囲 を 逸 脱 し 又 は こ れ を 濫 用 し た も の と し て 違 法 と な る も の と 解 す る の が 相 当 で あ る( 最 高 裁 平 成 18年 11月 2 日 第 一 小 法 廷 判 決・民 集60 巻9 号 3249 ペ ー ジ 参 照 )。」と し 、裁 判 所 が 行 政 庁 の 判 断 を 尊 重 す べ き こ と を 主 張 す る 。
(3) さ ら に 、訴 状 64 頁 に お い て 、上 記 を 前 提 と し て 、「 第 1 号 要 件 に 適 合 す る と の 判 断 に 裁 量 権 の 逸 脱 ・ 濫 用 の な い こ と 」 と い う 標 題 を 付 し て 、「 本 件 承 認 処 分 に お い て 、国 土 利 用 上 の 観 点 か ら の 当 該 申 立 て の 必 要 性 及 び 公 共 性 の 高 さ と 、 当 該 埋 立 自 体 及 び 埋 立 て 後 の 土 地 利 用 が 周 囲 の 自 然 環 境 等 に 及 ぼ す 影 響 な ど の 諸 事 情 を 比 較 衡 量 す れ ば 、 本 件 埋 立 事 業 が 『 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 』 で あ る こ と は 明 ら か で あ り 、 第 1 号 要 件 に 適 合 す る と し た 被 告 の 判 断 が 重 要 な 事 実 の 基 礎 を 欠 く と か 、 そ の 内 容 が 社 会 通 念 に 照 ら し 著 し く 妥 当 性 を 欠 く と い う こ と は で き な い 」 と し て い る 。
(4) 国( 原 告 )は 、1 号 要 件 に 適 合 す る と し て な さ れ た 埋 立 承 認 処 分
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の 対 象 と な る 行 政 行 為 が 何 で あ る の か を も 解 さ な い 、 根 本 的 な 誤 解 に 基 づ く 主 張 と 言 わ ざ る を え な い 。
3 本 訴 訟 に お け る 審 理 の 対 象 と な る 行 政 行 為 は 現 沖 縄 県 知 事 に よ る
本 件 埋 立 承 認 取 消 で あ る こ と
本 訴 訟 に お け る 請 求 の 趣 旨 は 、「 被 告 は 、 被 告 が 国 に 対 し 、 平 成 27 年 10 月 13日 付 け で し た 、 平 成 25 年 12月 27日 付 け 公 有 水 面 埋 立 て
の 承 認 処 分( 沖 縄 県 指 令 土 第 1231号 、沖 縄 県 指 令 能 第 1721 号 )の 取
消 処 分 ( 沖 縄 県 達 第 233 号 、 沖 縄 県 達 第 3189 号 ) に つ き 、 被 告 が こ の 判 決 の 正 本 の 送 達 を 受 け た 日 の 翌 日 か ら 起 算 し て 3 日 以 内( た だ し 、 行 政 機 関 の 休 日 に 関 す る 法 律 1 条 1 項 の 規 定 に よ る 休 日 は 、 前 記 3 日 の 期 間 か ら 除 く 。) に 取 消 し を せ よ 。」 と い う も の で あ る 。
平 成 25 年 12 月 27 日 付 け で な さ れ た 本 件 埋 立 承 認 と 、 平 成 27 年 10 月 13 日 付 け で な さ れ た 本 件 埋 立 承 認 取 消 は 、 異 な る 行 政 行 為 で あ る 。
そ し て 、 本 件 の 請 求 の 趣 旨 が 、「 取 消 し を せ よ 」 と 求 め て い る の は 、 現 沖 縄 県 知 事 が な し た 本 件 埋 立 承 認 取 消 で あ る 。
す な わ ち 、 本 訴 訟 に お け る 審 理 の 対 象 は 、 現 沖 縄 県 知 事 に よ る 本 件 埋 立 承 認 取 消 で あ る 。
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性 を 欠 い て い る と 認 め ら れ る 場 合 に 限 り 、 裁 量 権 の 範 囲 を 逸 脱 し 又 は こ れ を 濫 用 し た も の と し て 違 法 と な る 」 と 主 張 す る が 、 原 告 の 主 張 を 前 提 と す る と 、 本 件 埋 立 承 認 取 消 が 違 法 と さ れ る 余 地 は 狭 い も の と な る 。
し か し 、 現 沖 縄 県 知 事 に よ る 本 件 埋 立 承 認 取 消 は 、 自 庁 が み ず か ら 判 断 を す る も の で あ る か ら 、現 沖 縄 県 知 事 は 、本 件 埋 立 承 認 に つ い て 、 公 有 水 面 埋 立 法 の 要 件 適 合 性 を み ず か ら 判 断 で き る も の で あ る 。な お 、 職 権 取 消 し は 不 当 の 瑕 疵 で あ っ て も 取 り 消 す こ と が で き る も の で あ り 、 現 知 事 が 埋 立 承 認 の 要 件 を 充 足 し て い な い と 判 断 し た 場 合 に は 、 か り に 前 知 事 の 裁 量 の 逸 脱 な い し 濫 用 が 認 め ら れ な い 場 合 で も 、 職 権 取 消 し は 認 め ら れ る も の で あ る 。
本 訴 訟 に お け る 審 理 の 対 象 は 、 本 件 埋 立 承 認 取 消 と い う 行 政 行 為 に つ い て 現 沖 縄 県 知 事 の 判 断 に 裁 量 の 濫 用 な い し 逸 脱 が あ っ た か 否 か で あ り 、 そ の 判 断 は 、 公 有 水 面 埋 立 法 第 4 条 第 1 項 第 1 号 に よ り 都 道 府 県 知 事 に 付 与 さ れ た 裁 量 を 尊 重 し て な さ れ な け れ ば な ら な い 。
第 2 章 本 件 埋 立 承 認 取 消 に 至 る 経 緯
第 1 本 件 埋 立 承 認 に 至 る 経 緯
1 環 境 影 響 評 価 書
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2 環 境 影 響 評 価 審 査 会 答 申
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沖 縄 県 環 境 影 響 評 価 審 査 会 は 、 沖 縄 県 知 事 ( 仲 井 眞 弘 多 ) の 諮 問 を 受 け 、 平 成 24年 2 月 8 日 付 で 、 答 申 (「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評 価 書 の 審 査 に つ い て ( 答 申 )」) を し た 。 そ の 結 論 は 、「 名 護 市 辺 野 古 沿 岸 域 を 事 業 実 施 区 域 と す る 当 該 事 業 は 、環 境 の 保 全 上 重 大 な 問 題 が あ る と 考 え ら れ 、 評 価 書 で 示 さ れ た 環 境 保 全 措 置 等 で は 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 保 全 を 図 る こ と は 、 不 可 能 で あ る と 考 え る 」 と い う も の で あ っ た 。
3 環 境 影 響 評 価 条 例 に 基 づ く 知 事 の 意 見
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同 年 2 月 8 日 、 沖 縄 県 知 事 ( 仲 井 眞 弘 多 ) は 、 沖 縄 県 環 境 影 響 評 価 条 例 第 22 条 第 1 項 に 基 づ き 環 境 影 響 評 価 書 に 対 す る 意 見 を 述 べ た が (「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評 価 書 に 対 す る 知 事 意 見 に つ い て 」)、そ の 結 論 は 、「 名 護 市 辺 野 古 沿 岸 域 を 事 業 実 施 区 域 と す る 当 該 事 業 は 、 環 境 の 保 全 上 重 大 な 問 題 が あ る と 考 え る 。 ま た 、 当 該 評 価 書 で 示 さ れ た 環 境 保 全 措 置 等 で は 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 保 全 を 図 る こ と は 、 不 可 能 と 考 え る 」 と い う も の で あ っ た 。
4 環 境 影 響 評 価 法 第 24条 に 基 づ く 承 認 権 者 意 見 ( 知 事 意 見 )
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同 年 3 月 27 日 、 沖 縄 県 知 事 ( 仲 井 眞 弘 多 ) は 、 環 境 影 響 評 価 法 第 24 条 に 基 づ き 、 環 境 影 響 評 価 書 に 対 す る 意 見 を 述 べ た が (「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評 価 書 に 対 す る 意 見 」、以 下「 知
8 乙 B 2 6
9 乙 B 2
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事 意 見 」と い う 。)、そ の 結 論 は 、次 に 引 用 す る と お り 、「 評 価 書 で 示 さ れ た 環 境 保 全 措 置 等 で は 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 保 全 を 図 る こ と は 、 不 可 能 と 考 え る 」 と い う も の で あ っ た 。
記
普 天 間 飛 行 場 移 設 問 題 の 喫 緊 の 課 題 は 、 普 天 間 飛 行 場 の 危 検 性 の 除
去 で あ り 、 一 日 も 早 い 移 設 ・ 返 還 の 実 現 が 必 要 で あ る 。
県 と し て は 、 地 元 の 理 解 が 得 ら れ な い 移 設 案 を 実 現 す る こ と は 事 実
上 不 可 能 で あ り 、 日 本 国 内 の 他 の 地 域 へ の 移 設 が 、 合 理 的 か つ 早 期 に
課 題 を 解 決 で き る 方 策 で あ る と 考 え 、 日 米 両 政 府 に 対 し 、 同 飛 行 場 の
県 外 移 設 及 び 早 期 返 還 の 実 現 に 向 け 、 真 摯 に 取 り 組 む よ う 、 繰 り 返 し
求 め て き た と こ ろ で あ る 。
今 般 、 沖 縄 県 名 護 市 辺 野 古 沿 岸 海 域 を 事 業 実 施 区 域 と す る 普 天 間 飛
行 場 代 替 施 設 ( 以 下 「 代 替 施 設 」 と い う 。) 建 設 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評
価 書 ( 以 下 「 評 価 書 」 と い う 。) が 提 出 さ れ た と こ ろ で あ る が 、 当 該 事
業 が 予 定 さ れ る 辺 野 古 沿 岸 海 域 は 、 礁 池 内 に 、「 絶 滅 の お そ れ の あ る 野
生 生 物 の 種 の リ ス ト ー 植 物I( 維 管 束 植 物 )」( 平 成 1 9年 8月 、環 境 省 )
( 以 下 「 レ ッ ド リ ス ト 」 と い う 。) に お い て 、 準 絶 滅 危 慎 種 と し て 掲 載
さ れ て い る ボ ウ バ ア マ モ や リ ュ ウ キ ュ ウ ア マ モ 、 リ ュ ウ キ ュ ウ ス ガ モ
等 で 構 成 さ れ る 海 草 藻 場 や 、絶 滅 危 倶I 類 と し て 掲 載 さ れ て い る ホ ソ
エ ガ サ 等 が 分 布 し て お り 、 そ の 規 模 は 沖 縄 島 で も 有 数 の も の で あ る 。
ま た 、 一 帯 の 沿 岸 域 及 び 沖 合 の 海 域 に お い て は 、 国 の 天 然 記 念 物 で
あ る ジ ュ ゴ ン が 確 認 さ れ 、 礁 池 内 の 海 草 藻 場 で そ の 食 み 跡 等 が 確 認 さ
れ る な ど 、 当 該 沿 岸 海 域 一 帯 は ジ ュ ゴ ン の 生 息 域 と 考 え ら れ て い る 。
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に お い て も 、 定 期 的 に ジ ュ ゴ ン が 利 用 し て い る こ と が 示 さ れ て い る 。
ジ ュ ゴ ン は 、 平 成 1 5年 に 改 正 さ れ た 鳥 獣 保 護 法 に お い て も 捕 獲 、 殺 傷
が 原 則 禁 止 と さ れ て い る 種 で あ る 。 ま た 、 県 に お い て は 平 成 1 7年9 月
に 公 表 し た「 改 訂・沖 縄 県 の 絶 滅 の お そ れ の あ る 野 生 生 物 一 動 物 編 ― 」
で 絶 滅 危 慎 I A 類 と し て 掲 載 し て お り 、 環 境 省 に お い て も 平 成 1 9 年8
月 に ジ ュ ゴ ン を レ ッ ド リ ス ト ( 絶 滅 危 慎 I A類 ) に 追 加 す る な ど 、 そ の
保 護 へ 向 け た 施 策 が 展 開 さ れ て い る と こ ろ で あ る 。 本 県 に お け る ジ ュ
ゴ ン に 関 し て は 、 こ れ ま で 科 学 的 調 査 が ほ と ん ど 行 わ れ て お ら ず 、 そ
の 生 活 史 、 分 布 、 個 体 数 な ど に 関 す る 知 見 が 非 常 に 乏 し い 実 状 に あ る
が 、 ジ ュ ゴ ン は 沖 縄 島 が 分 布 の 北 限 と 考 え ら れ 、 特 に 古 宇 利 島 周 辺 海
域 か 嘉 陽 ・ 大 浦 湾 周 辺 海 域 に 少 数 の 個 体 群 が 生 息 し て い る と 推 測 さ れ
て い る 。
さ ら に 、 辺 野 古 沿 岸 海 減 は 、 造 礁 サ ン ゴ が 分 布 す る サ ン コ 礁 地 形 が
発 達 し て お り 、 現 在 、 サ ン ゴ 類 の 白 化 現 象 等 の 事 象 に よ り 被 度 が 低 下
し て い る も の の 、 潜 在 的 に は 良 好 な サ ン ゴ 生 息 域 と 考 え ら れ る 海 域 で
あ る 。 ま た 、 代 替 施 設 北 側 の 大 浦 湾 に お い て は 、 ト カ ゲ ハ ゼ や ク ビ レ
ミ ド 口 、 ウ ミ フ シ ナ シ ミ ド 口 、 ユ ビ エ ダ ハ マ サ ン ゴ 群 落 及 び 大 規 模 な
ア オ サ ン ゴ 群 落 な ど が 確 認 さ れ て お り 、 ま た 、 同 湾 に 流 れ 込 む 大 浦 川
河 口 域 に は 、 熱 帯 、 亜 熱 帯 地 域 特 有 の マ ン グ ロ ー ブ 林 が 広 が り 、 そ の
生 態 系 や 種 の 多 様 性 の 高 さ か ら 、 大 浦 湾 も 含 め て 環 境 省 が 「 日 本 の 重
要 湿 地 5 0 0 」と し て 選 定 し た 場 所 で あ り 、ラ ム サ ー ル 条 約 登 録 湿 地 の 国
際 基 準 を 満 た す と 認 め ら れ る 潜 在 候 補 地 に も 選 定 さ れ て い る 。さ ら に 、
大 浦 川 と 汀 間 川 の 魚 類 相 は 、 沖 縄 島 は も ち ろ ん 琉 球 列 島 全 体 の 中 で も
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性 は 、大 浦 湾 の 立 地 と そ の 形 態 に よ る と こ ろ が 大 き い と 考 え ら れ 、 同
湾 の 一 部 が 埋 め 立 て ら れ る こ と に よ り 、 机 上 の 予 想 を 超 え た 影 響 が 懸
念 さ れ る 。
ま た 、 当 該 事 業 実 施 区 域 及 び そ の 周 辺 域 は 、「 自 然 環 境 の 保 全 に 関 す
る 指 針 ( 沖 縄 島 編 )」( 平 成 1 0年2 月 、 沖 縄 県 ) に お い て 「 自 然 環 境
の 厳 正 な 保 護 を 図 る 区 域 」 で あ る ラ ン ク I と 評 価 さ れ て い る 他 、 埋 立
土 砂 発 生 区 域 は 、リ ュ ウ キ ュ ウ マ ツ 群 洛 等 か ら 沖 縄 島 北 部 の 極 相 林 で
あ る イ タ ジ イ 群 落 へ の 遷 移 が 進 み 、 同 区 域 の 大 部 分 が 「 自 然 環 境 の 保
護 ・ 保 全 を 図 る 区 域 」 で あ る ラ ン ク Ⅱ と 評 価 さ れ て お り 、 近 い 将 来 、
ラ ン ク Iに な る 可 能 性 の あ る 区 域 で あ る 。
さ ら に 、 当 該 事 業 実 施 区 域 の 近 傍 に は 集 落 が 存 在 す る が 、 そ の 周 辺
域 は 畑 地 や 山 林 が 広 が る 静 穏 な 地 域 で あ り 、 大 気 環 境 、 水 環 境 の 良 好
な 地 域 で あ る 。 こ う し た 自 然 環 境 は 、 当 該 事 業 実 施 区 域 北 側 の 大 浦 湾
を 隔 て た 陸 域 に リ ゾ ー 卜 施 設 が 存 在 す る こ と か ら も 分 か る と お り 、 沖
縄 島 東 海 岸 側 に お け る 観 光 及 び 保 養 の 場 と し て 活 用 す る こ と の で き
る 資 源 と し て の 価 値 も 有 し て い る 。
当 該 事 業 は 、 こ の よ う な 自 然 環 境 、 生 活 環 境 が 良 好 な 地 域 に お け る
代 替 施 設 の 設 置 を 行 う 事 業 で あ る こ と か ら 、 当 該 事 業 が 実 施 さ れ た 場
合 、 工 事 中 に お け る 工 事 関 係 車 両 の 走 行 に 伴 う 道 路 交 通 騒 音 や 海 上 工
事 等 の 影 響 、 埋 立 地 の 存 在 に よ る 自 然 環 境 へ の 影 響 等 が 懸 念 さ れ る と
こ ろ で あ る 。
ま た 、 当 該 事 業 は 、 一 旦 実 施 さ れ る と 現 況 の 自 然 へ の 回 復 が ほ ぼ 不
可 能 な 不 可 逆 性 の 高 い 埋 立 地 に 飛 行 場 を 設 置 す る 事 業 で あ り 、 以 上 に
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と 環 境 影 響 が 極 め て 大 き い と 考 え ら れ る 事 業 で あ る 。
そ の た め 、 環 境 影 響 の 回 避 ・ 低 減 を 図 る た め に 、 当 該 事 業 に 係 る 環
境 影 響 評 価 は 、 よ り 慎 重 か つ 十 分 に 、 科 学 的 に 行 わ な け れ ば な ら な い
も の で あ り 、 環 境 影 響 評 価 制 度 の 趣 旨 に 沿 っ て 、 手 続 き の 過 程 に お い
て 、 環 境 の 保 全 の 観 点 か ら よ り 良 い 事 業 計 画 に 修 正 し て 、 事 業 の 実 施
に よ る 環 境 影 響 を 可 能 な 限 り 小 さ く し な け れ ば な ら な い も の で あ る 。
し か し な が ら 、 事 業 者 で あ る 国 は 、 こ れ ま で の 環 境 影 響 評 価 の 手 続
き に お い て 、 環 境 影 響 評 価 方 法 書 で 事 業 特 性 と し て の 事 業 内 容 を 十 分
に 示 さ ず に 、 追 加 ・ 修 正 資 料 を 提 出 さ せ ら れ た と こ ろ で あ る が 、 そ れ
に も か か わ ら ず 、環 境 影 響 評 価 準 備 書( 以 下「 準 備 書 」と い う 。) に
お い て 新 た に 追 加 、 修 正 を 行 っ た り 、 ジ ュ ゴ ン 等 に 対 す る 複 数 年 の 調
査 を 実 施 し て い な い な ど 、 知 事 意 見 に 十 分 に 対 応 せ ず に 手 続 き を 進 め
て き た と こ ろ で あ る 。
以 上 の こ と を 踏 ま え 、 環 境 影 響 評 価 法 に 基 づ き 環 境 保 全 の 見 地 か ら
下 記 の と お り 意 見 を 述 べ る 。
記
普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 の 実 施 に 係 る 環 境 影 響 に つ い て 、 事
業 者 で あ る 国 は 、評 価 書 の 総 合 評 価 に お い て「 事 業 の 実 施 に 際 し て 、 環
境 保 全 上 、 特 設 の 支 障 は 生 じ な い 」 と し て い る が 、 次 に 示 す 不 適 切 な
事 項 等 に よ り 、名 護 市 辺 野 古 沿 岸 域 を 事 業 実 施 区 域 と す る 当 該 事 業 は 、
環 境 の 保 全 上 重 大 な 問 題 が あ る と 考 え る 。 ま た 、 当 該 評 価 書 で 示 さ れ
た 環 境 保 全 措 置 等 で は 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境
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5 補 正 評 価 書 の 提 出
国 ( 沖 縄 防 衛 局 ) は 、 平 成 24 年 12 月 18 日 に 補 正 後 の 環 境 影 響 評 価 書 ( 以 下 「 補 正 評 価 書 」 と い う 。) を 提 出 し た 。
6 補 正 評 価 書 へ の 疑 義 の 表 明
補 正 評 価 書 に 対 し て そ の 問 題 点 を 指 摘 す る 意 見 、 辺 野 古 の 埋 立 て に 反 対 す る 意 見 が 学 会 等 か ら 多 数 示 さ れ た が 、 例 え ば 、 平 成 25 年 2 月 12 日 付 け の 公 益 財 団 法 人 日 本 自 然 保 護 協 会 「『 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評 価 書( 補 正 後 )』へ の 意 見 」11は 、詳 細 な 理 由 を 付 し て 、「 補 正 評 価 書 を も っ て し て も 環 境 保 全 は 不 可 能 で あ る と 言 わ ざ る を 得 な い 」 と 結 論 づ け て い た 。
7 本 件 埋 立 承 認 出 願
平 成 25年 3 月 22日 、国( 沖 縄 防 衛 局 )は 、本 件 埋 立 承 認 出 願 を し
た 。
8 1 号 要 件 、2 号 要 件 に 適 合 し な い と す る 意 見 の 表 明
平 成 25年 11 月 21日 付 で 、日 本 弁 護 士 連 合 会 は 、「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 基 づ く 公 有 水 面 埋 立 て に 関 す る 意 見 書 」12を 発 表 し た 。
同 意 見 書 は 、「 本 件 埋 立 て に つ い て は ,公 有 水 面 埋 立 法 上 の 埋 立 承 認 の 要 件 は 次 の と お り 全 く 満 た さ れ て い な い 」、「『 国 土 利 用 上 適 正 合 理 的 』 と は い え な い 」、「 埋 立 承 認 申 請 に 当 た り 添 付 さ れ た 環 境 影 響 評 価 書 は 若 干 の 補 正 は さ れ て い る も の の , 上 記 の 点 も 含 め そ の 補 正 は 全 く 不 十 分 で あ り ,当 連 合 会 と し て も ,沖 縄 県 知 事 意 見 と 同 様 ,『 埋 立 予 定 地 の
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自 然 環 境 の 保 全 を 図 る こ と は 不 可 能 』 と 評 価 す る 以 外 な い 」 と 指 摘 し て い た 。
9 公 有 水 面 埋 立 法 第 3 条 第 4 項 第 1 項 に よ る 名 護 市 長 意 見 の 提 出
平 成 25 年 11 月 22 日 に 「 公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 書 に 関 す る 意 見 」 が 名 護 市 議 会 に お い て 可 決 さ れ 、 同 月 27 日 に 名 護 市 長 か ら 沖 縄 県 に 「 公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 書 に 関 す る 意 見 に つ い て( 答 申 )」13が 提 出 さ れ た 。
同 意 見 は 、「 環 境 保 全 に 重 大 な 問 題 が あ り 、沖 縄 県 知 事 意 見 に お け る 指 摘 の と お り 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 保 全 を 図 る こ と は 不 可 能 で あ る と 考 え 、 本 事 業 の 実 施 に つ い て は 強 く 反 対 い た し ま す 。 本 件 申 請 に つ い て は 、 下 記 の 問 題 が あ る と 考 え ら れ ま す の で 、 未 来 の 名 護 市 ・ 沖 縄 県 へ の 正 し い 選 択 を 残 す た め に も 、 埋 立 て の 承 認 を し な い よ う 求 め ま す 」 と し て い た 。
10 中 間 報 告 (11 月 12日 )
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平 成 25 年 11 月 12 日 、 土 木 建 築 部 海 岸 防 災 課 ・ 農 林 水 産 部 漁 港 漁 場 課 に よ り 、 審 査 状 況 に つ い て 中 間 報 告 が 提 出 さ れ た 。 同 報 告 は 、 1 号 要 件 に つ い て は 、「 国 土 利 用 上 適 正 か つ 合 理 的 か に つ い て は 、飛 行 場 の 供 用 に よ る 騒 音 問 題 、 ジ ュ ゴ ン へ の 影 響 を ど の よ う に 判 断 す る か が ポ イ ン ト 」ま た 、2 号 要 件 に つ い て は 、「 環 境 保 全 へ の 配 慮 に つ い て は 、 環 境 影 響 評 価 書 に 対 し 『 当 該 評 価 書 で 示 さ れ た 環 境 保 全 措 置 等 で は 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 保 全 を 図 る こ と は 不 可 能 』と し た 知 事 意 見 へ の 対 応 が ポ イ ン ト 」と す る と と も に 、「 環 境 生 活
33 部 の 見 解 を 基 に 判 断 」 す る と し て い た 。
11 環 境 生 活 部 長 意 見 (11 月 29日 )
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(1) 平 成 25年 11 月 29日 、環 境 生 活 部 長 か ら 土 木 建 築 部 長 宛 に 、「 公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 書 に 関 す る 意 見 に つ い て ( 回 答 )」( 以 下 「 環 境 生 活 部 長 意 見 」と い う 。)が 提 出 さ れ た 。下 記 引 用 の と お り 、環 境 生 活 部 長 意 見 は 、環 境 保 全 の 見 地 か ら 、18 項 目 に わ た っ て 詳 細 に 問 題 点 を 指 摘 し た う え で 、「 当 該 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評 価 書 に 対 し て 述 べ た 知 事 等 へ の 意 見 へ の 対 応 状 況 を 確 認 す る と 、 以 下 の こ と な ど か ら 当 該 事 業 の 承 認 申 請 書 に 示 さ れ た 環 境 保 全 措 置 等 で は 不 明 な 点 が あ り 、 事 業 実 施 区 域 周 辺 域 の 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 保 全 に つ い て の 懸 念 が 払 拭 で き な い 」 と 結 論 づ け て い た 。
記
普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 実 施 区 域 の 辺 野 古 沿 岸 域 は 、 「 自
然 環 境 の 保 全 に 関 す る 指 針( 沖 縄 島 編 )」( 平 成 1 0 年 2 月 、沖 縄 県 )
( 以 下 「 環 境 保 全 指 針 」 と い う 。) に お い て 「 自 然 環 境 の 厳 正 な 保 護
を 図 る 区 域 」 で あ る ラ ン ク Ⅰ と 評 価 さ れ て い る 。
辺 野 古 か ら 宜 野 座 村 松 田 ま で の 礁 池 内 に は 「 絶 滅 の お そ れ の あ る
野 生 生 物 の 種 の リ ス ト - 植 物 Ⅰ ( 維 管 束 植 物 )」( 平 成 2 4 年 8 月 、
環 境 省 )( 以 下 「 レ ッ ド リ ス ト 」 と い う 。) に お い て 、 準 絶 滅 危 惧 種
と し て 掲 載 さ れ て い る ボ ウ バ ア マ モ 、 リ ュ ウ キ ュ ウ ア マ モ 、 リ ュ ウ
キ ュ ウ ス ガ モ 等 で 構 成 さ れ る 海 草 藻 場 が 広 が り 、 絶 滅 危 惧 Ⅰ 類 で 現
在 ま で の と こ ろ 沖 縄 島 の み で し か 確 認 さ れ て い な い 一 属 一 種 の 日 本
固 有 種 で あ る ク ビ レ ミ ド ロ 及 び 同 じ く 絶 滅 危 惧 Ⅰ 類 と し て 掲 載 さ れ
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て い る ホ ソ エ ガ サ な ど の 分 布 も 確 認 さ れ て お り 、 環 境 省 が 「 日 本 の
重 要 湿 地 5 0 0 」 と し て 選 定 し て い る 。
ま た 、 辺 野 古 崎 北 側 に 広 が る 大 浦 湾 は 、 大 浦 川 及 び 汀 間 川 の 2 つ
の 自 然 度 の 高 い 川 が 流 入 し 、 湾 内 は 海 底 の 左 右 の 口 ( リ ー フ ギ ャ ッ
プ ) に 沿 っ て 深 海 と の 海 水 交 換 が 行 わ れ 、 ト カ ゲ ハ ゼ 、 ク ビ レ ミ ド
ロ 、 ウ ミ フ シ ナ シ ミ ド ロ 等 が 確 認 さ れ る 沖 縄 島 に お い て も 類 い 希 な
海 域 で あ る 。 大 浦 川 河 口 域 に は 名 護 市 の 天 然 記 念 物 で あ る マ ン グ ロ
ー ブ 林 が 広 が っ て お り 、 そ の 生 態 系 の 種 の 多 様 性 の 高 さ か ら 、 同 湾
も 併 せ て 「 日 本 の 重 要 湿 地 5 0 0 」 と し て 選 定 さ れ 、 ラ ム サ ー ル 条
約 湿 地 へ の 登 録 の 国 際 基 準 を 満 た す と 認 め ら れ る 潜 在 候 補 地 に も 選
定 さ れ て い る 。
さ ら に 、 辺 野 古 沿 岸 域 の 礁 斜 面 及 び 大 浦 湾 に は 、 造 礁 サ ン ゴ が 分
布 す る サ ン ゴ 礁 地 形 が 発 達 し て お り 、 ユ ビ エ ダ ハ マ サ ン ゴ 群 落 、 大
規 模 な ア オ サ ン ゴ 群 落 等 の 注 目 す べ き サ ン ゴ 群 落 も 確 認 さ れ て い る 。
現 在 、 サ ン ゴ 類 の 白 化 現 象 等 の 事 象 に よ り 被 度 が 低 下 し て い る も の
の 、 潜 在 的 に は 良 好 な サ ン ゴ 生 息 域 と 考 え ら れ る 。
加 え て 、 当 該 事 業 の 環 境 影 響 評 価 手 続 ( 以 下 「 ア セ ス 手 続 」 と い
う 。)に お い て も 示 さ れ て い る よ う に 、沖 縄 島 が 分 布 の 北 限 と 考 え ら
れ て お り 、 国 の 天 然 記 念 物 に 指 定 さ れ て い る ジ ュ ゴ ン の 少 数 の 個 体
群 が 、古 宇 利 島 周 辺 海 域 か ら 嘉 陽 海 域 、大 浦 湾 周 辺 に 生 息 し て お り 、
事 業 実 施 区 域 及 び そ の 周 辺 の 礁 池 内 の 海 草 藻 場 で も そ の 食 み 跡 等 が
確 認 さ れ て い る こ と か ら 、 辺 野 古 沿 岸 海 域 一 帯 も ジ ュ ゴ ン の 生 息 域
と 考 え ら れ る 。
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の お そ れ の あ る 野 生 生 物 - 動 物 編 - 」 で 絶 滅 危 惧 Ⅰ A 類 と し て 掲 載
し 、環 境 省 に お い て も 平 成 1 9年 8 月 に レ ッ ド リ ス ト の 絶 滅 危 惧 Ⅰ A
類 に 追 加 す る な ど 、 そ の 保 護 へ 向 け た 施 策 が 展 開 さ れ て い る と こ ろ
で あ る が 、 本 県 に お け る ジ ュ ゴ ン の 生 態 に 関 し て は 、 こ れ ま で 科 学
的 調 査 が ほ と ん ど 行 わ れ て お ら ず 、 そ の 生 活 史 、 分 布 、 個 体 数 等 に
関 す る 知 見 が 非 常 に 乏 し い 実 状 に あ る 。
陸 域 に つ い て は 、 辺 野 古 ダ ム 周 辺 か ら 土 砂 が 採 取 さ れ 森 林 が 改 変
さ れ る 計 画 と な っ て い る が 、 当 該 区 域 に は 国 指 定 天 然 記 念 物 で あ る
カ ラ ス バ ト 等 の 重 要 な 種 が 多 数 確 認 さ れ 、 植 生 は リ ュ ウ キ ュ ウ マ ツ
群 落 等 か ら 沖 縄 島 北 部 の 極 相 林 で あ る イ タ ジ イ 群 落 へ の 遷 移 の 過 程
に あ り 、 環 境 保 全 指 針 に お い て そ の 大 部 分 が 「 自 然 環 境 の 保 護 ・ 保
全 を 図 る 区 域 」 で あ る ラ ン ク Ⅱ と 評 価 さ れ る 区 域 で あ る 。
ま た 、 当 該 事 業 実 施 区 域 の 近 傍 に 存 在 す る 集 落 は 、 そ の 周 辺 を 畑
地 や 山 林 に 囲 ま れ た 静 穏 な 地 域 で あ り 、 生 活 環 境 保 全 上 の 問 題 が ほ
と ん ど な い 地 域 で あ る こ と か ら 、 事 業 が 実 施 さ れ た 場 合 、 工 事 関 係
車 両 の 走 行 に 伴 う 道 路 交 通 騒 音 等 の 影 響 及 び 供 用 後 に お け る 恒 常 的
な 航 空 機 騒 音 等 の 影 響 に よ る 生 活 環 境 の 悪 化 が 懸 念 さ れ る と こ ろ で
あ る 。
当 該 事 業 は 、 こ の よ う な 生 活 環 境 及 び 自 然 環 境 の 良 好 な 地 域 に お
い て 、 自 然 度 の 高 い 森 林 を 改 変 し 、 海 域 を 埋 め 立 て て 飛 行 場 を 設 置
す る 事 業 で あ り 、 一 旦 実 施 さ れ る と 現 況 の 自 然 へ の 回 復 が ほ ぼ 不 可
能 な 不 可 逆 性 の 高 い 事 業 で あ る こ と か ら 、 事 業 者 で あ る 国 は 、 事 業
実 施 区 域 及 び 周 辺 域 に つ い て 、 可 能 な 限 り 、 環 境 影 響 の 回 避 ・ 低 減