2016/9/28 入門物理学 B
入門物理学 B
第 2 回 (9/28) 光の反射と屈折
・幾何光学とその歴史
・光の直進
・光の反射 (鏡による像)
・光の屈折 (スネルの法則)
第 3 回 (10/5) 光の屈折 (続き)・光の分散
・光の屈折 (フェルマーの最小時間の原理・全反射・レンズ)
・光の分散
法政大学 市ヶ谷リベラルアーツセンター兼任講師 福川 賢治
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幾何光学 (geometrical optics) とは
・光の進む線 (光線) の性質を図形的に研究する。
※1 私たちが光線と呼んでいるものは実際には光の束であり、 光線とは頭の中で考えた限りなく細い光の束のことである
※2 2つ以上の光線は互いに他の光線に影響を与えずに通り抜けることを仮定する
歴史
・古代ギリシアで、数学の一分野として始まる
[ユークリッド(紀元前)、プトレマイオス (2 世紀) 等の著作がある) 目から出た光によって物体が見える
・イブン=アル=ハイサム
(965 年 - 1040 年頃、天文学者・物理学者・医学者・哲学者)
「光学の書」(1015年頃?、1572 年にラテン語訳) 光の直進・ 反射、ガラスによる屈折の実験的研究、 人間の眼の構造の研究、ピンホールカメラの発明
物に光が当たり、その光が眼に入ることで物体が見える
→ 当たった光がどこに行くかを知ると物体の見え方がわかる。
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光は直進する
光は真空中や均一な物質の中を直進する。
実験 物がない場所でペンを二人でもって、お互い少し離れて、 (1) 両目を開けながら (2) 片目をつむりながら
二人が持ったペンを触れ合わせる。(1)と(2) どちらが簡単か?
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光線による物体の位置の決定
レンズの焦点を合わせることによっても
距離感が得られるが、両目でものを見ることにより、 より正確に物体との正確な距離が経験的にわかる。 (三角測量の簡単な実例)
光の反射 (Reflection)
鏡面反射 … 鏡の面や、磨いた金属面、 水面などで起こる反射
反射面に垂直に引いた線 (法線)から
測った角度は入射光と反射光で等しい。 (入射角) =(反射角)
入射角 反射角
屈折角
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鏡による像 (基礎編)
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鏡による反射は(実際には存在しない) 別の場所から出た光線が作っている
ように見える。このような像を虚像と呼ぶ。 虚像は近くにいる人しか見えない。
・ヘロン (B.C.130 B.C.75) による説明 光は鏡面で反射する時、物体から目までの通 過距離が最短になるように反射する。
「ヘロンの最小距離の原理」
図の A → B → C と進むよりも、
A → B → C と進む方が距離が短くなる。 この時、(入射角)=(反射角) が満たされる。 A
C
B B
アレクサンドリアのヘロン
(古代ローマの工学者・数学者) ヘロンの公式
(三角形の面積の公式)で有名 世界最古の自動販売機を作成
画像は Wikipedia より引用
法線
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考えてみよう (応用編)
2枚の鏡を直角に組み合わせると、 どのように見えるか?
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像
像の像 像 万華鏡などに、合わせ鏡の 原理が応用されている
Wikimedia commons より https://
commons.wikimedia.org/wiki/ File:KaleidoscopePNG.png
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乱反射 (拡散反射)
光の屈折 (Refraction)
※画像は Wikipedia 「拡散反射」の項より引用
Photo by Theresa knott , (24th December 2007), CC-BY-3.0 ライセンス
表面の細かい凹凸によって、
一本の光線については反射の法則が 成り立つが、全体としてはあらゆる 方向に光が拡散される。
物体が見えるのは乱反射のおかげ
Claudius Ptolemaeus (83頃 - 168 頃)
天動説で有名 (春学期の講義を参照) 入射角と屈折角の最古の表を作成
※画像は Wikipedia より引用
ユークリッドの頃から (紀元前 3 世紀)、
現象としては知られていた。 紀元 140 年ごろ、
プトレマイオスによる実験
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(右下) Wikipedia 英語版 「屈折」の項より
Wikimedia Commons, Photo by Zátonyi Sándor (ifj.) Fizped (talk) (11 June 2005), CC-BY-SA 3.0 ライセンス
入射角 i (空気中、度)
屈折角 r
(水中、度) i/r
sin i/ sin r
10 8 1.25 1.25 20 15.5 1.29 1.28 30 22.5 1.33 1.31 40 28 1.43 1.37 50 35 1.43 1.34 60 40.5 1.48 1.33 70 45 1.56 1.33 80 50 1.63 1.29
光の屈折
(続き)プトレマイオスによる世界最古の表
(iとrの数値はファインマン物理学より引用) 入射角 反射角
屈折角
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三角比 (少し数学)
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A
B
C
i
角度 i の sin (sine, サイン) を BC=AB (sin i)
[(角度 i と接していない辺) = (斜辺) (sin i)] で定義する。
また、sin 0 =0, sin 90 =1 とする。
空気 (屈折率 n1)
ガラス (屈折率 n2) i
r
A
B
境界面
法線
C D
O
スネルの法則 (1621年)
境界面上の点 O を中心として円を描き、 それと光線との交わる点を A, D とする。 左の図で、 CD = OD (sin r)
AB = OA (sin i). OA = OD なので、
CD/AB = [OD (sin r)]/[OA (sin i)] = sin r/ sin i = n1/n2
「屈折率が大きい物体に入射すると より大きく光が曲がる」
n1, n2 を物質の(絶対)屈折率と呼び、 真空を n=1 として決定される。