公的資金補償金免除繰上償還に係る
財政健全化計画等実施結果報告書
平成
25
年
3
月
平成
19
年
12
月に策定した「公的資金補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画」及び
「公営企業経営健全化計画」の計画期間が終了したため、その実施結果につき次のとお
り報告します。
制度の概要・趣旨
過去に市が国などの公的機関(旧資金運用部資金・簡易生命保険資金・公営企業金融
公庫資金)から事業実施資金として借り受けた、年利5%以上の高利率の地方債につい
て、
繰上償還
(市債残額分の一括返済)
又は現在の低い利率に借り換えることによって、
利払いの負担が軽減できる制度です。
今まで公的資金の繰上償還を行う場合、利子相当分の補償金を支払わなければならな
いため、繰上償還のメリットはありませんでした。この臨時特例措置により、財政健全
化計画の策定のほか市町村合併の有無、財政力指数など、一定の条件を満たした団体に
おいて補償金が免除され高金利地方債の公債費負担が軽減できます。
計画名:甲州市財政健全化計画(普通会計)
甲州市公営企業経営健全化計画(下水道事業会計)
甲州市公営企業経営健全化計画(簡易水道事業会計)
甲州市公営企業経営健全化計画(水道事業会計)
甲州市公営企業経営健全化計画(勝沼病院事業会計)
計画期間:平成 19 年度から 23 年度までの
5 カ年間
取り組みの推移
平成 19 年
9
月:財務大臣及び総務大臣あて計画書提出
平成 19 年 12 月:財務大臣及び総務大臣による計画承認
平成 20 年
2
月:市議会に対し、計画の概要説明
平成 20 年
3
月:市ホームページでの計画公表
平成 20 年
9
月:19
年度決算に基づく執行状況等報告(甲府財務事務所及び山梨県)
平成 21 年
2
月:甲府財務事務所長からの結果通知受領
平成 21 年
9
月:20
年度決算に基づく執行状況等報告(甲府財務事務所及び山梨県)
平成 22 年
5
月:甲府財務事務所長からの結果通知受領
平成 22 年
9
月:21 年度決算に基づく執行状況等報告(甲府財務事務所及び山梨県)
平成 23 年
3
月:甲府財務事務所長からの結果通知受領
平成 23 年
9
月:22 年度決算に基づく執行状況等報告(甲府財務事務所及び山梨県)
平成 24 年
2
月:甲府財務事務所長からの結果通知受領
平成 24 年
8
月:23 年度決算に基づく執行状況等報告(甲府財務事務所及び山梨県)
平成 24 年 12 月:甲府財務事務所長からの結果通知受領
平成 25 年
3
月:市議会に対し、計画実施結果の説明
平成 25 年
3
月:計画実施結果の公表
-1-計画の達成状況は、次のとおり整理されます。 ○「計画を達成したもの」として、
A・・・計画の中途年度、最終年度ともに計画目標値を達成したもの B・・・最終年度までに計画目標値を達成したもの
C・・・やむを得ない事情による影響を除き、最終年度までに計画目標値を達成したもの ○「計画を達成できないもの」として、
D・・・計画目標の達成ができないが、計画の承認要件は達成したもの E・・・やむを得ない事情による影響を除き、計画の承認要件は達成したもの F・・・健全化計画は実施したが、計画の承認要件を達成できないもの G・・・健全化施策を実行していないもの
単位:円
会計名
計画実行前の利子負担額
計画実行後の利子負担額
利子軽減効果額
対象件数
普通会計
15,826,841
2,261,136
13,565,705
31件
下水道事業
419,644,113
101,184,413
318,459,700
81件
簡易水道事業
11,489,869
2,146,549
9,343,320
6件
水道事業
5,450,027
5,499
5,444,528
12件
勝沼病院事業
55,647,397
7,504,414
48,142,983
2件
合
計
508,058,247
113,102,011
394,956,236
132件
1.普通会計(一般会計)
地方債現在高 単位:百万円
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 20,860 20,878 20,798 20,714 20,328 実績値 20,472 20,338 20,415 20,920 21,144 乖離値 △ 388 △ 540 △ 383 206 816 【計画目標値に届かなかった主な理由】
【今後の取り組み】
実質公債費比率 単位:%
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 20.0 20.0 19.4 18.9 18.1 実績値 18.4 17.8 16.6 15.3 14.3 乖離値 △ 1.6 △ 2.2 △ 2.8 △ 3.6 △ 3.8
職員数 単位:人
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 415 409 401 390 376 実績値 415 400 387 373 365 乖離値 0 △ 9 △ 14 △ 17 △ 11
行政経費等改善額 単位:百万円
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 改善額合計 目標値 327 733 925 1,186 1,356 4,527 実績値 578 915 719 881 976 4,069 乖離値 251 182 △ 206 △ 305 △ 380 △ 458 【計画目標値に届かなかった主な理由】
【今後の取り組み】
公的資金補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画等の計画別結果報告
今後も行財政改革を推進するなかで、持続可能な財政構造の構築に向けた取り組みを推進します。 行政経費等改善額
(最終判定C)
臨時財政対策債の計画期間内の発行予定額は2,219百万円であったのに対し、実際の発行額は3,257百万円となったた め、1,038百万円増加したことが主な要因です。
臨時財政対策債は、普通交付税で交付されるべき財源を地方の起債で補うものであり、その償還金は後年度において普 通交付税で措置されることとなっていますが、地方債現在高においては他の地方債と同様の扱いがされており、これが地 方債現在高が減少しない要因です。
臨時財政対策債発行額を考慮しつつ、事業の必要性、緊急性の観点から選択実施を図るなかで、地方債発行の抑制に努 めます。
平成23年度決算において、実質公債費比率は目標値としていた18.1%を下回る14.3%となり3.8%ポイント減です。 実質公債費比率は、一般会計の公債費や公営企業債の償還に充てるための繰出金等に係る財政負担の程度を示す指標で あり、今後も建設事業の計画的な実施と合併特例債等有利な地方債の選択により、将来の公債費負担の軽減に努めます。
平成23年度において365人(一般行政職等331人、技能労務職34人)となっており、集中改革プラン及び、この財政健全 化計画における年度別職員数と比較して11人少ない状況です。
市税徴収率は毎年度改善されたものの、長引く景気の低迷等により税収が伸びなかったことや、行政管理経費について は原油の高騰等の社会的要因により燃料費や光熱水費が削減できなかったことなどが要因です。
人件費は職員数が計画人数を上回って削減できたことや、公営企業会計への繰出金においても縮小しており、これらの 改善策については計画どおり実行されました。
地方債現在高 (最終判定C)
実質公債費比率 (最終判定A)
職員数 (最終判定A)
-3-2.下水道事業会計(特別会計)
職員数 単位:人
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 9 9 9 9 9 実績値 9 8 6 6 6 乖離値 0 △ 1 △ 3 △ 3 △ 3
行政経費等改善額 単位:百万円
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 改善額合計 目標値 5 12 22 73 81 193 実績値 9 27 44 49 50 179 乖離値 4 15 22 △ 24 △ 31 △ 14 【計画目標値に届かなかった主な理由】
【今後の取り組み】
公営企業債現在高 単位:百万円 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 11,435 11,162 10,838 10,601 10,365 実績値 11,279 11,202 10,958 10,665 10,375 乖離値 △ 156 40 120 64 10 【計画目標値に届かなかった主な理由】
【今後の取り組み】 職員数 (最終判定A)
地方債現在高 (最終判定C)
今後は、全体計画を見直すことにより事業の効率化を図るなかで地方債現在高の縮減に努めます。 行政経費等改善額
(最終判定C)
平成20年度に1人削減、21年度に2人削減しました。平成23年度では6名で目標を達成し、今後も維持に努めます。
近年の経済状況の更なる悪化による住民負担を考慮した結果、料金改定を見送ってきました。有収水量の確保について は、建設事業費を大幅に縮減したことにより新規接続者が少なかったことと、高齢化による汚水量の減少、及び洗濯機や トイレ器具の節水化が進んだことが主な要因です。また人件費については職員数が計画人数を上回って削減されているこ とや、人件費以外の営業費用においても縮小されており、管理運営費の削減策については計画どおり実行されました。
今後は、平成23年度から下水道審議会にて審議を重ねてきた答申を基に、適正な料金となるよう段階的な使用料金の見 直しを行うとともに、整備済み地域の水洗化率向上の推進に努めます。
3.簡易水道事業会計(特別会計)
職員数 単位:人
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 6 6 6 6 6 実績値 6 6 6 6 6 乖離値 0 0 0 0 0
行政経費等改善額 単位:百万円
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 改善額合計 目標値 3 29 29 49 49 159 実績値 1 55 59 73 81 269 乖離値 △ 2 26 30 24 32 110
公営企業債現在高 単位:百万円 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 2,480 2,536 2,573 2,602 2,622 実績値 2,507 2,555 2,556 2,566 2,531 乖離値 27 19 △ 17 △ 36 △ 91 職員数
(最終判定A)
行政経費等改善額 (最終判定A)
平成20年度、22年度と2回の水道料金改定を行ったことから、計画目標値の改善額合計は達成できました。しかし、水 道料金を改定したことによって市民の節水志向が高まり、計画中途においては目標値を下回る年度もありました。
今後、景気の動向・水道事業の運営を精査し適正な水道料金を水道審議会に提案していきます。 平成23年度において6名となっており、目標値と比較して職員数は同数です。
今後も起債発行額を抑制しつつ、老朽管布設替などの管網整備を進めながら、必要性、緊急性のある事業の重点実施を 図り、健全な事業運営に努めます。
地方債現在高 (最終判定A)
-5-4.水道事業会計
職員数 単位:人
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 9 9 9 9 9 実績値 9 9 9 9 9 乖離値 0 0 0 0 0
行政経費等改善額 単位:百万円
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 改善額合計 目標値 1 27 27 52 52 159 実績値 1 44 40 46 46 177 乖離値 0 17 13 △ 6 △ 6 18
公営企業債現在高 単位:百万円 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 1,528 1,494 1,455 1,412 1,365 実績値 1,458 1,346 1,327 1,286 1,259 乖離値 △ 70 △ 148 △ 128 △ 126 △ 106
累積欠損金比率 単位:%
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 実績値 ‐ ‐ 6.4 11.3 14.8 乖離値 0.0 0.0 △ 6.4 △ 11.3 △ 14.8 【計画目標に届かなかった主な理由】
【今後の取り組み】 累積欠損金 (最終判定C)
峡東地域広域水道企業団からの水道用水の供給が平成20年度から開始され、責任水量として日量2,500tの支払いが始 まったこと、さらに給水人口の減による水道使用量の減などが累積欠損金の発生した主な要因です。
建設改良費、修繕工事費、各種経費を見直し、未収金を増加させることなく、徴収率を高めるよう努めます。 行政経費等改善額
(最終判定A)
平成20年度、22年度と2回の水道料金改定を行ったことから、計画目標値の改善額合計は達成できました。しかし、水道 料金を改定したことによって市民の節水志向が高まり、計画中途においては目標値を下回る年度もありました。
今後、景気の動向・水道事業の運営を精査し適正な水道料金を水道審議会に提案していきます。
公営企業債現在高 (最終判定A)
建設改良事業の必要性、緊急性を精査し公営企業債現在高の縮減に努めます。 職員数
(最終判定A)
5.病院事業会計
職員数 単位:人
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 0 0 0 0 0 実績値 0 0 0 0 0 乖離値 0 0 0 0 0
行政経費等改善額 単位:百万円
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 改善額合計 目標値 31 31 31 31 32 156 実績値 31 31 31 31 32 156 乖離値 0 0 0 0 0 0
公営企業債の現在高 単位:百万円 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 218 196 171 146 121 実績値 218 196 171 146 121 乖離値 0 0 0 0 0
累積欠損金比率 単位:%
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 目標値 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 実績値 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 乖離値 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
まとめ
平成19年度から取り組んできました、公的資金補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画等に基づく改善策について は、景気の低迷などの社会的要因や国の制度による地方債の増加など、やむを得ない事情により計画目標値が達成できな かった項目もありましたが、職員数や実質公債費比率など、市の努力によって改善できるものについては計画どおり実行 されたことから、概ね計画の目標は達成されました。
職員数 (最終判定A)
累積欠損金比率 (最終判定A) 行政経費等改善額
(最終判定A)
平成19年4月1日から指定管理者制度の導入により、医師1人、事務職1人の削減をしました。
平成19年4月1日から指定管理者制度の導入により、医師1人分、事務職1人分の人件費を削減をしました。
計画期間中において新たな公営企業債の発行を行わなかったことにより、計画どおりの公営企業債残高となっていま す。
公営企業債の現在高 (最終判定A)
本計画以前から欠損金を出さない運営をしてきましたが、平成19年度から指定管理者制度を導入した以後も欠損金は発 生していません。