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仁上幸治 2014a 帝京総合教育センター論集 5 学校経営

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(1)

抄録

司書教諭課程科目全5科目の中の総論に相当する「学校経営と学校図書館」の授業担当

5年間の経験を集約し、学生による授業評価の数値と記述から現状と課題をまとめた。授

業設計の前提となる問題点として、1)科目群の履修順序の崩れ、2)学生の情報リテラ

シーの低さ、3)レポート作成経験の乏しさ、を挙げ、授業設計上の工夫点として、1)

マルチメディア教室の通年使用、2)リアルな具体的事例の紹介、3)冒頭のショート映

像による導入、4)実践的な映像教材の採用、5)基礎リテラシー向上のための反復応用、

6)授業参加度を促す成績評価、7)授業参加の雰囲気づくり、8)図書館利用の必須化、

9)協働性の導入、を実現し、その成果として学生自身による学習成果評価では志望の動

機づけ、情報リテラシーの向上などの目標がクリアできた。授業評価では、映像教材の活

用、討論・発表型の運営、毎回の1000字レポートとその講評などが高評価を得た。大学

全体の情報リテラシー教育へ提言として、1)情報リテラシー科目を教職必修科目に、2)

司書教諭課程科目を複数コマ設置に、3)ライフデザイン演習と基礎演習の授業改善、の

3点を挙げた。

目次

はじめに

1.授業設計の前提となる問題点

2.授業設計上の工夫点

3.授業計画一覧表

4.成績評価

5.学習成果自己評価

6.授業評価

7.課題と提言

おわりに

注・引用文献

付録1:シラバス

付録2:授業計画

付録3:学習成果自己評価

付録4:授業評価

付録5:授業アンケート記述

情報リテラシー教育を担う小中学校教員をいかに養成するか

《教育実践報告》

教職志望学生の徹底改造を目指す司書教諭科目からの提言

仁 上 幸 治

(2)

はじめに

本稿は、学部2年次に配当されている司書教諭課程全5科目の中の総論に相当する「学

校経営と学校図書館」の授業内容と学生による授業評価を集約したものである。

学校図書館は、学校教育に欠くことのできない基礎的な共同利用施設であり、指導と学

習を支える重要な役割を担っている。司書教諭は、その管理運営者として専門的職務を担

当する現場マネージャーであるだけでなく、学校教育の一環としての図書館教育の司令塔

でもある。司書教諭課程は、司書教諭に必要な知識・技能・姿勢を身につけた修了生を学

校現場へ送り出すという重要なミッションを担っている。修了生の就職後の各学校現場で

の評価は大学の教職課程に対する社会的評価に直結する。その意味で、司書教諭課程全体

の総論に相当する「学校経営と学校図書館」には、履修するに当たっての心構えの確認、

主体的学習の動機づけ、他科目履修における基礎的な情報リテラシーの習得・応用の推奨

が求められる。

筆者は、帝京大学着任1年目の2009年度以来、司書教諭課程の「学校経営と学校図書館」

と「情報メディアの活用」の2科目を継続担当している。「情報メディアの活用」では教

育学部(旧文学部教育学科)の「教育情報学B」という選択必修の相乗り科目に設定され

ているため、「とりあえず取っておこうか」という安易な履修者が目立つのと比べて、「学

校経営と学校図書館」は教職課程履修者限定の選択必修科目であるため、教育学部を中心

に八王子キャンパス内では比較的成績も良く真面目で前向きな学生が多く履修している。

筆者にとっては、学習成果と授業満足度を最大化するべく全力投球した授業方法上の工夫

がほぼ全履修者に受け止めてもらえる強い手応えのある科目である。

それだけに教員側の教育力が一層問われるという自覚のもと、十数年の授業経験を見直

すために、POD年次大会第35回(2010. 11. 3–7、米国ミズーリ州セントルイス市)に参

加する機会を得た

1 2

。また、学内研修では、教育力向上研修(2012)および教育力開発

研修(ティーチング・ポートフォリオ研修)(2013)を受講した。2013年度の学生による

授業コンサルティング(SCOT)にも応募し、授業観察報告書では「学生参加型の授業作

りを目指す様々な工夫」が上手く機能していたという評価を得ることができた。その成果

をどこまで活かすことができたかは、学生による授業評価で検証される。本報告が学内外

の授業改善の取り組みに多少ともヒントになれば幸いである。

1.授業設計の前提となる問題点

筆者は、全担当科目の授業の初回にアンケートで受講生に、自習時間、学習環境、学習

姿勢などを尋ねている。また授業開始後の受講生とのやりとりの中でその実態がしだいに

明らかになってきた。気が付いた点を3点挙げる。

(3)

1.1.科目群の履修順序の崩れ

2年次配当科目であるにもかかわらず、2年生は極く少数で、3, 4年生が多数である。

4年生は教育実習で数回の公欠扱いとなる。教職課程では介護等体験実習が必修であり、

さらに自然教室体験など必修でないが欠席理由となる行事が少なくない。また「学校経営

と学校図書館」は5科目中最初に履修するべき総論であると図書館課程ガイダンスで強調

してあるにもかかわらず、実際には履修順序は守られていない。総論を履修する前に各論

を履修している学生が多いために、各論の授業では総論の知識を前提にできないという困

った問題が生じている。

司書教諭課程科目は各1クラス設置であるため、時間割上で専門科目と重複した場合は

履修できないという事情がネックになっているものと思われる。

1.2.学生の情報リテラシーの低さ

本学新任教員がまず直面するのが、将来教職に就いて児童・生徒に図書館教育を行う側

に立つべき学生自身の情報リテラシーのレベルの問題である。毎年、教職を目指す学生が、

上級生になっても、実は図書館利用経験に乏しく、図書館活用の基本的知識を習っておら

ず、パソコンも使いこなせないという実態には愕然とせざるをえない。高校までの情報リ

テラシー教育の問題を指摘することは容易であるが、そんな高校卒業生を一旦受け入れた

以上は、大学卒業以前に一定の情報リテラシーを身につけさせることは大学教育の責任で

あろう。そのまま卒業させることは、事務処理面でも、児童・生徒の指導面でもパソコン

を活用できない教員を増やすことになる。

したがって、司書教諭課程の授業設計に当たっては、専門の内容を展開すると同時に大

学の情報リテラシー教育の弱点を補完することが必要不可欠となっている。本学の基礎教

養教育の現状と課題については、すでに筆者は着任後の授業経験を報告しているのでご参

照を乞う

3 4

1.3.レポート作成経験の乏しさ

1年次の必修科目「ライフデザイン演習」では概してレポート作成経験が乏しい。漢字

書き取りや手紙の書き方も必要ではあろうが、専門科目の受講や卒論・ゼミ論に取り組む

準備として必須のレポート・論文作成法とプレゼンテーションの知識・技能をはずしてい

ては基礎教養教育として不十分である。図書館で辞書・事典、年鑑・白書・統計、各種書

誌・索引・目録類、学術雑誌、新聞、視聴覚資料、データベースなどを利用する機会もな

いままに上級生になった学生が専門科目のレポートや卒論そして就職活動を前にして立ち

往生しているという構図がはっきりしている。教育学科では毎年、実態調査が行われ、報

告書が公開されている

5 6 7 8 9

。その結果として、自学自習の方法とその応用が習慣化さ

れていないことが司書教諭課程の授業設計上の最大の難点になっている。

(4)

この点については筆者が3年間、講師を務めた図書館(MELIC)主催の「レポート・

論文作成「超」実用講座」(2010–2012年)の記録動画・配付資料・スライド・参加者ア

ンケート結果を参照されたい

10

2.授業設計上の工夫点

筆者が司書課程・司書教諭課程の授業設計の拠り所としているのは、「情報活用者とし

ての自立支援」という理念目標を掲げる情報リテラシー教育の枠組み

11 12

と、図書館員と

して図書館利用者教育に携わってきた筆者自身による長年の研究と実践の経験

13 14

、そし

てFD関連の最新の授業改善理論である

15

。以下に筆者が実際に授業設計で試みてきた工

夫を9点紹介する。

2.1.マルチメディア教室の通年使用

パソコンを日常的に活用しきれていない学生にパソコン活用を習慣づけることを最優先

目標に設定し、パソコン・マルチメディア教室を通年で使用し、毎回の授業の解説自体を

スライドショーで見せることで、プレゼンテーションの実演見本とした。

2.2.リアルな具体的事例の紹介

司書教諭課程の共通教科書である『図書館学基礎資料』(今まど子編著、樹村房、最新

版 1,050円)以外に当科目用には指定せず、筆者自身による学校図書館時代の作成物や

報告論文などの資料をプリント配付した。また、その時々に話題になっている全国の先進

事例を適宜紹介した

16 17 18 19

2.3.冒頭のショート映像による導入

最近の学生は授業冒頭の数分でその授業に真剣に参加するかどうかを決めているフシが

ある。興味がないと聞く気になれないというのは大人も子供も同じである。落語で言えば

話のマクラが重要なのと同じ理屈である。特に授業冒頭の時間は教室内がざわついていて、

授業開始を告げてから学生が集中するまでに少々の時間を要する。そこで10年以上前に

授業導入部における短い動画の活用というアイデアを思いついて以来、映画やテレビドラ

マ、CM、ニュース映像などをマメに録画しておいて図書館関連の場面を抜き出して、授

業冒頭に上映するようにしてきた

20

わずか2、3分間の映像でも効果は抜群で、学生からは「冒頭の映像があると楽しい気

分で授業に臨める」など非常に好評である。おかげで担当する講義科目では授業が実にス

ムーズに開始できるようになった。

(5)

2.4.実践的な映像教材の採用

映像の活用は冒頭だけにとどまらない。講義形式の授業では最近の映像世代の学生の集

中力は15分が限度というのが筆者の実感である。特にそうそう面白い話題ばかりとはか

ぎらないテーマの場合は集中力の限度はさらに短くなる。そこで、その日のテーマへ誘導

するための導入部として、学生が興味を持てる、わかりやすい映像教材を活用している。

当科目では全国の先進的な学校図書館の事例を紹介したビデオ教材

21

やNHKの特集番組

22

などを上映した。

2.5.基礎リテラシー向上のための反復応用

卒論や就職活動に必要な文章作法全般の表現・表記レベルまでの知識・技能の全般的な

習得を目指して、筆者が監修したDVD版『情報の達人』シリーズ(2007)

23

から関連する

部分を視聴させ、論文形式のレポートの書き方の手順と要領を毎回の復習課題レポートと

して課すことにした。論文書式の見本を渡しておき、最終提出物として具体的な目標イメ

ージを持たせると同時に、論文形式の構成、注・引用文献の記述法などの書式については、

必ず見本を配布するようにして、覚えるよりもマネすることで身に着けられるよう配慮し

た。

2.6.授業参加を促す成績評価

以上のような方針を受講予定者に徹底するべく、シラバスには、成績評価方法の項に、

「出席(50%)、レポート(30%)、授業参加度(20%)の総合評価。毎回、授業中に小レ

ポートがあり、次回までの復習レポートがあり、最終回に課題レポートがある。初回・最

終回を含む3分の2以上の出席と、課題レポート全点提出が必須。出席やレポートに不正

があった場合は自動的に不合格となる。」と明記し、学生への要望の項には、「毎週1

時間の自習時間の確保が必要」と覚悟を求めておいた(付録1)。

2.7.授業参加の雰囲気づくり

授業中は、明るく楽しく前向きな姿勢で臨み、笑いの中でフランクでフレンドリーなク

ラスの雰囲気づくりを行い、疑問が生じたらいつでも気軽に質問できるように、教員と学

生の信頼関係を段階的に強化していった。脱落者が出ないよう負荷を微調整しながら、学

習進度に合わせて授業計画を柔軟に変更するようにした。

2.8.図書館利用の必須化

授業の中で、レポート・論文作成やプレゼンテーションの準備作業の過程で、辞書・事

典・百科事典、書誌、索引、年鑑、白書、統計などの参考図書や、雑誌のバックナンバー、

視聴覚資料などを実際に使わせる課題を与えるようにした。また、インターネット上の検

(6)

索エンジンでは検索できない大学契約有料データベースの威力を体験させるなど文献検索

法の基本を教えたあと、用語・概念の事前調査や関連文献調査の作業の中でステップバイ

ステップで反復的に復習・応用を課した。

2.9.協働性の導入

授業中は教員による一方通行の講義形式ではなく、毎回、課題レポートのプリントアウ

トを手に持った状態で小グループ討論を行わせ、その結果をクラス全体に向けて報告させ

ることによって学習成果の定着と今後の課題の明確化を図った。受講生が困ったときは、

授業外の自習時間でもクラスメート同士で助け合える仕掛けとして受講生メーリングリス

トを用意し、質問や授業改善提案などに活用させた。個人的な相談にも応じられるよう教

員個人アドレスへのメールによる相談も受け付けた。

3.授業計画

以上の工夫を盛り込んて実施した年間授業計画は付録2の表2のとおりである。

4.成績評価

履修者は漸減傾向にあり、2013年度は27名であった。過去5年間の成績評価は表1の

とおり、平均4点(評価A)前後である。

表1.受講生数と成績評価

年度 学期 S A B C D R 履修者 合格者 成績平均値

2009 秋学期 5 15 16 14 0 9 59 50 3.22

2010 春学期 4 15 11 0 0 0 30 30 3.77

2011 春学期 4 49 3 3 0 24 83 59 3.92

2012 春学期 7 16 2 0 0 0 25 25 4.20

2013 春学期 6 11 7 2 0 1 27 26 3.81

履修者:授業回数の過半数以上の出席者(D:成績不良、R:レポート未提出あり)

合格者:成績C以上の履修者(点数はS:5,A:4,B:3,C:2で計算)

5.学習成果自己評価

最終回の課題である授業評価アンケート(Googleドキュメントのウェブフォームを使用)

は全員回答必須の記名式で実施した。その中で受講生の学習成果の自己評価の項目では付

録3の図1、表3のとおり、5点満点で平均3.98点であった。以下で記述の中から代表的

(7)

なもの、特徴的なものを抜き出しておく。

1)司書教諭を目指す動機づけについては目標をクリアできたことがわかる。「司書教

諭について抱いていたイメージや想いが一新された。司書教諭を目指す強い心構え

を持つことができた」「司書教諭への捉え方が変わった。資格としての司書教諭と

いうよりも、司書教諭という人への尊敬に変わった。とりあえず取ったほうが良い

という感覚から、自分がこの資格を得て何がしたいのかを真剣に考えることができ

た」「今まで図書館に対して持っていた古典的なイメージが変わり、そしてより効

率的な使い方などの基礎知識から、先進的な実践まで様々に触れる事で図書館に対

しての見方・使い方が変わった」「紋切り型の図書館を改造していきたいという意欲」

「これまでのイメージを一新するような新しい図書館経営をしていくアイデア力は、

仲間と先生に恵まれたこそ身に付いた」

2)成長した能力についてはほとんどの学生が「コミュニケーション能力」を挙げてい

る。「私はこの授業を受けて、コミュニケーション能力がとても身についた。以前

は恥ずかしく、自分からグループ討論で話を進めることはできなかったが、討論の

進行やまとめをすることができるようになった」

3)図書館活用力とレポート作成力については反省の言葉が目立つ。以下の例は教職志

望学生の情報リテラシーの実態をよく示している。「図書館活用能力については、

履修前はOPACさえも使いこなせず、参考図書も地下の論文も触ったことさえな

かったのだ。図書館を活用できないなどというのは司書教諭失格である。そのため

活用方法を知り、実際に使うことができてよかった。次に、レポート作成の能力に

ついてこちらも今までの私は見出しや題名の工夫もしたことは無く、参考文献など

もよくわからないまま書いていた。レポートを書くうえの前提条件である二段組み

も罫線の挿入も知らなかった。その状態から毎週レポートを作成し、講評を受け、

グループ討論やウェブクラスで他の人のレポートを見ることで成長できたと感じる」

6.授業評価

同じく、学生自身による授業評価は、図2と表4のとおりである。授業満足度は5点満

点で平均4.46点であった。

全体に、楽しい映像教材、復習に役立つプリント教材、双方向討論型の運営、プレゼン

テーション機会、フランクな雰囲気は好評であったと総括できる。

1)冒頭の動画と導入の教材動画については意図どおりに好評であった。「アニメの動

画や先生の飼う亀のワカメの動画をたまに入れることで、常に気を張って授業に取

り組むのでなく、適度にリラックスすることができ、とてもよかった」「ビデオ教

材を使い、学生を引き付けるような授業展開であり、飽きずに集中して取り組むこ

とができた」「ビデオを見たあとも、ほぼ必ず生徒に意見を求め」「グループ討論で

(8)

様々な人と話せる工夫がされていた」

2)教室フォルダでの教材共有は欠席者だけでなく自学自習用に重宝された。「授業で

使われたスライドが教室フォルダに入れてあり、いつでも見れるようになっている」

3)教育実習長期欠席者への代替レポートとして実習先の学校図書館の紹介プレゼンテ

ーションという機会を設けたのも好評だった。「実習生の話が聞け、勉強になった」

4)図書館グッズを配付した点は好意的に受け止められた。「栞の配布など貴重なもの

をくれ、司書教諭への気持ちが高まった」

5)レポート講評は感謝された。「他の授業では頭を捻り出して作成したレポートも出

して終わりということが常であるため、評価されてることが直に感じられることは

嬉しかった」「毎回の復習レポートは身になったと感じている。その証拠に、他の

授業のレポート作成で、その身についた力を活かすことができた」

6)授業設計については高評価である。「流れがしっかり決められていて、一回一回を

見ても、十五回を通して見ても授業運営に迷いがなかった。また、一回目から十五

回目まで積み重ねて学んでいるという実感があった。加えて、他の履修者とこんな

に交流する授業は他に受けたことがなかった。堅苦しさもなく、自分の意見をはっ

きり言える環境にどんどん変わっていくことが楽しかった。メリハリのある授業だ

ったと思う」「とても充実していて楽しい授業でした。生徒の個性も見える授業な

んてほかにありません」「先生の授業を受けることで図書館課程だけではなく、教

職科目への意欲が高まりました。最初、司書教諭課程は友人の誘いで履修しようと

思った。しかし、前期に授業を受けてみて、面白く、なりたいという気持ちを強く

持つようになった」

7)授業最終回後に開いた懇親会は好評であった。「いつも学生に対して真剣に取り組

んでくださるところが良かった。ゼミでもないのに懇親会を開いてくださり夏休み

中に懇親会に来てくださる先生は初めてだったのでその情熱に感動した」

8)今後の改善点として挙げられたのは、レポート課題の説明時間の確保のための時間

管理の徹底である。

9)学生側の反省点も挙げられている。「授業を受ける側一人一人の意識が変わらなけ

れば意味がない。授業は教員と生徒が作り上げていくものであり、生徒が挙手しな

ければならない場面では消極的になるのではなく、積極的に授業参加していくべき

である」「もっと自分自身に厳しく自分を律する姿勢が必要である」

10)大学に対して冷静な分析と提案があった。「履修者が元々備えているはずの情報リ

テラシーの基礎の欠如のためである。論文の書き方や検索の方法など、本授業でな

くても必要になるはずの力を、自分たちは本授業を履修することによって初めて習

得することとなった。つまり学生の能力不足のためにスタートの位置が低かったの

である。それを改善するために、本授業で学んだような情報リテラシーの授業を別

(9)

で開講することを提案する。与えられなければ知りえない能力であると思うので、

必修を希望する」「基礎的な能力(情報リテラシーなど)を低学年のうちに習得さ

せること」

11)図書館課程に対しては履修順序に関する要望が目立つ。「今回の「学校経営と学校

図書館」を最初に履修することを義務付けて、後の各論の開講年次の規制をなくし

てほしい。この講義では司書教諭の仕事や学校図書館運営の視点が身につくと同時

に、情報リテラシーや主体的に学ぶ姿勢が身に付きました。他の授業でも生かせる

能力もつけることができ、履修してとても良かった」「概要から学ぶ本授業を4年

生になってからとることになってしまった。入口の本科目は、週に二回ぐらいあっ

てもよいのではないかと思う。時間割上、組みづらくて司書教諭課程を断念してし

まう仲間も少なくない」

7.課題と提言

以上のとおり、個人的な工夫を重ねた実践の結果、学習成果自己評価と授業評価で予想

以上の評価を得ることができた。同時に、今後さらに一層の授業改善を図るには、当科目

での授業方法の工夫というレベルとは別に、大学全体の情報リテラシー教育のありかたの

レベルの課題が浮き彫りになってきた。以下に3点を挙げる。

7.1.情報リテラシー科目を教職必修科目に

司書教諭課程の当科目および「情報メディアの活用」の修了生の声

24

を集約すると、両

科目の内容は司書教諭課程限定ではなく、教職課程の必修科目にするべきだということに

なる。ただでさえ必修単位が多く教育実習関連行事などで多忙を極める教職志望者の状況

では実現は難しいかもしれない。しかし、司書教諭課程を選択しない教職課程修了者を基

礎的な情報リテラシーを身につけないまま卒業させることは大学評価に大きなマイナスを

もたらす。また彼らの在学中の学習効率の低さ、レポートやゼミ発表の質の低さを直視す

るならば、低学年のうちに、司書教諭課程科目のエッセンス部分と情報リテラシーの基本

を内容とする情報リテラシー科目を必修科目として設置することには絶大な効果があるに

違いない。

7.2.司書教諭課程科目を複数クラス配当に

「学校経営と学校図書館」は5科目中最初に履修するべき総論という位置づけで2年次

配当科目とされているのに、履修者の多くが3、4年生であるという現状を改善するには、

せめて「学校経営と学校図書館」だけでも複数クラスを配当することが望まれる。間口を

広げれば、司書教諭課程全体の履修者数も伸びる可能性がある。

(10)

7.3.ライフデザイン演習と基礎演習の授業改善

司書教諭課程科目の授業設計の前提になる学生の情報リテラシーレベルについては、基

礎教養教育のカリキュラムの問題を抜きには語れない。キャンパス全体で、一年次のライ

フデザイン演習と二年次の基礎演習という必修2科目のありかたを根本的に見直し、全ク

ラス共通のミニマムリクワイアメント(MR)を設定し、それを担えるよう教員研修を充

実させることが早道である。この目的で2009年に導入教育委員会で作成した共通教科書

が刊行された

25 26

。また、『情報の達人』の学内オンデマンド配信の計画も保留のまま時

機を逸してしまったのが惜しまれる

27

。学部における情報リテラシー教育の充実に向けた

本格的なFD活動が期待される。

おわりに

着任5年目に「学校経営と学校図書館」という担当科目の経験をふりかえって、司書教

諭課程と教職課程の授業設計の課題を考え直してみた。授業評価結果については自分のホ

ームページで可能なかぎり公開している

28

。ささやかな取り組みの記録ではあるが、当報

告が学内外の授業改善の取り組みに多少でも貢献できれば幸いである。

POD Networkは、Professional and Organizational Development Network in Higher Education

の略。http://podnetwork.org/

小林克彦「アメリカの大学におけるFDの取り組み

第35回POD年次大会に参加して

」『帝京

大学文学部教育学科紀要』(37)、2012. 3, pp.151-159.

仁上幸治「マルチメディアのフル活用による双方向授業の試み

スライドショー、映像教材、ファ

イル配布・提出、アンケートの各システムを使い切る

」『帝京大学情報処理センター年報』(13)、

2011. 3. 31, pp.77-91.

仁上幸治「情報リテラシー底上げ奮戦記

自習時間ほぼゼロ学生のための論文・プレゼン指導

『帝京大学総合教育センター論集』(2)、 2011. 3, pp.83-105.

柴田彩千子;浪越一喜「帝京大学文学部教育学科2008年度入学生の生活実態に関する調査研究」

『帝京大学文学部教育学科紀要』(34)、2009. 3, pp.81-96.

佐藤高樹、浪越一喜、柴田彩千子「帝京大学文学部教育学科2年次学生の学習・生活実態に関す

る調査研究」『帝京大学文学部教育学科紀要』(35)、2010. 3, pp.81-96.

梅澤秋久、岡田たつみ「帝京大学文学部教育学科2009年度入学生の学習・生活実態に関する調査

研究」『帝京大学文学部教育学科紀要』(35)、2010. 3, pp.97-104.

福島健介、芦澤清音、中山京子「帝京大学文学部教育学科学生の学習・生活実態に関する調査研究」

『帝京大学文学部教育学科紀要』(36)、2011. 3, pp.167-218.

大多和直樹「FD活動としての質問紙調査の意義と試み

帝京大学文学部教育学科における2011

年度学生生活実態調査より

」『帝京大学文学部教育学科紀要』(37)、2012. 3, pp.139-150.

(11)

10

帝京大学MELIC講座「レポート・論文作成「超」実用講座」(講師:仁上幸治)全資料アーカイブ

https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/lecture/report-koza.html#2012

・2012. 07. 12-第1回「即効入門編:ただの感想文じゃダメだったのか!?の巻」

・2012. 10. 25-第2回「執筆準備編:いきなり書き始めちゃダメだったのか!?の巻」

・2012. 11. 29-第3回「読解・下ごしらえ編:イイとこ取りの丸写しじゃダメだったのか!?の巻」

・2012. 12. 06-第4回「執筆・仕上げ編:イッキ書き速攻提出じゃダメだったのか!?の巻」

11

日本図書館協会図書館利用教育委員会編『図書館利用教育ガイドライン(合冊版)』日本図書館協

会、2001. 8

12

日本図書館協会図書館利用教育委員会編『図書館利用教育ハンドブック(大学図書館版)』日本図

書館協会、2003. 3.

13

仁上幸治「司書課程の社会的評価の向上を目指す切り札

情報検索演習における「受講生による

授業評価」の集計結果報告

」『法政大学教職資格課程年報』(法政大学キャリアデザイン学部紀

要別冊)vol.1、2003年度、2004. 3. 30, pp.66-76.

14

仁上幸治「情報検索指導における良い例題・悪い例題(初級編)

素材を集め、問題を作り、要

点を説明する方法

」、日本図書館協会図書館利用教育委員会編『情報リテラシー教育の実践

すべての図書館で利用教育を

』(JLA図書館実践シリーズ;14)日本図書館協会、2010. 3,

pp.88-108.

15

小田隆治・杉原真晃編著『学生主体型授業の冒険:自ら学び考える大学生を育む』ナカニシヤ出版、

2010.

16

田村修「ボクの理想の図書館」(図書館をデザインする 〈特集〉)『みんなの図書館』(188)、1993.

01, pp.2-11.

17

田村修「いまどきの学校図書館事情:学校図書館って、どんな「場」?」『MORGEN』、2007. 11,

p11.

18

成田康子『みんなでつくろう学校図書館』(岩波ジュニア新書;703)岩波書店、2012. 1.

19

成田康子『高校図書館;生徒がつくる、司書がはぐくむ』みすず書房、2013. 11.

20

例えば、テレビアニメ「電脳コイル」第16話「イサコの病室」など。詳細は近刊の別稿を参照。

21

全国学校図書館協議会[ほか]監修『新・いい本みつけた』:3「表現しよう、伝えよう

情報

をまとめる・発表する

」紀伊国屋書店 2004(スクール・ライブラリー・ビデオ・シリーズ)

(VHS:20分)

22

「あしたをつかめ:平成若者仕事図鑑」no.151 学校司書、NHK教育テレビ 2008. 2. 9(土) 22:

00-22:25

23

仁上幸治・野末俊比古監修『情報の達人』全3巻(DVD版33講)、紀伊國屋書店、2007(ライブ

ラリービデオシリーズ)

24

仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」(仮題)『帝京大学情報処理センター年報』(16)、

2014. 3,(掲載予定)

25

大学導入教育研究会編『よくわかるライフデザイン入門

大学生のための必須学習術

』古今書

院、2010. 4. 1.

26

大学導入教育研究会編『よくわかるライフデザイン入門

大学生のための必須学習術

』第2版、

古今書院、2011. 3. 本書は大学導入教育研究会名で市販された図書であったが、初版では掲載さ

れていた章ごとの執筆者一覧がなぜか改訂版では削除されて執筆者名が不明という珍妙な図書と

なったのが惜しまれる。

(12)

27

仁上幸治「文献調査法の専門分野別最先端情報の共有へ向けて

研究室内知識伝承者を養成する

インストラクター講習会の試み

」『ふみくら』77, 2008. 12, pp.4-5.

28

筆者の授業評価関連の集計結果と総括の報告書は以下で公開している。仁上幸治ホームページ/

授業評価:http://sites.google.com/site/nikamik23/

(13)

付録1. シラバス

学校図書館の経営プロになろう!

組織の中で生徒本位のサービスを展開する力を身につけよう

1.授業の内容(CourseDescription)

学校図書館は、学校教育に欠くことのできない基礎 的な共同利用施設であり、指導と学習を支える重要な 役割を担っている。豊かな学校図書館体験があれば、 児童・生徒は生涯にわたる積極的な図書館活用者に育 つ。図書館活用の意義と方法を理解する教諭と司書教 諭が協力して図書館活用法を指導すれば、その芽はさ らに大きく育てることができる。

この授業では、学校教育における学校図書館と司書 教諭の果たす役割を明らかにし、学校図書館の理念と 教育的意義、学校図書館の歩み、教育行政と学校図書 館、学校図書館の経営、司書教諭の任務と役割、図書 館メディア、新しい情報メディアの活用、学校図書館 活動、関連する法規などについて、基本的な理解を図 ることを目的としている。

当科目は、司書教諭課程5科目全体の導入・概説の 位置づけを持つので、最初に受講することが望ましい。 2.授業の到達目標(CourseObjectives)

学校図書館について教員として必要な基本的知識を 獲得し、将来、司書教諭として働く際に必要な心構え を身に付け、司書教諭課程の他科目を学習していく全 体見取図を持つことを目指す。

3.成績評価方法(GradingPolicy)

・出席(50%)、レポート(30%)、授業参加度(20

%)の総合評価。毎回、授業中に小レポートがあり、 次回までの復習レポートがあり、最終回に課題レポー トがある。

・初回・最終回を含む3分の2以上の出席と、課題 レポート全点提出が必須。出席やレポートに不正があ った場合は自動的に不合格となる。

4.テキスト・参考文献(Textbooks)

テキスト:今まど子編著『図書館学基礎資料』樹村 房、最新版1,050円

参考文献:適宜紹介する。

*テキストは必ず初回授業までに入手しておくこと 5.授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

毎回、学習内容の復習のため次回までの課題レポー

トが課される。毎週1−2時間の自習時間の確保が履 修の必須条件である。次回授業中に自習成果のミニ発 表と討論を行うので充分な準備をして授業に臨むこと。 6.学生への要望・その他(ClassRequirements) 1)学期開始時点で必ずこのシラバスをオンラインで

再確認すること。

2)第1回目のオリエンテーションは、授業の進め方 や成績評価方法の重要な説明があるので必ず出席す ること。やむをえず欠席する場合は事前に相談する こと。事前相談がなかった場合、第2回目以降の出 席は認めない。

3)司書教諭としてだけでなく教科教諭としても役立 つ実践的な知識技能を主体的に習得する意欲ある学 生を求める。「とりあえず取っておく」的な動機で 履修しないこと。

4)学習到達目標に掲げた専門的な知識・技能・姿勢 を実質的に身に着けるため、文献調査・レポート作 成・発表・討論を徹底的に反復練習する。積極的な 授業参加が求められる。

5)相乗り科目での履修者は、司書教諭志望者と同等 の課題をこなす覚悟が必要。配当年次どおりの基礎 知識が前提となるので、安易な気持ちで履修しない こと。

6)パソコン、メール、ウェブ、ワープロソフトにつ いて初級以上の知識・技能が必須。

7)授業中は私語、読書、ケータイ等の行為は一切禁 止。違反者は即刻履修無効とする。

8)コミュニケーション力向上のためグループ討論と 個人発表を行うので、学期中3回以上の挙手発言が 単位取得の必須条件。発言する意思のない学生は履 修しないこと。

9)特別な理由による欠席(就職活動・教育実習)は 必ず事前に欠席届を提出すること。教育実習による 長期欠席には、代替策として「特別レポート」を課 する。

7.授業の計画(CourseSyllabus)

>>別紙

(14)

付録2.授業計画

表2.授業計画一覧表

回 月日 テーマ 見出し

1 4/8 授業オリエンテーション 学校図書館の経営プロになろう!

組織の中で生徒本位の

サービスを展開する力を身につけよう

2 4/15 司書教諭の役割 司書教諭は図書館教育の司令塔

図書館の現場マネージャー

かつ図書館教育の校内コーディネーターに

3 4/22 司書教諭の仕事 司書教諭は情報リテラシー教育のプランナー

学科目と図

書館教育の統合的指導計画を立案できる力量を

4 5/13 学校司書の仕事 学校図書館の実務担当者の仕事はこれだ!

図書館サービ

スの現場を支える仕事の具体的なイメージを持とう

5 5/20 学校図書館のイメージ革新 学校図書館の古いイメージを打破しよう!

指導とサービ

スの中で利用者・管理者を味方に変えていく取り組み

6 5/27 蔵書構築 図書を選ぶプロになろう!

生徒本位の「面白い本」の基

準をめぐる攻防戦

7 6/3 選書基準 合意の文書化によって活動の根拠を確保しよう!

反動に

メゲずに生徒本位の蔵書構築を推進するために

8 6/10 図書の廃棄 図書の廃棄について関係者の合意を得よう!

生徒・教

員・保護者・ボランティア等とのコミュニケーションを

9 6/17 投書箱 生徒との直接対話で味方を増やそう!

コミュニケーショ

ン活動によって司書のキャラを立てる

10 6/24 レイアウトを変える 家具配置変更で手軽に図書館改造!

固定観念を捨てて創

意工夫すれば見違えるほど素敵に変身

11 7/1 栞(ブックマーク) 小さなメディアの意外に大きな効果

広報・利用促進・利

用者教育のためのワンポイント情報提供

12 7/8 資料の組織化 分類と目録の整備で蔵書活用を支援しよう!

資料を利用

しやすいように探す仕組みを作る司書教諭の役割

13 7/15 図書館利用教育 第一印象で生徒の心をつかむ

図書館オリエンテーション

から情報の探索・整理・表現の総合的な指導まで

14 7/22 学習成果の総まとめ 学校図書館の経営プロになるためのイメージトレーニング

学校組織の壁を打破する実践的知性を磨こう!

15 7/29 授業総括 授業は将来へのシミュレーション

仕事のイメージトレー

ニングの効果測定

(15)

付録3. 学習成果自己評価

図1.学習成果自己評価

Q1.自分の成長度を5点満点で評価すると何点ですか Q3.この科目のテーマについての知識と技能は全般に向上しましたか Q4.意欲的かつ積極的に出席し授業参加できましたか Q5.授業中に集中して学べましたか Q6.復習の課題レポートに積極的に取り組みましたか Q7.復習の課題レポートに週60分以上をかけることができましたか Q8.級友に困っている人がいたとき自分から積極的に助けましたか? Q9.クラス全体の状況を見て授業進行に積極的に協力できましたか? Q10.授業中の討論を盛り上げる努力を積極的にしましたか Q11.発言・発表に積極的に取り組みましたか Q12.自ら主体的に学ぶ意欲が向上しましたか Q13.知識共有の協働意識が向上しましたか Q14.専門職のありかたについての認識が得られましたか Q15.情報リテラシー教育と図書館利用教育の重要性を理解しましたか Q16.新しい知識や技術あるいは理論や考え方を習得できましたか Q17.問題意識や関心が深まりましたか Q18.授業外の自分の学習・研究に役立てましたか Q19. 履修前に司書(司書教諭)になりたいと思っていましたか Q20. 履修後に司書(司書教諭)になりたいと思うようになりましたか Q21. この科目を履修して良かったと思いますか

10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0%

0 1 4 13

1

8

0 1 11 14

0 4 11 11

0 3 23

0 2 1 4 19

0 2 24

0 4 12 10

0 8 8 10

01 8 5 12

0 1 7 6 12

0 1 7 18

0 2 6 18

0 6 20

0 2 24

0 9 17

0 5 21

0 2 1 8 15

0 4 2 9 11

01 5 20

0 2 24

2 3 4 5

(16)

表3.学習成果自己評価

1 2 3 4 5 合計 平均

Q 1.自分の成長度を5点満点で評価すると何点ですか 0 1 4 13 8 26 4.08

Q 3.この科目のテーマについての知識と技能は全般に

向上しましたか 0 0 1 11 14 26 4.50

Q 4.意欲的かつ積極的に出席し授業参加できましたか 0 0 4 11 11 26 4.27

Q 5.授業中に集中して学べましたか 0 0 0 3 23 26 4.88

Q 6.復習の課題レポートに積極的に取り組みましたか 0 2 1 4 19 26 4.54

Q 7.復習の課題レポートに週60分以上をかけることが

できましたか 0 0 0 2 24 26 4.92

Q 8.級友に困っている人がいたとき自分から積極的に

助けましたか? 0 0 4 12 10 26 4.23

Q 9.クラス全体の状況を見て授業進行に積極的に協力

できましたか? 0 0 8 8 10 26 4.08

Q10.授業中の討論を盛り上げる努力を積極的にしまし

たか 0 1 8 5 12 26 4.08

Q11.発言・発表に積極的に取り組みましたか 0 1 7 6 12 26 4.12

Q12.自ら主体的に学ぶ意欲が向上しましたか 0 0 1 7 18 26 4.65

Q13.知識共有の協働意識が向上しましたか 0 0 2 6 18 26 4.62

Q14.専門職のありかたについての認識が得られました

0 0 0 6 20 26 4.77

Q15.情報リテラシー教育と図書館利用教育の重要性を

理解しましたか 0 0 0 2 24 26 4.92

Q16.新しい知識や技術あるいは理論や考え方を習得で

きましたか 0 0 0 9 17 26 4.65

Q17.問題意識や関心が深まりましたか 0 0 0 5 21 26 4.81

Q18.授業外の自分の学習・研究に役立てましたか 0 2 1 8 15 26 4.38

Q19.履修前に司書(司書教諭)になりたいと思ってい

ましたか 0 4 2 9 11 26 4.04

Q20.履修後に司書(司書教諭)になりたいと思うよう

になりましたか 0 1 0 5 20 26 4.69

Q21.この科目を履修して良かったと思いますか 0 0 0 2 24 26 4.92

(17)

付録4.授業評価

図2.授業評価

表4.授業評価

1 2 3 4 5 合計 平均

Q 1.授業の評価を10点満点で採点すると何点ですか 0 0 0 14 12 26 4.46

Q 2.ねらいあるいは学習目標は明確でしたか 0 0 0 6 20 26 4.77

Q 3.教育内容や教材は理解できる内容でしたか 0 0 0 9 17 26 4.65

Q 4.シラバスやオリエンテーションで示された内容と

一致していましたか 0 0 0 8 18 26 4.69

Q 5.シラバスの記述は履修や授業を受ける上で役立ち

ましたか 0 0 2 5 19 26 4.65

Q 6.教員の話し方や声の大きさ、説明の仕方は分かり

やすかったですか 0 0 0 12 14 26 4.54

Q 7.教材(教科書、プリント、スライド、ビデオなど)

は理解に役立ちましたか 0 0 1 5 20 26 4.73

Q 8.教員の熱意は十分だと感じましたか 0 0 0 1 25 26 4.96

Q 9.教員の準備は十分だと感じましたか 0 0 0 3 23 26 4.88

Q10.質問や発言に丁寧に対応していましたか 0 0 2 8 16 26 4.54

Q11.シラバスや授業で示した成績評価の方法は適切かつ

十分だと思いましたか 0 0 0 10 16 26 4.62

Q12.新しい知識や技術、あるいは理論や考え方の習得に

役立ちましたか 0 0 1 4 21 26 4.77

Q13.問題意識や関心が深まるよう配慮していましたか 0 0 2 3 21 26 4.73

Q14.意欲的かつ積極的に参加するよう促していましたか 0 0 0 4 22 26 4.85

Q1.授業の評価を5点満点で採点すると何点ですか Q2.ねらいあるいは学習目標は明確でしたか Q3.教育内容や教材は理解できる内容でしたか Q4.シラバスやオリエンテーションで示された内容と一致していましたか Q5.シラバスの記述は履修や授業を受ける上で役立ちましたか Q6.教員の話し方や声の大きさ、説明の仕方は分かりやすかったですか Q7.教材(教科書、プリント、スライド、ビデオなど)は理解に役立ちましたか Q8.教員の熱意は十分だと感じましたか Q9.教員の準備は十分だと感じましたか Q10.質問や発言に丁寧に対応していましたか Q11.シラバスや授業で示した成績評価の方法は適切かつ十分だと思いましたか Q12.新しい知識や技術、あるいは理論や考え方の習得に役立ちましたか Q13.問題意識や関心が深まるよう配慮していましたか Q14.意欲的かつ積極的に参加するよう促していましたか

10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0%

0 14

1

12

0 6 20

0 9 17

0 8 18

0 2 5 19

0 12 14

01 5 20

0 1 25

0 3 23

0 2 8 16

0 10 16

01 5 21

02 3 21

0 4 22

2 3 4 5

(18)

2013年度春学期

Q 1.自分の成長度を5点満点で評価すると何点 Q 2.その理由をひと言で表現するとですか

5点●他者と学びあう中で自らを向上していけた。

●図書館に対する情熱が強くなった。

●自分自身のスキルアップ

●司書教諭の役割を理解することができた。

●今まで意識しなかったことを意識し始めた。

●知識0からの学びだったため。

●プレゼンテーション能力の向上

●毎回の討論により、コミュニケーション能力が身に つき、以前よりも積極的になったため。

4点

●現場と理論から学べたが、より深めたいため。

●ワード能力の向上や図書館利用の知識などの習得の ほかに、いわゆるコミュニケーション能力やプレゼン 力の向上も見受けられた。加えて、意識の変化(物事 を見る時など複眼的な視点で見れるなど)も感じるこ とができた。

●発表の回数をもう少し増やすべきであった

●レポートはできたが、発言ができなかった。

●積極的に取り組めたが、気配りが足りなかった。

●もっと積極的に発言するべきだったから

●復習レポートが一枚、提出が遅れたため。

●ミニレポートの提出遅れたことが2回あったことが 悔しいから−1点。

●見出しが持つ効果大切さを知ることができた

●知識だけでなく、コミュニケーション能力なども身 についたから。

●情報活用能力・図書館活用能力向上、積極性が不足。

●情報活用能力は上がったが、自ら進んで発言という のがあまりできなかった。

●積極的な志向がついてきたから。 3点

●目的意識を持って取り組めたから

●最後まで課題にとても時間がかかってしまい進める のが難しかった。

●周りについて行けていない自分がいたから。

●成長を実感できたが、まだ改善の余地がある 2点

●資質・能力よりも考えるきっかけをたくさんもらっ た実感があるため。

Q22.この授業を受けて自分が大きく成長した点 5点

●この授業を受けて、わたしは与えられた枠の中で表 現する力の大切さに気が付いた。その一つが、文章力。 与えられた文字制限の中で、言葉を選びながら表現す ることの大切さを学んだ。もう一つは、トーク力。与 えられた時間の中で自分の伝えたいことを端的に話す ことの大切さを学んだ。ともに学んだ仲間、ご指導し ていただいた仁上先生に感謝したい。

●大きく成長した点は、図書館に対する意識向上とア イデア力である。学校図書館が学校教育にとって重要 な役割を担っていることがわかり司書教諭の力量が試 されていると気付いた。これまでのイメージを一新す るような新しい図書館経営をしていくアイデア力は、 仲間と先生に恵まれたこそ身に付いた。発想力豊かな 人の中で私自身も今までとは違う視点で考えられるよ うになった。これはこの科目以外でも役に立っている。

●この授業を受講して成長した点は2点ある。第一に、 レポート作成能力の向上である。以前受講した「情報 メディアの活用」では自分のメディアを見る目を成長 させることができたが、レポートや論文の作成時に必 須の書誌データについては自分の認識を正確なものに できなかった。この授業を通して書誌データの書き方、 文献の引用の仕方をはじめ、レポートを作成するため の多くのスキルを身につけることができた。第二に、 図書館のイメージの革新である。受講前の私は図書館 に対して「静かにするところ」や「勉強するところ」 などステレオタイプにどっぷりはまった見方をしてい た。しかし、受講後、図書館は楽しいからくる場所で あるという認識に変わり紋切り型の図書館を改造して いきたいという意欲がわくようになった。

●成長した点としては、コミュニケーション能力であ る。毎回授業のレポートをテーマにして、全く知らな い人とレポートを見せ合いながら討論することによっ てコミュニケーション能力を向上させることができた。 また考えながら説明することで、説得力を身に付ける こともできた。また、たくさんの人との意見の交流が できるため、自分の思いつきもしなかった意見や考え 方を聞くことができ、自分の成長にもつながった。

●私は本が苦手であった。嫌いではないが、進んで読 むことは少なかった。しかし、この授業を通し、司書 教諭の働きを理解するとともに、本を手に取り、本を 読んでいる私がいた。本に、図書に、司書教諭に対し ての意識の変化が私が大きく成長した点である。

●成長した点は教育現場における図書館の重要性を理 解したことだと思う。この授業を受けずに今までの静 かに、本を読むだけの図書館として教育現場に行って いたらと思うとこの授業を受けておいてよかったと心 から思う。

付録5. 授業アンケート記述

* 回答は姓名明記で全員必須。内容的重複分を削除して抜粋。文章は誤記・誤表現を含めて提出原稿のママ。最 初の回答は20字以内、最後の回答は100字から200字程度と指示。評価点別に分類。

1.1.学習成果自己評価  ***************

(19)

●今まで図書館に対して持っていた古典的なイメージ が変わり、そしてより効率的な使い方などの基礎知識 から、先進的な実践まで様々に触れる事で図書館に対 しての見方・使い方が変わった。他者に自分の考えを より簡潔にわかりやすく伝えることを気をつけるよう になり、プレゼンテーション能力が向上した。

●私はこの授業を受けて、コミュニケーション能力が とても身についた。以前は恥ずかしく、自分からグル ープ討論で話を進めることはできなかったが、討論の 進行やまとめをすることができるようになった。そし て、学校図書館について学んだことで、レイアウトが とても重要であることを知り、今までは何気なく、大 学の図書館や本屋に行っていたが今では、注目されて いる本がどのように置かれているのかなどを見るよう になった。このように今までは関心がなく注目してい なかった点にも目を配ることができるようになった。 そして、毎回のレポートの見出し・副見出しを考えた ことで、相手に自分の伝えたいことを短くまとめる練 習をしたため、言いたいことを短くまとめる力が身に ついた。このようにこの授業を履修したことで以前の 私よりもたくさんの面で成長した。

4点

●1点目に経営側の視点に立てるようになったことで ある。今までは利用者側の視線から図書館利用を考え てきたが、本授業で司書教諭の具体的な任務について 学ぶことで、得た知識をどう活用し、還元していくか を考えられるようになった。2点目にプレゼンテーシ ョン能力の向上である。復習レポートやグループ討論 などの実践を繰り返す中で、簡潔に要点をまとめる力 や発表方法を定着させることができた。観衆の意識や 視点に合わせた臨機応変な発表を行うことができるよ うになった。

●図書館にいって読書をするのはずっと好きだった。 しかし、ただそこには目的の本が置いてあるだけで、 ほかに何にも価値を見出すことができなかった。しな かった。この授業を受けて、その自分の意識は抜本的 に改革された。図書館はもっとクリエイティブに自分 たちに働きかけていたし、自分たちも働きかけるべき であった。それに気づかせてくれたこの授業に感謝す べきであるし、先生にも感謝したい。ありがとうござ いました。

●この科目履修を通して、司書としての仕事や役割、 広報活動や情報提供による生徒や教員への働きかけな どたくさんのことを学んだ。またレポート作成におい ても最初の頃に比べれば、少しはまともな文章がかけ るようになったのではないかと思う。卒業論文や他の 授業のレポート作成時にこの授業で学習したことを活 かしていきたい。

●学校図書館に対する考え方が受講前と変わった。そ れは、実際に学校図書館で行われている様々な実践を 知ったりビデオ教材を見たりする中で学んだこともあ ったが、一番に私が影響されたことは、仲間との討論 である。学校図書館について、既成のイメージである 堅いイメージを持っている者もいれば、柔軟な考え方 を持っている者、独自の視点で学校図書館をとらえて いる者もいた。私は、柔軟な考えを持っている方だと

思っていたが、周りには自分には考えもつかないよう なアイディアを持っている者が多くいることを知り、 学校図書館をよくしていくためには、周りの人間と協 力し合うことが大切であると感じられるようになった ことが自分が成長した点である。

●成長した点を三つ挙げる。一つ目は、法令や論文に 基づいて、学校図書館や司書教諭についての自分の考 えをもつことができるようになったことである。二つ 目は、堂々とわかりやすく意見を述べたり、発表した りすることができるようになったことである。とくに、 教育実習の代替レポートの発表では、時間内にわかり やすく発表することができた。三つ目は、自分の意見 を裏付ける論文の検索をすることができるようになっ たことである。

●コミュニケーション能力・情報活用能力・プレゼン テーション能力の3つが成長できた点だ。特にプレゼ ンテーション能力は、教壇に立って発言する機会を得 ることはできませんでしたが、討論では簡潔、かつ分 かりやすく伝えることを意識した。この授業ではプレ ゼンテーションや討論を行うことで、レポートを書く 目的意識が明確になったと思う。ただ書いて提出する だけのレポートから、考えて伝えたいと思えるレポー トへとステップアップすることが出来た。

●この授業を受講し、司書教諭に必要な基礎知識や専 門知識を知ることができました。またそのことで、司 書教諭を目指す強い心構えを持つことができました。 さらに、授業後の課題として、NDCを使ったり、し おりを作ることで、意識の面だけでなく、実践的な活 動を通し、より司書教諭の仕事を知ることができたと 思います。

●図書館のイメージが大きく変わったこと、もっと柔 軟化された図書館運営があってよいと知れたことが一 番の自分の成長である。私は私の経験でしか図書館の ことを語れなかった(3kなど)が、今は図書館運営 の知識とたくさんのアイディアを持っていて、理想の 図書館の実現について説得力を持って語ることだって できる。●この授業を受けて自分が成長した点は、見出しの付 け方である。授業の前半は見出しの付け方がありきた りで読み手のことを考えていなかった。しかし、見出 しを工夫することで読み手が興味・関心を持つことに 気付いた。そこから見出しをつける時も読み手のこと を意識して付けるようになった。

●司書教諭には情報活用能力とコミュニケーション能 力が必要だということを学んだ。情報活用能力という 面ではまだまだ足りない部分が多いが、コミュニケー ション能力は以前より上がったといえる。また、グル ープ討論で自分にはなかった考えなども聞くことがで き、知識の幅が広がったと思う。

●この科目を履修し、大きく分けて図書館活用能力と、 レポート作成の能力の二点が成長できたと感じる。図 書館活用能力については、履修前はOPACさえも使 いこなせず、参考図書も地下の論文も触ったことさえ なかったのだ。図書館を活用できないなどというのは 司書教諭失格である。そのため活用方法を知り、実際 に使うことができてよかった。次に、レポート作成の 能力についてこちらも今までの私は見出しや題名の工

参照

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