2016年度 基礎ゼミナール
マンキュー入門経済学 第 1 部イントロダクション
第 2 章「経済学者らしく考える」
1. 第2章では何を議論しているか?それを議論する目的は何だろうか? 1. 科学者としての経済学者 (p.34~)
2. 「科学的方法」とは何か? A. 「社会科学」とは何か?
3. 「理論と観察」という意味で、自然科学(物理学など)と経済学の共通点は何か?
B. <考察>「地球温暖化の原因は何だろうか?根拠とともに書きなさい」という問題があっ たら、あなたはどのようなアプローチで解法を考えますか?
C. <考察>「もし消費税率を 8%から 20%に上げたら税収は増えるだろうか?根拠とともに 書きなさい」という問題があったら、あなたはどのようなアプローチで解法を考えますか? 4. <考察>そもそも「理論」とは何だろうか?
5. 理論における「仮定」は何のために置くのだろうか?
D. ビー玉の落下時間を考えるときに物理学者は何を仮定するか?
E. 「貨幣の流通量を増やすと短期的には経済(GDP)にどのような影響があるだろうか?」 を論じるときに経済学者は何を仮定するか?
6. 経済理論(モデル)とは何か?
F. <考察>なぜ経済学では「モデル」を使うのだろうか? 7. 第1モデル「フロー循環図」とは何を示したものか? 8. 「家計」と「企業」の定義はそれぞれ何か?
9. 「生産要素」とは何か? 10. 「資本」とは何か?
G. <考察>この図の通り、家計は「資本」を企業に提供しているのだろうか? 11. 「財サービス市場」「生産要素市場」とは何か?
12. 家計は財サービス市場と生産要素市場において、売り手・買い手のどちらか? 13. この理論(モデル)には単純化のための仮定が置かれている。それは何だろうか?
2016年度 基礎ゼミナール
14. 第2モデル「生産可能性フロンティア」とは何を示したものか? 15. 図2-2の点Dは何故実現不可能なのか?
16. 「効率的」な状態と「非効率的」な状態はどこで表されているか? 17. 「トレードオフ」との関係は何だろうか?
18. 「機会費用」との関係は何だろうか?
19. 生産可能性フロンティアの「接線の傾き」は何を示しているだろうか? 20. どういうときに生産可能性フロンティアはシフトするだろうか? 21. 「ミクロ経済学」とは何か?
22. 「マクロ経済学」とは何か?
2. 政策アドバイザーとしての経済学者 (p.46~)
23. 経済学者の2つの仕事とは何か?
H. ポリーとノーマはそれぞれどの立場から話しているか? 24. 「実証的な主張」と「規範的な主張」とはそれぞれ何か?
I.<考察>以下の意見(ア)~(エ)は、どちらのタイプの主張だろうか?それぞれ判定してみよう (ア)「政府は所得格差が無い世の中を実現するべきだ」
(イ)「累進的な所得税は世帯間の所得格差を軽減する働きがある」 (ウ)「消費税を8%に上げると家計の消費額は減少するだろう」
(エ)「高齢者への年金よりも子育て世代への給付を充実させた方がよい」
25. 実証的主張と規範的主張の根本的な違いは何か?
J.<考察>「価値判断」を含む問題を1つ挙げてみよう。
26. <考察>ミクロ経済学とマクロ経済学は「実証的な分析」と「規範的な分析」のどちらを行う だろうか?
27. トルーマンのブレーンであった経済学者たちは、何故アドバイスを求められたときに「これを すれば絶対に良い」ではなく「一方では~~だが、他方では~~となる」という歯切れの悪い どっち付かずの意見ばかり答えていたのだろうか?
28. 経済学者のアドバイスが必ずしも聞き入れられないのは何故か?
2016年度 基礎ゼミナール
3. なぜ経済学者の意見は一致しないのか (p.52~)
29. 経済学者の意見が一致しない理由として2つの可能性がある。それらは何か?
K.<考察>「高校までと違い大学は答えのない問題を考える場所だ」というフレーズを今まで 聞いたことがあるだろう。しかし「答えのない問題」には、いくつかのパターンがある。以下 は具体例だが、それぞれどのようなパターンだと言えるだろうか?
(ア)「数学のリーマン予想:ゼータ関数のゼロ点は実部が1/2の数直線上に分布する」 (イ)「経営学のケーススタディ:どうしてアップル社は成功したのか?」
(ウ)「政治哲学の正義論の1つ:飢えている人に魚をあげるのが正しいのか?それとも魚の釣 り方を教えるのが正しいのか?」
30. <考察>しかし一方で、「家賃規制」や「貿易障壁」には反対ということで、経済学者の意見は ほとんど共通している。これは何故だろうか?
補論:因果関係と相関関係 (p.73~)
31. 「因果関係」とは何か? 32. 「相関関係」とは何か?
33. どうして相関関係が因果関係を示すとは限らないのか?代表的な理由を2つ挙げよう。 34. なぜ「ライターの数が増える→ガンの危険が高まる」という因果関係が存在しないのに、グラ
フで相関関係が発生したのか?
35. なぜ「警察官の数が増える→暴力的犯罪が増える」という因果関係が存在しないのに、グラフ で相関関係が発生したのか?
36. <考察>あなたは次の意見に賛成しますか?反対する場合、理由を考えて下さい。
Aさん「ある中学校でアンケートをしたところ、朝ごはんを毎日食べている生徒ほど試験の学 年順位が高いという傾向が見られた。つまり朝ごはんが脳を活性化させ試験の成績の上昇に繋 がると考えられるので、親御さんは子どもにしっかり朝ごはんを食べさせましょう。」 Bさん「コンピューターゲームで長時間遊ぶ子どもほど他人とのコミュニケーションが苦手で あるという傾向が見られた。つまり現実世界を離れてゲームという仮想空間に浸ることで人間 関係を上手く築けなくなると考えられるので、親は子どもにコンピューターゲームを与えない ほうが良い。」
2016年度 基礎ゼミナール
以上、マンキュー第2章について概観してきた。ここからは、それを踏まえて「経済学」という 学問を一緒に掘り下げていこう。(以下はテキストには無いオリジナルのトピック)
4. なぜミクロ・マクロ経済学を学ぶ必要があるのか?
37. <考察>「経済学」の究極的な目的を考えてみよう。
38. <考察>その目的を果たすためには何が必要だろうか?
L. <考察>医療の目的、医者が決めなければならないこと、医者が知らなければならないこと との関連を考えよう。
M. <考察>選挙における投票の目的、そのとき有権者が決めなければならないこと、有権者 が知らなければならないこととの関連を考えよう。
N. <考察>医者がマクロ解剖学とミクロ解剖学を知らないとしたらどうなるか?政策決定者 や一般国民が経済学を知らないとしたらどうなるだろうか?
O. <考察>もしあなたがこれから十分に経済学を勉強すれば、以下の主張のどこがおかしい か、何の視点が欠けているのかがすぐに分かるようになるはずである。
Aさん「世の中はどんどん技術進歩が進んでいる。今後はロボット化や自動化がますま す進んで労働が機械に取って代わられて、将来的には人間は不要になり働かなくて良 くなるだろう。」
Bさん「もし外国から移民が日本に大量に流入してきたら、労働市場では日本人の雇用 が脅かされて失業率が増えるだろう。」
Cさん「あるスーパーでは深夜の閉店間際になると商品が半額に値下げされるが、それ でも売れ残っているものが存在する。売れ残りは全て廃棄されるならば、半額にして売 れ残るより 9 割引にしてでも売った方がスーパーは利益が上がるのでは無いだろう か?スーパーはそんな単純なことに気づかないのか?」
次回予告(5 月 10 日、第 3 章 pp.78-100)
「第5原理:交易(取引)はすべての人々をより豊かにする」について詳しく掘り下げる。