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更新日: 2017年5月8日(Ver.1.4)
中級ミクロ経済学 問題集
1. 数学的準備
序文
このドキュメントは、中級ミクロ経済学受講者の円滑な学習を目的に作成された、数学的知識・ 手法に関する問題集である。学生が段階的に取り組めるように、経済学を学ぼうとする大学生であ れば解けて欲しいレベルの問題から、本講義の単位修得を目指す学生が解くべきレベルの問題、本 講義では必要とされないハイレベルの問題まで様々なものを用意した。中には一見簡単そうに見え るが意外に出来ない問題や、経済学への応用を意識した数学の問題などが待ち構えている。全て解 く必要は皆無なので、初回講義で配付した数学のプリントも参考にしつつ、自分のレベルに合った 問題や興味を引いた問題を選んで取り組んで欲しい。
話は変わるが、ミクロ経済学の理論はRPG の中の武器のようなものである。あなたが現実の経 済問題に興味を持ち、その問題を自分で解き明かしたいといくら願っても、その難敵を斬るに相応 しいレベルの武器を持ちあわせていなければその願いは到底叶わない。現実の経済問題を分析する のを後回しにしてでも、まずは武器であるミクロ経済学の理論を修得する必要がある。理論の現実 への応用を学ぶのはそれが終わってからで十分に間に合う。
しかしミクロ経済学は強力であるがゆえに重い武器であり、上手く操るにはそれなりの力を必要 とする。もちろん力と言っても腕力のことではなく、数学力のことを指す。ミクロ経済学という武 器は厄介なことに、数学力の無い者を使い手として選んではくれない。ミクロ経済学を理解したけ れば、遠回りでもまずは数学から習得する必要がある。
このように書くと経済学を学ぶというのは非常に長い道のりのように思えるが、実際その通りで ある。書店に行くと「大学の経済学が短時間で学べる」とかいう本が目につくが、そういうタイト ルを鵜呑みにしてはいけない。経済学は時間がかかる学問である。日本中のどの大学の経済学部で も大学4年間を費やして学ぶのだから当然のことだ。
果たして経済学が大学生活を費やして学ぶほど価値があるかどうか、それは完全にあなた次第だ。 しかし確実に言えることとしては、経済学を学ぶと一度決めたら、まずは数学の学習に時間を惜し まず投入するのが良いだろうということである。受講生の合理的な意思決定に期待する。
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目次
1.A 論理と命題(クリティカル・シンキング)
1.B 集合
1.C 数式の計算とグラフの描写
1.D 微分
1.E 制約付き最大化問題
1.F 凹関数と凸関数
難易度の目安
各問題のタイトルに付いているアスタリスクの数は、その問題の難易度を示しています。 (*)…中級ミクロ経済学を履修登録するならば最低限解けて欲しいレベル
(**)…中級ミクロ経済学の単位取得を目指す学生が解くべきレベル
(***)…中級ミクロ経済学で秀を狙う学生は必ず挑戦しなくてはならないレベル
※問題に不備を発見した場合は速やかに教員まで連絡を下さい。
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1.A 論理と命題(クリティカル・シンキング)
問題 1.A.1 論理と命題 1*
「明日晴れたらピクニックに行こうね」と父親が娘に約束した。この文章は、
「『明日の天気が晴れ』ならば『ピクニックに行く』」
という論理命題であると考えることができる。次の日、以下の(a)~(d)のうちどのような事実が発生 すれば、その父親の約束は嘘だった(つまり「『明日の天気が晴れ』ならば『ピクニックに行く』」 は偽(False)だった)と結論付けられるだろうか?全て選びなさい。
(a) 晴れたのでピクニックに行った。 (b) 晴れたがピクニックに行かなかった。 (c) 雨が降ったのでピクニックに行かなかった。 (d) 雨が降ったがピクニックに行った。
問題 1.A.2 論理と命題 2*
「もしも明日返却の期末テストが80 点未満だったら、お小遣い減らすからね」と母親が娘に言っ た。この文章は「『期末テストが 80 点未満』ならば『お小遣いを減らす』」という論理命題である と考えることができる。次の日、どのような事案が発生すれば、母親が述べたことは嘘だったと結 論付けられるだろうか?考えて答えよ。
問題 1.A.3 論理と命題 3*
「日本に生息するカラスは全て黒い色をしている」という仮説があるとする。どのような観察結果 があればこの仮説の真偽を証明したと言えるだろうか?以下の(a)~(d)のうちから全て選びなさい。 (a) 日本で黒いカラスを一匹発見した。
(b) 日本上のカラスを全部調べたところ、全て黒い色をしていた。 (c) 日本で白いカラスを一匹発見した。
(d) アメリカに生息するカラスを全部調べたところ、全て黒い色をしていた。
問題 1.A.4 論理と命題 4*
ある千葉大学法政経学部の学生Aが「今まで経済コースの講義を沢山取ったけど、ほぼ単位を取得 できなかったし、経済コースの授業は難しいね。」と発言したとする。この発言の最後の節は「『経 済コースの科目』ならば『難しい講義である』」という論理命題であると考えることができる。 さて、この学生Aに対して「いやいや、法学コースの講義だって難しいよ」と誰かが言ったとする。 これは、この学生Aの発言の真偽を証明するものだろうか?判定しなさい。
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問題 1.A.5 必要条件と十分条件 1*
「Qが成立するためには、少なくともPが成立する必要がある」とき、PをQのための必要条件 という。また、「Qが成立するためには、Pが成立してればそれだけで十分である」とき、PをQの ための十分条件という。もしPがQのための必要条件かつ十分条件であるときはPをQのための 必要十分条件という。
さて、刑事ドラマを見ると、たいていの事件の容疑者は「犯行時刻のアリバイが無い」「犯行動機が ある」「現場近くで目撃されていた」などという理由でまず疑いをかけられている。そこから取り調 べで信憑性のある自白を引き出したり、言い逃れの出来ない決定的な物的証拠を発見したりするこ とで、ようやく容疑者が犯人であることが(ほぼ)確定する。
ここでAさんがある強盗事件(何者かが真夜中に宝石店に忍び込んで金品を盗んだ)の容疑をかけ られているとしよう。このとき以下の(a)~(d)の記述について、正しいか誤っているか判定しなさ い。(簡単化のために、この強盗事件は共犯でなく単独による犯行であると仮定する)
(a) 「Aさんは犯行時刻のアリバイが無い」ことは「Aさんが犯人である」ための必要条件である。 (b) 「Aさんには犯行動機がある」ことは「Aさんが犯人である」ための十分条件である。 (c) 「Aさんの指紋が店のドアノブに付着していた」ことは「Aさんが犯人である」ための必要十
分条件である。
(d) 「A さんが『アリバイが無い』『犯行動機がある』『現場近くで目撃されていた』」ことは、「A さんが犯人である」ための十分条件である。
問題 1.A.6 必要条件と十分条件 2*
Sさんが「千葉大学法政経学部の学生である」かどうかを確かめたい。次の(a)~(d)の各情報は、そ のための(1)必要条件、(2)十分条件、(3)必要十分条件、(4)必要条件でも十分条件でもない、のうち どれなのか分類せよ。なお、Sさんと同姓同名の千葉大生はいないと仮定する。
(a) 千葉大学法政経学部の学生一覧のリストの中にSさんの名前があった。 (b) Sさんは中級ミクロ経済学を受講している。
(c) Sさんは千葉大学の学生証(Sさんの名前入り)を持っている。 (d) Sさんは千葉大学法政経学部経済コースに所属する学生である。
問題 1.A.7 必要条件と十分条件 3: 消費者理論への応用**
入門基礎ミクロ経済学で学習したように、ギッフェン財とは下級財の一種(所得効果が代替効果を 上回るケースの下級財)である。以下の(a)~(d)の文章が正しいかどうか、1つずつ判定しなさい。 (a) 「ある財が下級財である」ことは「その財がギッフェン財」であることの必要条件である。 (b) 「ある財が下級財である」ことは「その財がギッフェン財」であることの十分条件である。 (c) 「ある財がギッフェン財である」ことは「その財が下級財」であることの必要条件である。 (d) 「ある財がギッフェン財である」ことは「その財が下級財」であることの十分条件である。
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問題 1.A.8 論証型反論と主張型反論: 基礎 1*
「Pという事実からQと言える」という主張をAさんがしているとしよう。これに対して「Pから 直ちに Qとは言えない」のように Aさんの主張の論理の不成立を指摘することを論証型反論とい う。同様に、「PならばQである」に対して「そもそもPは成立していない」と言うのも論証型反 論の例である。それらとは別に「Pという事実からZとも言える」や「RならばQである」のよう に、一見Aさんの主張を否定しているように見えて、実は単に別の主張をしているだけに過ぎない 反論を主張型反論という。
さて、ここでAさんが次のような主張をしたとしよう。
Aさん「中級ミクロ経済学では数学的な議論を行なうけど、やっていることは微分を用いた最 大化ばかりだから、微分をしっかり理解しておけば中級ミクロの単位は絶対来るはずだよ。」 このAさんの主張に対して、Bさん、Cさん、Dさんが次のように意見した。
Bさん「ぼくは別に微分が出来なかったけど、去年中級ミクロの単位を取ったよ。別に単位を 取るだけなら微分は知らなくても良いんじゃないかな。」
Cさん「微分を理解して単位が来るのは中級ミクロだけじゃないよ。中級マクロとか他の経済 系科目だって最大化問題を扱うし。別に中級ミクロに限った話じゃないと思うな。」
Dさん「中級ミクロでは確かに微分は使うけど、用語の定義とか計算式とか、微分以外にも覚 えないといけないことが多いよ。微分を知っていても単位が来るとは限らないと思うけど。」 さて、上の3人の主張を、Aさんの主張に対する「論証型反論」と「主張型反論」に分類せよ。
問題 1.A.9 論証型反論と主張型反論: 基礎 2*
問題1.A.4の学生Aの発言「今まで経済コースの講義を沢山取ったけど、ほぼ単位を取得できなか ったし、経済コースの授業は難しいね。」に対して「法学コースの講義だって難しいよ」と反論する のは論証型反論だろうか?それとも主張型反論だろうか?判定しなさい。
問題 1.A.10 論証型反論: 相関関係と因果関係**
(a) 以下の主張に対する論証型反論を試みよ。
「統計によればライターを所持している人ほどガンになる確率が高い。この事実から、ライタ ーを所持するとガンになる可能性が高くなることが分かる。よってライターは規制すべきだ。」 (b) ある教員が以下のように主張したとする。これは一見もっともらしい主張のように見えるが、
実は妥当性に欠ける主張である。この主張に対する論証型反論を試みよ。
「去年の講義では、宿題の提出回数が多い学生ほど期末試験の点数が高かった。この事実から、 宿題をやれば期末試験の点数が上昇することが分かる。宿題はしっかり取り組むように。」
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コラム:論証型反論と主張型反論について
日本のイルカ漁について、海外在住のAさんが2008年に以下のように主張したとする: Aさん「イルカは超音波で意思疎通をして集団行動をしたり、水族館でみるように学習能力も高く
人間と信頼関係を築くこともできたりする、非常に知能の高い高等生物である。イルカは痛みの意 識もあれば、家族や仲間と引き裂かれる苦しみもある、人間と何ら変わりのない動物だ。それなの に日本のある地域では、それまで平和に暮らしていたイルカの家族が追い込み漁によって無差別に 引き裂かれ、意識のある状態で長時間に渡って執拗に攻撃されながら殺され、海の入り江はイルカ の血で真っ赤に染まっている。食用の家畜である牛や豚ですら、動物愛護や倫理的観点から、彼ら が痛みを感じないよう電気ショック等で気絶した後に一瞬で殺されている。しかし日本の追い込み 漁にはそうした配慮が無く、極めて非人道的だ。こんな野蛮で残酷な漁は即刻止めるべきだ。」
これに対して日本在住のBさんが以下のように反論したとしよう:
Bさん「イルカ漁は一部の地域では伝統的な食文化であり、約400年の歴史があるのだから尊重
すべきだ。それにイルカ漁は科学的な資源量調査に基づき、枯渇しない範囲で捕獲を行なってい るのだから、イルカ漁をすることに問題は無いはずだ。」
しかしこれは「主張型反論」の典型的な例である。何故なら「イルカ漁は伝統文化だ」「資源上 問題の無い範囲だ」という主張は、「イルカのような高等生物に、意識のある状態で過度な苦しみを 与えるのは残酷だ」という A さんの主張とは全く無関係の内容だからである。これを聞くA さん は別に自説が否定された訳ではないので、そんな話を聞いても納得はしないだろう。このような調 子で、相手の意見に対して主張型反論をしても全く無意味である。本当に実のある議論がしたけれ ば、A さんの主張の論理的妥当性について「論証型反論」で真っ向から勝負しなければならない。
ここで大事なのは、論証型反論は「自分の立場を明確にはしない反論」であるということである。 賛成・反対、そのような立場を飛び越えて、あくまでも相手の根拠や論理だけを叩き「あなたの主 張は成立していませんよ」と指摘するのが論証型反論である。とは言え、「私の意見に反論してくる 人は、必ず私の反対の立場に違いない」とつい思い込んで感情的になるのが、多くの人の悪い癖で ある。(その思い込みが強すぎる人は、「自分の意見を否定されると、まるで自分自身の存在が否定 された」ように感じる。)しかし、あなたの意見への反論がもし論証型反論であるならば、そのよう な思い込みは捨てるべきである。
さて、本文はコラムの体裁を取っているので取り組まなくても構わないが「あなたが A さんの 意見に論証型反論をするとしたら、どのようなものがあるだろうか?」。もしそれが出来ないなら ば、Aさんの意見は論理的に崩す余地の無い、極めて確固とした主張であることになる。
参考図書
香西秀信「反論の技術―その意義と訓練方法」明治図書出版、1995年
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1.B 集合論
集合論の基礎の説明(知っている人は読み飛ばして構わない)
直感的に言うと「集合」とは「要素」の集まりである。例えば「千葉大生」という集合は、千葉 大に通う学生1人1人という要素の集まりである。あなたは千葉大生なので、千葉大生という集合 に「属している」ということになる。このとき、あなた ∈ 千葉大生と書く。∈は「属する」という 意味であり、� ∈ �と書けば「要素xは集合 Aに属する」という意味になる。逆に「属さない」と いう意味の記号もあり、それは∉で表される。例えばあなた ∉ ハーバード大生のように使う。
次に、2つの集合を考えよう。集合Aと集合Bである。ここで「ある要素�は集合Aにも属して おり、集合Bにも属しているとしよう」のように文章で書くと非常に長ったらしい。そこで「� ∈ � かつ� ∈ �」と書くことにすると見た目がかなりスッキリする。これが文章を使わずに数式で表現す ることのメリットである。記号の約束を一度覚えるだけで、その後の表記をずいぶん簡略化できる。 覚えるコストを出来るだけ最初に払うほど、その後の長い時間ずっと恩恵を受け続けられる。それ が数学である。話が逸れてしまったが、この�のように集合Aと集合Bの双方に属する要素たちか ら作られる集合を集合Aと集合Bの共通集合といい、これを�⋂�で表す。つまり「� ∈ �かつ� ∈ �」 は「� ∈ � ∩ �」と同じ意味である。
上の集合Aと集合Bは共通の要素yを持つ。このとき2つのパターンが考えられる。それを以 下のベン図を用いて考えよう。
左のケースは、集合Bの中のどんな要素を取ってきても、それも集合Aに属している場合である。 右のケースは、集合B の中の全ての要素が集合 A に属している訳ではないケースである。例えば 要素yは集合Aに属しているが、要素zは属していない。
図の左のケースのように、それぞれ違う集合である集合Aと集合Bについて、「集合Bのどんな 要素も集合Aに属している」とき、集合Bは集合Aに含まれるという。または集合Bは集合Aの 部分集合であるという。これを数式で� ⊂ �と書く。一方、右図には点zのように集合Aに含まれ ていない集合B の要素があるので、このときはB⊂ Aは成立していない。また当たり前だが「集合 Aのどんな要素も集合Aに属している」ので、A⊂ Aは常に成り立つことになる。つまり、ある集 合はその集合自身の部分集合である。
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問題 1.B.1 集合論の基礎*
各集合を右のように定義しよう。このとき、以下の問題に 答えよ。
(a) 千葉大学法政経学部に通う大学2年生のKさんは、集合A、B、Cに属しているだろうか?こ の学生を「K」という要素として、記号∈または∉を用いて表記せよ。
(b) 集合Aと集合Bにはどんな関係があるだろうか?「部分集合」という言葉を用いて説明せよ。 (c) 集合Cは集合Aや集合B の部分集合だろうか?理由を述べながら説明せよ。また、3つの集
合についてベン図も描くこと。
問題 1.B.2 リバイバル:必要条件と十分条件*
問題1.B.1の集合B「千葉大学法政経学部の学生」をここでも用いる。さて、ここで問題1.A.6の 内容について改めて考えるために、次の集合D~Gを考えよう。
集合D「千葉大学法政経学部の学生一覧のリストの中に名前がある学生」 集合E「中級ミクロ経済学を受講している学生」
集合F「千葉大学の学生証(本人のもの)を持っている学生」 集合G「千葉大学法政経学部経済コースに所属する学生」 このとき以下の問題に答えよ。
(a) 集合B、D、E、F、Gの関係をベン図で書き表しなさい。
(b) 以下の要素a~dがどの集合に属しているか、(a)のベン図の中に点として書き表しなさい。 a…中級ミクロ経済学を受講している千葉大学法政経学部法学コースの学生
b…中級ミクロ経済学を受講している千葉大学園芸学部の学生
c…中級ミクロ経済学を受講していない千葉大学法政経学部経済コースの学生 d…中級ミクロ経済学を受講していない千葉大学文学部の学生
(c) (a)で描いたベン図での集合Fと集合Bの関係を用いて、問題1.A.6の(c)の解答がそうなった 理由を説明することが出来る。簡単に論ぜよ。
(d) (a)で描いたベン図での集合Gと集合Bの関係を用いて、問題1.A.6の(d)の解答がそうなった 理由を説明することが出来る。簡単に論ぜよ。
(e) 「�∈ �」が「�∈ �」のための必要条件であるとき、集合Aと集合Bの包含関係はどうなって いるだろうか?以上の結果を用いて、ベン図を使いながら説明せよ。
(f) 「�∈ �」が「�∈ �」のための十分条件であるとき、集合Aと集合Bの包含関係はどうなって いるだろうか?ベン図を使いながら説明せよ。
(g) 「�∈ �」が「�∈ �」の必要十分条件であるとき、集合Aと集合Bの包含関係はどうなってい るだろうか?ベン図を使いながら説明せよ。
集合A…千葉大学の学生
集合B…千葉大学法政経学部の学生 集合C…現在3年生である大学生
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1.C 数式の計算とグラフの描写
問題 1.C.1 指数計算*
以下の数式を計算して、簡単な形にしなさい。
(a) �2×�3 (b) �−1×�3 (c) �2/�3 (d) (�2)4 (e) �23×�−16
問題 1.C.2 関数とグラフ 1*
縦軸にy、横軸にxを取った平面図(第1象限(� ≥ 0, � ≥ 0)だけで良い)に、以下の関数のグラ フを描き入れなさい。座標はできるだけ正確に書くように心がけること。
(a) y = 2� + 4 (b) � = 1/� (c) � = 2�2 (d) � = �1/2 (e) � = �/(3 − �)
問題 1.C.3 増加関数と減少関数*
問題1.C.2で描いたグラフ(a)~(e)が� > 0について増加関数なのか減少関数なのか判定しなさい。
(特に微分は用いず、概形だけから判断してよい。微分による判定は問題1.D.8で行う。)
問題 1.C.4 関数とグラフ 2*
以下の(a)~(c)について、条件を満たす関数� = �(�)の式を書くとともに、そのグラフを縦軸に y、 横軸にxを取った平面図に描きなさい。ただし描くのは第1象限(� ≥ 0, � ≥ 0)だけで良い。 (a) 点(�, �) = (2, 4)を通る、傾きが−3の直線
(b) 縦軸(y軸)の切片が12で、横軸(x軸)の切片が16の直線 (c) 頂点を(�, �) = (4, 8)とし、原点(0, 0)を通る上に凸の2次関数
問題 1.C.5 文章を数式とグラフにする 1*
球場に野球観戦に来ている A さんの財布には現在 3000 円が入っている。球場ではビール 1杯が 700円、ツマミが1皿600円で売られており、Aさんはビールをx杯、ツマミをy皿購入して消費 した(他の商品は購入していないと仮定しよう)。このとき以下の問題に答えよ。
(a) Aさんのビールとツマミに対する支出総額を数式で書き表しなさい。
(b) (a)で求めた支出総額は、少なくとも彼の所持金である3000円を上回ることは無い。その場合、 どのような条件式が成り立つだろうか?不等号(≤)を使って書き表しなさい。
(c) ビールを3杯飲んでツマミを2皿食べることは、彼の所持金から言って不可能であることを(b) で求めた関係式を用いて示しなさい。
(d) 縦軸にy、横軸にxを取った平面図を書き、彼の所持金内で買えるビールとツマミの個数の全 ての組合せを、平面上の点として書き入れなさい。ここではビールは1杯単位、ツマミは1皿 単位でしか購入・消費できないと仮定する。(0.5杯の消費のようなものは不可能とする)
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問題 1.C.6 文章を数式とグラフにする 2*
縦がxセンチメートル、横がyセンチメートルの長方形を考える(� = �なら正方形)。ただし�, � は実数値である。このとき、縦軸にy、横軸にxを取った平面図を考えて、以下の問題に答えよ。 (a) 長方形の面積がちょうど16cm2になるようなxとyの組合せは無数にある。そのようなxとy
の組合せを描いたグラフを平面図に描きなさい。(まず式を立てよう)
(b) 長方形の縦の長さxは、横の長さyの2倍でないといけないというルールを考えよう。このル ールを満たすxとyの組合せを描いたグラフを平面図に描きなさい。(まず式を立てよう) (c) 長方形の面積がちょうど16cm2になり、かつ(b)のルール「縦の長さが横の長さの2倍になる」
ようなxとyの組合せを答えなさい。
(d) (b)のルールに代えて、次のような新ルールを考えよう:「縦の長さと横の長さの合計は8cm以 下でなくてはならない」。この条件式を不等号(≤)を使って書き表しなさい。
(e) (d)の条件式を満たすxとyの組合せは、平面上のある領域で表される。それを図示せよ。 (f) (e)で描いた図に(a)のグラフを描き入れなさい。さて、長方形の面積がちょうど16cm2になり、
かつ(d)の新ルールを満たすxとyの組合せはどこだろうか?
問題 1.C.7 連立方程式*
以下の�, �に関する連立方程式を解きなさい。なお� > 0, � > 0とする。 (a) �2�� = 24� = 3� (b) ��1/3= 2�2/3
� + 2� = 10 (c) ��� = 8�� = 16�2+ 1/2
問題 1.C.8 内分する点 1*
(a) xy平面上の座標(�, �) = (2,3)を点A、(�, �) = (4,6)を点Bとする。この点Aと点Bを結んだ 線分上の、ちょうど真ん中に位置する点の座標を答えよ。
(b) (a)で考えた点Aと点Bの間の線分をP:Qの比率で内分する点Cの座標を、PとQの両方を 用いて答えよ(線分ACの長さ:線分CBの長さ=P:Qである)。PとQは正の数とする。(ヒ ント:例えば2:3の比率で内分することは、0.4:0.6の比率で内分することと同値である。絵を 描いて考えてみよう)
(c) 点Aと点Bの間の線分上にある任意の点の座標を、点Aと点Bの座標の数値および0 < t < 1 という定数tだけを使って表しなさい。
問題 1.C.9 内分する点 2**
(a) 2つの正の実数�1と�2を考える(�2>�1> 0)。以下の(A)~(D)の値は、�1と�2の間に「常にあ る」「常にない」「あるときもないときもある」のどれか、それぞれ判定しなさい。
(A) 0.5�1+ 0.5�2 (B) 0.25�1− 0.5�2 (C) −�1+ 2�2 (D) 0.7�1+ 0.2�2
(b) (a)の(A)~(D)の数は全て��1+��2という形をしている。��1+��2の値が�1と�2の間に「常に」 存在するためには、定数�, �はどのような条件を満たす必要があるだろうか?
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1.D 微分
問題 1.D.1 平均増加率*
関数� = �(�)を考える。xの値がhだけ増えた(つまりxからx+hにな った)ときに、yの値がgだけ増えたならば、その比率である�/ℎはyの 平均増加率を表す。つまり、xが1増えるごとにyの値が平均的にいく ら増えたと考えられるのか、という値になる。ここでは具体的に、関数
� = �2を考えよう。さて、ここで以下の問題に答えよ。
(a) �の値が� = 1から� = 2に増えたとしよう。このとき�の値はいくら 増えるか?�(2) − �(1)を計算することで求めよ。
(b) �の値が� = 1から� = 1.5に増えたとしよう。このとき�の値はいく ら増えるか?�(1.5) − �(1)を計算することで求めよ。
(c) �の値が0.5だけ増えたことで�(1.5) − �(1)だけ�が増えた。この値 を0.5で割ると、
�(1.5) − �(1)
0.5 ⋯ ⋯ ⋯ (1)
となる。これもyの平均増加率を表す。何故なら�の値が0.5だけ増えたことで�(1.5) − �(1)だ け�が増えたということは、この増加ペースが変わらないならば�の値が 1 増えると y の値は 2[�(1.5) − �(1)]だけ増えることになり、これは(1)式(の分子分母を2倍したもの)と等しいか らである。さて、この平均増加率の値を求めよ。
(d) 同様に、�の値が� = 1から� = 1.2に増えたときのyの平均増加率を求めよ。
(e) �の値が� = 1から� = 1 + ℎに増えたとしよう(h>0)。そのときのyの平均増加率の式を、(1) 式とほぼ同じ形にして求めよ。
(f) hを0に近づけていったとき、(e)で求めた式の値はどうなるか?
問題 1.D.2 微分の意味*
関数� = �(�)として、2次関数� = �2を考える。このとき以下の問題に答えよ。 (a) 導関数�′(�)を、微分の公式「�(�) = ��⇒ �′(�) = ���−1」に従って求めよ。 (b) 関数� = �2の、� = 1についての微分係数�′(1)を求めよ。
(c) 縦軸にy、横軸にxを取った平面図(第1象限だけで良い)にグラフ� = �2を描き入れなさい。 その後、点(�, �) = (1, 1)における�(�)の接線を描き入れなさい。
(d) (c)で描いた点(�, �) = (1, 1)における�(�)の接線の式を考えると、それは直線なので� = �� + � と書ける。これは点(�, �) = (1, 1)を通り、かつ� = �2との交点は 1 点しかない(接している) 状態にある。これらの条件から�, �の値を求めよ。
(e) (d)で求めた接線の式の傾き�の値と、(b)の解答の値、問題 1.D.1(f)の解答の値が等しいことを 確認せよ。(これは偶然ではない!そうなる理由が分からなければ、分かるまで考えぬくこと。)
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4
0 1 2
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問題 1.D.3 基本的関数の微分*
以下の関数をxについて微分せよ。
(a) �(�) = 2�3− 4�1/4 (b) �(�) = −�−4 (c) �(�) =1
�+ 1 (d) �(�) = loge�
問題 1.D.4 関数の積の微分*
以下の関数を展開せずにxについて微分せよ。
(a) (�2+ 1)(2� − 5) (b) 4�−1(� + 1) (c) (�2+ 1)/2� (d) �(� + 1)(� + 2)
問題 1.D.5 合成関数の微分*
以下の関数を展開せずにxについて微分せよ。
(a) (4� + 1)2 (b) (�2+ 1)20 (c) �−1(�2+ 3)2 (d) �(2� + 1)2(�2+ 2)
問題 1.D.6 偏微分*
2変数関数� = �(�, �)として、� = �2� + 2� + � − 4を考える。このとき以下の問題に答えよ。 (a) �(�, �)を�で偏微分せよ(つまり、∂�(�, �)/ ∂�を計算せよ)。
(b) �(�, �)を�で偏微分せよ(つまり、∂�(�, �)/ ∂�を計算せよ)。
問題 1.D.7 n 階微分(n 次導関数)*
関数� = �(�)として、� = �4を考える。このとき以下の問題に答えよ。 (a) 導関数�′(�)を求めよ。
(b) (a)で求めた導関数�′(�)を更に�で微分して、関数�(�)の2階微分(2次導関数ともいう)�′′(�) を求めなさい。
(c) 更に�で微分して、関数�(�)の3階微分(3次導関数ともいう)�′′′(�)を求めなさい。
問題 1.D.8 微分係数と増加関数・減少関数*
関数� = �(�)の導関数�′(�)が、任意の� > 0において正の値ならば関数�(�)は� > 0において増加関 数であり、負の値ならば関数�(�)は� > 0において減少関数である。このとき以下の問題に答えよ。 (a) 問題1.C.2の(a)~(e)の各関数の導関数�′(�)を求めよ。
(b) (a)の結果から、5つの各関数が� > 0において増加関数なのか減少関数なのか判定せよ。 (c) (b)の結果と問題1.C.3の結果が等しいことを確認せよ。
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問題 1.D.9 微分係数とグラフの概形*
関数� = �(�)として� = −�2+ 4�を考える。このとき以下の問題に答えよ。
(a) この関数のグラフをできるだけ正確に描きなさい。(頂点や横軸との切片を分かりやすく) (b) (a)で描いたグラフから、この関数が増加関数なのはxがどの範囲にあるときなのか答えよ。 (c) また、この関数が減少関数なのはxがどの範囲にあるときなのか答えよ。
(d) 導関数�′(�)を求めよ。
(e) (b)で求めた範囲から好きなxの値を1つピックアップせよ。そのxを(d)で求めた導関数�′(�) に代入して、その値が正となることを確かめなさい。
(f) (c)で求めた範囲から好きなxの値を1つピックアップせよ。そのxを(d)で求めた導関数�′(�) に代入して、その値が負となることを確かめなさい。
(g) 導関数�′(�)の値がゼロになる xと、(a)で描いたグラフの頂点におけるxの値が等しいことを 確認しなさい。(何故そうなるのか理由が分からなければ、分かるまで考えること。)
問題 1.D.10 制約のない最大化問題*
関数� = �(�)として� = −�2+ 8� − 8を考える。このとき以下の問題に答えよ。
(a) この関数のグラフを描きなさい。その際、頂点がどこか、横軸との切片がどこなのか、できる だけ正確に描くこと。
(b) (a)で描いたグラフから、この関数の最大値と、その最大値を与えるxの値を答えよ。 (c) この関数をxで微分して得られる導関数�′(�)の値がゼロになるようなxを求めよ。
(d) (b)で求めたxと(c)で求めたxの値が等しいことを確認し、なぜ等しくなるのか理由を答えよ。
問題 1.D.11 制約のない最小化問題*
関数� = �(�)として� = �2− 6� + 12を考える。このとき以下の問題に答えよ。 (a) この関数のグラフを描きなさい。
(b) この関数が最小になるのは x の値がいくらのときだろうか?微分を使って求めよ。(ヒント: この関数はグラフの頂点で最小値を取る。グラフの頂点では微分係数が0になっている)
問題 1.D.12 極値条件と最大値**
関数� = �(�)として、ある二次関数� = ��2+�� + �を考える(A,B,Cはゼロでない定数)。ここで 以下の問題に答えよ。ただし�は0以上の実数の範囲で考える。また、�̅はある実数値である。 (a) 「この関数� = �(�)の導関数が、ある� = �̅で�′(�̅) = 0を満たすなら、この関数� = �(�)は�が
�̅のときに最大になる」とは限らないことを、具体例を示しながら説明しなさい。
(b) 「この関数� = �(�)が� = �̅のときに最大になるならば、その� = �̅における微分係数�′(�̅)はゼ ロに等しい」とは限らないことを、具体例を示しながら説明しなさい。
(c) この問題において「微分係数�′(�̅)がゼロ」は「�(�̅)が最大値になる」ための必要条件だろうか? 十分条件だろうか?(a),(b)の結果から1つずつ判定せよ。
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1.E 制約付き最大化問題
問題 1.E.1 代入法による解法 1*
問題1.C.6のように縦がx cm、横がy cmの長方形を考える(� = �なら正方形)と、面積はxy cm2 となる。このとき以下の問題に答えよ。
(a) 縦の長さと横の長さの合計は8cmでなくてはならないとする。その条件式をx,yの式で書け。 (b) (a)の条件を守った上で、この長方形の面積を最大にするx,yの組合せは何か?(ヒント:(a)の
式をyについて解き、それを面積の式に代入すれば、xだけの1変数関数になる。後はそれを 最大にするxを、微分を用いて探せばよい。このような解き方を代入法という。)
(c) 縦の長さと横の長さの合計が16cmで無くてはならないとき、面積を最大にするx,yの組合せ を(b)と同じ手続きにより求めよ。
問題 1.E.2 最大化問題の定式化*
問題1.E.1(a)(b)の問題は、以下のように表現される: max�,� ��
s. t. � + � = 8
maxとは、その脇にある関数xyを、その下にある変数x,yについて最大化せよという意味である。 このとき、maxの隣りにある関数xyは目的関数という。s.t. とは「subject to」の略であり「x,y はこの条件を守らなくてはならない」という制約を意味する。そのため、s.t.の隣にある式は制約式 という。以上のように、何が目的関数で何が制約式なのか明記することを最適化問題を定式化する という。このとき、以下の問題に答えよ。
(a) 制約式をyについて解き、それをxyに代入することで、s.t.を消してmaxのみから書かれる 1変数の最大化問題として定式化せよ。
(b) 問題1.E.1(c)を定式化せよ。
(c) x,y はそれぞれ長方形の辺の長さなので少なくとも負の値になることは無い(非負の値にしか ならない)。したがって、厳密に言えばそれについての制約条件も一緒に書く必要があろう。(b) で定式化した問題に、そのような非負制約を追加して書きなさい。
(d) <考察>(c)のように非負制約を付けた最適化問題の答え�∗,�∗は、(b)で定式化した非負制約の ない最適化問題の答えと同じになる。それは何故だろうか?理由を考えよ。
問題 1.E.3 最小化問題の定式化*
最大化問題ではmaxを使うように、最小化問題ではminという記号を用いて「目的関数を最小化 せよ」という意味として記述する。さて、以下の文章を最小化問題として定式化せよ:「長方形の面 積xyをちょうど16にする辺の組合せx,yについて、縦と横の長さの和を最小化せよ」
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問題 1.E.4 代入法による解法 2*
問題1.E.3で定式化した最小化問題を、代入法を用いて解きなさい。
問題 1.E.5 双対性**
問題1.E.4の解答�∗,�∗は、問題1.E.1(b)の解答�∗,�∗と同じになる。その理由を答えなさい。
問題 1.E.6 制約付き最大化問題*
以下の種々の制約付き最大化問題を、代入法を用いて解きなさい。ただし、� ≥ 0, � ≥ 0とする。 (a) max
�,� �
2� s. t. 4� + � = 18
(b) max
�,� � 1 2�
1
2 s. t. 6� + 3� = 24
(c) min
�,� 3� + 2� s. t. �� = 24 (d) min
�,� � + � s. t. �2�4= 256 (e) max
�,� ln�� s. t. 4� + 3� = 36 (ln��はloge��と同じ)
問題 1.E.7 ラグランジュ乗数法**
問題1.E.6の(a)~(e)について、ラグランジュ乗数法を用いて解きなさい。
問題 1.E.8 目的関数と制約式が線形の制約付き最大化問題**
以下の問題は、目的関数と制約式がともに線形(1次関数)であるタイプの制約付き最大化問題で ある。それぞれについて解きなさい。ただし、� ≥ 0, � ≥ 0とする。
(a) max
�,� 2� + � s. t. 6� + � = 36 (b) max
�,� � + � s. t. �� + �� = 8 P,Qはともに正の定数とする。 (c) max
�,� �� + �� s. t. � + � = 8 P,Qはともに正の定数とする。
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1.F 凹関数と凸関数
問題 1.F.1 (厳密な)凹関数・凸関数のグラフ*
関数� = �(�), � = �(�)として次の2つの関数を考える。
�(�) = �2,�(�) = �12
(a) 縦軸にy、横軸にxを取った平面図(第1象限だけで良い)に、関数�(�)と関数�(�)のグラフ をそれぞれ描きなさい。
(b) (a)で描いた2つのグラフの概形から、関数�(�)と関数�(�)が「厳密な凹関数」または「厳密な 凸関数」のどれなのか判定せよ。(ヒント:直感的には、グラフ上の任意の 2 点を結ぶ直線上 の全ての点が、グラフより厳密に下にあれば厳密な凹関数であり、グラフより厳密に上にあれ ば厳密な凸関数である。)
問題 1.F.2 (厳密な)凹関数・凸関数と 2 階微分*
問題 1.F.1 の 2 つの関数は、x > 0についての厳密な増加関数なので�′(�) > 0および�′(�) > 0を満 たす。さて、ここで各関数の2階微分を考えてみよう。
(a) 関数�(�)と関数�(�)の2次導関数�′′(�)と�′′(�)を求めなさい。 (b) 2次導関数�′′(�)と�′′(�)のグラフを描きなさい。
(c) (b)の結果から、関数�(�)と関数�(�)が「厳密な凹関数」または「厳密な凸関数」のどれなのか 判定せよ。(ヒント:任意の� > 0について2次導関数の値が負になるならば厳密な凹関数であ り、正になるならば厳密な凸関数である。)
問題 1.F.3 (厳密な)凹関数・凸関数の定義**
問題 1.C.8 より、ある2つの値�1,�2の間にある任意の数は0 <� < 1を使って��1+ (1− �)�2と表さ れることが分かったはずである。事実、これは�1,�2を1− �: �の比率で内分することを考えている。 ある関数�(�)が、任意の�1,�2および0 <� < 1について、
��(�1) + (1− �)�(�2) <�(��1+ (1− �)�2)
を満たすならば�(�)は厳密な凹関数であるといい、逆に
��(�1) + (1− �)�(�2) >�(��1+ (1− �)�2)
を満たすならば�(�)は厳密な凸関数であるという。
このもとで以下の問題に答えよ。ただし、話を簡単にするために0 <�1<�2と仮定する。
(a) 上の定義を用いて、問題1.F.1の関数�(�)が厳密な凸関数であることを示しなさい。(ヒント: 定義式の左辺マイナス右辺を計算して、(�2− �1)2> 0⇒ �12+�22> 2�1�2という事実を使う。) (b) 上の定義を用いて、問題1.F.1の関数�(�)が厳密な凹関数であることを示しなさい。(ヒント:
定義式の両辺を2乗してから右辺マイナス左辺を計算する。あとは�1+�2> 2�1
1/2�
21/2を使う)
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問題 1.F.4 線形な関数*
ある関数�(�)が、任意の�1,�2および0 <� < 1について、
��(�1) + (1− �)�(�2)≤ �(��1+ (1− �)�2)
を満たすならば�(�)は凹関数であるといい、逆に
��(�1) + (1− �)�(�2)≥ �(��1+ (1− �)�2)
を満たすならば�(�)は凸関数であるという。≥は>も含むので、明らかに厳密な凹関数は必ず凹関 数であり、厳密な凸関数は必ず凸関数である。ただし、その逆は成り立たない。例えばある関数が 凹関数であっても、厳密な凹関数ではない場合がありうる。これは何故だろうか?それを考えるた めに以下の問題に答えよ。
(a) 関数� = �(�)として� = �を考える。これが凹関数であることを、上の定義式から示しなさい。 (b) この関数�(�)は厳密な凹関数ではないことを、問題1.F.3に書かれた定義式から示しなさい。 (c) この関数�(�)が凸関数であることを、上の定義式から示しなさい。
(d) この関数�(�)は厳密な凸関数ではないことを、問題1.F.3に書かれた定義式から示しなさい。 (e) 関数の 2 次導関数�′′(�)の値がゼロ以下ならば凹関数であり、ゼロ以上ならば凸関数である。
この判定法から、この関数�(�)が凹関数なのか凸関数なのか、それぞれについて判定せよ。 (f) ある関数� = �(�)が凹関数かつ凸関数であるとすると、その関数はどのような概形をしている
と考えられるだろうか?
問題 1.F.5 色んな関数の凹性・凸性*
以上の問題から分かるように、ある関数が(厳密な)凹関数なのか(厳密な)凸関数なのか判定す る方法は以下の3つがある:
1. グラフの概形から直感的に判断する
2. 微分により二次導関数を計算して値の正負から判断する 3. 凹関数・凸関数の定義の式を用いて判断する
いずれかの方法を用いて、以下の関数を「A. 厳密な凸関数」「B. 厳密な凹関数」「C. (厳密でない) 凸関数」「D. (厳密でない)凹関数」「E. 凹関数かつ凸関数」「F. 凹関数でも凸関数でもない」の いずれかに分類しなさい。ただし、考えるのは� > 0の範囲だけで良い。
(a) � = −4� (b) � = �13 (c) � = (� − 5)2 (d) � = �3− 6� + 15� + 30
(e) � = �−1 (f) � = �4� 0 < � < 2
�2 2≤ � (g) � = � �10 0 <10� < 10≤ �
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問題 1.F.6 2 変数関数の凹性・凸性*
ある2変数関数� = �(�, �)が、任意の2点(�1,�1)と(�2,�2)および0 <� < 1について、
��(�1,�1) + (1− �)�(�2,�2)≤ �(��,��)
ただし��=��1+ (1− �)�2、��=��1+ (1− �)�2
を満たすならば、�(�, �)は凹関数であるという。もし上式について厳密な不等号(<)が成り立つなら ば、�(�, �)は厳密な凹関数であるという。また、逆に
��(�1,�1) + (1− �)�(�2,�2)≥ �(��,��)
を満たすならば�(�, �)は凸関数であるという。同様に、上式について厳密な不等号(>)が成り立つな らば、�(�, �)は厳密な凸関数であるという。
(a) 関数� = �(�, �)として� = ��を考える。これが凸関数では無いことを定義式から示しなさい。 (b) この関数�(�, y)は凹関数でも無いことを定義式から示しなさい。
問題 1.F.7 凸集合と凹関数・凸関数**
※集合論に馴染みがない人はまず1.B節を参照せよ。
0 <� < 1と す る 。 あ る 集 合 A に含 ま れ る 任 意 の 2 点�, � ∈ Aを 結 ぶ 線 分 上 の 任 意 の 点� = �� + (1− �)�が必ず集合Aに含まれているとき(z∈ A)、集合A を凸集合であるという。もし点zが集合 Aの境界部分でなく必ず集合Aの内部にあるならば、集合 A を厳密な凸集合であるという。このと き以下の問題に答えよ。
(a) 凹関数のグラフの下側の領域は必ず凸集合である。この事実を凹関数y = xについて確認しよう。 y = xのグラフの下側の領域(つまりy≤ x)を図示することで説明せよ。
(b) 厳密な凹関数のグラフの下側の領域は必ず厳密な凸集合である。厳密な凹関数y = x1/2のグラ フの下側の領域(つまりy≤ x1/2)を図示することで、それを説明せよ。ただし、簡単化のため に� > 0と仮定する(x = 0の線上は考えなくて良い)。
(c) 凸関数のグラフの上側の領域は必ず凸集合である。凸関数y = xのグラフの上側の領域(つまり y≥ x)を図示することで、それを説明せよ。
(d) 厳密な凸関数のグラフの上側の領域は必ず厳密な凸集合である。厳密な凸関数y = x2のグラフ の上側の領域(つまりy≥ x2)を図示することで、それを説明せよ。
問題 1.F.8 凸集合の理解度チェック*
以下の文章のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
A) 平面上で円を考えてその境界上にある点および円の内部の点からなる集合Aを考えると、この
集合Aは「凸集合」では無い。
B) 「凸集合」であり、かつ「厳密な凸集合」である集合が存在する。 C) 「凸集合」でない集合は全て「厳密な凸集合」ではない。
D) 「厳密な凸集合」は全て「凸集合」である。
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問題 1.F.9 準凹関数***
2変数関数z =�(�, �)の定義域の任意の点(�, �)およびある実数�に対して定義される集合 {(�, �) | �(�, �) ≥ �}
が凸集合であるとき、関数�を準凹関数(Quasi-concave function)であるという。なお上の集合は、
「�(�, �) ≥ �を満たすような全ての(�, �)を集めたもの」という意味である。準凹関数の定義を直感 的に言うと「z =�(�, �)の三次元グラフについて高さ� = �の等高線を描いた時に、その等高線の上 側の領域が凸集合である」ということである。さて、問題1.F.6で凸関数でも凹関数でも無いこと が判明した� = ��について、以下の問題に答えよ。ただし� ≥ 0, � ≥ 0とする。
(a) 縦軸に y、横軸x を取った平面を描き、z =��の三次元グラフについて、高さ� = 6および� = 12の等高線を描きなさい。そして、それぞれの等高線の上側の領域が凸集合になっていること を概形から判断しなさい。
(b) z =��が準凹関数であることを証明しなさい。(ヒント:�(�1,�1)≥ �および�(�2,�2)≥ �とな る2点(�1,�1)と(�2,�2)を考えて、その間の任意の点の座標を考えよう。)