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研究紀要|メディアサイエンス研究所

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Academic year: 2018

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DHU JOURNAL Vol.04 2017

【ビジネスプラン / 論文】

3DCG/VR 等を使用した群集シミュレーション結果のビジュアライズ

Visualization of Group Simulation Results Using 3DCG/VR

1. 概要

2016 年現在徐々にコモディティー化しつつある HMD、Unity、 3DCG 製作ツール等の汎用デバイス、ソフトを使用し、各種シミュ レーション結果データをビジュアライズする安価で製作容易なシス テム・パイプラインを構築することを目的とする。また、開発を通 して得た技術的知見を投入した、実際の大規模シミュレーションの ビジュアライズを行い、視覚化することの有用性を確認する。

システム・パイプライン開発においては、まずは比較的小規模 なデータであるビル火災避難シミュレーションを使用し 3D モデル データの作成、自動処理プログラムの開発、パフォーマンスの最適化、 問題点の洗い出しを行った。次に 10 万人規模の街まるごとを使用 した大規模避難シミュレーションの可視化を行った。

視覚化の有用性、問題点についてはシミュレーションの可視化の 企画元の海洋研究開発機構様や第 44 回可視化情報シンポジウムに 出展して参加いただいた方々のフィードバックを基に検証を行った。

2. 実験設計

実験は 2 段階に分けて進めていく。1 段階目では軽量データを 使用し、各種ツールの開発、パフォーマンスの確認、問題の洗い出し を中心とし、2 段階目では実際に大規模シミュレーションデータの ビジュアライズコンテンツとして完成を目指す。

1 段階目 (建物非難シミュレーションのビジュアライズ)

・点群 CSV データから MAYA へのインポートツールの開発 ・MAYA でのビジュアライズ

・各種パフォーマンス測定、最適化

2 段階目 (浸水からの非難シミュレーションのビジュアライズ)

・JAMSTEC 次期地球シミュレーターを使用したシミュレーション ・大規模データの軽量化ツールの開発

・MAYA でのビジュアライズ ・Unity でオーサリング

・HMD への出力まで含めたパッケージとして完成

3. 評価

完成したコンテンツを依頼元、シミュレーションデータ提供元で ある海洋研究開発機構様、ベクトル総研様と確認しその有用性に ついて検証した結果をまとめる。

まずは Multi-Agent Systems(MAS)による人流シミュレーション を活用し、海洋地球科学分野のシミュレーション結果に付加価値を 持たせる(付加価値向上)という目的について、普段からシミュレー ションを活用されている研究員の方々から次の評価をいただいた。

3DCG を用いた可視化は被災状況等の把握に有用である。特に、 ・建物などに遮られることで周囲の浸水状況が把握しにくく、

浸水が避難者の目の前に突如現れるといったことが分かった。 ・道路の混雑などにより、思い通りに避難することが難しくなる

状況が発生することを読み取ることができた。

・各所に自然発生する人流のレーンフォーメーションが分かる。 ・対象地域全体を俯瞰で見るのではなく、避難者視点で見ること

で安全な避難場所の判断の難しさが分かる。

・この動画は被災状況把握の他、防災意識の向上等に役立つこと が期待される。

また、製作段階においてもビジュアル化を行うことでシミュレー ションデータの精度や設定値の妥当性の判断ができ、それをシミュ レーションプログラムにフィードバックして精度を高めていくことが 可能であった。

デジタルハリウッド大学大学院 修士

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4. 考察

実際に製作を行って感じたのは、必要情報の見極めと情報の取り 出し方がデータごとに異なるため簡単な仕様書として流れ作業に 落とし込むことは難しいことである。シミュレーションデータはいろ いろな条件設定を基に作られるが、結果を常に現実世界と比較しな がら条件を変更して差異を減らしていく。そのため、シミュレーション データに含まれる情報は実施するごとに変わっていく。また案件 ごとに全く違うデータフォーマットになることも多い。そのため、効率 的なシミュレーションデータの処理にはあらかじめメタデータに 特定の情報を付加するなどして取り出しの容易な方法を決めておく 必要がある。

一方、シミュレーションデータには含まれないが、ビジュアライズ に必要となる情報もある。その場合はシミュレーションデータの中 の既存の情報から作り出し補完することができないか検討が必要で ある。元のシミュレーションデータと後から作り出したデータを合わ せていくことも有効であり、シミュレーションコストやデータ変換の 工数を下げていける。また、精度の低いデータでも十分活用できる 可能性がある。

想定されるビジュアルイメージを作るには何の情報が必要か想像 し、見極める必要がある。何を見せたいのか、どこを強調したいのか、 あらかじめ想定し、完成イメージの想像をしたうえでそれに必要な 情報を如何に作り出すか考えなければならない。

5. 今後の展開

現在はこれまでに開発したツールとUnity を組み合わせ、広域道路 交通シミュレーションを行う企業と共同で HMD デバイスを使用した リアルタイム交通シミュレーションコンテンツを開発中である。

近年は YouTube、Vimeo などの動画サイトへのコンテンツ公開が 容易になり、発表の場は広がっている。また Unity、HMD デバイス などを使用し、インタラクティブコンテンツにすることも容易になり つつある。過去に製作された様々なシミュレーションデータ、今後 行われるであろう実験、こういったデータを可視化して公開する ことが今後どんどん一般的になっていくはずである。そういった際に、 データに応じて、また予算、期間に応じて様々な提案をし、実際に ビジュアル化に結び付けていくことができれば幸いである。

【ビジネスプラン / 論文】3DCG/VR 等を使用した群集シミュレーション結果のビジュアライズ

参照

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