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Academic year: 2018

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公共経済学 第 14 講 講義ノート 1/ 3

14 資金調達の課題 2 : 資本所得課税

14.0 今回のアウトライン

A. 労働所得税同様に資本所得税にも歪みがあることを理解する B. 法人税の有効性と課題を理解する

14.1 資本所得税の全体像

A. 資本所得は利子、配当、キャピタルゲインといった金融所得と企業利益 B. 資本所得に対する税は金融所得に対する課税と法人税に大別できる

14.2 利子所得税

A. 基本設定:異なる時点での消費の関係、利子とは異時点の価格 グラフ1

1. 家計は 2 つの時点の収入 (X1, X2)を持っている

2. 一定の利子率 r で各時点の収入を貯蓄したり、借りたりできる 3. 家計の 2 つの時点の無差別曲線を考える:u(x1, x2)

4. 貯蓄や借入によって各時点の消費 (x1, x2)を行う

Ver. 1.8 Masumi Kawade, 2017

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公共経済学 第 14 講 講義ノート 2/ 3

B. 課税設定:一括税と比例税の導入

グラフ2:一括税 グラフ3:比例税

1. 第二期の一括所得税 T で、家計の収入が (X1, X2T )となる 2. 比例利子所得税 tkで、家計の税引後利子率は:(1 − tk)r C. 比例所得税と一括所得税の比較

グラフ4

x

1

x

2

一括税

比例税

1. 比例所得税は一括所得税よりも税収が下がる超過負担の発生

Ver. 1.8 Masumi Kawade, 2017

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公共経済学 第 14 講 講義ノート 3/ 3

14.3 法人税

A. 法人実在説:法人はそれ自身、企業をしている意味で仮想的な人に同じであり、 資本家個人とは別人格として課税すべきとする立場

B. 法人擬制説:法人は人が資本を出し合って企業を行っており、根源的には資本 家個人が納税するため、法人税は税の二重課税になるとする立場

C. 企業所得の概念は企業に入る益金と出る損金の差、普通法人は 23.4%の課税1 1. 益金:商品・製品等の資産の販売による収益、固定資産・有価証券等の資産

の譲渡による収益 、無償による資産の譲渡や役務の提供による収益、無償 による資産の譲受けによる収益、その他の取引による収益

2. 損金:当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価、減価償却など償 却費、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用 (支払利子など)、資 本等取引以外の取引の損失

D. 法人税率 (tf)は益金 (F (K, L) は売上) と損金 (wL + rK:wL は賃金 rK は借入 利子) の差の企業所得 (Π) にかかるだけ → 企業の収益活動を歪めていない

Π = (1 − tf)[F (K, L) − wL − rK] (14.1) E. 借入の支払利子は損金なので株式調達より借入を促進、資金調達に歪み

1. 企業は資金を株式、債券、内部留保のいずれかから調達 2. 企業にとっては配当や利払で利子分 r を払うなら借入の方が得

→資金調達の際の利潤の支払を企業の資本コストという

14.4 確認問題:次の文章の正誤について答えなさい

A. 一括税の資本所得税は、無税の時より代替効果により現在の消費を促進する B. 資本所得への課税では、一括税の方が比例税よりも超過負担は大きい

C. 法人税は法人段階の課税と配当段階での所得税の二重課税の問題がある D. 法人税が存在すると租税回避のため、企業は内部留保を促進させる

1国税率で 2016 年度改正で減税、2018 年度の法人実効税率は 29.74%となる。

Ver. 1.8 Masumi Kawade, 2017

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