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(1)

顔延之論語説考

著者

高橋 均

雑誌名

中国文化 : 研究と教育

65

ページ

( 1) - ( 14)

発行年

2007- 06- 30

(2)

顔 延 之 論 語 説 考

まえがき

本 橋 は 、 県)1立の論語義疏に引かれる宋・顔延之の論語説を検討するものであ

る。記述は、

r

....二J

r

二J

r

三 」 に 分 か れ 、 に つ は 書 誌 的 事 項 の 検 討 、 「 二j は

論語設の検討、「三J は資料である。「そ 資 料J は 、 論 語 義 政 に 見 え る 顔 延 之

の論語説遺文を1¥弱{ 失したもので、業ごとに整理し、整理番号を付してある。論

清 照

i

顎本論語義疏( 天現図書館蔵) を底本とし、敦埠本論語読( l H 各

称敦爆本) 、根本遜志f Q 訂本 CI略 称 根 本 本 ) お よ び 玉j話111房 輯 供 欝 所 収 f論 語

顔氏説J (略称j器本) と対校し、その校語を記しである。

砂;延之

の伝は、

光禄大夫にま

A D三 八 四 一 宋 ・ 孝 武 帝 孝 建 三 年AD四五六) コに見えるつそれによれば、字は延年、那珂泊告訴の入、官は

に亡くなり、数鱗常{ 寺¥特進を追贈され、金

紫 光 禄 大 夫 は そ の ま ま で あ っ たa 宋寵: の伝に「好讃害、無所不賞、文章之美、

「延之興!凍郡語、? 議運{ 呉Lj、詞彩翼手名、自濡岳、! 窪機之後、文士莫及也、

所藷並{ 専於i EJ と記されるように、文学者として名高い人物で、

あ る 。 た だ 訟 の な か に 、 論 認 に 注 を 施 し た こ と 、 さ ら に 論 語 に か か わ る こ と な

ど に つ い て 一 切 言 及 は な く 、 ま た 蕎 自 に も 、 顔 延 之 の 論 語 注 に 関 す る 記 事 の 記

載はない。

しかし皐侃の論語義疏中には、「顔、延之J あ る い は 「 顔 特 進J と し て 合 わ せ

て 一 五 条 の 論 語 説 が 引 か れ て い る けj c こ れ に よ っ て 、 顔 延 之 に 論 語 説 が あ っ

た こ と が 知 ら れ る の で あ る 。 前 述 し た よ う に 、 顔 延 之 の 伝 、 あ る い は 書 自 に こ

の 論 諸 説 に か か わ る 記 事 は 見 え な い か ら 、 顔 延 之 の 論 語 説 が ど れ ほ ど の 条 数 で

構 成 さ れ て い た の か 、 そ の 論 詩 説 に 名 称 が あ っ た の か 、 な ぜ こ の 一 五 条 が 論 語

義疏に引かれて残っているのかなど、いずれも明らかにする方法がない。以下、

さ れ た 一 五 条 に も と づ い て 、 顔 延 之 の 論 諸 説 に か か わ る い く つ か の 問 題 、 こ

の 論 語 説 に こ め ら れ た 顔 延 之 の 意 図 、 論 語 説 の 性 格 、 そ れ 以 前 の 論 語 解 釈 と 比

(3)

較 し て の 特 色 、 さ ら に

の文革: 家としての

て1 II 翼次検討を行なう。

と称された顔延之

どのようにj豆日央されているのか、こうした点につい

1

2

'

'

1

i

A

/

'

E

1

¥ で、( 5) は 仁I::qこ三条、( 7)

( 12) ( 15) は 一 意 中 に 、 そ れ ぞ れr 二条の顔延之の論諸説が分けて

'3

1

れ て い る 。 こ れ を そ れ ぞ れ … 条 と し て 数 え て い く と 、 合 わ せ て 二 十 条 と

な る 。 こ こ で 一 五 条 と い う 数 え 方 は 、 一 意 に 引 か れ る も の を 合 わ せ て 一

条として数えた場合である。

1) 論語説ヨ

i

文; に用いられる「顔延之j と「顔特進j

顔延之の論語説でまず検討を要ーする問題は、論議義疏が疏i中に顔延之の論語

説を引く際に、冷夏延之iヨ... "-' J として引く場合と、「顔特進1:

3

"-'

"

-

J として引 く 場 合 と 、 異 な る 名 称 が 用 い ら れ て い る こ と で あ る 。 す で に ふ れ た よ う に 、

「延之j は字で、「特進j は追H脅された官伎である。論語義疏が、問一人の論語

説を引くのになぜこのように異なった名称を月

3

いるのか、そこに何か意味、あ

るいは意

i

惑があるのかということをまず考えてみる。

「顔延之臼" " ' "'-J として説を引くのは、「三 資 料j の 整 理 番 号 で ( 1) より

(8) 、そして ( 10) (1 1) の

- - - 0

条で、「顔特進i

"' V

,.._.. J として引くのが、 る ( 9 ) お よ び ( 12) ( 13) ( 14) ( 15) の 五 条 で あ る の こ の よ う に す べ て で

一 五 条 と 少 な い 資 料 で あ る が 、 そ こ か ら 分 か る こ と は 、 資 料 の 前 半 、 す な わ ち

為 政 篇 か ら 子 路 篇 ま で に 引 く の が 「 顔 延 之j、 そ の 後 を 「 顔 特 進j として引い

て い る よ う に 見 え る こ と で あ る の し か し 同 じ 先 進 篇 のiや で も 、 資 料 ( 8) は

「顔延之J と し て 引 き 、 資 料 ( 9) は 「 顔 特 進j と し て 引 い て い て 、 尚 一 篇 内

で な ぜ こ の よ う な 違 い が あ る の か 、 そ の 盟 !:13 がよくわからない。あるいは論語

説 は 長 文 の も の 、 比 較 的 短 文 の も の と さ ま ざ ま で あ る か ら 文の長矩がかかわ

るのかとも考えられるが、そうであると断定できるほどはっきりしているわけ

ではない。また論語説の内容を見てみても、「顔延之J

r

顔 特 進J によって遠い

があるようには見えないっ

以上から、顔延之の論語説を論語義疏にヲ! いた人は、たまたま子路篇くらい

までは「顔延之日" " ' ""' J として引き、その後を f顔特進日"- ' ""' J としたという

ことまではいえるようであるが、それ以外にイ可かi明らかな捜腐を見出すことは

(4)

できない( ] ) 。しかしこれもわずカト円五条より見た結論であることをことわっ

て お く の そ こ で 、 本 稿 の 「 三 資 料J で は 、 論 語 説 の 関 頭 に ( 顔 延 之 ) (顔特

進 ) の よ う に 論 議 議 疏 に 記 さ れ る 名 称 を 残 し て 後 の 検 討 に 備 え る 。 た だ し 「 顔

延之J

r

顔 特 進j の説を本務jに引く際、とくに両者; を認知jす る 必 要 が な い 場 合

には、「顔延之j を用い、また資料引用では省略するつ

2)

論 諾 説 は ど の よ う な 意 図 で 作 ら れ た か 、 そ の 性 格 の 検 討

次 の 問 題 に 移 る 。 顔 延 之 の 論 語 説 は 、 多 く の 場 合 一 挙 中 に 一 条ij'lか れ る の が

例 で あ る が 、 資 料 ( 5 )、( 7 )、( 12)、( 15) については、

i

可一草: の中に、

条 あ る い は 三 条 に 分 か れ て 説 が 引 か れ て い る 。 こ こ か ら ど の よ う な こ と が 分 か

るか、考えてみる。

資 料 ( 12) は、!可 に 顔 延 之 の 説 が 二 条 に 分 か れ て 引 か れ て い て 、 次 の

ょ う で あ る の ( 論 語 の 経 文 と 底 別 す る た め に 、 顔 延 之 の 論 語 説 は 経 文 よ り

下げて記し、文頭に* を付しである。)

子路間成人の

F

;I

若減武伸之知、… - 一日、今之成入者何必然。鬼平IJJ忠義、

難不及公紳之不欲、猫霊真義也( Al。

• ( 憲問篇)

* 箆 危 援 命 、 難 不 及 ド 子 之 男 、 楢j額義不荷免也(お) 窃

こ の 章 の テ ー マ は 「 成 人J

r

今 之 成 人J で あ る 。 そ し て 、 こ こ に 引 か れ た 顔 延

いずれも「今之成人」を問題とする経文に繋がれたものである。

成 人j に つ い て 、 経 文 が 「 見 手IJ}臣、義j と す る の に 対 し て 、 顔 延 之 は

( A) の よ う に 説 し ( A) の 説 は 、 直 前 の 経 文 「 公 綜 之 不 欲j を引いてきて、

公 締 の よ う な f不 欲J には及ばないものの、印! JJ に 出 会 っ て も 「 義j を重視

す る こ と で あ る 、 と い っ て い る の つ ま り 「 見 利 思 義J と い う 経 文 か ら 弓 む と

「義j との関係を明らかにしようとしているのであるつ ( B) は 、 経 文 「 毘 危 授

命J というイ! 日にかかわって立てた説である。ここでも直前の経文「下荘子之

勇J を 引 い て き て 、 下 荘 子 の 「 勇 」 に は 及 ば な い が 、 「 顧 義 不 荷 免J という句

で、主主んでいることは、「号室J のために死を避けることはない、とし、う主張なの

であろう会すると顔延之は、「見

i

's 授 命J と い う 経 文 に つ い て も 、 前 の 「 義j

と い う 基 準 を こ こ に 適 用 し て 、 ニ の 匂 に は

i

室接示されていない「義j と、この

匂の f命j と の 関 係 と し て と ら え て い る こ と が 分 か る 。 こ う し て み る と 、 顔 延

之 の 説 ( A) ( B) は、「見事j忠 義J i晃 危 授 命J と い う 経 文 を そ れ ぞ れ に 解 き

明 か そ う と し た も の の よ う に 見 え る の で あ る が 、 し か し 顔 延 之 が ( A) ( B) そ

(5)

れ ぞ れ に 「 額 義J ( 義ーから判断する) という向じ表現を用いていることは、こ

の ( A) ( 日) 二条は、それぞれの経文にかかわって別々に存在するものではな

くて、「義j を

*

1

]l

析の基準として咋i J J と 「 命 」 と の 関 係 を i明らかにしようと し た も の で あ る 、 と 見 る こ と が で き る の で あ る 。 そ し て 顔 延 之 は 、 そ れ が 、 こ

の 章 の テ ー マ 、 す な わ ち 章 旨 で あ る と 考 え て い る の で あ ろ う 。 こ こ か ら 、 顔 延

之 の 論 諸 説 ( A) ( お ) は 、 形 式 的 に は そ れ ぞ れ 経 文 に つ い て 注 解 と し て 説 を

立 て て い る よ う に 見 え る が 、 明 ら か に し よ う と し て い る こ と は 、 こ の 章 の 章 旨

で あ る 「 今 之 成 人j に か か わ る 「 義j を 判 断 の 基 準 と し た 、 ザIJJ と「命j と

の そ れ ぞ れ の 関 係 で あ る と わ か る 。 こ の よ う に 見 て く る と 、 綴 延 之 の こ の 二 条

の設は、それが繋がれているも] についての注解として作られたものではなくて、

こ の 章 の 寧 旨 と し て 元 来 は ま と ま っ た 形 で 記 述 さ れ て い た も の で 、 そ れ を 論 語

義疏の編者がここにヲ! いたH寺 に 、 そ れ ぞ れ 経 文 「 見 利 忠 義J ij忍危疑命」下に

分 け て 繋 げ た も の で は な い か と 推 測 す る の で あ る 。

間 様 の こ と は 、 一 章 の 中 に 三 条 の 論 語 説 が

5

1

か れ て い る 資 料 ( 1 ) ) でもいえ

るようである。

曾 子 有 疾 、 孟 敬 子 関 之 。 曾 予 言

E

、1: j義之将死、其1t場也哀、人; 之将死、

君 子 所 貴 子 道 者 三 、 動 容 貌3 斯遠暴慢突、

* 動容員JI人敬巽; 儀、故暴1)隻j怠塩川。

正顔住、斯近{ 言実、

中立色員i J 人達其誠、故信者也( ! 妙。

出 辞 領 、 斯 遠 都 倍 突Q ( 泰治篇)

本出辞別人築其文、故器l H 音絶也刻。

こ の 章 で は 、 そ れ ぞ れ 経 文 の 下 に 、 分 け て ( A) ( B) ( 三 条 の 説 が 引 か れ

て い る 。 そ の さ 条 を 見 て み る と 、 ま っ た く 同 じ 字 数 で 、

i

可じ文恕で作られてい

て 、 あ た か も そ れ ぞ れ の 経 文 に 繋 が れ た 注 釈 の よ う に 見 え る 。 し か し 、 そ の 文

中 に は 、 経 文 の 「 動 容 貌J

r

正j旗色J

!

r

:

l

:

l

If#

j に 対 応 し て 、 そ れ ぞ れ 「 人 敬 其

儀J

r

人 達 其 誠J

r

人 梁 其 文i2 )J と い う 句 が 補 わ れ て 、 説 は 構 成 さ れ て い る 。

そ し て こ の 補 わ れ た 匂 中 に 克 え る 「 儀J

r

誠:J

r

文J と い う 三 語 が 、 そ れ ぞ れ の

句 の キ ー ワ ー ド と 考 え ら れ る 。 顔 延 之 は 、 こ の 「 儀J

r

誠 J i文j 三認をこの章

でいう「戸

r

J

寅 乎 道 者 三 」 の 「 三j と み た の で あ ろ う 。 こ の 説 は 、 形 だ け か ら 見 る と そ れ ぞ れ の 匂 が 繋 が れ た 経 文 だ け を 解 説 し た も の の よ う に 見 え る が 、 そ う

で は な く て 、 実 は 「 儀J

r

誠J i文J という 関 係 で 関 わ り あ っ て

こ の 章 の 章 嵩 と な っ て い る の で あ る 。 そ う で あ れ ば 、 顔 延 之 の 論 語 談 と し て は 、

(6)

( A) ( 13) ( C) 之 条 が 、 そ れ ぞ れ の 経 文 に か か わ る 別 々 の 控 解 と し て 作 ら れ

た と は 考 え に く く 、 こ の 三 条 が 合 わ さ っ て 、 こ の 輩 の 業 慢 と し て の 論 を 構 成 し

て い た と 考 え ら れ る の で あ る 。 そ し て そ れ を 後 に な っ て 、 論 語 議 所Lの 編 者 が 義

疏の

1

*

に 取 り 入 れ た 際 に 、 そ れ ぞ れ の 経 文 下 に 分 け て 繋 げ た も の と み ら れ る の

であるの

資料 ( 15) についても開様のことがいえないだろうか。

見器虫IJ不及、見不善女1:1探湯。吾見其人会、

( 築角iln 孔安!罰

i

ヨ、探湯、! l 最去悪疾也。

* 女子善女

n

i

祈慕、慈悲如所喪、 可{ 専; 之理、既見英人、又間其語

t

包(八)。

行 義 以 遠j 建造。苦闘其語突、未見其人也。( 李氏篇)

勺窓

u

詰所以求志

j

I

そ 世 表 、 行 義 所 以 遠 道 於 古 人 、 無 立 之 高 、 難 能j之行、徒関 未見英人也( J ヘ

( A) ( B) と分かれて、それぞれの経文に繋がれている二条の論語説であるが、

と 後 半 部 と を ま と め て 述 べ て い て 、 元 来 は ( A) ( B) が合わさって

つ の 論 を 構 成 し て い た も の で 、 あ る 経 文 だ け を 別 々 に 綬 定 し て 注 釈 と し て 解

しているのでないことは明らかであるの

顔延之の論語説を見てゆくと、論誌の進めかたにひとつの特徴が見えてくる。

こ こ で 、 そ の 点 に つ い て 考 え て み よ う 。 顔 延 之 の 論 語 説 は 、 先 に 挙 げ た 例 で も

そ う で あ る が 、 ま ず か か わ る 論 語 の 経 文 の 一 匂 を 引 き 、 そ れ に 補 足 す る 形 で 文

を 捕 な っ て 論 を 展 開 さ せ て い る 。 そ の た め に あ る 経 だ け に か か わ る 読 解 の よ う

に 見 え る の で あ る が 、 そ こ に は 必 ず 、 注 解 と は 性 格 を 異 に す る 、 経 に 関 連 し て

想起される披の円

T

I

論 が 補 わ れ て 記 さ れ て い る の で あ る 。 こ の ( A) についても、

った「好善如所慕、怒窓安

n

所 畏j と い う 匂 が あ り 、 そ れ に 「 合 義

之情、可{ 専之理j と い う 二 句 が 補 わ れ 、 最 後 に ま た 経 に そ っ た 「 既 克 英 人 、 又

関英語也」を引いてくる。 ( B) で は 、 経 文 の 意 を 取 っ た 「 隠 居 所 以 求 志 於 世

表 、 行 義 所 以 遠 道 於 古 人J に、「無立之i高 、 難 能 之 行J というこ匂が補われて、 最 後 に 経 に そ っ た 「 徒 簡 其 語 、 未 見 其 人 也J を号

i

い て き て 、 そ の 論 語 説 を 構 成

している。そうなると、 ( A) ( B) で 補 わ れ て い る 「 合 義 之 情 、 可 博 之 理J

r

難 能 之 行J こ そ 、 顔 延 之 が こ の 章 で い い た か っ た こ と 、 ニ の 章 の 輩 罷

であろう。

(A

)

( B) 二 条 が 、 こ の よ う に 同 じ 形 式 で も っ て 構 成 さ れ 、 さ ら に

内容

i

二も関連を持っていることから推量して、 ( A) ( B) 二 条 は 、 も と も と 一

文 と し て ま と ま っ て こ の 章 に つ い て の 顔 延 之 の 所 論 と し て 記 述 さ れ て い た も の

(7)

で 、 別 々 に 単 行 し て 記 述 さ れ て い た の で は な か ろ う の そ れ を 論 議 義ljfしの締者が

後 に 義 疏 の 中 に 取 り 入 れ た と き ち 分 け て そ れ ぞ れ 関 連 す る 経 文 下 に 繋 い だ も の

であろうと推測する。

そ れ に 対 し て 、 一 意 に 一 条 の 説 が 引 か れ る 場 合 は ど う で あ ろ う か 。 資 料

( 2) を見てみよう。

必也射子。( 八的篇)

故以主党無事也。

「身すには争うことが許される。それゆえ、{ 也のことでは年'lうことはないJ とい

うこの説は、表現としては経文のこの一旬を解釈したもののようにみえる。し

か し こ の 章 の 章 旨 と し て 顔 延 之 は 、 射 の 儀 式 の 一 つ 一 つ をi明らかにすることに

あるのではなくて、「君子に争・うことはないJ という際環を! 明らかにすること

である、と考えているのではなかろうか。義疏には、射においては何ゆえ争う

こ と が 有 り う る の か と い う こ と に つ い て 、 普 代 の 李 充 、 機 菜 、 無 名 の 説 者 の 長

文 の 疏 が 引 か れ 、 射 の 儀 礼 が 詳 細 に 記 さ れ て い る 。 そ れ に 対 し て 顔 延 之 の こ の

説 は 原 理 を 述 べ る の で あ るα それはまさにお: 檎ω が い う 「 不 惑 於 常 人 之 雑

説j というようであり、彼の論語説の特長ーを示すものということができるであ

ろう。

次 に 、 資 料 ( 14) について検討しよう。

子臼、智及之、仁不能守之、雄得之、必失之。矢[ ! 及之、仁能守之、不荘以誌

サ[Aヲ vj Oヲセ

( 集解) 王穀田、重力必以雄、然後善也。( 衛霊公篇)

*智以通其饗L ¥)、{ 二以安其性( ] 3 ) 、

必備此阻害ー也、必有大成章せ

1

0

、 機 以 安

l

実情iへ{ ヒ民之善、

見てわかるように、この説も五字ずつ字数をそろえ、所論を簡明に叙述してい

る 。 そ し て そ の 説 の 第 一 匂 ( A) 1智 以 通 其 幾 」 は 、 経 文 の 「 智 及 之 」 の 文 意

を 説 き 明 か し た も の で あ り 、 第 二 句 ( B) 1仁 以 安 禁 性 」 は 経 文 の 「 仁 不 能 守

之 、 難 得 之 、 必 失J之J の 文 意 を 解 き 明 か し た も の で あ り 、 第 三 勾 ( C) 1荘以

ェ イxエ Aセゥj j芙不敬J の文意、を解き明かしたものであり、

第四句 ( D) 1稽 以 安 其 情J は 経 文 の 「 動 之 不 以 灘 、 来 善 也J を解き明かした

も の と 晃 ら れ る 。 し か も 経 文 の 論 旨 が 「 智J 1仁J 1最 も を 連 関 さ せ な が

ら 、 そ れ ぞ れ が 前 を 承 け る 形 で 展 開 し て い る の に 対 し て 、 j望号延之の説では

「智J 11二J Qセ Gゥj@ 1最 も を 「 化 民 之 善j の必須の

1

m

項目として単立させて述べて

いて、経文の構成とは異なっていることは、この経文に借りて、 j穎延之はあた

(8)

かも

i

ヨ 説 を 述 べ る こ と に 関 心 を 向 け て い る よ う で あ る 。 こ う 見 て く る と 、 彼 の

それぞれの経文について注解を問的として立てた説というよりも、

つ い て の 顔 延 之 の 続 審 記 録 で あ り 、 意 全 体 に か か わ る そ の 章 旨 を 明 ら か

にする目的で立てられた説である、と見たほうがわかりやすいのである。

こ の こ と は 、 資 料 ( ) 4) で 顔 延 之 の 論 語 説 が 繋 が れ て い る の が 集 解 下 で 、

経 文 下 で は な い こ と も 、 こ う 考 え る 有 力 な 傍 証 と な る 。 こ れ ま で も 他 の 論 語 説

家の検討の

i

療に指摘したように、意末の集角字下に繋がれている疏は、多くの場

合 、 京 全 体 に か か わ る 疏 で あ る こ と が 多 い か ら で あ る 。 論 語 義 疏 の 締 者 は 、 読

を経文下に繋げる場合、主主全体にかかわる疏は、それを案末に繋げることを通

例とする。そして、もし議の最後に集解が霞ーかれている場合、その集解の後に

繋 げ る の で 、 形 式

t

築 解 下 に 繋 が れ る こ と に な る 。 こ の 結 果 、 章 末 の 集 解 下 に

は 、 二 つ の 性 絡 の 異 な る 疏 が 併 記 さ れ て い る 可 能 性 が あ る 。 こ の よ う に 見 て く

ると、資料 ( 14) が 築 解 下 に 繋 が れ て い る こ と は 、 論 語 義 読 の 編 者 も ま た 、

こ の 顔 延 之 の 論 諸 説 を 、 あ る 経 文 に 限 定 さ れ る 注 解 的 な 設 で は な く て 、 輩 全 体

{ こ関わる説であると見ていたからであろうと推郷できるのである。

以! っから、顔延之の論語説は、論語義疏のある一章に二条あるいは三条に分

かれて引かれている場合もあれば、一章に一条のみ引かれている場合もある。

あ る い は 三 条 に 分 か れ て い る も の も 、 も と も と は ま と ま っ た 一 文 で あ っ

た と 考 え ら れ る 会 そ し て 、 二 条 、 あ る い は 三 条 に 分 か れ て い る の は 、 論 語 義 疏

取 り 込 ん だ と き に 、 こ れ を 分 け て そ れ ぞ れ の 経 文 下 に 繋 げ た も

の で あ ろ う の 顔 延 之 が 論 語 説 に 記 し て い る の は 、 そ の 章 に か か わ る 章 冨 で 、 論

だ! 轄の読欝記録ともいえるものである。そのためであろう、顔延之の

は、経についての語釈的な説はほとんど晃えない。一五条の中に、言11

まったく克えないこともそのことを裏付けるのである。

ま た 築 解 と の 関 連 で い え ば 、 顔 延 之 の 設 は 、 す べ て 経 文 に か か わ る 説 で 、 集

解 に つ い て の 言 及 は な い 。 た と え 集 解 下 に 繋 が れ て い て も 、 そ れ は 章 全 体 に か

かわる説であるため集解下におかれている、ということなのである。

3)

論 語 説 の 特 長

顔 延 之 の 論 語 説 は 、 そ れ ま で の 論 語 解 釈 と 比 べ て ど の よ う な 特 長 が あ る の だ

ろうか。

ま ず 資 料 ( け を 克 て み よ う 。 為 政 篇 「 色 難j の説明である。

子裏問孝。子問、色難。

(9)

* 夫気色手]1、員IJ'1湾志通。 必先手11:

J

毛色、放[ ::i難t 1 10

j穎 延 之 以 前 の 「 色 難J の 「 色 」 に つ い て の 解 釈 は 、 集 解 に 見 え る 1)詩位、承I1国

父母: 顔色j と い う よ う に 、 仕 え る べ き 父 母 : の 顔 色 を 指 し 、 そ れ に 潤 う こ と の 難

し さ を 述 べ た も の と す る 。 こ のj誌 は 、 築 解 を う け る 義

A

It

も ま た 同 様 の 説 を 述 べ

る。 一 方 、 顔 延 之 は こ こ にijl いたように、 r色 J を 「 気 色 J と 説:1関する。「気 色j とは、人間の「表↑ 誇・感情j な ど の 外

i

到 に 表 れ る も の を 指 す こ と ば で あ ろ

う 。 そ し て 円 清 志 通J の 「 情 志 J とは、 r;意思・精子liJJ などの内i 1 討に存するも の、と考えられるから、「気色手]1Aセiェ

!惑j育J が ど の よ う で あ れ ば 「 意 思 ・ 精 神 J が 相 手 に 伝 わ る の か 、 そ の 筋 道 に つ

い て 考 え を 立 て よ う と し て い る と 読 め る 。 j穎 延 之 の 考 え で は 、 人11唱の「表情・

! 感情j が 吋]1J ( お だ や か ) な 状 態 で あ っ て 、 は じ め て そ の 人 の 「 意 思 観 精

ェ j QQセj

「表情・感情」を「和J ( おだやか) にすることの難しさをいったものである、

と 解 す る ( ヘ 以 上 を ま と め れ ば 、 顔 延 之 は 、 「 色 難j という語句を分析して、

人 間 の 「 表 情 ・ 感 情j と 「 意 思 ・ 精 神 」 と の 関 係 に 踏 み こ ん で 、 そ の 両 者 の

p

=j

鴻 な つ な が り の 難 し さ を 指 摘 し た も の で 、 こ のJ幻 こ 従 来 の 説 と の 違 い を 見 る こ

とができるのである。

ま た 資 料 ( 9) は次のようである。 柴也患、参也魯、師也{ 訴、 iお也 i務。

* 空 非 開 所 盤 、 故 庶 荷 数 得9

( 先進篇)

こ の 章 の 「 空j の 理 解 に つ い て は 従 来 二 設 に 分 か れ る 。 一 つ は 、 築 解 に も と づ

く「空麗j、 ま た 集 解 を う け た 疏 の f 窮

i

萱J とする説で、第窮のたとえであるっ

[[ iセ j

あ る 。 も う ひ と つ の 説 は 、 集 解 の 別 解 f一 日 、 空 締J;/fl:1中也J に拠った f点j と

す る 説 、 そ の 集 解 の 別 解 を う け た 疏 に い う 「 … 通 云 、 空 猶 虚 也 、 言 聖 人 鰭 寂 } 市

心1'宣彦無累J と す る も の で あ る 。 そ し て 顔 延 之 の 「 空J の1理解も、義疏の編者 は 「 虚J と し て い て 、 集 解 の 別 解 に 連 な る 解 釈 と な る 。 た だ 築 解 は 、 「 空j を

rJ安中J としながらも、「空J で あ る こ と を 願 う の は 顔

i

理 由 場 で は な く 、 顔 閉 が

「柴 J I 参 J I部iJ I自J 等 の 弟 子 た ちlこ「露i中J で あ れ と 願 う 、 顔

i

司自身は、 f;e,iJ を 「 虚 」 に し な け れ ば 「 道j を 知 る こ と は で き な い こ と を 知 っ て い た 、

と 解 し て い る 。 そ れ に 対 し て 、 こ こ に 示 し た 顔 延 之 の 説 は 、 顔 ! 辺 自 身 が

を 体 得 し て い な い こ と か ら 「 空J をj顔い、しばしば{ 本得したと解する。顔延之

の 「 空J に つ い て の 解 釈 は 、 集 解 の]jl J 解に従いながら、それとはまた異なる設

(10)

となっているの

また資料 ( 10) に見える論諸説は次のようである。

子張関

!V

t

… … 浸潤之緒、 j誇受之惣、不行J層、謂遠塩己失。( 顔: 淵篇)

謀議潤不行、脱出於i拐、 i現見之j菜、乃Hj於嚇遠。身本遠不釣於惰係、故功婦

1

公明見。} 予言其功、故

i

ヨ! 明、極言其本、 i吹田遠也。

この章では、 '1現J と「遠」が問題となる。子張がたずねた「明」に対して、

孔子は「明」と「遠J とを挙げて答えとする。この章に付けられた集解に見え

るj号制iの説は、「持、

U

J:

ヒ ニ 者 、 号 ! 潟 、 其 徳 行 高 速 、 人 莫 能 及 之 也J というか

ら、

q

受潤の諮」、 I}誇受の慰j の一 い な ら ば 、 そ れ は 「 明J であるばか

りか「遠j であるといって差し支えない。 If 羽」とは、明察する力、「遠j とは、

が高速で、人が及びがたいことというから、「遠J を 人 の 及 び が た い 優 れ

た1司祭力とみるのであろう。しかし集解は、両者の差をこのように述べても、1

と り た て て 匂 む と 「 遠J との関係を明らかにしようとするわけではない。そ

れに対して顔延之の説は、「明j と「遠J と を ど の よ う に 関 連 付 け る か と い う

ことに重点をおいているようである。「浸潤の讃」、" 書受の惣J が行なわれな

いのは、

n

明j によるといい、その「明j について、 「日月見之深、乃出於毒事遠J

というから、自に見える現象の深層に i遠J の存在を克ているのであろう。し

かしその f遠J は 、 現 象 に よ っ て し か 自 に 見 え て こ な い 。 説 の 末 尾 に 「 斥 言 其

工jJ、 故 日 明 、 極 言 其 本 、 故

i

ヨ遠J ( その工: ) ] を指していえば明といい、その本を

突 き 詰 め て い え ば 遠 で あ る ) と い うο 「功」という自に見える現象を察知でき

る能力を I sfiJJ と し 、 そ の 現 象 の 深 層 と し て の 「 本J、 す な わ ち 根 本 を 察 知 で きる能力を「遠J と 解 し て い る の で あ る 。 こ の 顔 延 之 の 解 釈 は 、 資 料 ( 1) の

「色難J で 示 さ れ た 、 人 簡 を 「 気 色j と I1情志j と の 関 係 で と ら え る 理 解 に 通

じるであろう。顔延之は人間の内腐の分析に強い関心を持っていて、それを論

語のこの章を{ 替りて行なっているともいえるのである。

以上「色難J 1空J i明・遠」三{ 列を挙げて、顔延之の論語説が、それ以前の

解釈の中心であった集解と、それに沿った義疏に見える解釈とかかわっていな

いことを明らかにした。これは顔延之の論語説が、前節でも言及したように、

取り上げるある撃について、その章を借りて自分の関心事を分析し、深めると

いった性格を持っていて、結果としてその輩の章旨を明らかにすることに重点

が置かれるからであろう。そのため、論語全体にわたって詩句を解明し解釈す

るということには関心が向かず、集解ともかかわらない論語説になっているの

ではなかろうか。そうであれば、顔延之の論語説は、論語のそれほど多くの掌

(11)

に施されたものではないのかもしれないの j顎 延 之 の 論 語 説 が 従 来 と は 異 な る 新

た な 説 で あ る こ と を 認 め る と 問 時 に 、 彼 の 視 点 の 遠 い に 注 目 す る 必 要 が あ る だ

ろう。

4)

論 語 説 の 表 現

ここで顔延之の論語説の表現について克てみよう。まず指摘できることは、

そ の 論 語 説 が 平 易 で か つ 簡 明 、 行 文 も 整 い 、 さ ら に 多 く の 場 合 、 対 偶 を 重 視 し

た文構成になっていることである。

そ う し た 点 を 、 資 料 C3) でみてみよう。 子日、以約失之者、鮮会。

J セエ ス

この輩について集解は、

r

サエャQゥjサ エセャェセ j

す る 。 す な わ ち 「 約j に 対 比 さ せ て 「 審J を 挙 げ 、 そ の 理i羽を、どちらカトヴi

だ け で は 「 倶 不 得 中 也J ( いずれも「偏って J

1

*

1

を 得 ら れ な い ) か ら で あ る と

セ|I j ( 小を予にし、薄に} 古

る ) と 解 し 、 そ う で あ れ ば 「 衆 之

p

Ji'

輿J ( 衆人が支持する) といい、その文に

対比させて「執多! 定輩、物之所去J ( 多を子にし、農に揺る、衆物が

i

維れる)

を お い て 、 四 字 ず つ 二 匂 の 対 偶 的 表 現 で そ の 説 を 構 成 す る 。 経 文 の 「 約j とい

う誌を起点として、「小・簿」と「多・襲j という雨械の並存する状態が二台]

サ QSIセ 7j三され、その結果として、集解のように、

「約j と 「 警 」 と い う 単 結 な 対 比 で は な く 、 さ ら に 「 倶 不 得

1

1

::t1 : 1 むという補足

的説明匂も必要なくなっているのであるのこうした論旨を述べる際に、

つ四匂の対偶表現による文章構成は、効果を発揮しているといえるのである。

同 じ よ う に 平 易 で 撃 っ た 文 と し て 、 資 料 ( 5) をあげる。

君子所費乎道者三、動容貌、持T遠 暴

i

霊突、

J jセ サ

正顔色、斯近{ 言突、

ネ正色財人達其誠、故信者立也。

iセ HサI

* 出稼員 Ij人築英文、故量! ) 倍絶也。

ゥ [ jセャェ j

r

正顔色、

能 衿 荘 巌 栗 、 別 人 不 敢 欺 誕 之 也J

:

r

台高卒気、能) 1 捜部説、員JI無 惑 茂 之

也j と い う よ う に 、 経 文 「 動 容 貌 J 顔 色 J

r

出 辞 気 」 に つ い て 、 そ れ ぞ れ

(12)

「 古 輝 総 鎗J

r

能 衿 鍛 架J

r

告をJII資( ( 百説J と い う 説 明 的 な 匂 を 補 っ て 文 を 構 成

し 、 こ う し た 説 明 的 な 勾 を 補 う こ と で 、 経 文 の 理 解 を は か つ て い る の で あ る の

ェ セセj j

rtb

辞 策J と い う 経 文 に つ い て は

説 明 を 加 え ず 、 そ れ に よ っ て 生 ず る 結 果 を 「 儀 」 鳴 をJ

r

文J と い う 三 詑 に こ め

て 州 、 そ れ ぞ れ 「 人 敬 其 儀J

r

人 達 其 誠J

r

人 鍛 其 文J と い う 匂 を 補 っ て 示 し て

いるa 顔 延 之 は 、 閉 じ よ う に ら ] を 補 い な が ら 、 集 解 の よ う に た ん な る 説 明 的 な

捕足で月Hi鮮を! 諸るのではなくて、 f1義J

J f文J の 三 認 を 合 わ せ て 、 こ

慢 で あ る こ と を 提 示 し て い る 点 が 異 な る の で あ る 。 ま たj穎 延 之 の 行 文 を 見

ればわかるように、三イョ] はまったく! 司じ文構造で構成され、字数もそろえ、表

も 平 易 で 、 き わ め て 務 え ら れ た 文 と な っ て い る 。 こ う し て み て く る と 、 こ の

F ゥセセ

い る こ と 、 文 が き わ め て 盤 え ら れ て い る こ と が 大 き な 特 徴 と い え る 。

こ の よ う に 整 っ た 文 構 成 を な し て い る 点 で は 、 資 料 ( 15) もそうである。

見善女JI不及、見不善女JI探 湯 。 吾 見j老人突、苔額其諮失。 ( 築解) 子し安! 週日、探湯、除去悪疾也。

Jセエ ij 合 議 之 情 、 可 { 専 之 理 、 既 見 其 入 、 又 関 其 語

也(¥)

行 義 以 遠 其 道 。 否 問 其 語 失 、 未 完 其 人 也 っ ( 李 氏 篇 )

勺器j語 所 以 求 志 於

1

主 表 、 行 義 所 以 遠 道 於i主 人 、 無 立 之 高 、 難 能 之 行3 徒 額

未完其人也([ 1 )

( A) と も に 結 認 の 部 分 だ け は 、 経 文 を ほ ぼ そ の ま ま 使 っ て い る が 、 そ の

能 に つ い て は 、 言 葉 を 補 い な が ら 平 易 に 改 め て い る 合 そ の 説 ( A) は、五字・

セケ Z HbI

字・問字・四字と、これもまた二匂ずつ対! 晶表現を用いて文が構成されている。

こ の よ う に 、 顔 延 之 の 設 は 、 対 { 馬 表 現 を 用 い る た め か 対 比 的 に 識 を 立 て る こ と

が 多 い 。 こ れ ま で も 繰 り 返 し た よ う に 、 そ の 構 成 は 字 数 を そ ろ え 、 平 易 な 表 現

を 用 い 、 整 え ら れ た 表 現 と な っ て い る 。 こ う し た 点 に 顔 延 之 の 論 語 説 の 文 章 上

の特色を見て取ることができる。

以上、資料. ( 3) ( 5) ( 15) に つ い て 、 顔 廷 之 の 論 語 説 の 特 色 で あ る 、 平

易 な 表 現 と 、 字 数 を そ ろ え た 対 { 馬 表 現 に よ る 文 章 構 成 、 さ ら に は 対 比 的 な 立 論

と い う 点 を 、 資 料 に 沿 っ て 見 て き た 。 顔 延 之 に と っ て は 、 論 語 説 と い う 事 棋 を

明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 文 で あ っ て も 、 詩 品 ( 中 )

r

宋 光 禄 大 夫 顔 延 之

で 「 鰭 裁 締 密 、 情 JI船出深、弱j無虚散、ーを1] 一字、皆致意駕j と 評 さ れ る 文

(13)

意意識が機能しているといえるのである。

( 注)

(1) 江瀦もまたこの点について、「或; 云顔延之、或云顔特進、使文稿説、無

義例也」というから、その義ザリを見出しえなかったのであろう。

江 識 の 説 は 「 増 修12:9J寧 全 害 総 思 提 要 ・ 経 部 ・

I

I

立書類J

r

論 語 顔 氏 説 一 巻」にみえる。

(2 ) こ の 「 文j 字 を 、 馬 本 は 「 義 」 字 に 作 る 。 し か し こ の 句 は 、 経 文 の

i

封高卒気j によるはずであるから、 f義J とするのは誤りで、「文J が正

しいであろう。

( 3) 江j翰 の 説 は ( 1) と同じ。

( 4) この文は、敦捜本では異文があり、「必先手]1其顔色故白色葉IEJ とする。

これによれば、「気色j と「顔色J とが同じように使われていることに

なる。

( 5) こ の 点 に つ い て は 、 す で に

r

(

2) 論 諸 説 は ど の よ う

たか、その性格の検討」で言及した。

一 資 料(1 )

( 1 ) 子夏間孝。子臼、色難。( 為政)

で作られ

( 顔延之) 央集色和、良日1'育志述。善養親ω 之志者、必先手JI其( 3) 色、故 臼難也( 4)0 (皇

1

1

立義訴し)

( 2 ) 子日、君子無所字。必也射子。( 八傍)

( 顔延之) 射許有争、故可幻、競知事也。

( 3 ) 子臼、以約失之者、鮮突。( 里仁〉

( 顔延之) 葉小居薄、衆之所興、執多産豊、物之所去也ο(皇侃義疏)

( 4) 子張関日、令戸子文、三{ 土馬令戸、無喜色也、… … 子日、清泉。( 公冶

長)

( 顔延之) 毎適又遠、潔身者也。( 皇侃義疏)

(5) 曾 子 有 疾 ヘ 孟 敬 子 関 之 。 曾 子 言iヨ、鳥之将死、其i鳴也哀、人之将死、

其言也善。君子所貴乎道者三、動容貌、 j折遠暴慢突、

( 顔延之) 動容員Ij 人敬其{義、故暴慢怠1 : 1 1 。

正顔色、斯近信突、

(14)

(i 旗延j之) 正色別人迷其誠、故信者立也。

出野策、 j船主語)1倍実。( 泰伯)

( 顔廷之) ャ ZャZ| ij HUI iセ HI (6) 子絶問。

( 顔延之) 誤絶人

i

当者也。( 患1) 立義高t )

( 7 ) 子 日 、 衣 弊

ii

抱、興衣狐務者立、部不恥者、其自由輿。( 集解) 孔安

i

機、乗著者也。

( 顔延之) 狐絡擁抱、誠不足以後( 創出: 。然i当 非 勇 於 克 義 者 、 或 以 心 戦 不能素泰也。

不 妓 不 求 、 { 可 用 不 滅 。 子 路 終 身 諦 之 。 子 日 、 是 道 也 、 何 足 以!f 成。( 子

(

j 顔延之) 健其伐善也。( 皐慌義疏)

(8) 子日、孝哉関子議、人不問於父母: 毘弟之言。〈先進)

( 顔延之) 言之無関、調愛美也。( 皐侃義疏)

(9 ) 柴也態、参也魯、師也静、 i昌也11彦。子臼、回世其

F

王子、屡空。( 先進)

( 露首; 特進) セTQセ`} HI

( 10) 子張関明。… … 浸潤之議、 j習受之怒、不行鳶予可謂

i

哀也己実。( 顔淵)

(11)

( 顔延之) 諮潤( 7 ) 不行、雄出於明、明克之深、乃出於鉢遠。鉢遠不釣

於情{ 潟、故功競於明見。斥言其功、故日明、極言其本、故田遠也。

( 皐1) 立義疏)

n

有 必

i

笠而後{ 二つ ( 一子路)

( 顔延之) 革命之玉、必漸化物以義道、染露し之民、未能従道麗化。不

得熊威刑之用、員JI仁 施 未 全 。 改 物 之 道 、 必 須 易

1

量、{ 吏正化徳教。不行

暴露

L

、別持JI爵可措、{ 二功可成。( 皇保義疏)

( 12)子路間成人。

i

ヨ老子減武伸之知、… … 臼、今之成人者何必然。克利忠義、

( 顔特進) 見利恵、義、難不及公紳之不欲、猶顧義世。

見危授命、… … ( 憲開)

( 顔 特 進 ) 見 危 授 命 、 難 不 及 下 荘 子 之 第 、 猶 顧 義 不 苛 免 也 。 ( 皇 侃 義

統)

( 13) 子日、不逆詐、不億不信、担] 亦先費者、是賢乎。( 集解) 孔安箆由、

先魔人情者、是寧能矯賢乎、或時反怨人也。( 憲開)

( 顔特進) 能無此者、雄未窮i現理、市( 8)亦先繁之次也。( 皇侃義疏)

( 14) 子 日 、 智 及 之 、 仁 不 能 守 之 、 難 得 之 、 必 失 之 。 知 及 之 、 仁 能 守 之 、 不

(15)

荘以夜之、異11.

1

廷不敬。矢1]及 之 、 仁 能 守 之 、 荘 以 夜 之 、 動 之 不 以 雄 、 未 善

也。( 集

w

n

王諮

1

3

、動必以端、然後善也。

( 顔特進) 智以通

1

主 題 、 以 安 異 性 、 以 安 其 下( 9)、 機 j込安 j 実情。{ ヒ

必 1i市11: ヒ問者也、必有大成量也( 10)0 ( 皐保義i流、 ( 15) 孔 子

E

: J、見善女

]

1

不及、見不善女

l

!

探湯の

( 築解) 子し安

i

i

三!、探湯、 u論去慈疾也。

( 顔特進) 好替女]1所築、恕懇女JI所畏、 合 義 之情i

i

鰐背、

l

可:司可

I

J1

博専之: f Y弘

1

又関

1

其建諾也ο

ゥ ゥ ャセエ q (李氏)

( 顔特進)

I

穣) 詰所以求志於世表、行義所以遠道於古人、無忠之高、難

能 之 行 、 徒

i

訪英語、未見其人也。

(1) 顔 延 之 の 論 語 説 は 、 経 文 よ り d 字 下 げ て 記 し て あ る 。 ま た 論 語 義 疏 の 元 の 形 を 残 し た た め 、 経 文 が 分 か れ て 記 さ れ 、 そ れ ぞ れ の 下 に 論 語 説 が

繋がれている場合がある。

(2) 敦 壊 本 は 、 親 字 が 無 い 。 敦 埠 本 が 顔 延 之 の 説 をI"31く の は 、 こ の 条 の

みである。

(3) 敦壌本は、其字下に顔字がある合

( 4) 敦壊本は、

(

5

) 馬 本 は 、 文 字 を 義 手 : に 作 る 。 経 文 の 辞 気j との対応で考えると、

義字に作るのは誤りであろうっ

( 6 ) 根本本、馬本は、策字を策学: に作るつ根本本、 j詩本の誤りであろう。

(7 ) 馬本は、 j関学を恕字に作る会 jZ3本が文意をもって改めたのであろう。

( 8) 根本本、 j高本は、語字の下に抑字がある。

( 9)

1

1

1

5

関正義所引、根本本、 j需本は、 下学を1;霊字に作る。

1

1

ヨ抄本各本は下

字である、根本氏が背1) 常 正 義 所 引 に よ っ て 改 め た の で あ ろ う か 。

( 10) 部涛正義所ー引、根本本、

j3

3

本は、必有大成量也六学が無い。

I

日抄本各

本 ( 足 利 本 を 含 む ) に は 、 こ の 六 字 が あ る の で 、 根 本 氏 が 校 言

T

の! 療に削

除 し た の か も し れ な いc 文 明 本 に 「 己 下 六 字 イ の 校 記 が あ る の で 、

1

1ヨ抄本中にこの六字がないテキストがあるのであろうか。

( 大妻女子大学短期大学部)

参照

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