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資料置場 発見の歴史(物理学)

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(1)

素粒子に関する発見

https://sites.google.com/site/hakkennorekishibutsurigaku/

(2)

“素”粒子ってなんでしょう?

(elementary particle)

物質の構造を分子・原子・原子核と分けて階層的に見たとき、

原子核の次にくる粒子をいう。

相互転化を基本的特徴とする。

個々には質量・電荷・スピンなどの量子数で指定され、

ハドロン族・レプトン族・ゲージ粒子族に大別。

(広辞苑第5版)

(elementary particle)

物質の構造を分子・原子・原子核と分けて階層的に見たとき、

原子核の次にくる粒子をいう。

相互転化を基本的特徴とする。

個々には質量・電荷・スピンなどの量子数で指定され、

ハドロン族・レプトン族・ゲージ粒子族に大別。

(広辞苑第5版)

素粒子

とかかれていますが、ここでは 『物質の“素”となる粒子』

『それ以上分解できない粒子』  (例:素数)

(3)

自然の階層構造

太陽系の大きさ 約60億

km

太陽の大きさ 約70万

km

~ 1

万分の1

太陽系の大きさ 約60億

km

太陽の大きさ 約70万

km

~ 1

万分の1

(4)

自然の階層構造

分子

電子

原子核

陽子

中性子

クォーク

10

-10

m 原子

10

-9

m

10

-14

m

10

-15

m

ナノメートル

Å(オングストローム)

10

-18

m

原子の大きさ

10-10 m

原子核の大きさ

10-14 m

~ 1

万分の1

原子の大きさ

10-10 m

原子核の大きさ

10-14 m

~ 1

万分の1

(5)

原子核が人の大きさ程度とすると

原子:  山形市 (~20 km) 原子核: バランスボール (1 m)

陽子・中性子: ソフトボール (10 cm)

電子・クォーク: 花粉以下 (< 0.1 mm)

原子核が人の大きさ程度とすると

原子:  山形市 (~20 km) 原子核: バランスボール (1 m)

陽子・中性子: ソフトボール (10 cm)

電子・クォーク: 花粉以下 (< 0.1 mm)

原子の大きさ

原子の大きさ

原子核の大きさ

原子核の大きさ

陽子の大きさ

陽子の大きさ

クォークの大きさ

クォークの大きさ

(6)

基本粒子

(7)

“素粒子”の発見

1935年 ジェームズ・チャドウィック 中性子の発見

1936年 

ビクター・ヘス 宇宙線の発見

カール・デイヴィット・アンダーソン 陽電子の発見 1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発および諸中間子の発見 1959年 エミリオ・セグレ、オーウェン・チェンバレン

反陽子の発見

1976年 バートン・リヒター、サミュエル・ティン ジェイプサイ中間子の発見

1984年 カルロ・ルビア、シモン・ファンデメール

弱い相互作用を媒介する場の粒子(ウィークボゾン)の発見を導いた巨大プロジェクトへの貢献 1988年 レオン・レーダーマン、メルヴィン・シュワルツ、ジャック・シュタインバーガー

ニュートリノビーム法、およびミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証 1995年

マーチン・パール レプトン物理学の先駆的実験(タウ粒子の発見) フレデリック・ライネス レプトン物理学の先駆的実験(ニュートリノの検出)

(8)

素粒子年表

クォークの不思議

R・M・バーネット、H・ミューリー、H・R・クイン (守谷 昌代 訳)

20世紀は

『素粒子物理学』の世紀

(9)

1936年 

ビクター・ヘス 宇宙線の発見

カール・デイヴィット・アンダーソン 陽電子の発見

1902年

ヘス達は気球を利用して、高度と放射線強度の関係をしらべた 放射線によって放電が誘発

放射線によって放電が誘発

Q −Q

放射線

放射線強度 小

中 大

高度と共に放射線強度も上昇

→ 宇宙から降り注ぐ放射線

→ 宇宙線

(10)

1936年 

ビクター・ヘス 宇宙線の発見

カール・デイヴィット・アンダーソン 陽電子の発見

霧箱(1927年ノーベル物理学賞)

磁場 鉛の板

宇宙線

ローレンツ力により

荷電粒子は磁場中で曲げられる

(フレミング左手の法則) 粒子は鉛の板で減速

→ 磁場で大きく曲げられる

→ 宇宙線の入射方向がきまる

→ 宇宙線の電荷が決まる

電子の場合 陽電子の場合 1932年 霧箱による宇宙線観測中に陽電子を発見

(11)

反粒子: 電子と正孔

自由電子

正孔

V

−V

V

V

−V

−V

−V

−V

−V

V

V

V

電子と逆負号の電荷をもつ正孔が 電流方向に移動するように見える

(12)

ディラックの海

1933年 エルヴィン・シュレディンガー、ポール・ディラック 新形式の原子理論の発見

粒子

すべての粒子には 『反粒子』が存在 電子 → 陽電子

陽子 → 反陽子

クォーク → 反クォーク ※ 最近は 陽電子と反陽子の 反水素原子が人工的に生成されている 2002年 東大早野教授 反水素原子の大量生成に成功

2010年 反水素ビーム生成装置稼働

※ 「天使と悪魔 (ダン・ブラウン著)」の題材にも使われた

E

0

E

0

反粒子

・ 負のエネルギーが存在

・ 負のエネルギーはすべて粒子で埋められている

1959年 エミリオ・セグレ、オーウェン・チェンバレン 反陽子の発見

(13)

粒子と反粒子の生成・消滅

粒子が反粒子と出会うと消滅

粒子と反粒子のエネルギーが光となって放出 十分なエネルギーを持つ光は

粒子と反粒子の対を生成する

対生成

対消滅

粒子・反粒子の 対生成、対消滅 素粒子の特徴的な性質の1つ

E

粒子

0

反粒子

E

粒子

0

反粒子

(14)

シュレディンガーの猫

脇道にはずれているわけでもないけれど、 ちょっと脇道にはずれて

1933年 エルヴィン・シュレディンガー、ポール・ディラック 新形式の原子理論の発見

ボーアの量子仮説 → 電子は原子軌道状で定在波を取る 粒子は『波』の性質を持つ

粒子の運動を 『波動関数』 をつかって記述する 波を  粒子の『粗密波』 と考えると

波の振幅の大きなところに、粒子が存在する『確率』が大きい

粒子は『粒子』なので、1つのものが同時に複数の場所には存在できない

(15)

粒子の運動: シュレディンガー方程式

時間の流れ

位置

位置

位置

  x , t 

  x , t 

  x , t 

粒子の波動関数が従う、運動方程式を発見

シュレディンガー方程式

(16)

シュレディンガーの猫

波動関数は 粒子がある 『状態』 をとる確率を決めるだけ。

→ もっとも起こり安い 『状態』 を予想できる 期待値の決定 実際にどういう 『状態』 であるか?

→ 観測して初めて分かる

電子のスピン 外部磁場がない場合、上向き、下向きどちらも同じ確率で起き得る

or

50% 50%

測定

(17)

シュレディンガーの猫

猫は

生きている 死んでいる

の2つの状態を取り得る

箱の中に入っている猫

どちらの状態をとっているか不明

箱を開ける

猫の生死は判明

量子論的には

『箱の中に入っている猫は 50% 生きていて、50%死んでいる 状態』 と考える。

観測時にすべての可能な『状態』から、ある1つの状態が選び出される

※ 波動関数に従う、確率論的な振る舞い

『神はサイコロを振らない』 (アインシュタイン・反量子論陣営)

(18)

素粒子年表

クォークの不思議

R・M・バーネット、H・ミューリー、H・R・クイン (守谷 昌代 訳)

20世紀は

『素粒子物理学』の世紀

(19)

1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発および諸中間子の発見 1947年 パイ中間子の発見(パウエル)

アンデス山脈の高地で宇宙線にさらされた写真乾板による発見

ノーベル物理学賞 受賞講演論文より抜粋

 

 

e

 

e



 

パイ中間子の崩壊

e

1949年 湯川秀樹

核力の理論的研究による中間子の存在の予言

(20)

1959年 エミリオ・セグレ、オーウェン・チェンバレン 反陽子の発見

http://www.wired.com/images_blogs/wiredscience/2009/07/bevatron_1a.jpg

ベバトロン (Bevatron)

ローレンス・バークレー国立研究所

ベバトロン (Bevatron)

ローレンス・バークレー国立研究所

6 ギガ電子ボルト

反陽子のとらえ方

磁石で負電荷の粒子を選択

→ 運動量(質量×速度: 運動の勢い)も選択 S1とS2の間を 51 ns で通り抜ける粒子を選択

→ 陽子の質量 → 反陽子の速度 → 51 ns

→ 他の中間子は約40nsで通り抜ける

C2で速度が想定どおりかチェレンコフ検出器で確認 他の粒子

反陽子

3万個の他の粒子に対して 1個の反陽子を同定

(21)

1959年 エミリオ・セグレ、オーウェン・チェンバレン 反陽子の発見

6 ギガ電子ボルト

1954年 ワルサー・ボルテ

コインシデンス法による原子核反応とガンマ線に関する研究 同時計測による飛行時間測定

・ 51 ns 遅らせたS1の信号

・ S2の信号

1958年 パーヴェル・チェレンコフ、イリヤ・フランク、 イゴール・タム チェレンコフ効果の発見とその解釈

チェレンコフ検出器による速度測定

(22)

1935年 ジェームス・チャドウィック 中性子の発見

1935年 ジェームス・チャドウィック 中性子の発見

素粒子は

陽子・中性子 + 中間子?

1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発 および諸中間子の発見

1947年 「奇妙な粒子」の発見

G.D.Rochester and C.C.Butler, Nature 160, 855 (1947)

霧箱

鉛の板

(23)

1946年奇妙な粒子の発見

K中間子の発見につづき、 たくさんの

メソン(中間子)

バリオン(陽子の仲間) が発見された

反陽子の発見

ジェイ・プサイ粒子の発見

 K  

 

 

f

(24)

ハドロンの発見

発見された多数の素粒子を分類すると

ハドロン (強粒子)

p

, n

0

0

,

0

,

0

,

・ バリオン数 1

・ スピン ½

・ 強い相互作用で崩壊しない

・ 質量が同程度

バリオン(重粒子) 8重項

,

0

,

0

K

, K

0

K

0

, K

・ バリオン数 0

・ スピン 0 (擬スカラー)

・ 強い相互作用で崩壊しない

・ 他のハドロンより軽い メソン (中間子) 8重項

バリオン(重粒子) 10重項 メソン (中間子) 9重項

(25)

クォークの発見

1969年 マレー・ゲルマン

素粒子の分類およびその相互作用に関する発見

(26)

1969年 マレー・ゲルマン

素粒子の分類およびその相互作用に関する発見

ハドロン (強粒子)

バリオン(重粒子) メソン(中間子)

q q

q

q q

クォーク3個 クォークと反クォーク

(27)

1969年 マレー・ゲルマン

素粒子の分類およびその相互作用に関する発見

陽子 u u d

中性子 u d d  u u u

u u d u d d d d d

0 u d s

反陽子 u u d

0 u d s

d d s

u u s

クォークの電荷 電荷 +2/3

電荷 -1/3

ハドロン (強粒子)

バリオン(重粒子) クォーク3個 メソン(中間子) クォークと反クォーク

反バリオン(重粒子) 反クォーク3個

u d

d u

0 u u d d

K s u

K u s K0 d s K0 s d

0 u u d d s s

(28)

p

=2.792847356±0.000000023 

N

n

=−1.9130427±0.0000005 

N N=2emp=3.1524512326 45×10−14 MeV/T 核磁子(Nuclear magneton)

u u d u u d

クォークのスピンと陽子のスピン

p = 4

3 u

1

3 d n =

4

3 d

1

3 u

p

n =−

3

2

実験結果は

−1.46 ....

2.79

N

=−3 

d

m

u

=m

d

=m

p

/2.79=938 MeV/2.79=336 MeV

クォークと核子の磁気能率

d d u d d u

中性子のスピン u ←→ d

mu=md eu=−2 ed

u =−2 d

(29)

u u u

パウリの排他原理から 

→ 同じスピンのアップクォークは存在できない

→ 別の自由度が必要: 3成分必要

カラー自由度:

クォークは 赤(R)青(B)緑(G) のカラー(色電荷)を一つ持つ 反クォークは補色(反色):反赤(R)反青(B)反緑(G) を持つ ハドロンは、白色となるようなカラーの組み合わせをとる

R B G バリオン

R B G

反バリオン メソン

R R B B

G G 1969年 マレー・ゲルマン

素粒子の分類およびその相互作用に関する発見

Δバリオンのスピンは 3/2

(30)

クォーク間の力: 強い力

構成粒子 力の種類 中間子 質量 到達距離

原子 電子と原子核 電磁力 光子

0

無限遠

原子核 陽子と中性子 核力 パイ粒子 陽子の

0.15

~ 10-15 m

弱い力

W

Z

粒子 陽子の約

90

~ 10-18 m

陽子 クォーク 強い力 グルーオン

0

無限遠

構成粒子 力の種類 中間子 質量 到達距離

原子 電子と原子核 電磁力 光子

0

無限遠

原子核 陽子と中性子 核力 パイ粒子 陽子の

0.15

~ 10-15 m

弱い力

W

Z

粒子 陽子の約

90

~ 10-18 m

陽子 クォーク 強い力 グルーオン

0

無限遠

強い力の性質 遠く離れれば離れるほど 力が強くなる

近づくほど弱くなる → 漸近的自由性

※ 電磁気力:遠距離では力は弱くなる、近づくほど強くなる

2004年 デヴィッド・グロス、H・デヴィッド・ポリツァー、フランク・ウィルチェック 強い相互作用の理論における漸近的自由性の発見

(31)

高エネルギー粒子の『衝突』・『散乱』

だるま落としの特徴

・ 十分勢いをつけて

・ コマの

1

つだけを打ち抜くと

・ 他のコマはそのままで、打ち出される

・ 上のコマはだるまを倒さずに

・ 下にずれる

強くたたくと、コマはお互いに『自由』に振る舞う

?漸近的自由性?

(32)

陽子の内部を探る:  電子とクォークの『衝突』と『散乱』

散乱された電子を詳しく調べる事で、

陽子の中に

『何個のクォーク』

が入っているか分かる

『ビリヤード』 + 『だるま落とし』

『ビリヤード』 + 『だるま落とし』

加速された粒子 例) 電子

陽子の中のクォーク はじき飛ばされたクォーク

散乱された粒子

当たらないと素通り

(33)

陽子の中にあるクォークの数

『陽子の中に粒子が3個ある』

1990年 ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー 素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、

陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究

(34)

DESY-HERMES実験

電子ビーム 電子ビーム

電子と陽子内のクォークとの衝突・散乱 電子と陽子内のクォークとの衝突・散乱

各種放射線検出器の組み合わせで 散乱された電子を検出

エネルギー 散乱方向 を調べる

各種放射線検出器の組み合わせで 散乱された電子を検出

エネルギー 散乱方向 を調べる

ドイツ・ハンブルク

DESY-HERMES実験(1995 ~ 2007) ドイツ・ハンブルク

DESY-HERMES実験(1995 ~ 2007)

(35)

HERMES実験検出器

陽子の内部を探る実験としては 小・中規模の実験です

(36)

CERN-COMPASS実験

(37)

グルーオンとクォークの対生成

強い力 = バネ(グルーオン: 膠粒子・のり粒子)

クォーク クォーク

グルーオン

クォークを引き離すと

引力がどんどん強くなる

エネルギーがたまって

クォーク

反クォーク

クォーク・反クォーク対が

沢山生成される。

陽子の中でもクォーク・反クォーク対が沢山生成されている

!!

(38)

陽子の内部では

u

u

グルーオン輻射によるクォーク対生成

クォーク・反クォーク(クォーク対) が対生成される

海クォークの生成

u

10 -15 fm

u

u u

d

クォーク同士が近い時はほとんど自由粒子として振る舞う。 遠くに離れると強く引き合い、陽子内に束縛される。

* 制動放射

(39)

陽子はクオークスープのコップ?

陽子は大きさが

10-15 m

のコップで、

中はクォーク・反クォーク・グルーオン

で出来たスープで満たされている。

陽子の物理的性質を決める

3つの『価クォーク』が

スープの上に浮かんでいる

1990年 ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー 素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、

陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究

1990年 ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー 素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、

陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究

(40)

クォークはいくつあるのか?

現在は6個“見つかっている”

『奇妙な粒子』を説明するのには アップ、ダウン、ストレンジ

の3個で十分だった。。。。

3世代-6種類の模型は

日本人によって予想されていた

(41)

2008年 南部陽一郎、小林誠、益川敏英

クォーク3世代を予言した、「対称性の破れ」の起源の発見 1980年 ジェムス・クローニン、ヴァル・フィッチ

中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見

(42)

1980年 ジェムス・クローニン、ヴァル・フィッチ

中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見

ブルックヘブン国立研究所 (BNL)

http://www.bnl.gov/bnlweb/history/images/AGS-5-141-57-sm.jpg

K0L→ π+

K0L→all charged mode=(2.0±0.4)×10−8

(43)

1980年 ジェムス・クローニン、ヴァル・フィッチ

中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見

対称性

回転の下で

対称

対称ではない

(対称性が破れている)

(44)

対称性

C P

T

空間反転対称性

時間反転対称性

粒子・反粒子対称性

電気の力・磁気の力

(電磁相互作用) 強い力

C・P・T の変換をしても 物理法則は成り立つ

CPTの変換の変換の下、 物理法則は変化しない

(45)

1957年 ヤン・チェンニン、リー・ツンダオ

『パリティ対称性の破れ』の研究 パリティ: 空間反転対称性

静止系 運動量

粒子の速度よりも早く移動する系 運動量

運動量の方向に対してスピンの向きが反転

(46)

右巻き 左巻き

パリティ変換

(47)

弱い相互作用とパリティの破れ

右巻き 左巻き

パリティ変換

弱い相互作用では

左巻き粒子は相互作用しても、 右巻き粒子は相互作用しない

パリティ対称性が破れている 弱い相互作用では

左巻き粒子は相互作用しても、 右巻き粒子は相互作用しない パリティ対称性が破れている

(48)

1980年 ジェムス・クローニン、ヴァル・フィッチ

中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見

KL0 

K0Lall charged mode=2.0±0.4×10−8

中性K中間子の崩壊(弱い相互作用)では

パリティと粒子反粒子変換を同時に行う場合でも 対称性が破れている

CPT変換では対称でなければならないので、 時間反転の対称性の破れの可能性

中性K中間子の崩壊(弱い相互作用)では

パリティと粒子反粒子変換を同時に行う場合でも 対称性が破れている

CPT変換では対称でなければならないので、 時間反転の対称性の破れの可能性

(49)

2008年 南部陽一郎、小林誠、益川敏英

クォーク3世代を予言した、「対称性の破れ」の起源の発見 中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れ を引き起こすためには

クォークが3世代・6種類があり

異なる種類のクォークがそれぞれ「混合」する ことが必要であることを示した。

(50)

クォーク探し

1969年 マレー・ゲルマン

素粒子の分類およびその相互作用に関する発見

陽子 u u d 中性子 u d d

 u u u

u u d u d d d d d

0 u d s

反陽子 u u d

0 u d s

d d s

u u s

クォークの電荷 電荷 +2/3

電荷 -1/3

ハドロン (強粒子)

バリオン(重粒子) クォーク3個 メソン(中間子) クォークと反クォーク

反バリオン(重粒子) 反クォーク3個

u d

d u

0 u u d d

K s u

K u s K0 d s K0 s d

0 u u d d s s

残りの 3つのクォークは?

残りの 3つのクォークは?

(51)

1976年 バートン・リヒター、サミュエル・ティン ジェイプサイ中間子の発見

スタンフォード線形加速器センター (SLAC)

ブルックヘブン国立研究所 (BNL)

(52)

SLAC: バートン・リヒター BNL: サミュエル・ティン

e

+

+ e

J / ψ → hadrons pBe  J /  X  e

e

 X

J. -E. Augustin et al.,

Phys. Rev. Lett. 33, 1406–1408

J. J. Auber et al,

Phys. Rev. Lett. 33, 1404–1406

1976年 バートン・リヒター、サミュエル・ティン ジェイプサイ中間子の発見

(53)

SLAC: バートン・リヒター

e

e

J / hadrons

粒子の崩壊する様子から

Ψ 中間子

の名前がついたとかつかないとか

(54)

ジェイ・プサイ粒子 (チャーモニウム)

c c

e

e

c

c

J /

(55)

フェルミ国立加速器研究所 (FNAL)

ボトムクォークとトップクォークの発見 フェルミ国立加速器研究所

(56)

ϒメソンの発見:ボトムクォーク・ボトニウム (1977、レオン=レーダーマン@FNAL)

p  A X 



 X

S. W. Herb et al.,

Phys. Rev. Lett. 39, 252–255

e

e

b

̄b

Υ

(57)

フェルミ国立加速器研究所 (FNAL)

1995年トップクォークの発見

テバトロン

(58)

レプトンは何種類?

ベータ崩壊 電子と電子ニュートリノの対

(59)

1937年 カール・アンダーソン、ネッダー・メイヤー ミュー粒子の発見

宇宙線を霧箱で観測中に、電子より約200倍重い粒子が含まれていることを発見。

国内では仁科芳雄も独立に発見

(60)

C. サットン著

「ニュートリノでめぐる素粒子・宇宙の旅」より

1995年

マーチン・パール レプトン物理学の先駆的実験(タウ粒子の発見) フレデリック・ライネス レプトン物理学の先駆的実験(ニュートリノの検出) ライネスによるニュートリノ検出実験計画(1964)

→  この実験は実行されなかった

→  この実験は実行されなかった 検出器: 

液体シンチレータ+光電子増倍管 検出器: 

液体シンチレータ+光電子増倍管

(61)

R. Reines & C. L. Cowan et. al., Phys. Rev. 117 (1960) 160

原子炉からの ニュートリノ

e p ne p nee β崩壊

原子炉運転中は反応が

1時間あたり36±4個多く起こる事が確認された

E=0.51 MeV

E=0.51 MeV

数マイクロ秒後 カドミウム原子核に 吸収される

総エネルギー 9 MeV 3~4個のガンマ線が発生

液体シンチレータ

(蛍光物質)

世界最初のニュートリノ検出に成功

(62)

1988年 レオン・レーダーマン、メルヴィン・シュワルツ、ジャック・シュタインバーガー ニュートリノビーム法、およびミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証

原子炉からのニュートリノや、 ましてや

原子爆弾からのニュートリノを計測するのではなく、

『加速器を利用してニュートリノビームを作ってニュートリノを調べる』

(63)

http://www.bnl.gov/bnlweb/history/nobel/images/Schwartz-335px.jpg

M.シュウォーツ

ミューオンは直線的な線を残す 質量 106 MeV 電子はジグザグな線 質量 0.5 MeV

(64)

スパークチェンバーで記録されたミューニュートリノによる反応

なにもない所からミュー粒子が発生している事象 29枚 (予想値 25枚) 電子の発生は確認されなかった

ミューニュートリノは電子ニュートリノとは異なる粒子

(65)

長基線ニュートリノ実験: K2K & T2K

K2K K2K to Kamiokande T2K Tokai to Kamiokande

ノーベル物理学賞候補。

ニュートリノに質量があることを

「ニュートリノ振動現象」によって明らかにした ただし....

K2K K2K to Kamiokande T2K Tokai to Kamiokande

ノーベル物理学賞候補。

ニュートリノに質量があることを

「ニュートリノ振動現象」によって明らかにした ただし....

ニュートリノビームを入射する ニュートリノビームを入射する

スーパーカミオカンデ スーパーカミオカンデ

2002年

小柴昌俊、レイモンド・デーヴィス 天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対する先駆的研究 リカルド・ジャッコーニ 宇宙X線源の発見を導いた天体物理学への先駆的貢献

J-PARC@東海 J-PARC@東海

KEK@筑波 KEK@筑波

(66)

1974年

電子と陽電子を衝突させ、

タウ粒子と反タウ粒子の対生成に成功

MARK I 検出器 MARK I 検出器

http://www.slac.stanford.edu/history/images/MarkIdet.jpg

電子の約3500倍の質量

(陽子の約2倍・ミュー粒子の約18倍) 1995年

マーチン・パール レプトン物理学の先駆的実験(タウ粒子の発見) フレデリック・ライネス レプトン物理学の先駆的実験(ニュートリノの検出)

(67)

タウニュートリノの発見 1999年 DONUT実験

・ フェルミ国立研800GeV陽子ビームを使用 テバトロン

・ タウニュートリノを発生させる

・ 標的中でタウ粒子を生成させる

・ タウ粒子を検出

名古屋大学が中心になって 実験を成功に導いた

名古屋大学が中心になって 実験を成功に導いた

(68)

弱い相互作用に関する発見

1984年 カルロ・ルビア、シモン・ファンデメール

弱い相互作用を媒介する場の粒子(ウィークボゾン)の発見を導いた巨大プロジェクトへの貢献 1970年 シェルドン・グラショー、アドゥス・サラム、スティーブン・ワインバーグ

電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献、特に中性カレントの予想

(69)

中性カレントの発見: CERN, 1973

Gargamelle 泡箱検出器

http://wwwlapp.in2p3.fr/neutrinos/neutimg/nhistory/gargamelle.jpg

ee

Phys. Lett. 46B (1973) 121

http://www.symmetrymagazine.org/images/200908/logbook_image.jpg

・ 下方からニュートリノが入射し

・ 泡箱(液体水素)中の電子と弾性散乱(中性カレント)

・ 電子は泡箱中に泡の軌跡を作る

(ニュートリノは軌跡を作らない)

・ 制動放射によるγ線が電子・陽電子対を作る

・ 泡箱は磁石の中に置かれているので、電子は螺旋をえがく 回転半径から電子の運動量を推定できる

e

Z

0

e

(70)

CERN SppS 

陽子(270 GeV)-反陽子(270 GeV) 衝突実験

陽子中のクォークと、反陽子中の反クォークの対消滅

→ 荷電ボソン (W+,-ボソン)

→ 中性ボソン (Z0ボソン)を生成 ud W ee,

ud W ee , 

MW=80.4 GeV /c2 CERN-UA1

http://wwwlapp.in2p3.fr/neutrinos/neutimg/nhistory/ua1.jpg

uu  Z0ee ,

1984年 カルロ・ルビア、シモン・ファンデメール

弱い相互作用を媒介する場の粒子(ウィークボゾン)の発見を導いた巨大プロジェクトへの貢献

(71)

力の統一

電弱対称性

電磁気 弱い相互作用

自発的対称性の破れ

ゲージボソン 質量0

W+, W-, W0, B0

ゲージボソン γ0 (質量0)

ゲージボソン

W+, W- 80.4 GeV Z0 91.2 GeV

1970年 シェルドン・グラショー、アドゥス・サラム、スティーブン・ワインバーグ 電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献、特に中性カレントの予想

2008年 南部陽一郎、小林誠、益川敏英

クォーク3世代を予言した、「対称性の破れ」の起源の発見

エネルギー

結合の強さ

弱い力

電磁気力

力の統一

(72)

エネルギーの基準

事 象 の 起 こ り 易 さ

電磁相互作用 弱い相互作用

(73)

『自発的対称性の破れ』

2008年 南部陽一郎、小林誠、益川敏英

クォーク3世代を予言した、「対称性の破れ」の起源の発見

超伝導の発生メカニズムなどとも深く関係する

(74)

素粒子物理学の発展

1935年 ジェームズ・チャドウィック 中性子の発見

1936年 

ビクター・ヘス 宇宙線の発見

カール・デイヴィット・アンダーソン 陽電子の発見 1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発および諸中間子の発見 1959年 エミリオ・セグレ、オーウェン・チェンバレン

反陽子の発見

1976年 バートン・リヒター、サミュエル・ティン ジェイプサイ中間子の発見

1984年 カルロ・ルビア、シモン・ファンデメール

弱い相互作用を媒介する場の粒子(ウィークボゾン)の発見を導いた巨大プロジェクトへの貢献 1988年 レオン・レーダーマン、メルヴィン・シュワルツ、ジャック・シュタインバーガー ニュートリノビーム法、およびミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証 1995年

マーチン・パール レプトン物理学の先駆的実験(タウ粒子の発見) フレデリック・ライネス レプトン物理学の先駆的実験(ニュートリノの検出)

1933年 エルヴィン・シュレディンガー 、ポール・ディラック 新形式の原子理論の発見

1927年 チャールズ・ウィルソン

蒸気の凝縮により荷電粒子の飛跡を観察できるようにする方法(霧箱)の研究

1949年 湯川秀樹

核力の理論的研究による中間子の存在の予言

1969年 マレー・ゲルマン

素粒子の分類およびその相互作用に関する発見

1990年 ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー 素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、

陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究

2004年 デヴィッド・グロス、H・デヴィッド・ポリツァー、フランク・ウィルチェック 強い相互作用の理論における漸近的自由性の発見

1970年 シェルドン・グラショー、アドゥス・サラム、スティーブン・ワインバーグ 電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献、特に中性カレントの予想

(75)

2008年 南部陽一郎、小林誠、益川敏英

クォーク3世代を予言した、「対称性の破れ」の起源の発見 1999年 ヘラルド・トフーフト、マルティヌス・フェルトマン

電弱相互作用の量子構造の解明

1980年 ジェムス・クローニン、ヴァル・フィッチ

中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見

1970年 シェルドン・グラショー、アドゥス・サラム、スティーブン・ワインバーグ 電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献、特に中性カレントの予想 1963年 ユージン・ウィグナー

原子核および素粒子に関する理論への貢献、時に対称性の基本原理の発見とその応用 1957年 ヤン・チェンニン、リー・ツンダオ

『パリティ対称性の破れ』の研究

参照

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