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第5.総括意見
個別事項についての監査結果及び意見は、各項目のところで詳述しているため、本
項目では、水道事業、下水道事業の抱える課題について将来の展望を踏まえながら、
総括的な意見を述べる。
( 1) 地方公営企業を取り巻く環境は、近年の規制緩和及び地方分権の一層の進展と
ともに公的サービスの供給方法が多様化するなど大きく変化している。また、わ
が国の経済社会の活性化を図るため、各分野におい て構造改革が推進されている
が、このような状況のなかで、地方公営企業は一層の自立性と経営の活性化を図
ることが求められている。
地方公営企業の経営基盤の強化の取り組みについては、つとに要請されてきた
ところであるが、平成 13 年 6 月 26 日閣議決定された「今後の経済財政運営及び
経済社会の構造改革に関する基本方針」等において、地方公営企業については民
間的経営手法の導入を推進する旨の方針が定められた(ちなみに、平成 14 年 4
月に施行された改正水道法は、水道事業者による第三者への業務委託の制度化が
認められた。)。従って、地方公営企業については、今後下記のような取り組みが
重要課題となっている。堺市の水道事業、下水道事業の管理運営についてもこれ
らの課題の具体化を進めるべきである。
① アウトソーシング(外部委託)、PFI等の有効活用を通じた市場競争
原理の徹底
(注)PFIとは, Pr i vat e Fi nance I ni t i at i ve の略語で、公共サービ
スの提供を民間主導で行うことで、公共施設等の建設、維持、管
理及び運営に民間の資金とノウハウを活用し、効率的かつ効果的
な公共サービスの提供を図る手法。
② 業績評価手法の活用による業績主義の徹底
③ 経営情報の積極的な開示による企業経営の透明化
④ 資産の有効活用等を通じた収益性向上のための取り組みの推進
( 2) 堺市においては、平成 7 年度「堺市行財政見直し推進計画」を策定し、平成 10
年度には「新堺市行財政見直し実施計画」を策定、さらに社会経済情勢の変化を
踏まえ、平成 12 年度にはその改定を行い、組織の再編、職員数の削減、民間委託
の推進、受益者負担の適正化その他の施策に取り組んだ。平成 12 年 9 月には、「新
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てきた。水道事業については、水道料金口座振替オンライン業務、水道メーター
の取付、取替、撤去業務、水道開栓・閉栓現地業務、未納水道料金徴収業務等が、
下水道事業については、下水処理場及びポンプ場の運転管理業務等について外部
委託が実施されている。
さらに、堺市は、平成 15 年 2 月、変革への時代に対応して、新しい理念と目標
を設定した「行財政改革計画」を策定した。そこでも明記されているとおり、水
道・下水道事業においてはつぎの目標を達成することが重要な課題となっている。
第一に、成果主義・競争原理の導入など民間企業の経営手法を取り入れること、
第二に、独立採算の原則に基づき、受益者が負担する使用料等で賄う経費と税
により賄うべき経費の区分を明確にして、受益者負担の適正化を図ること、
第三に、事業の自立性、事業効果、運営の効率化を図るため、水道事業と下水
道事業の経営統合を進めることである。
以上のとおり、水道事業と下水道事業の経営統合が目標課題として策定された
のであるから、行財政改革計画に定められた視点に立脚して、統合にむけて諸課
題を解決するための具体的な作業に入るべきである。さらに、現在検討されてい
る他市との合併を踏まえ、水道・下水道事業の広域化による管理体制の強化も喫
緊の課題である。
( 3) 市民の家計に直接的な影響がある水道料金、下水道使用料については、水道事
業では、平成 14 年 4 月に水道料金が改定され、下水道使用料についても平成 15
年第 2 回市議会( 定例会) に改定案が上程されている。水道料金や下水道使用料に
ついては、地方公営企業法第 21 条第 2 項が定める基本原則(公正妥当な料金であ
ること、能率的な経営の下での適正な原価を基礎とすること、事業の健全な運営
を確保することができるものであること)に則ったものであることが求められて
いる。
また、平成 12 年 6 月物価安定政策会議「公共料金分野における事業横断的な情
報公開ガイドラインに関する報告書」によれば、公共料金分野について、つぎの
ような理由から、情報公開の必要性が説かれている。
① 料金が利用者の立場から見て妥当であるか否かについて、原価情報等に
基づいて適切に説明すること。
② 競争が十分に存在しないために事業の効率化が進みにくい環境にあるこ
とから、事業者の効率化努力に関する情報公開等、効率化努力を促すこ
とのできる情報公開が必要であること。
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て受け取る財・サービスの質・内容についても重大な関心があるので、
こうした財・サービスの質・内容に関する情報も必要であること。
こうしたことから、同報告書では、公共料金分野に必要な情報公開の具体的あ
り方として、
① 料金の妥当性を評価できる情報公開
② 事業効率化努力を評価できる情報公開
③ 財・サービスの質・内容に関する情報公開
を求めている。料金改定については、このような視点に立脚した適時の情報公開
に留意すべきである。
( 4) 地方公営企業を取り巻く環境は、上述のとおり大きく変化しており、企業会計
制度のあり方についても、様々な観点から見直しが行われている。すなわち、事
業の実体を的確に表し、市民への説明責任に充分応えうる公営企業会計制度の確
立が求められ、前述した情報公開の具体的手法として、公営企業についても、で
きるかぎり企業会計方式に改める必要が指摘されている。また、企業会計におい
て経営環境の変化や国際会計基準の整備と導入により、会計ビッグバンといわれ
る企業会計制度の見直しが行われているなか、公営企業会計 においてもこのよう
な動向に的確に対応していく必要があるとされている。
さらに、企業等では、環境保全への取組を定量的に評価する環境会計の導入が
進みつつある。
このような公営企業会計をめぐる動向を注視し、従来の公営企業会計独自の制
度に留意しながら、市民への説明責任を確保するため、より適切な会計制度の運