社会的養護自立支援事業における
「退所児童等アフターケアセンター設置運営事業」業務委託仕様書 1.委託業務名
退所児童等アフターケアセンター設置運営事業 2.事業の目的
児童養護施設等からの退所を控えた児童、又は既に退所した児童等のために、入所中から 退所後を通じて情報提供、研修、個別の相談等を行うこと等により、児童等が就労、学業を 継続し、社会的自立の促進を図ることを目的とする。
3.業務概要 (1)事業の対象者
ア 児童養護施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設に入所している者及び退所した 者。
イ 里親又は小規模住居型児童養育事業者に委託されている者及び委託を解除された者。 ウ 児童自立生活援助の実施を受けている者及び援助の実施を解除された者。
エ 母子生活支援施設に入所している者及び退所した者(保護者を含む)。 (2)事業内容
必須事業として、次のア、イの事業を行うこととし、ウの事業については対象者のニーズ 等を勘案し、必要に応じて実施するものとする。
ア 退所を控えた者に対する支援
・ キャリアコンサルタント等有資格者による小学生から高校生を対象としたキャリア 教育や高校生など進路選択を控えた者を対象としたキャリアカウンセリングの機会の 提供等により、自立に向けた意識の醸成や適性に即した進路選択のための支援を行う こと。
・ 地域生活を始める上で必要な知識、社会常識等を学ぶための講習会等を実施し、生 活技能等を習得するための支援を行うこと。
・ 退所を控えた者が抱える自立生活への不安や悩み等の相談に応じること。
・ 大学、高等学校など教育機関を退学した者の進路や求職活動等に関する問題につい て相談に応じ、必要に応じて専門機関の活用や面接の付き添いを行う等の支援を行う こと。
・ 入所施設等と連携の下、退所者との関係性を深めるとともに、対象者同士の交流等 を図る活動を行うこと。
・ その他、地域生活を始める上で必要な支援を行うこと。 イ 退所後の支援
・ 居住、家庭、交友関係、将来への不安等に関する生活上の問題について相談に応じ、 必要に応じて他機関と連携する等の必要な支援を行うこと。
・ 進路、求職活動等に関する求職上の問題、就学と生活の両立に関する問題等につい て相談に応じ、必要に応じて専門機関の活用や面接の付き添いを行う等の支援を行う こと。
・ 対象者が気軽に集まる場を提供し、意見交換や情報交換、情報発信等自助グループ 活動の育成支援を行うこと。
ウ 支援コーディネーターによる継続支援計画の作成
・ 児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第23条第1項の規定に基 づく母子保護の実施、法第27条第1項第3号の規定に基づく措置又は法第33条の6第1 項の規定に基づく児童自立生活援助の実施の解除(以下「措置解除」という。)後も引 き続き措置解除前と同程度の必要な支援等を実施する場合に、支援コーディネーター が継続支援計画を策定すること。
・ 継続支援計画の策定に際しては、対象者、児童相談所の子ども担当職員、里親、施 設職員など対象者の支援に携わってきた者等により構成される会議を開催し、これら の者の意見を踏まえ、原則措置解除前に継続支援計画を作成すること。
・ 継続支援計画には、対象者の心身の状況や生活状況、保護者の状況など家庭環境、 学校若しくは就労先の環境など必要な情報収集しアセスメントを行い、社会的自立に 向けて、支援上の課題、課題解決のための支援目標、目標達成のための具体的な支援 内容・方法などを定め、退所後の生活等を考慮した計画を作成すること。
また、継続支援計画は、施設等において作成されていた自立支援計画と一貫した内 容となるよう十分考慮して作成すること。
・ 支援コーディネーターは、継続支援計画に基づく支援状況について、必要に応じて 対象者、児童相談所の職員、里親、施設職員、生活相談支援職員等による会議(支援 担当者会議)を運営することとし、対象者の生活状況の変化など必要に応じて計画の 見直しを行うこと。
・ 児童相談所等の関係機関との連携を密にするとともに、必要に応じて他の関係機関 とも連携し効果的な支援ができるよう努めること。
4.職員の配置等
この事業を行うためには、次の職種の職員を配置すること。 (1)支援コーディネーター(1名)
本事業により実施する支援全体を統括する支援コーディネーターを配置する。 支援コーディネーターは、次の各号のいずれかに該当する者をもって充てること。 ア 社会福祉士、精神保健福祉士の資格を有する者
イ 児童福祉事業、社会福祉事業に5年以上従事した者
ウ 被虐待児童等への自立支援に対する理解があり、都道府県等が適当と認めた者 (2)生活相談支援職員(1名以上)
生活相談支援担当職員は、対象者の自立支援に熱意を有し、次の各号のいずれかに該当する者を もって充てること。
ア 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第43条に定める児童指 導員の資格を有する者
イ 自立支援に対する理解があり、都道府県等が適当と認めたもの。
なお、配置職員は常勤・非常勤の別は問わない。また、支援コーディネーターは他に生活 相談支援職員が配置されている場合、生活相談支援員を兼ねることができる。
5.事業所
(1)事業所の確保
事業実施の拠点として事業所を開設すること。実施場所は宮崎県内において、利用者のプ ライバシーが守られる環境の下、利用者の利便性に配慮した場所で実施すること。
(2)設備等
イ 対象者が集まることができる設備 ウ その他事業を実施するために必要な設備
※ 開設場所の賃貸借契約が成立していなくても企画提案書の提出は可能であるが、受託者 として特定された後、速やかに建物所有者と賃貸借契約を締結すること。
6.事業の位置づけ、委託期間 (1)事業の位置づけ
受託者が実施する事業については、平成29年3月31日雇児発0331第10号厚生 労働省雇用均等・児童家庭局長通知「社会的養護自立支援事業等の実施について」により 定められた社会的養護自立支援事業実施要綱の4(1)及び(4)の事業にあたるものと する。
(2)委託期間
平成30年4月1日から平成31年3月31日までとする。 7.委託料
受託者からの請求により概算払の方法により支払うことができる。 8.関係書類の提出
受託者は、本業務の実施にあたり、本仕様書の内容に基づき次の関係書類を作成し、提出 するものとする。
(1)実施計画
ア 受託者は、あらかじめ実施計画書を作成し、契約締結後速やかに県に提出して承認を 得なければならない。また、実施計画に変更が生じる場合は、事前に県の承認を得るも のとする。
イ 実施計画書には、次に掲げる事項を記載すること。
・業務実施体制(担当者氏名、連絡体制等を記載した体制図等) ・事業実施スケジュール
・その他業務実施に当たって必要な事項等 (2)業務実施に関する各種報告
受託者は、前月分に関する業務の実施状況等を記載した報告書等を作成し、翌月15日 までに、県に提出するものとする。ただし、平成31年3月分の報告書については、同年 3月31日までに提出すること。
なお、報告については、以下の内容を想定しており、その他の必要性が生じた場合は、 県から別途指示する。
ア 支援実施状況(相談者数、支援実施者数、講習会の開催状況等) イ 利用者、来所者からの意見苦情等
ウ その他必要と認められる報告等 (3)業務終了後の報告
ア 年間実績報告書
イ 業務実施に要した経費内訳(収支決算報告書等) ウ その他必要と認められる書類等
9.事業の実施にあたっての留意事項
(1)対象者との信頼関係の構築に努めること。 (2)対象者及び保護者の意向に配慮すること。
(4)事業の実施にあたっては、対象者が利用しやすい時間帯や曜日等に配慮するとともに、 地域の対象者に対し、支援内容や所在地が明確に把握されるよう広報活動を積極的に行う こと。
(5)宮崎県児童養護施設退所者等自立支援資金貸付事業の実施主体と密に連携し、自立支援 資金の借受人の円滑な自立が図られるよう支援に努めること。
10.守秘義務
本委託事業により知り得た一切の情報について、契約期間中のほか、計画期間終了後又は 契約解除後においても、業務以外の目的に使用し、または県の事前の承諾なく第三者に開示 してはならない。ただし、次に掲げる場合はこの限りではない。
ア 業務の遂行に必要な範囲で、受託者の再委託先に対して開示が必要な場合。ただし、 再委託先に対しては受託者と同等の守秘義務を課すものとする。
イ 裁判所又は行政官庁より法令に基づき開示を求められた場合。 11.個人情報の取扱い等
個人情報の収集や利用、管理については「宮崎県個人情報保護条例(平成14年10月4日宮 崎県条例第41号)」その他個人情報の保護に関する法令等を遵守し、個人の権利利益を侵害す ることのないよう、個人情報を適正に取り扱うこと。
12.業務の再委託の禁止
受託者は、業務を第三者に委託し、又は受け負わせることはできないものとする。ただし、 県が書面により承認したときは、この限りではない。
13.関係書類の整備・保管
受託者は、本事業の実施にあたり、関係帳簿類や支出証拠書類を整備し、適切な事業運営 に努めなければならない。また、本事業の経理については、必ず他の事業と区分して実施す ること。なお、本事業に関する書類は、全て事業完了の年度の翌年度から起算して5年間保 管しなければならない。
14.その他