前沖縄防衛局長の不適切発言に対する抗議決議
去る 11 月 28 日、沖縄防衛局の田中聡前局長は、報道陣との懇談会の席で、普
天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 環 境 影 響 評 価 書 の 提 出 時 期 に つ い て 問 わ れ
たことに対し 、「これか ら犯す前に 犯します よと言います か」と発 言した。非 公
式の席とはいえ、沖縄における防衛省のトップである沖縄防衛局長が、このよう
な暴言とも言える、人権感覚を欠いた発言をしたことはまことに許しがたいこと
である。市民はこれまでも、市の中心部に位置する世界一危険な米軍基地普天間
飛行場があるがゆえに、米軍人・軍属による事件・事故が多数発生し、危険と隣
り合わせの生活を余儀なくされている。さらに沖縄県民は、米兵による少女暴行
事件や県民の尊い生命が奪われるなど筆舌に尽くしがたい苦しみと痛み、人権じ
ゅうりんを戦後 66 年間も強いられている。
前局長は既に更迭されたとはいえ、今回の発言は県民感情を逆なでするだけで
はなく、当該事業の責任者としての認識の欠如を露呈するとともに、女性の人権
を無視し、人 間の尊厳 を踏みに じるもので あり、到底看 過できる ものではな い。
さらに、政府は更迭直後に評価書を提出すると明言していることも、沖縄に対す
る配慮が著しく欠けていると言わざるを得ない。
また、一川防衛大臣は、米軍普天間飛行場移設が政治問題化した発端とも言え
る 1995 年の少女暴行事件について、「正確な中身は詳細には知らない」と参議院
東日本大震災復興特別委員会で答弁しており、田中前局長を更迭した直後の大臣
の発言としては、緊張感のなさや、沖縄の基地問題に対する防衛省や国の姿勢が
問われるものである。
よって、本市議会は、怒りを込めて、田中聡前沖縄防衛局長の発言に抗議する
とともに、任命責任者である防 衛 大臣 の責 任 を明 確に す るこ とを 強 く要 求す る。
以上、決議する。
平成 23 年 12 月 14 日
沖縄県宜野湾市議会