JILPT 資料シリーズ No. 年 月
裁 判 所 に お け る 解 雇 事 件
― 調 査 中 間 報 告 ―
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
The Japan Institute for Labour Policy and Training
ま え
労 働 紛 争 を 法 的 に の よ う に 解 決 す る は 、 一 国 の 労 働 市 場 の 機 能 を 規 定 す る 重 要 問 題 あ る 。 国 の 解 雇 ル ー ル は 、 い わ ゆ る 解 雇 権 濫 用 法 理 と し て 形 成 さ れ て た 。 そ し て 、 近 年 は 、 労 働 基 準 法 の 改 正 、 さ ま ま 法 律 改 正 さ れ て い る 。 ま た 、 労 働 紛 争
団 的 紛 争 ら 個 的 紛 争 に 移 行 し あ る と の 認 識 の と 、 個 紛 争 解 決 を 目 的 と し た 窓 口 相 談 ・斡 旋 制 度 成 年 月 に 設 け ら れ 、 成 年 月 に は 労 働 審 判 制 度 施 行 さ れ た と こ ろ あ る 。
こ の よ う に 、雇 用 調 整 を め ぐ る 法 律 を は め 制 度 の 変 更 や 、新 設 進 め ら れ て い る 一 方 、 解 雇 権 濫 用 法 理 労 働 市 場 の 効 率 的 運 用 を え て 阻 害 す る の あ る と い う 主 張 あ り 、 労 働 に 関 わ る 法 と 経 済 活 動 と の 関 係 注 目 さ れ て て い る 。 し し ら 、 過 去 の 紛 争 経 験 企 業 の 雇 用 調 整 行 動 に 及 ぼ す 影 響 に い て は 明 ら に さ れ て い い 点 多 い 。そ こ 、 こ の 点 を 解 明 す る た め に 、当 機 構 は 成 年 度 に 研 究 を 行 い 、資 料 シ リ ー ズ No. リ ス ト メ と 雇 用 調 整 と し て 公 表 し た 。 し し 、 い く の 研 究 課 題 残 さ れ た 。 そ の 原 因 の ひ と に 、 当 該 分 野 を 分 析 す る た め の タ ー タ の 未 整 備 挙 ら れ る 。
そ こ 、 当 機 構 は 成 年 月 に 裁 判 経 験 と 雇 用 調 整 に 関 す る 研 究 会 長 : 神 林 龍 一 橋 大 学 助 教 授 を 立 ち 上 、さ ら る 研 究 の 発 展 を 目 指 し て 、タ ー タ 整 備 に 着 手 す る こ と と し た 。 そ の 一 環 と し て 、 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 ら 事 件 票 の 提 供 を う け た 。
本 研 究 会 は 、 成 年 度 し て 開 催 さ れ 、 さ ら る タ ー タ 収 及 び 分 析 を 行 い 、 当 機 構 ら 最 終 研 究 成 果 を 公 表 す る 定 あ る 、 成 年 度 中 の 研 究 成 果 を 中 間 報 告 と し て 発 表 す る こ と と し た 。 そ れ 、 本 資 料 シ リ ー ズ あ る 。
本 資 料 シ リ ー ズ は 、 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 ら 提 供 さ れ た 事 件 票 の 特 計 や 、 既 存 統 計 ら 得 ら れ た タ ー タ を 用 い て 、 国 に お け る 解 雇 を め ぐ る 紛 争 の 趨 勢 を ま と め 、 基 礎 的 情 報 を 提 供 し て い る 。 本 資 料 シ リ ー ズ の 発 表 を 通 て 、 こ の 研 究 分 野 の 議 論 の 活 性 化 に 少 し
寄 与 す る こ と れ 幸 い あ る 。
年 月
独 立 行 政 法 人 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 理 事 長 小 野 旭
研 究 参 加 者 五十音順
氏 所 属
今
い ま
井
い
亮 一
りょういち
九 大 学 留 学 生 コ ン タ ー 助 教 授
江
え
口
ぐ ち
匡
ょう
太
た
筑 波 大 学 シ ス ゾ ム 情 報 工 学 研 究 科 助 教 授
奥
お く
野
の
寿
ひさし
立 教 大 学 法 学 部 助 教 授
川 口
わぐ ち
大
い
司 一 橋 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 助 教 授
神 林
ん やし
龍
りょう
一 橋 大 学 経 済 研 究 所 助 教 授 長
原
は ら
ひ ろ み 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 研 究 員
原
は ら
昌
ま さ
登
と
成 蹊 大 学 法 学 部 助 教 授
ひ ら
澤
さ わ
純 子
ゅん こ
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 研 究 員
※ 本 資 料 シ リ ー ズ は 、 研 究 参 加 者 に よ る 共 同 執 筆 あ る 。
目 次
ま え
. 本 研 究 の 目 的 ... ...
. 解 雇 数 の 推 移 ... ... 労 働 経 済 動 向 調 査 ... ... 雇 用 動 向 調 査 ... ... 就 業 構 造 基 本 調 査 ... ... まとめ ... ...
. 解 雇 紛 争 の 推 移
... ... 労 働 争 議 統 計 調 査 ... ... 労働委員会 ... ... 個 労 働 紛 争 解 決 制 度
... ... 最高裁判所事務総局 労 働 関係 民 事 ・行政 事 件 の 概 要 ... まとめ ... ...
. 解 雇 事 件 の 帰 趨 特 計 ... ... 事件票 ... ... 終局区分 ... ... 地域的 差 異 ... ...
. 今 後 の 方 向 ま と め に 暶 え て
... ...
. 参 考 文 献 ... ...
資 料 編 ... ... 資 料 編 ... ... 資 料 編 ... ...
-干-
. 本研究の目的
∗労 働 紛 争 を 法 的 に の よ う に 解 決 す る は 、 一 国 の 労 働 市 場 の 機 能 を 決 め る 極 め て 重 要 問 題 あ る 。 日 本 に お い て は 、 い わ ゆ る 解 雇 権 濫 用 法 理 と し て 形 成 さ れ た 解 雇 ル ー ル 労 働 市 場 の 効 率 的 運 用 を え て 阻 害 す る の あ る と い う 主 張 と と に 、 労 働 に 関 わ る 法 と 経 済 活 動 と の 関 係 注 目 さ れ る よ う に た 。実 際 、労 働 基 準 法 の 改 正 さ ま ま 法 律 の 改 正 実 行 さ れ 、 ま た 労 働 紛 争 団 的 紛 争 ら 個 的 紛 争 に 移 行 し あ る と の 認 識 の と 、 個 紛 争 解 決 を 目 的 と し た 窓 口 相 談 ・ 斡 旋 制 度 年 月 に 設 け ら れ 、 年 月 に は 労 働 審 判 制 度 施 行 さ れ た 。
た し 、 こ れ ら の 制 度 改 正 に あ た て 労 働 紛 争 に 関 わ る 実 態 の 整 理 は 必 し 十 分 に は 行 わ れ た 。 筆 者 ら は 年 よ り 的 に 研 究 会 を 開 、 整 理 解 雇 事 件 に 焦 点 を 絞 て 、 裁 判 経 験 と 年 曒 よ り 盛 ん に 行 わ れ た 雇 用 調 整 と の 関 係 を て た 。そ の 成 果 は 今 井 他 、今 井 他 、川 口 他 、今 井 他 近 刊 に ま と め ら れ て い る 。一 連 の 研 究 の 結 果 、 年 ら 年 の 整 理 解 雇 事 件 は 労 使 紛 争 の 性 格 強 く 、 い わ ゆ る 四 要 件 そ れ に あ わ て 成 立 し て た こ と 、 年 後 半 以 降 、雇 用 調 整 に あ た て は 労 使 の 日 常 的 意 思 疎 通 重 要 に た こ と 明 ら に さ れ た 。 し し 、 過 去 の 紛 争 経 験 現 在 の 雇 用 調 整 行 動 に 及 ぼ す 影 響 に い て は 確 点 多 く 、明 ら に さ れ た と は 言 い た い 。
そ の 原 因 の ひ と に タ ー タ の 未 整 備 あ る 。
先 行 研 究 は 、 主 に 、 独 自 の ア ン ケ ー ト 調 査 や ヒ ア リ ン エ 調 査 を 通 て タ ー タ を 取 得 す る 方 法と 、 判 例 体 系 い わ ゆ る 労 働 判 例 に 掲 載 さ れ た 情 報 を と に タ ー タ を 構 築 す る 方 法 と ら れ て い る 。前 者 は 、重 要 情 報 を 収 る 可 能 性 あ る 有 力 手 段 、実 際 に 貴 重 知 見 得 ら れ て い る 。 し し 、 労 働 紛 争 自 体 の 発 生 率 非 常 に 低 い た め 、 単 純 メ ン ジ ム サ ン プ リ ン エ は 紛 争 当 事 体 験 者 を 拾 う こ と い と い う 困 を 常 に 抱 え て い る 。 そ の た め 弁 護 士 会 や 労 働 組 合 を 経 て 調 査 票 を 配 す る 手 法 と ら れ る 、 秘 義 務 や プ メ イ バ シ ー の 問 題 ら 紛 争 当 事 経 験 者 に 直 接 聞 く の は く 理 人 の 記 憶 ・ 記 録 に 依 存 す る こ と あ り 、 十 分 サ ン プ ル サ イ ズ を 確 保 い こ と や 、 サ ン プ リ ン エ バ イ ア ス 発 生 し て い る 可 能 性 否 定 し れ い こ と 、考 慮 し け れ ら い 点 多 い 。一 方 、 後 者 は 、 比 較 的 サ ン プ ル サ イ ズ を 大 く る 点 や 、 過 去 に さ の ぼ て 系 統 的 に タ ー タ を 収 る 点 、 事 件 の 内 容 を 細 に 把 握 る 点 の 利 点 多 い 。 た し 、 判 決 文 を 情 報 化 す る の 判 決 文 に 記 載 さ れ た 情 報 し と ら え る こ と い 、 の よ う 裁 判 例 雑 誌 に 収 録 さ れ る の 規 準 は り し い の 点 あ る 。 た と え 企 業 の 労 働 者 構 成 や 財 務 状 況 の 変 化 、 被 解 雇 者 の 年 齢 や 経 験 、 整 理 解 雇 を 実 行 し た 状 況 を 経 済 学 的 に 判 断 す る
∗
本 稿 の 見 解 は あ く ま 本 研 究 会 の の あ り 、 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 の の は い 。 大 竹 ・ 大 内 ・ 山 川 を 参 照 の こ と 。
前 田 、 山 口 、 澤 あ る 。
大 竹 ・ 藤 川 、 大 竹 あ る 。
-平- の に 重 要 情 報 落 す る こ と 多 い 。
以 上 の よ う 個 の 紛 争 に 関 す る タ ー タ の み ら 、 日 本 全 体 解 雇 に 関 す る 紛 争 の 程 度 発 し て い る の 、 個 紛 争 の 団 紛 争 の と い た 基 礎 的 情 報 足 し て い る 。
こ れ ら の タ ー タ の 改 善 を 目 指 し て 、労 働 政 策 研 究・研 修 機 構 LPT は 裁 判 経 験 と 雇 用 調 整 に い て の 研 究 会 長 : 神 林 龍 を 組 織 し 、 主 に 裁 判 資 料 の 収 に 当 た て い る 。 そ の 一 環 と し て 、 解 雇 事 件 の 全 国 的 傾 向 を 把 握 す る た め に 、 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 に お 願 い し て 事 件 票 の 特 計 を 行 た 。 本 資 料 シ リ ー ズ は 、 既 存 統 計 や 特 計 得 ら れ た タ ー タ を 用 い 、日 本 に お け る 解 雇 紛 争 の 趨 勢 を ま と め 、基 礎 的 情 報 を 提 供 す る こ と を 目 的 と す る 。 体 的 に は 、 第 節 お よ び 第 節 既 存 公 表 統 計 タ ー タ ら 解 雇 に 関 わ る 紛 争 の 趨 勢 を 類 推 す る 。 そ し て 第 節 よ り 細 に 、 労 働 紛 争 の う ち 裁 判 所 関 わ た 解 雇 事 件 に 関 す る 計 タ ー タ を ま と め 、 年 後 半 ら 年 前 半 ま の 趨 勢 を 、 時 系 列 的 特 と 地 域 的 特 に わ け て 報 告 す る 。 こ こ に 報 告 さ れ た 趨 勢 内 包 し て い る 経 済 的 ベ カ ッ ズ ム に い て の 分 析 は 稿 を 改 め る こ と と し 、 本 資 料 シ リ ー ズ は タ ー タ の 紹 に と め る 。
. 解雇数の推移
日 本 全 体 年 間 に 何 人 の 労 働 者 解 雇 さ れ て い る を 直 接 把 握 す る の は し い 。 解 雇 の 定 義 、 調 査 に よ て 当 事 者 の 解 釈 に よ て 異 る ら あ る 。 し し 、 強 い て 全 国 的 統 計 を 用 い て 統 一 的 基 準 推 測 す る と す れ 、事 業 所 を 調 査 し た 労 働 経 済 動 向 調 査 と 雇 用 動 向 調 査 、労 働 者 を 調 査 し た 労 働 力 調 査 や 就 業 構 造 基 本 統 計 調 査 を 利 用
る し れ い 。
労 働 経 済 動 向 調 査
労 働 経 済 動 向 調 査 は 、 事 業 所 側 ら 、 四 半 期 と に 、 雇 用 調 整 を 行 た 、 行 た 場 合 に の よ う 方 法 に よ た を 調 べ て い る 。そ の 、 年 以 降 第 四 半 期 ら 年 第 四 半 期 に い て 、 雇 用 調 整 を 実 施 し た 事 業 所 の 割 合 と 、 雇 用 調 整 を 実 施 し た う ち 希 望 退 職 募 ・ 解 雇 を 実 施 し た 比 率 を ま と め た の の 図 あ る 。 残 念 ら 、 こ の 調 査 は 雇 用 調 整 の 規 模 を 尋 て い い 。 し た て 、 雇 用 調 整 の 結 果 解 雇 の 程 度 発 生 し た は
明 あ る 、 解 雇 数 の お お ま 傾 向 を こ と は 可 能 と 思 わ れ る 。
川 口 他 言 及 さ れ て い る よ う に 、 年 以 降 は 、 回 に わ た て 雇 用 調 整 の 波 発 生 し 、 ピ ー ク の 水 準 徐 々 に 低 す る 傾 向 に あ る の わ る 。 そ れ に 対 し て 、 雇 用 調 整 の 方 法 と し て 希 望 退 職 募 ・解 雇 を 選 択 し た 事 業 所 の 割 合 は 、 年 前 後 に 増 加 し て い る の の 、 趨 勢 的 低 落 傾 向 は 一 見 し た け は 観 察 さ れ い 。 し た て 、 雇 用 調 整 の 実
-年-
図表 : 労働経済動向調査 よ 雇用調整実施事業所割合の推移
~ 年
. . . . . . . . . . .
%
雇用調整を実施し た事業所に 希望退職募 ・解雇実施割合 雇用調整実施割合
施 事 業 所 数 自 体 は 減 少 傾 向 に あ る の の 、 雇 用 調 整 方 法 と し て 希 望 退 職 募 や 解 雇 以 前 よ り 一 般 化 し て い る こ と を 示 唆 し て い る。経 済 全 体 雇 用 調 整 の 度 少 く た と し て 、 解 雇 減 少 傾 向 に あ る と 判 断 す る こ と は い こ と 示 唆 さ れ よ う 。
雇 用 動 向 調 査
に 雇 用 動 向 調 査 よ り 、解 雇 に よ る 職 者 の 程 度 発 生 し て い た を ま と め る 。 雇 用 動 向 調 査 は 、 事 業 所 を 職 し た 常 用 労 働 者 に い て そ の 理 を 報 告 す る よ う に 事 業 所 担 当 者 に 対 し て 求 め て い る 。 た し 、 調 査 票 に 掲 載 さ れ た 職 理 の 選 択 肢 に 解 雇 と い う 項 目 は い の 、そ の う ち 、 出 向・転 籍 を 除 い た 経 営 上 の 都 合 お よ び 本 人 の に よ る に よ る 職 を 解 雇 類 似 と 解 釈 す る 。 お お ま に は 、 本 人 に 任 の い 解 雇 い わ ゆ る 整 理 解 雇 前 者 に あ た り 、 本 人 に 任 の あ る 解 雇 い わ ゆ る 普 通 解 雇 ・ 懲 戒 解 雇 後 者 に あ た る と 考 え ら れ る。こ の の 理 に よ る 職 者 数 を ひ と ま は 解 雇 数 と し 、そ の 推 移 を 示 し た の 図 あ る 。 た し 、 解 雇 に は 有 期 契 約 の 雇 い 止 め 含 ま れ る 場 合 あ る こ と ら 、
た し 、今 回 の 景 気 回 復 は 業 種 間 、企 業 規 模 間 の ら 観 察 さ れ て お り 、業 績 厳 し い 企 業 は 希 望 退 職 募 や 解 雇 と い た 手 段 を 講 る を 得 い 企 業 残 さ れ て い る 可 能 性 は 否 定 い 。
雇 用 動 向 調 査 の 用 語 明 は 、 経 営 上 の 都 合 に い て は 事 業 の 縮 小 、 合 理 化 等 事 業 経 営 上 の 理 解 雇 さ れ た 場 合 。企 業 ら の 要 請 に よ り 希 望 退 職 に 応 た 場 合 含 め る 。 、本 人 の に よ る に い て は 重 大 服 務 規 則 違 反 本 人 の 行 に よ り 解 雇 さ れ た 場 合 。 と あ る 。
-外-
契 約 期 間 の 満 了 を 職 理 と す る 系 列 あ わ て 掲 載 し た。
図表 : 雇用動向調査 よ 離職者数の推移
~ 年
. . . . . . . . . .
万人
契約期間満了 本人の責
出向・転籍を除いた経営上の都合
こ れ に よ る と 、 出 向 ・ 転 籍 を 除 い た 経 営 上 の 都 合 に よ る 職 者 数 は 、 年 頃 ま 年 間 万 人 前 後 推 移 し て い た の 、そ れ 以 降 趨 勢 的 に 上 昇 し 、 年 お よ び 年 に 年 間 お よ そ 万 人 を 数 え る に い た て い る こ の 年 均 は . 万 人 年 。こ れ は 、図 に お け る 希 望 退 職 募 ・ 解 雇 の 実 施 割 合 の 動 向 と 一 す る 。 ま た 、 雇 用 動 向 調 査 は 年 お よ び 年 に は 減 少 傾 向 観 察 さ れ る 、図 に お け る 雇 用 調 整 実 施 事 業 所 割 合 の 減 少 傾 向 と 符 合 す る 。ま た 、 本 人 の に よ る 職 者 数 は 、や は り 年 ら 年 頃 ま 増 大 し た の の 、こ の 年 間 を 通 し て み れ お お 万 人 程 度 比 較 的 変 動 は 少 い 年 間 の 均 は . 万 人 年 。
こ れ ら に 対 し て 、契 約 期 間 の 満 了 に よ る 職 者 数 は 年 前 後 ら 持 的 に 増 大 傾 向 観 察 さ れ 、 そ の 増 加 幅 大 い 期 間 中 均 . 万 人 年 、 分 散 . 。 労 働 市 場 全 体 有 期 非 型 雇 用 大 し た 影 響 よ い と 考 え ら れ る 。
雇 用 動 向 調 査 ら は 、少 く と 年 間 万 ら 万 人 の 単 解 雇 発 生 し て お り 、 年 前 後 あ る い は 年 前 後 を 境 に 水 準 高 ま て い る と 考 え る こ と る 。 以 上 は 事 業 所 調 査 ら み た 解 雇 の 趨 勢 あ る 。た し 、 労 働 経 済 動 向 調 査 は 事 業 所 規 模
繰 り 返 し と る 、 本 人 の に よ る 解 雇 を こ ま 整 理 解 雇 と と ら え る は 議 論 分 れ る と こ ろ あ り 、 こ こ の 数 値 は 雇 い 止 め 含 こ と を 強 調 し て お く 。
-5-
人 以 上 、 雇 用 動 向 調 査 は 事 業 所 規 模 人 以 上 に 関 す る サ ン プ ル 調 査 あ り 、 調 査 対 象 を 常 用 労 働 者 に 制 限 し て い る の 、 労 働 市 場 全 体 を 示 し て い い 可 能 性 あ る 。
就 業 構 造 基 本 調 査
こ の 点 に 、 世 調 査 を 用 い て 補 足 し よ う 。 労 働 関 係 の 世 調 査 の 表 あ る 労 働 力 調 査 は 、 完 全 失 業 者 前 職 の あ る の に 対 し て 、 求 職 理 と し て 定 年 ま た は 雇 用 契 約 の 満 了 勤 め 先 や 事 業 の 都 合 自 分 や 家 族 の 都 合 の ら 選 択 さ て い る 。調 査 時 点 完 全 失 業 者 あ た 労 働 者 に の み い て い る の 、 転 職 し た 労 働 者 や 職 後 非 労 働 力 化 し た 労 働 者 に い て は 明 あ る 。 ま た い の 時 点 職 し た の 明 の 、 こ れ に 基 い て 年 間 解 雇 数 を 類 推 す る の は 適 は い 可 能 性 高 い 。ち み に 、 勤 め 先 や 事 業 の 都 合 に よ り 職 し た と す る 完 全 失 業 者 は 、 年 に 万 人 、 年 に 万 人 、 年 に 万 人 と あ る 。
こ れ に 対 し て 就 業 構 造 基 本 調 査 は 、調 査 時 点 月 第 の 労 働 力 状 態 に よ ら 、 調 査 時 点 よ り 年 以 内 に 職 経 験 あ る 否 を い て お り 、 職 経 験 あ る 場 合 に は 職 理 を 尋 て い る 。そ の 結 果 に よ れ 、 年 月 よ り 年 月 ま の 間 に 人 員 整 理・ 勧 奨 退 職 の た め お よ び 会 社 倒 産 ・ 事 業 所 閉 鎖 の た め 職 し た の は 、 お よ そ , 千 人 に の ぼ る。ま た 定 年 ま た は 雇 用 契 約 満 了 の た め と い う 項 目 選 択 肢 と し て あ り 、同 時 期 に 千 人 該 当 し て い る 。一 方 、 雇 用 動 向 調 査 に よ れ 、 年 月 ら 月 ま の
出 向 ・ 転 籍 を 除 い た 経 営 上 の 都 合 、 本 人 の 、 契 約 期 間 満 了 に よ る 職 者 は そ れ れ 千 人 、 千 人 、 千 人 、 他 に 定 年 に よ る 千 人 の 職 者 い る 。 こ れ を 比 較 し た の 図 表 あ る 。
年 お よ び 年 に 関 し て は 、定 年・契 約 期 間 満 了 に よ る 職 就 業 構 造 基 本 調 査 の ほ う 少 い ほ は 、 解 雇 に 関 し て は 、 両 調 査 そ れ ほ 大 違 い は い 。 と こ ろ 、
年 に 関 し て は 、解 雇 に 関 す る 両 者 の 食 い 違 い は 比 較 的 大 い 。ま た 、 年 に 関 し て は 、 雇 用 動 向 調 査 に お い て 建 設 業 他 産 業 と 異 る ネ ヤ ー ム 調 査 さ れ て い る た め 、 職 者 総 数 の ズ ヤ と 比 較 す る と 解 雇 数 は 就 業 構 造 基 本 調 査 よ り 少 く 捕 捉 さ れ て い る こ と わ る 。 図 を み る と 、 年 お よ び 年 は い れ 雇 用 調 整 実 施 事 業 所 割 合 ピ ー ク を う た 時 期 に あ た り 、 年 お よ び 年 は 高 水 準 を 保 て い る と は い え 、 雇 用 調 整 実 施 事 業 所 割 合 は 底 に 近 い 。 両 調 査 す る 理 と し て は 、 四 半 期 の ズ ヤ あ る こ と 、 事 業 所 規 模 人 未 満 に お け る 解 雇 あ る こ と 、 臨 時 雇 い 扱 い の 労 働 者 の 契 約 期 間 途 中 の 解 雇 あ る こ と 、 使 用 者 と 労 働 者 の 認 識 の 違 い あ る こ と 考 え ら れ る 、 や は り 雇 用 調 整 時 に は 事 業 所 ら は 解 雇 過 小 に 申 告 さ れ る の し れ い 。 現 時 点 の よ う 原 因
年 調 査 よ り 。
本 人 の と 人 員 整 理 ・ 勧 奨 退 職 の た め 会 社 倒 産 ・ 事 業 所 閉 鎖 の た め の 職 を 、 直 接 比 較 す る こ と に は 異 論 あ る し れ い 。
-6-
図 表 :離 職 者 理 由 に関 する 就 業 構 造 基 本 調 査 と 雇 用 動 向 調 査 の比 較 千 人
調査時期 年 月~ 年 月 年月~ 年 月 調査時期
離職者総数 . 離職者総数
人員整理・勧奨退職のた 出向・転籍を除いた経営上の都合
会社倒産・事業所閉鎖のた 本人の責
小計 . 小計
契約期間満了 定年
定年また 雇用契約満了のた . 小計
年 就業構造基本調査第 表
調査時期 年 月~ 年 月 年月~ 年 月 調査時期
離職者総数 . 離職者総数
人員整理・勧奨退職のた 出向・転籍を除いた経営上の都合
会社倒産・事業所閉鎖のた 本人の責
小計 . 小計
契約期間満了 定年
定年また 雇用契約満了のた . 小計
年 就業構造基本調査第 表・第表 tt : www.tt.o.j dt yo .tm
調査時期 年 月~ 年 月 年月~ 年 月 調査時期
離職者総数 . 離職者総数
人員整理・勧奨退職のた 出向・転籍を除いた経営上の都合
会社倒産・事業所閉鎖のた 本人の責
小計 . 小計
契約期間満了 定年
定年 のた . 小計
年就業構造基本調査第 表・第 表
調査時期 年 月~ 年 月 年月~ 年 月 調査時期
離職者総数 . 離職者総数
人員整理・勧奨退職のた 出向・転籍を除いた経営上の都合
会社倒産・事業所閉鎖のた 本人の責
小計 . 小計
契約期間満了 定年
定年 のた . 小計
年 就業構造基本調査第 表
就業構造基本調査 雇用動向調査
は 明 あ る 、こ の 意 味 は 、 雇 用 動 向 調 査 に よ る 解 雇 数 把 握 は 過 小 評 価 と る 可 能 性 あ る こ と は 念 頭 に お く べ あ ろ う 。
ま と め
以 上 の 考 察 ら 、日 本 に お い て 解 雇 数 を 正 確 に 把 握 す る 統 計 は 存 在 し い 、雇 用 動 向 調
-可-
査 に お け る 解 雇 数 出 向・転 籍 を 除 い た 経 営 上 の 都 合 お よ び 本 人 の に よ る 職 者 数 大 ま 趨 勢 を 反 映 し て い る と 想 定 よ う 。そ れ に よ る と 、 年 前 後 ま 年 間 万 人 程 度 推 移 し 、 年 に 万 人 強 ピ ー ク を う ま 増 加 、 そ の 後 若 減 少 に 転 、
年 に は 万 人 程 度 と た と 考 え ら れ る 。 た し 、 と く に 年 の 動 向 に 関 し て は 、 就 業 構 造 基 本 調 査 と の 認 め ら れ 、 過 小 報 告 の 可 能 性 あ る こ と 、 い わ ゆ る 雇 い 止 め に よ る 解 雇 は 含 ま れ い こ と に 留 意 す る 必 要 あ る 。
. 解雇紛争の推移
年 間 数 十 万 人 、 職 者 総 数 の 一 割 前 後 を し め る 解 雇 、紛 争 く 実 現 し て い る と す れ 、 日 本 に お け る 解 雇 費 用 は そ れ ほ 高 く い の し れ い 。 こ の 点 を 確 め る た め に 、 解 雇
の 程 度 紛 争 と て い る を 調 べ よ う 。
労 働 争 議 統 計 調 査
一 般 に 紛 争 の 定 義 は し い 。
ま は 労 働 争 議 統 計 調 査 に よ て 争 議 件 数 を 把 握 す る こ と る 。 当 調 査 の 労 働 争 議 と は 、 原 則 と し て 労 働 者 の 地 の 向 上 に 関 係 あ る 事 項 に 関 し て 労 働 組 合 又 は 労 働 者 の 団 体 と そ の 相 手 方 と の 間 生 た 紛 争 の う ち 、 争 議 行 現 実 に 発 生 し た の 又 は 解 決 の た め に 第 者 関 与 し た の と し て い る。本 来 は 、 団 的 労 使 交 渉 は 個 労 働 契 約 の 解 除 あ る 解 雇 と は 直 接 関 わ り い し れ い 。し し 、少 く と 年 ま は 解 雇 は 、整 理 解 雇 ・ 個 解 雇 を 問 わ 労 使 紛 争 の 種 あ り 、 し た て 解 雇 紛 争 に お い て 争 議 行 発 生 す る こ と 少 く た と 思 わ れ る の 、 確 め て お く 必 要 あ る 。
年 よ り 年 ま の 春 季 賃 上 争 議 以 外 の 労 働 争 議 件 数 と 参 加 人 員 数 を 示 し た の 図 表 あ る 。争 議 件 数 は 若 の 変 動 を 伴 て は い る 、基 本 的 に 年 以 来 明 確 ト ヤ ン チ は み ら れ い 。 図 に お け る 解 雇 数 年 ~ 年 ま 明 確 上 昇 基 調 に あ る の と は 大 違 い 、解 雇 に 関 わ る 紛 争 労 働 争 議 の 中 心 は く た こ と を 示 唆 し て い る 。 実 際 、 年 に お け る 争 議 件 数 件 の う ち 、主 要 の 要 求 項 目 の 中 に 解 雇 反 対・被 解 雇 者 の 復 職 を 掲 た の は 件 に 過 い 。同 時 期 に 雇 用 調 整 を 行 た 事 業 所 は ~ % を し め て お り 、 雇 用 調 整 ・ 解 雇 労 使 紛 争 に 結 び く て い る 事 情 う え る 。
お 、当 該 労 使 間 の 労 働 関 係 に お い て 直 接 関 わ り の い 事 項 に 関 す る 紛 争 支 援 ス ト 、政 治 ス ト あ て 、 そ れ に よ て 業 務 の 正 常 運 営 を 阻 害 す る 行 生 た 場 合 は 調 査 の 対 象 と し て い る 。
労 働 経 済 動 向 調 査 に よ れ 、 雇 用 調 整 の 手 段 と し て は 、 残 業 規 制 や 配 転 等 主 あ り 、 希 望 退 職 の 募 、 解 雇 の 事 業 所 割 合 は ~ % 程 度 あ る 。
-拠-
図表 : 労働争議統計調査 よ 労働争議件数の推移
~ 年、 し春闘による争議を除いている
, , , , ,
争議件数件
, , , , , , , ,
総参加人員数人
総争議件数件 総参加人員人
労 働 委 員 会
労 使 紛 争 と 解 雇 と の 関 連 に い て は 労 働 委 員 会 ら 情 報 を 得 る こ と る 。 の 図 表 は 近 年 労 働 委 員 会 に 係 属 さ れ た 事 件 の 数 を 示 し て い る 。 新 規 申 立 数 は 年 間 千 件 前 後 と 安 定 し て お り 、 や は り 図 に 示 さ れ た 雇 用 調 整 実 施 事 業 所 割 合 や 図 に 示 さ れ た 解 雇 数 の 動 向 と は 強 い 関 連 を 見 出 す こ と は い 。
図 表 :労 働 委 員 会 への係 属 累 計 数 ~
前年繰越 新規 立 係属累計
, ,
, ,
, , ,
, ,
, 注 ) 全 国 の 労 働 委 員 会 初 審 事 件 し 扱 た 事 件 不 当
労 働 行 為 事 件 調 整 事 件 の 総 計
以 上 の よ う に 、 労 働 争 議 や 労 働 委 員 会 と い た 団 的 労 使 交 渉 の 枠 組 み は 、 解 雇 紛 争 の 実 態 を 観 察 す る こ と い こ と わ る 。
個 労 働 紛 争 解 決 制 度
こ う い た 労 使 交 渉 と 労 働 紛 争 の 関 係 の 変 化 に 応 て 、 年 月 日 よ り 、 個 労 働
-拡-
関 係 紛 争 の 解 決 の 進 に 関 す る 法 律 施 行 さ れ た 。 各 都 道 府 県 労 働 局 に お い て 、 労 働 局 長 に よ る 助 言 ・ 指 、 紛 争 調 整 委 員 会 に よ る 斡 旋 等 の 個 労 働 紛 争 解 決 制 度 開 始 さ れ た の あ る 。 そ れ に 伴 い 、 全 国 に 箇 所 程 度 の 総 合 労 働 相 談 コ ー ナ ー 開 設 さ れ 、 労 働 問 題 の 初 期 相 談 実 施 さ れ る よ う に て た 。 そ の う ち 、 解 雇 に 関 わ る 利 用 状 況 を 示 し た の 図 表
あ る 。
図 表6:個 別 労 働 紛 争 解 決 制 度 の利 用 状 況
うち
(a) (れ) (b)
(注1) (a)/(b) (%) 2001年10月~12月 20,470 4,419 1,503 638 6,560 32.0 23.3 2.8
2002年1月~3月 20,814 4,400 1,553 553 6,506 31.3 23.3 2.8 2002年4月~2003年3月 103,194 22,828 6,507 3,119 32,454 31.4 89.3 3.6 2003年4月~2004年3月 140,822 34,910 7,783 4,484 47,177 33.5 62.9 7.5 2004年4月~2005年3月 160,166 36,973 7,347 4,711 49,031 30.6 51.4 9.5
「雇用動向調査 によ 解雇数万人 総計
普通解雇 整理解雇 懲戒解雇
民事上の個 労働紛争に係る相談の件数
解雇小計
注 雇 用 動 向 調 査 より 出 向 ・ 転 籍 を 除 いた 経 営 上 の 都 合 よ び 本 人 の 責 に よ 離 職 者 数 た し 第 行 よ び第 行 に つい 割 り 月 分 した
出 所 厚 生 労 働 省 個 別 労 働 紛 争 解 決 制 度 施 行 状 況
制 度 始 ま て ら 日 浅 い た め 、 雇 用 情 勢 の た め 、 開 始 以 降 相 談 件 数 は 増 加 の 一 途 を た て い る 。そ の 解 雇 に 関 わ る 相 談 は 常 に 割 程 度 を 占 め て お り 、 年 月 ~ 年 月 は お よ そ 万 件 の 相 談 寄 ら れ た 。 こ の 傾 向 は 、 雇 用 動 向 調 査 に お け る 解 雇 数 減 少 傾 向 に あ る の と 対 照 的 、 結 果 と し て 雇 用 動 向 調 査 の 解 雇 数 と 相 談 件 数 の 比 率 は 上 昇 し あ る 。 ま た 、 労 働 争 議 や 労 働 委 員 会 の 新 受 件 数 と の 相 違 明 確 、 制 度 定 着 ま 評 価 は 慎 必 要 あ る 、 団 的 労 使 交 渉 の 枠 組 み ら 外 れ た 紛 争 多 発 し て お り 、 そ の 重 要 ひ と に 解 雇 に 関 わ る 紛 争 あ る こ と う え る 。
最 高 裁 判 所 事 務 総 局 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要
以 上 の よ う に 、 解 雇 紛 争 の 実 態 ま た 茫 漠 と し て お り 、 解 雇 の う ち の 程 度 紛 争 に る の は り と し い 。 し し 、 し 紛 争 を 裁 判 所 へ の 出 訴 と 狭 く 考 え れ 、 解 雇 紛 争 の 程 度 発 生 し て い る を 確 め ら れ る し れ い 。 こ の 点 は 、 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 毎 年 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 を 出 版 し て お り 、 裁 判 所 へ の 解 雇 紛 争 の 出 訴 の 概 要 を 把 握 る 。
図 表 は 通 常 訴 訟 、 図 表 は 仮 処 分 申 請 に い て 、 地 方 裁 判 所 へ の 出 訴 数 を ま と め た の あ る 。原 告 申 請 者 労 働 者 、被 告 被 申 請 者 使 用 者 、 雇 用 契 約 存 在 確 認 ま た は 解 雇 の 効 力 停 止 に 分 類 さ れ る 事 件 、 解 雇 紛 争 あ る と 考 え ら れ る 。 こ の 分 類 は 、 訴 状 に 記 さ れ た 請 求 内 容 を み て 地 方 裁 判 所 の 書 記 官 分 類 し て お り 、 必 し 事 件 の 本
-干0-
質 と 一 し い し れ い 。 た と え 、 解 雇 時 の 賃 金 請 求 を め ぐ る 紛 争 、 賃 金 を 請 求 す る ゆ え に そ の 前 の 段 階 雇 用 関 係 の 存 在 を 確 認 す る 必 要 あ り 、 結 果 と し て 雇 用 関 係 存 在 確 認 に 分 類 さ れ 解 雇 紛 争 と 数 え ら れ る 可 能 性 あ る 。 し し 、 紛 争 の 本 質 解 雇 に あ る の 賃 金 あ る い は 一 時 金 請 求 に あ る の は 、 事 件 を 体 的 に 紐 解 い て み け れ 判 断 は い あ ろ う 。 ま た 、 こ れ ら の 分 類 は 当 事 者 裁 判 中 に 体 的 に や り 取 り す る に 当 た て 使 用 さ れ る 事 件 と る の 、ま た く 的 を は し た 命 あ る と 考 え に く い 。 し た て 、 こ の 調 査 に 従 て 裁 判 所 に お け る 解 雇 事 件 を 定 義 し て 当 面 は 差 し 支 え い と 考 え る 。
図 表 :民 事 通 常 訴 訟 事 件 当 事 者 別 請 求 類 型 別 新 受 件 数全 地 方 裁 判 所
原告・使用者 被 告労働者
その他
総数
雇用契約存 在確認
賃金 その他
雇用契約 存在確
認・損害賠償
除名決議無 効確認
1979 627 589 162 389 38 26 12
1980 605 567 146 389 32 19 19
1981 646 602 133 421 48 30 14
1982 1367 678 167 450 61 669 20
1983 698 656 226 380 50 32 10
1984 671 618 213 374 31 29 24
1985 609 548 165 334 49 38 23
1986 745 706 178 428 100 20 19
1987 723 679 194 405 80 20 24
1988 735 685 150 400 135 32 18
1989 640 602 158 357 87 22 16
1990 647 565 164 333 68 41 41
1991 662 584 147 379 58 48 30
1992 892 777 194 520 63 86 29
1993 1307 1216 272 834 110 76 15
1994 1507 1436 326 975 135 54 17
1995 1552 1471 309 997 165 61 20
1996 1525 1435 322 1002 111 71 19
1997 1656 1587 336 1102 149 52 17
1998 1793 1714 342 1224 148 56 23
1999 1802 1724 396 1151 177 55 23
2000 2063 1987 410 1311 266 61 15
2001 2119 1995 423 1303 269 114 10
2002 2309 2153 474 1382 297 138 18
2003 2433 2319 530 1473 316 103 11
2004 2519 2309 573 1427 309 186 24
新受件数
原告・労働者 被告・使用者 年次
最 高 裁 判 所 事 務 総 局 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の概 要 各 年 版
-干干-
図 表 :仮 処 分 申 請 事 件 申 請 人 別 申 請 類 型 別 新 受 件 数全 地 方 裁 判 所
使用者側 請 その他
総数
解雇の効力 停止
賃金等支払 その他 立 入り禁止
除名の効力 停止
1979 667 633 344 195 94 27 7
1980 577 536 302 183 51 34 7
1981 589 556 369 133 54 22 11
1982 635 597 370 154 73 27 11
1983 649 614 385 149 80 19 16
1984 598 555 352 148 55 31 12
1985 517 494 303 126 65 15 8
1986 735 692 378 141 173 29 14
1987 671 637 480 94 63 22 12
1988 518 490 313 90 87 15 13
1989 426 396 267 65 64 18 12
1990 353 331 241 35 55 14 8
1991 392 358 257 21 80 19 15
1992 485 465 385 65 15 12 8
1993 642 621 506 94 21 17 4
1994 804 775 576 106 93 23 6
1995 696 668 513 80 75 25 3
1996 686 652 509 74 69 27 7
1997 705 686 534 86 66 12 7
1998 792 779 661 79 39 10 3
1999 815 791 661 76 54 17 7
2000 682 660 544 63 53 14 8
2001 708 676 551 66 59 31 1
2002 768 740 599 80 61 23 5
2003 726 699 582 69 48 21 6
2004 649 623 517 66 40 24 2
新受件数
労働者側 請
年次
最 高 裁 判 所 事 務 総 局 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 各 年 版
図 表 は 図 表 お よ び 図 表 よ り 解 雇 事 件 の 新 受 件 数 を と り 、 雇 用 動 向 調 査 の 解 雇 数 と あ わ て 示 し た の あ る 。
解 雇 数 増 加 に 転 た 年 以 降 、 行 し て 新 受 件 数 増 加 傾 向 に あ る こ と わ る 。 実 際 、両 者 の 相 関 は 高 く 、解 雇 数 と 本 訴 新 受 件 数 と の 間 の 相 関 係 数 は . 、仮 処 分 新 受 件 数 と の 相 関 係 数 は . あ た 。 た し 、 年 以 降 は 解 雇 数 減 少 傾 向 に あ る の に 対 し て 解 雇 事 件 は 減 少 傾 向 に あ る と は 言 い た い 。 し ろ 本 訴 事 件 は 増 加 傾 向 を 保 て い る と 考 え ら れ る 。こ れ に は 年 の 雇 用 対 策 法 の 改 正 関 係 し て い る し れ い 、こ れ は 推 論 の 域 を 出 る の は い 。
-干平-
図表 : 地方裁判所における解雇事件の新受件数の推移
~ 年: し、 ~ 年 出向を含む
新受件数 件 解雇数 万人
仮処分新受件数 本訴新受件数 解雇数
こ の 点 を 確 め る た め に 、 図 表 は 雇 用 動 向 調 査 の 解 雇 数 万 人 あ た り の 解 雇 事 件 新 受 件 数 の 推 移 を 、 年 ら 年 ま に 関 し て 、 本 訴 地 方 裁 判 所 合 計 お よ び 仮 処 分 地 方 裁 判 所 合 計 に い て 示 し た 。 ま 仮 処 分 新 受 件 数 は 、 解 雇 数 万 人 あ た り ~ 件 程 度 推 移 し て お り 全 期 間 に 渡 て 新 受 件 数 総 計 解 雇 数 総 計 を 計 算 す る と 万 人 あ た り . 件 あ た 、比 較 的 変 動 み ら れ る 。た し 、ピ ー ク を 形 成 す る の は 年 、 年 ら 年 、景 気 循 環 と の 相 関 は そ れ ほ は り し て い い 。ま た 、最 近 年 間 の 動 向 の は 年 以 降 と り た て て 高 い 水 準 を 示 し て い る わ け い 。
一 方 、 地 裁 に お け る 本 訴 新 受 件 数 は 、 年 ま 解 雇 数 万 人 あ た り ~ 件 程 度 安 定 的 に 推 移 し て い た の 、 年 以 降 急 上 昇 し 年 に は 件 を 超 え 、仮 処 分 新 受 件 数 と 同 程 度 の 割 合 と て い る の わ る 全 期 間 に 渡 て 新 受 件 数 総 計 解 雇 数 総 計 を 計 算 す る と 万 人 あ た り . 件 あ た 。 ち ろ ん 、雇 用 動 向 調 査 に お け る 解 雇 数 過 小 評 価 さ れ て い る 可 能 性 は あ る 、 仮 処 分 新 受 件 数 と 異 る 傾 向 観 察 さ れ る の は 、 調 査 計 数 の み の 問 題 は い こ と を 示 唆 し て い る 。 一 般 に は 仮 処 分 は 本 訴 の 前 段 階 と し て 考 え ら れ て い る 、 年 お よ び 年 に は 仮 処 分 を 経 に 通 常 訴 訟 を 提 起 す る 事 件 多 く り 、解 雇 事 件 に 関 わ る 訴 訟 行 動 大 く 変 化 し た 可 能 性 を 指 摘 よ う 。
こ の 他 に 、 こ の 時 期 、 雇 用 情 勢 の 改 善 み ら れ た こ と を 反 映 し た 動 あ る 可 能 性 あ る 。
-干年-
図表 : 地方裁判所における解雇事件の新受件数の推移
~ 年: し、 ~ 年 出向を含む
. . . . . . . .
解雇者万人あたりの新受件数 件
本訴新受件数 仮処分新受件数
ま と め
労 働 争 議 に 関 す る 調 査 ら 解 雇 紛 争 の 実 態 を 把 握 す る の は し い 。 し ろ 、 裁 判 所 に 訴 え ら れ た 事 件 数 を 基 と す る の 適 当 あ ろ う 。 そ の 意 味 最 高 裁 事 務 総 局 毎 年 出 版 し て い る 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 は 重 要 資 料 と る 。 そ れ に よ る と 、 解 雇 に 関 わ る 事 件 は 、解 雇 数 の 増 加 に 従 て 年 前 後 ら 増 加 傾 向 に あ る 。た し 、解 雇 数 の 増 加 以 上 に 事 件 数 増 加 す る 傾 向 は く 、 解 雇 数 万 人 あ た り 仮 処 分 件 前 後 、 通 常 訴 訟 件 前 後 、 あ わ て 件 前 後 推 移 し て い た 。 少 く と 年 前 後 ま の 事 件 数 の 増 加 は 、 解 雇 数 の 増 加 明 さ れ そ う あ る 。 こ の 安 定 的 関 係 は 、 い わ ゆ る 解 雇 権 濫 用 法 理 の 確 立 と 無 縁 は く 、 そ の 内 実 に は 様 々 議 論 あ る に よ 、 法 理 解 釈 や 裁 判 実 務 解 雇 に 関 わ る 紛 争 環 境 安 定 し て い た こ と を 示 唆 し て い る 。
し し 、 特 に 年 お よ び 年 に は 、 通 常 訴 訟 に い て 、 解 雇 数 万 人 あ た り . 件 年 、 . 件 年 と 大 幅 に 上 昇 し た 。そ の 原 因 と し て 、第 節 指 摘 し た と お り 、 雇 用 動 向 調 査 の 解 雇 数 の 過 小 報 告 、 非 正 規 雇 用 や 期 限 の 定 め の あ る 雇 用 契 約 の 普 及 に
た 雇 い 止 め に 関 わ る 事 件 の 増 加 、 裁 判 実 務 の 簡 素 化 を 通 た 審 理 期 間 の 短 縮 考 え ら れ る 。 た し 、 上 記 の よ う 通 常 訴 訟 の 度 に 対 し て 、 仮 処 分 の 度 は 解 雇 数 万 人 あ た り そ れ れ . 件 、 . 件 と 目 立 た 上 昇 は 観 察 さ れ 、 こ れ ら の 要 因 の 明 力 は 限 定 的 し れ い 。 ら 、 こ れ ら の 要 因 は 仮 処 分 申 請 、 通 常 訴 訟 提 起 方 に 同 様 の 影 響 を 与
-干外- え る と 考 え ら れ る ら あ る 。
そ の 他 の 要 因 と し て は 、 ま 年 月 よ り 個 労 働 紛 争 解 決 制 度 開 始 さ れ 、 そ れ ま 公 的 裁 判 制 度 の 俎 上 に 載 ら た 紛 争 多 く 現 出 し た こ と 考 え ら れ る 。 個 紛 争 解 決 制 度 と 公 式 裁 判 制 度 の 実 態 的 関 係 た と え 個 紛 争 解 決 制 度 斡 旋 打 ち ら れ た 場 合 は 仮 処 分 を 経 に 通 常 訴 訟 に 持 ち 込 ま れ や す い う は ま 明 ら に さ れ て い い 、 こ の 制 度 人 々 の 訴 訟 行 動 に 影 響 を 与 え た 可 能 性 は あ る 。ま た 年 に 東 京 地 裁 労 働 部 に お い て 出 さ れ た 一 連 の 判 決 そ れ ま の 解 雇 権 濫 用 法 理 の 解 釈 を 変 え る の と し て 議 論 に た 、 解 雇 権 濫 用 法 理 の 解 釈 動 揺 し 、 訴 訟 行 動 に 変 化 生 た 可 能 性 考 え ら れ る 。
こ の 点 を 確 め る た め に は 、 よ り 裁 判 実 務 に 即 し た 解 雇 事 件 の 内 容 ・ 結 果 、 と り わ け 労 働 者 側 の 勝 訴 率 の 変 化 を 観 察 す る こ と 必 要 あ ろ う 。 こ の 点 に い て 節 分 析 す る 。
. 解雇事件の帰趨 特 計
前 節 ま に み た よ う に 、 最 高 裁 事 務 総 局 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 は 解 雇 紛 争 を 定 的 に 考 察 す る 上 基 礎 的 資 料 と い え る 。 し し 、 事 件 の 結 曒 に い て は 当 事 者 の 計 し 掲 載 さ れ て お ら 、裁 判 所 の 判 断 の 変 化 に い て の 情 報 は あ ま り 豊 は い 。特 に 、 雇 用 関 係 を 締 結 し た ま ま 賃 金 に い て 争 う 紛 争 と 、 雇 用 関 係 そ の の に い て 争 う 紛 争 を 同 様 に 扱 う に は 無 理 あ る 。 ま た 、 地 方 裁 判 所 ・ 高 等 裁 判 所 毎 の 訴 訟 動 向 省 略 さ れ て お り 、 地 域 的 経 済 活 動 と 裁 判 所 の 判 断 と の 関 係 み る こ と い 。
そ こ 、 最 高 裁 事 務 総 局 に 解 雇 に 関 わ る 事 件 に い て 特 計 を 依 し た 。 本 節 は そ の 結 果 を 分 析 す る 。
事 件 票
最 高 裁 判 所 事 務 総 局 は 、 裁 判 実 務 の 迅 化 を 目 的 に 、 事 件 に 関 す る 要 約 を 電 子 化 し て 管 理 す る よ う に た 。 司 法 統 計 や 前 記 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 に 掲 載 さ れ る 各 種 計 数 表 は 、 こ の 事 件 票 を 計 し た の あ る 。
労 働 事 件 に い て は 、 労 働 ・ 知 的 財 産 権 関 係 民 事 事 件 票 と い う 形 特 に 形 式 定 め ら れ て お り 、 第 一 審 訴 訟 民 票 、 訴 民 票 、 上 告 民 票 、 保 全 等 民 票 、 保 全 等 抗 告 民 票 の 種 類 あ る 。記 載 内 容 は そ れ れ 異 る 、例 え 第 一 審 訴 訟 事 件 票 あ れ 、事 件 番 、原 告 数 、被 告 数 、労 働・知 的 財 産 権 の 、事 件 の 種 類 、終 局 区 分 、原 告 ・ 被 告 訴 訟 理 人 の 有 無 、 訴 、 弁 論 の 有 無 、 証 調 べ 人 数 記 録 さ れ る こ と に て い る 。 事 件 の 種 類 は 、 先 に 見 た よ う に 地 方 裁 判 所 書 記 官 あ る い は 裁 判 官 適 当 の を 選 択 す る 形 式 に て い る 。
今 回 は 、こ の 事 件 票 に 基 現 行 シ ス ゾ ム 運 用 さ れ る よ う に た 年 月 日 ら
-干5-
年 月 日 ま に 終 局 し た 労 働 関 係 民 事 事 件 の う ち 、地 方 裁 判 所 に お け る 通 常 訴 訟 お よ び 仮 処 分 申 請 、 解 雇 に 関 わ る 事 件 訴 訟 の 場 合 は 原 告 労 働 者 側 、 被 告 使 用 者 側 雇 用 契 約 存 確 認 等 に 分 類 さ れ る 事 件 、仮 処 分 の 場 合 は 申 請 人 労 働 者 側 、被 申 請 人 使 用 者 側
地 保 全 解 雇 の 効 力 停 止 等 に 分 類 さ れ る 事 件 に 関 し て 特 計 を 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 に 申 請 し た 。
以 、 こ の 特 計 の 結 果 を い ま ん 紹 す る 。
終 局 区 分
解 雇 事 件 に 関 す る 通 常 訴 訟 第 一 審 の 終 局 区 分 を 示 し た の 図 表 あ る 。比 較 の た め に 全 労 働 事 件 の う ち 労 働 者 側 原 告 あ る 既 済 事 件 に い て の 数 表 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 よ り 併 て 掲 載 し た 。
図 表 :解 雇 に関 する民 事 通 常 訴 訟 事 件 終 局 区 分 別 件 数全 地 方 裁 判 所
認容 認容
1987 675 301 176 110 198 175 73 52 17 50 25.9
1988 617 294 170 95 153 185 77 54 20 54 30.0
1989 677 309 230 122 138 171 72 62 24 37 25.3
1990 710 329 235 131 146 220 103 76 28 41 31.0
1991 633 293 243 141 97 182 78 68 33 36 28.8
1992 680 305 247 137 128 176 81 57 21 38 25.9
1993 927 403 349 196 175 195 88 65 20 42 21.0
1994 1117 497 433 250 187 227 100 78 25 49 20.3
1995 1371 623 543 328 205 292 132 117 30 43 21.3
1996 1453 671 580 380 202 285 121 106 44 58 19.6
1997 1489 707 554 316 228 321 157 123 48 41 21.6
1998 1620 775 567 359 775 359 172 126 57 61 22.2
1999 1803 835 734 438 438 394 178 159 67 57 21.9
2000 1985 908 791 468 286 412 184 162 62 66 20.8
2001 1964 887 828 532 249 429 180 192 93 57 21.8
2002 2098 964 876 565 258 436 194 194 96 48 20.8
2003 2240 1055 940 588 245 524 230 228 113 66 23.4
2004 2306 1117 912 533 277 523 251 190 83 82 22.7
終局数 和解
取 そ
の他計 判決・決
定命令 解雇事件 全労働事件
判決・決 定命令
全労働事件の う 解雇事件
のし 割合
%
終局総数 和解
取 そ
の他計
出 所解 雇 事 件 :
最 高 裁 判 所 事 務 総 局 特 別 計 計 数 の内 容 につい 本 文 参 照 の 全 労 働 事 件 :
最 高 裁 判 所 事 務 総 局 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の概 況 法 曹 時 報 各 年 版
地 方 裁 判 所 に 労 働 関 係 民 事 通 常 訴 訟 事 件 のう 労 働 者 側 原 告 あ 既 済 事 件 につい 列 挙 た し 認 容 一 部 認 容 を 含
解 雇 事 件 数 は 年 後 半 ら 年 初 頭 ま 件 弱 た の 、 年 中 葉 よ
り 増 加 し 、 年 お よ び 年 に は 件 を 越 え た 。 労 働 事 件 全 体 は 、 年 後 半 ら 年 初 頭 ま 件 弱 た 終 局 数 、 年 中 葉 よ り や は り 増 加 傾 向 に 転 、
年 以 降 件 を 越 え た 。 全 労 働 事 件 に し め る 解 雇 事 件 の 割 合 は % 前 後 比 較 的 安 定 し て お り 、 年 以 降 に 顕 著 に 上 昇 し た と は 認 め ら れ い 。
終 局 区 分 の 構 成 比 を わ り や す く 図 示 し た の の 図 表 あ る 。解 雇 事 件 に 関 し て 図 表
-干6-
、 解 雇 事 件 を 含 全 労 働 事 件 に 関 し て 図 表 示 し た 。
図表 : 地方裁判所における解雇事件の終局区分構成の推移
~ 年
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
判決割合% 取下げ割合% 和解割合%
図表 :地方裁判所における全労働事件の終局区分構成の推移
~ 年
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
判決割合% 取下げ割合% 和解割合%
解 雇 事 件 、全 労 働 事 件 と に 和 解 割 合 % 前 後 を し め て お り 、期 間 を 通 て 顕 著 変 動 は 観 察 さ れ い た し 、 全 労 働 事 件 に い て は 年 に 異 常 値 観 察 さ れ る 。 こ れ は 、 い わ ゆ る 国 鉄 ノ ル ー ト ヤ イ ン 事 件 国 鉄 ノ ル ー ト ヤ イ ン 務 検 査 手 当 等 当 利 得 返 還 請 求 事 件 の う ち 件 一 括 し て 取 り ら れ た た め と 考 え ら れ る 。 こ の 件 を 除 く と 、 年 の 和 解 割 合 は . % と り 大 変 化 は い 。
判 決 に い た る 割 合 、解 雇 事 件・全 労 働 事 件 と に ~ % 推 移 し て い る 。た し 、全
-干可-
労 働 事 件 に い て は 年 の . % よ り 年 の . % ま 上 昇 傾 向 あ り 、 年 以 降 は % 弱 、 年 前 後 よ り % 強 安 定 し て い る 年 に い て 上 記 国 鉄 ノ ル ー ト ヤ イ ン 事 件 を 除 く と 判 決 比 率 は . % あ た 。 こ れ に 対 し て 解 雇 事 件 に い て は 年 の
. % を 底 と し て 上 動 を と い 年 . % ま 上 昇 傾 向 を 保 た と 観 察 さ れ る 。 そ の 結 果 、 取 割 合 は 減 少 し 、 年 前 後 は 終 局 数 の % 強 程 度 を し め る の み あ る 。
訴 訟 を 取 り る に は 原 告 ・ 被 告 方 の 同 意 必 要 あ る の 、 取 終 わ る 事 件 の 背 後 は 裁 判 外 の 和 解 成 立 し て い る 可 能 性 高 い 。 こ れ に 対 し て 和 解 終 局 す る 場 合 に は 、 通 常 和 解 原 案 は 裁 判 所 ら 原 告 ・ 被 告 に 提 示 さ れ 、 和 解 調 書 裁 判 所 に 原 本 と し て 保 存 さ れ る の 、よ り 積 極 的 に 裁 判 官 在 し て い る と 考 え ら れ る 。こ れ ら を 考 慮 す る と 、 年 後 半 以 降 の 全 体 の 傾 向 と し て 、 裁 判 外 和 解 の 機 能 低 し 、 よ り は り と し た 裁 判 所 の 在 を 求 め る 傾 向 強 く て た 可 能 性 は 指 摘 よ う 。
こ の 点 を 確 め る た め に 、 の 図 表 勝 訴 率 の 推 移 を 示 し た 。こ こ 勝 訴 と は 、労 働 者 側 原 告 あ る 訴 訟 に い て 請 求 内 容 一 部 認 め ら れ る こ と を さ す 。 ち ろ ん 、 た と え 懲 戒 解 雇 の 無 効 を 訴 え た 事 件 、 雇 用 関 係 の 存 在 は 認 め ら れ た す わ ち 解 雇 は 有 効 と 判 断 さ れ た の の 、 懲 戒 処 分 は 酷 に 過 普 通 解 雇 を 適 用 し て 解 雇 告 手 当 て を 支 払 え と 判 決 さ れ る こ と あ り え る 。 こ の よ う 実 質 敗 訴 と 考 え ら れ る 場 合 、 請 求 内 容 の 一 部 認 め ら れ た こ と に る の 、 本 資 料 シ リ ー ズ は 原 告 側 勝 訴 と 数 え て い る 点 に は 注 意 を 要 す る 。
通 常 訴 訟 解 雇 事 件 の 第 一 審 労 働 者 側 勝 訴 率 は 、終 局 数 全 体 ら み る と ~ % 程 度 、判 決 数 ら み る と ~ % 程 度 推 移 し て お り 期 間 を 通 た 勝 訴 総 計 終 局 総 計 は . % 、 勝 訴 総 計 判 決 総 計 は . % あ る 、労 働 事 件 全 体 よ り 常 に 低 く 、時 期 に よ る 変 動 幅 大 い 。 ま た 、 年 に . % 一 度 ピ ー ク を 打 た 後 低 し 、 年 よ り 再 び 上 昇 傾 向 を 保
て い る 。た し 、 ~ 年 そ れ れ . % 、 . % 、 . % と 年 の 水 準 と 同 等 、 年 間 の ト ヤ ン チ と し て 、よ り 長 期 的 に 上 昇 す る 傾 向 あ る は 判 然 と し い 。判 決 に い た る 割 合 増 え て い る の 、そ の 分 終 局 数 全 体 ら み た 労 働 者 側 勝 訴 率 は 上 昇 し て い る 。
ま た 、 年 ら 年 に 東 京 地 裁 労 働 者 側 敗 訴 の 判 決 相 、 従 来 の 解 雇 権 濫 用 法 理 を 変 更 す る の と い う 指 摘 さ れ た こ と あ た 、 労 働 者 側 勝 訴 率 傾 向 的 に 低 し て い る と は い え い 。 解 雇 を 有 効 と す る こ と や を え い と 思 わ れ る ケ ー ス た ま た ま
い た と い う 面 あ た こ と は タ ー タ 上 ら 確 認 る 。
に 仮 処 分 の 動 向 を 観 察 し よ う 。 解 雇 事 件 に 関 す る 仮 処 分 命 令 事 件 の 終 局 区 分 を 示 し た の 図 表 あ る 。通 常 訴 訟 と 同 様 に 、比 較 の た め に 全 労 働 事 件 の う ち 労 働 者 側 申 立 人 あ る 既 済 事 件 に い て の 数 表 労 働 関 係 民 事 ・ 行 政 事 件 の 概 要 よ り 併 て 掲 載 し た 。
談 会 解 雇 ル ー ル の 立 法 化 を め ぐ て . . 大 内 伸 哉 氏 の 発 言