公共経済学 第 7 講 講義ノート 1/ 2
7 公共財問題の解決法 1 :リンダールメカニズム
17.0 今回のアウトライン
A. 望ましい公共財供給の課題とそれを解決する方法、その限界を理解する
7.1 公共財を政府が供給する方法とは
A. 各人の望ましい公共財量は私的情報で分からない ← 「私」が紛れ込む 1. 無理矢理聞くこともできない中で、どうやって供給してゆくか
✓設定 ✏
• 2つの家計 (i = A, B)、私的財と公共財の 2 財 :xi, G
• 家計は私的財と公共財から効用:u(xi, G)
• 政府は公共財供給量を宣言:G
• 政府は家計にいくら払うか聞き、家計は残りを私的財 xi = ωi− Pi
• 政府は収支が一致するまで公共財量を変更し公共財供給 G = PA+ PB
✒ ✑
B. 政府は家計に公共財価格 piを聞き出す巧妙なトリックを使う pi = Pi
G (7.1)
1. 政府が供給量を決め、本来市場で決まる価格を家計が決めるのがポイント C. 公共財価格が安ければたくさんあってもいい、高ければ逆 (グラフ 1)
1. 実態は需要曲線を聞いている:価格と公共財量の関係はグラフで右下がり グラフ1
pi
G
1Lindahl, E. (1919), “Positive L¨osung, Die Gerechtigkeit der Besteuerung”, translated as “Just taxation–a positive solution“ in Classics in the Theory of Public Finance(1958), R. A. Musgrave and A. T. Peacock (eds), Macmillan, London.
Ver. 2.0 Masumi Kawade, 2017
公共経済学 第 7 講 講義ノート 2/ 2
D. 家計 A と家計 B の行動を横軸を逆にとりグラフにして交点をみる (グラフ 2) 1. 公共財費用を仮に 1 (横軸:1) → 各家計が認めた価格の和が 1 : pA+ pB = 1 2. 家計双方が納得しサミュエルソン・ルールを満たす公共財価格と量 ⇒ 均衡
グラフ2
1
OB
OA
G
7.2 リンダールメカニズムの利点と課題
A. リンダールメカニズムは家計に量ではなく、価格を決めさせる巧妙な方法 B. 嘘をつくと、量は減るが価格も下がる:嘘つきは均衡より少し効用が ↗
1. 全ての家計が嘘をつくと・・・公共財が供給されず ⇒ 嘘が新たな問題 グラフ3
1 B
A O O G
7.3 確認問題:次の文章の正誤について答えなさい
A. リンダール・メカニズムが機能してもサミュエルソン・ルールを満たせない B. リンダール・メカニズムは嘘をついた人に便益がある欠点を持つ
Ver. 2.0 Masumi Kawade, 2017