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イチゴ「ゆうべに」における着色不良果の発生条件と対応策 農業研究センター(作物・園芸部門)成果発表会を開催しました 熊本県

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Academic year: 2018

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(1)

(様式3)

農業研究成果情報

No.768(平成

29

5

月)分類コード

02-04

熊本県農林水産部

イチゴ「ゆうべ に」における着色不良果の発生条件と対応策

イチゴ「ゆうべに」の着色不良果は、多肥条件または速効性の高い尿素入りの液肥施用下

や多かん水条件で発生しやすい。着色不良果は、カルシウム含有量が正常果に比べ少なく、

カルシウム剤の葉面散布により発生が軽減される。

農業研究センター農産園芸研究所野菜研究室(担当者:田尻一裕)

本県では、

果実品質が安定し収量性の高い

「ゆうべに

(品種名:熊本

VS03)

を育成したが、

本来の品種特性を発揮するには品種に適した栽培法の検討が必要である。ただし、他品種と同

一の管理では、着色不良果(果皮が正常に着色しない果実)が発生しやすいなど、障害果発生

対策は急務の課題となっている(図1)。

そこで、「ゆうべに」の栽培技術を確立することを目的に、着色不良果の発生条件と対応策

について検討する。

1.多肥条件では、着色不良果の発生が多い(表1)。

2.同一の窒素施用量では、着色不良果の発生は速効性の高い尿素複合液肥で多く、アミノ酸

系液肥で少ない(表2)。

3.着色不良果は、土壌が過湿になりやすい多かん水条件下で発生が多い(表3)。

4.着色不良果は、正常果に比べカルシウム含有量が低い(表4)。

5.カルシウム剤の施用により、着色不良果の発生が軽減される。特に、葉面散布の効果が高

く、効果が発現するには施用後2週間程度必要である(表5)。

6.

着色不良果は草高が高い株で発生が多く、

特に頂花房収穫開始期である

11

月中旬に草高が

30

㎝を超える株で発生しやすい(表6)。

1.着色不良果は、草高が高い株で着色不良果が発生しやすいので、密植を避け、施肥量、定

植時期、マルチ、ビニル被覆及び保温等は栽培指針を遵守する。

2.着色不良果の発生は、土壌の化学性や物理性により異なるので、バランスの取れた施肥を

行い、排水のよい条件で栽培を行う。

3.定植後、高温時には肥料の溶出が早まりやすく、多肥条件となりやすいので、施肥に注意

し、カルシウム剤の葉面散布を予防的に実施する。

研究のねらい

(2)

【具体的データ】 No.768(平成

29

5

月)分類コード

02-04

熊本県農林水産部

図 1 着 色 不 良 果 の 果 実 表 1   施 肥 量 と 年 内 ま で の 着 色 不 良 果 発 生 率 、 可 販 果 収 量 ・ 率 及 び 草 高

試 験 区

( N 施 肥 量 ) 1 1 / 1 4 1 1 / 2 4 1 2 / 9 1 2 / 2 1 1 2 / 3 1

( % ) ( k g / 1 0 a ) ( % ) ( c m ) ( c m ) ( c m ) ( c m ) ( c m ) 2 g / 株 0 1 , 7 1 2 9 8 . 6 2 4 . 8 2 5 . 6 2 7 . 9 2 5 . 1 2 5 . 7 2 . 8 g / 株 3 . 2 1 , 8 7 3 9 4 . 5 2 7 . 3 2 9 . 5 3 3 . 7 3 2 . 9 3 0 . 1 3 . 6 g / 株 8 . 9 1 , 7 6 7 9 0 . 8 3 0 . 5 3 2 . 3 3 5 . 5 3 3 . 5 3 4 . 0 注 ) 1 2 月 3 1 日 収 穫 ま で 。 施 肥 量 の ロ ン グ ( エ コ ロ ン ク ゙ + ス ー ハ ゚ ー ロ ン ク ゙ 1 0 0 日 タ イ フ ゚ ) は 基 肥 と 追 肥 ( マ ル チ 前 ) を 半 量 ず つ 施 用 。 栽 培 様 式 は 高 設 栽 培 熊 本 県 方 式 で い ず れ も 2 条 外 な り 、 株 間 は 2 3 c m 、 培 地 は ア ク ゙ リ ス 培 地 ( 1 年 目 ) を 使 用 。 9 月 1 8 日 定 植 。

着 色 不 良 果 発 生 果 率

年 内 可 販 果

収 量

可 販 果 率 ( 果 数 対

比 )

草 高

表 2   液 肥 種 類 と 着 色 不 良 果 の 発 生 状 況 及 び 草 高 9 株 当 た り

1 1 月 1 2 月 1 月 2 月 3 月 合 計発 生 果 率 有 機 入 り 尿 素 複 合 液 肥 0 6 1 2 4 5 5 4 1 9 . 7 % 2 7 . 5 無 機 尿 素 複 合 液 肥 0 3 1 2 4 3 4 9 1 7 . 9 % 2 7 . 2

ア ミ ノ 酸 系 液 肥 0 0 0 0 3 3 1 . 1 % 2 6 . 8

水 0 0 0 0 3 3 1 . 3 % 2 6 . 5

着 色 不 良 果 の 発 生 状 況 3 / 1 0 草 高 ( ㎝ ) 液 肥 種 類

注 ) プ ラ ン タ ー ( 1 3 リ ッ ト ル ) に 3 株 9 / 1 8 に 定 植 。 1 区 3 プ ラ ン タ ー 。 液 肥 処 理 は 、 水 以 外 は 窒 素 量 を 同 一 ( N 5 0 m g / 株 / 回 ) で 、 5 0 0 m l / 株 / 回 施 用 。 液 肥 施 用 は 、 1 1 / 2 8 、 1 2 / 8 、 1 2 / 1 7 、 1 2 / 2 8 、 1 / 4 、 1 / 1 5 、 1 / 2 3 、 2 / 5 、 2 / 1 7 、 2 / 2 8 、 3 / 7 、 3 / 1 7 。 窒 素 成 分 2 g / 株 ( 基 肥 エ コ ロ ン グ N 成 分 0 . 6 g / 株 + 追 肥 ス ー パ ー ロ ン グ 1 0 0 日 N 成 分 1 . 4 g / 株 ) を 基 肥 と 追 肥 ( マ ル チ 前 ) に 施 用 。 3 月 2 8 日 収 穫 ま で 。 施 肥 培 地 は ア ク ゙ リ ス 培 地 ( 2 年 目 ) を 使 用 。

表 6   株 ご と の 着 色 不 良 果 の 発 生 と 草 高 の 推 移

1 0 / 3 0 1 1 / 1 4 1 1 / 2 4 1 2 / 9 1 2 / 2 1 1 2 / 3 1

1 1 9 2 5 2 7 3 0 3 2 2 9

2 1 8 2 6 2 9 3 0 3 0 3 1

3 1 9 2 7 2 9 2 9 2 9 3 0

4 1 8 2 6 2 8 2 9 2 6 2 6

51 2 / 9 2 1 3 2 3 4 3 8 3 6 3 6

61 2 / 9 , 1 2 / 9 2 2 3 4 3 5 3 8 3 3 3 3

7 2 0 2 9 2 8 3 0 3 2 3 0

8 1 8 2 7 2 7 2 9 3 1 2 8

9 1 8 2 8 2 9 3 1 3 3 3 2

1 01 2 / 9 , 1 2 / 9 2 0 3 2 3 3 3 7 3 5 3 3

1 1 2 1 3 0 3 2 3 8 3 4 3 4

1 21 2 / 9 , 1 2 / 9 , 1 2 / 9 2 2 3 5 3 6 4 0 3 5 3 4 草 高 の 推 移 ( ㎝ )

注 ) 施 肥 量 は 窒 素 成 分 で 3 . 6 g / 株 ロ ン グ ( エ コ ロ ン ク ゙ + ス ー ハ ゚ ー ロ ン ク ゙ 1 0 0 日 タ イ フ ゚ ) で 基 肥 と 追 肥 ( マ ル チ 前 ) を 半 量 ず つ 施 用 。 栽 培 様 式 は 高 設 栽 培 熊 本 県 方 式 で い ず れ も 2 条 外 な り 、 株 間 は 2 3 c m 、 培 地 は ア ク ゙ リ ス 培 地 ( 1 年 目 ) を 使 用 。 9 月 1 8 日 定 植 。

株 番 号 着色不良果の発生

表 3   か ん 水 量 と 着 色 不 良 果 の 発 生 状 況 及 び 草 高 9 株 当 た り

1 1 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合 計 発 生 果 率

多 か ん 水 0 6 2 5 1 7 3 0 1 1 .1 % 2 7 . 2

中 か ん 水 0 0 0 0 3 3 1 . 3 % 2 6 . 5

少 か ん 水 0 0 0 0 0 0 0 . 0 % 2 5 . 1

注 ) か ん 水 量 は 、 多 か ん 水 は 2 日 に 1 回 水 を 5 0 0 m l / 株 / 回 施 用 し 、 中 か ん 水 は 3 日 に 1 回 水 を 5 0 0 m l / 株 / 回 施 用 し 、 少 か ん 水 は 3 日 に 1 回 水 を 25 0 m l / 株 / 回 施 用 し た 。 そ の 他 は 表 2 と 同 じ 。

3 / 10 草 高 ( ㎝ ) か ん 水 量 着 色 不 良 果 の 発 生 状 況

表 5   カ ル シ ウ ム 剤 処 理 と 着 色 不 良 果 の 発 生 1 区 2 4 株 調 査

潅 注 葉 面 散 布 発 生 株 率

発 生 果 率

発 生 株 率

発 生 果 率

発 生 株 率

発 生 果 率

発 生 株 率

発 生 果 率

発 生 株 率

発 生 果 率

有 り 有 り 0 0 5 0 7 5 5 7 6 9 1 7 8 0 0 4 0 . 1

有 り な し 0 0 4 3 6 9 5 0 7 1 2 9 2 1 1 6 1 3 3 9 . 3

な し 有 り 0 0 5 0 6 7 5 7 6 7 1 7 1 5 0 0 3 9 . 6

な し な し 0 0 5 0 7 3 5 7 8 3 5 7 3 8 5 7 4 5 3 9 . 0

注 ) 栽 培 様 式 は 高 設 栽 培 熊 本 県 方 式 。 カ ル シ ウ ム 剤 の 処 理 は 1 / 3 1 と 2 / 6 の 2 回 処 理 で 潅 注 は ト - シ ン C a 2 号 ( C a O 5 % ) 3 0 0 倍 を 5 0 0 m l / 株 、 葉 面 散 布 は カ ル タ ス ( C a O 1 0 % ) 3 0 0 倍 液 を 3 0 m l / 株 処 理 。 発 生 株 率 は 各 調 査 日 に 収 穫 の あ っ た 株 に 対 す る 割 合 。

着 色 不 良 果 ( % ) 2 / 2 着 色

不 良 果 発 生 株 草 高

( c m ) 1 / 3 0 2 / 2 2 / 6 2 / 1 0 2 / 1 3

カ ル シ ウ ム 剤

C a O ( 対 比 )

正 常 果

0 . 6 9 ( 1 0 0 )

着 色 不 良 果

0 . 5 0 ( 7 2 )

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