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エモーション・スタディーズ(Emotion Studies)創刊に寄せて

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Academic year: 2018

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エモーション・スタディーズ 第1巻第1号 p. 1(2015)

エモーション・スタディーズ(Emotion Studies)

創刊に寄せて

この度,日本感情心理学会の新たな機関誌として,エモーション・スタディーズ(Emotion Studies)第1巻 第1号が発行の運びとなりました。心よりお慶びを申し上げます。

ここでは,紙面を節約しつつ親しみを込めて,本誌をESと呼ばせていただきたいと思いますが,ES発行の目 的は,感情研究の促進と発展のための情報提供,すなわち,学際的,分野融合的研究とともに,分野領域を問わ ず,最先端の感情研究を紹介し,感情研究に関する情報を発信・提供することです。

このような雑誌を創刊することになった背景を少し説明いたしますと,近年,常任理事会,理事会をはじめ, 学会運営に関わるメンバーが集まるたびに,学際的研究の重要性や面白さが指摘されてきたことと,社会的にも, 学際的研究や異分野融合研究が強調されてきている流れがあります(一例として,平成20年度より,科学研究 費補助金に「新学術領域研究(研究領域提案型)」が設定されています)。同時に,なによりも,日本感情心理学 会設立のそもそもの趣旨が,異分野の感情研究者の交流であり,会則にも,英語の学会名称(Japan Society for Research on Emotions)にもそのことが明記されています。本学会設立者のお一人でもあり,初代理事長の松 山義則先生が感情心理学研究の発刊に寄せられた言葉にも,異分野の交流の推進が力強く謳われています。

また,本学会設立のきっかけとなった国際感情学会(International Society for Research on Emotion: ISRE) については,学際的,かつ国際的な感情研究の促進が目的として掲げられています。この目的は,2009年に創 刊されたISREの機関誌であるEmotion Review誌に端的に体現されており,まさに学際融合的な世界の感情 研究者の意見交換,交流の場となり,多数の注目を集めているところです。ちなみに,Emotion Review誌の Christine R. Harris編集委員長からの速報によると(2015年6月19日私信),掲載論文の被引用回数の指標であ るThomson Reuters社のインパクトファクターは,2年間の数値が3.356,5年間では3.653となっており,多分 野領域の心理学関係129誌の中の15位に位置しているという活況です。

私たちのESによる情報発信は,まずは,日本を中心にした感情研究者に向けたものになりますが,組織とし て,これから世界の感情研究者との連携をどのように図っていくかを検討すべき時期に来ています。日本感情心 理学会発足当初から,繰り返しISREとの協力について言及されてきましたが,ISREとの協力関係を具体的なも のとし,どのように発展させていくかについては,遠からず本学会の現実的で重要な課題の一つになると言えま しょう。

さて,ESには,主要な柱として,特集とセミナー論文,さらに,感情研究に関する情報提供のための会報の セクションを設けることになりました。心理学の諸領域はもとより,学問の分野領域を問わず様々な感情研究を 紹介することを目的とし,会員のみなさまからも広く企画を求めることを規程に明記しています。企画は,学術 プログラム委員会で検討,決定され,ES編集部会が編集に当たります。内容の多様さに加えて,論文の形式や 分量についても自由度を高めた,柔軟な編集を目指したいと考えています。

創刊号につきましては,特集は,「社会的共生と感情」というテーマで,心理学の様々な領域の論文とともに, 文学・文化論,国際関係論の各分野からの論文を集めた学際的な内容となっております。また,セミナー論文は, 「感情と無意識」というテーマで心理学研究の最前線を紹介した論文で構成されており,会報では,米国の最新

の研究者情報と,年次学術大会に合わせて開催された若手支援企画としての研究会の報告が掲載されています。 学際研究の可能性と意義,個別分野の最先端の深い研究の面白さが示され,さらに,最新の感情研究に関する情 報を提供するという,まさに本誌発行の目的が体現された創刊号となりましたことに,論文,記事をお寄せいた だいた執筆者のみなさまと,準備作業を進めていただいた関係のみなさまに,心よりお礼を申し上げます。

日本感情心理学会発足から四半世紀となるのを前に,ES発行を新たな出発点としてますます感情研究が進展 することを祈念しつつ,創刊に寄せる言葉といたします。

2015年9月

参照

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